秋の乗り放題パスで行く宮城遠征(2日目/kenji編)

2泊3日で実施した宮城遠征の2日目です。
なお、1日目をご覧になっていない方はそちらを先にご覧になることをおすすめします。

本日の行程

2日目となる今日は一ノ関から大船渡線の始発列車で一旦気仙沼へ出て、そこから「kenji」による臨時快速列車を仙台まで乗車、折り返し便が出る夕方までの暇つぶしとして一路南下して常磐線を浪江まで行きそのまま折り返して、名取で途中下車して仙台空港鉄道に立ち寄ったら再び仙台から「kenji」で気仙沼に戻り1泊という行程になります。
要約すれば、「kenji」に往復乗車して、暇つぶしに常磐線と仙台空港鉄道を乗りつぶすというわけですね。

まずは気仙沼へ

2日目となる今日は一ノ関駅を5時59分に出発する大船渡線の始発列車で始まります。ちょうど先々月の「青森・岩手・宮城乗りつぶし旅」でも利用予定だった列車です。まあ、寝坊して乗れなかったんですけどねw(詳しくは当該記事参照)
利用する列車が同じならホテルも奇しくも同じだったのですが、まさに前回のリベンジという状況でした。前回は仙石線完乗を断念するだけで他は予定通り回れたのでよかったですが、今回は「kenji」のうち仙台行きには乗れなくなってしまうため前回以上に寝坊はあってはならないことでしたが、果たして・・・?


まだ薄暗い一ノ関駅・・・ということは
はい、無事起きられましたw


ラッシュアワーに備えてか6両編成がいました。
しかも、701系+E721系+701系というなかなか面白い編成


こちらが大船渡線の始発列車です。


留置線にいた701系と並べてみる


ふと見るとなんと留置線に今日乗る「kenji」がいるではないですか!?
ということは昨晩の運行で気仙沼到着後、回送で一ノ関まで持ってきて、また翌朝(つまり今日)回送で気仙沼に持っていき営業するということなんですかね。
気仙沼って結構主要駅だという認識でしたが、盛方面も気仙沼線もBRTによる仮復旧となっている現在、車両の保守などの施設は最小限しか用意されていないのかもしれませんね。


第三セクターに転換された区間があろうが、東北本線は東京と青森を結ぶんだと主張するようなレピーター

といったくらいで一ノ関駅を後にして一旦気仙沼へ向かうことになります。
大船渡線は前回も乗っているので記事は気仙沼に飛びます。

気仙沼駅にて「kenji」を待つ

1時間半ほど乗車して気仙沼駅に到着しました。一ノ関からの回送を狙ってか沿線には撮り鉄がいたわけですが、私も気仙沼駅で入線シーンを撮るつもりです。


その前に一旦改札を出ます。臨時快速の案内を撮影です。
それにしても、先ほどの大船渡線の始発列車から降りてきた人たちの多くはそのまま改札前に集合していましたが、皆さん「kenji」に乗るために私同様に一ノ関に泊まっていたんですかねw


途中駅での乗降はできませんとの注意書きが出ていました。

そんなところでまだまだ30分以上ありますが、駅員さんが気を利かせてくれたのか、よかったら早めにホームで待ちますか?と言って下さったのでお言葉に甘えてホームでスタンバイです。


留置線にいたキハ110


大船渡線BRT


臨時快速の乗車位置案内

ホームで待っているのは20~30名といったところで、撮影の為ポジションで待機する人、乗車位置で大人しく待つ人とそれぞれの過ごし方で「kenji」の入線を待ちます。


↑いよいよ入線です。


切り欠きホームがあるおかげでいい感じで撮れました。


昨晩は暗かったので明るい時の写真ということでしばらく撮影タイムとします。


回送幕のままなのは突っ込まない方向でいいんでしょうか?w
なんか、このまま客扱い始めちゃってますけどw


中間車はキハ58系(キハ28形)の面影がありますね。


反対側も撮ったらいよいよ乗車です。


車内です。オリジナルのキハ58系に比べればかなり豪華な設備ですが近年の特急型車両と比べれば普通ですかねw


貸切運転に対応してかマイク端子がありました。


せっかくなので展望席へ行ってみるとなんと空席があったのでそのまま着席することに。


それにしても、なんで運転席にラジカセがあるんでしょうかw


火災を経験している(詳細は後述)車両ゆえかスプリンクラーも装備していました。

と言った所でぼちぼち発車時間です。

「kenji」 気仙沼→仙台3時間の旅

ここから仙台までのおよそ3時間の旅が始まるわけですが、その前に「kenji」について、それから今回運転される臨時快速について説明をしておきましょう。
まず、「kenji」についてですが、JR東日本が保有するキハ58系を改造したジョイフルトレインです。元々は「サロンエクスプレスアルカディア」という名称でしたが、登場から間もない1988年に火災事故を起こし、1両を焼失してしまいます。残った2両は無事だったものの運用停止となり、1992年に盛岡支社に転属して焼失した1両の代替車両を追加で用意した上で復活を果たしました。同時に愛称を岩手出身の宮沢賢治に因んで「kenji」と改められ、以後は団体列車を中心に活躍しています。
現在は種車となったキハ58系はJRグループでは全て引退してしまっていることもあり、大幅に改造されているとはいえ、JRグループ唯一の現役のキハ58系という意味では大変貴重な存在です。

そして、今回の臨時快速ですが、仙台~気仙沼間を1日1往復、特定日に限って運転されました。運転日ですが、10月は9日・10日・17日・18日、11月が3日・4日・10日・11日となっています。カレンダーと照らし合わせてもらえば分かると思いますが、必ずしも土休日とは限らず平日にも運転があるのが面白いですね。
ルートは大船渡線・東北本線経由であり気仙沼と仙台という宮城県内の都市同士を結んでいながら一旦岩手県を経由する遠回りなものになっていますが、これは最短経路である気仙沼線がBRTでの仮復旧になっていて列車が通れない状態であるために迂回経路として大船渡線経由を選択しているようですね。そして、ちょこっと触れましたが途中駅は一ノ関や小牛田と言った主要駅すら容赦なく通過してしまい、仙台~気仙沼間をノンストップで走破します。

この区間にはかつて快速「南三陸」という列車が走っていて、仙台~気仙沼間を2時間前後で結んでいましたが、震災以来運休が続いており、その代替ルートとして一ノ関経由が成立するかという実験的要素もありそうですね。
現在の仙台~気仙沼間の主力交通機関は高速バスとなっていますが、これが所要時間が3時間程度を要しており、今回の臨時快速とほぼ互角の所要時間であることから利用が好調であればこのルートでの快速列車を定期運転したい思惑もありそうです。

余談になりますが、仙石線が不通だった間、仙台~石巻間を小牛田経由で結ぶノンストップの臨時快速が設定されたことがあり、それの気仙沼バージョンとも言えますね。

といったところで説明はこれくらいで、旅の続きと行きましょう。
結局、展望席を余裕で確保できることからもお察しの通り、乗車率はかなり低そうです。「kenji」の定員は130名だそうですが、大まかな感覚で言っても乗っているのは20~30名がいいところじゃないかと思いました。乗車率に換算すれば23%程度・・・PR不足もあるでしょうが現段階では好調とは言いかねる様子ですね。
もっとも、今回はたまたま余っている「kenji」を使っただけで、例えば1~2両程度のワンマン列車で20~30名の乗車ならばそれほど悪い乗車率ではないとも思えますし、今後PRを続けて鉄道での移動が定着していけばこの快速列車は見込みあるのではないかとも思いました。


せっかく展望席に乗りましたし、展望風景の写真を貼りつつ気仙沼駅を発車していきます。


せっかくの展望席だと思うとつい写真を撮りまくってしまいますw

気仙沼を出て2駅目の折壁駅で対向列車と行き違いのため運転停車がありました。まあ単線区間の臨時列車ではつきものですし、仕方ないですね。


対向列車がやって来てようやく発車です。


こちらは摺沢駅です。元々都市間輸送の役割はあまり果たしていなかったこともあって1線スルー化といった改良もされていないため、交換可能駅ではどうしてもポイント制限を受けてスピードダウンしてしまうのは快速運転にはネックですね。


通称鍋弦線区間を越えて陸中門崎の先で北上川を渡ります。


↑北上川橋梁を渡る時は動画で


↑大船渡線も終わりで一ノ関駅に入線します。

そして、ここ一ノ関駅でまさかの20分近い運転停車というw
そんなに停まるなら一ノ関駅で客扱いしてくれれば東北新幹線に乗り換える人は便利ですし、一ノ関~仙台間の都市間輸送でも利用できて利用者も増えそうなんですが、今回はあくまで仙台~気仙沼間の流動調査が目的なんでしょうから、一ノ関で客扱いしてしまうとその分の”ノイズ”がデータに混じってしまいますしねぇ・・・
ホームに出て撮影したい衝動に駆られながらも車内で大人しく過ごしようやく発車時間です。

東北本線に入ると幹線規格の線形を活かした安定した走りで快調に飛ばしていきます。


ただ、一ノ関駅でスイッチバックした関係で進行方向逆向きになってしまったんですよねw
今更反対側の先頭に移動する気にもなれず、このまま”逆展望”を楽しみます。


逆展望で東北本線を南下します。


仙石線との併走区間


仙石東北ラインが通る連絡線との分岐点


一旦寄り添った仙石線が再び別れていきます。


何気ない景色も展望席だと特別ですよね。
列車の先頭でかぶりつきを楽しんでいた頃を思い出しました。


そろそろ仙台駅も近くなり車両基地が見えます。


東北新幹線と並走しつつ対向列車とのすれ違いシーン


それにしても、東北新幹線の高架の橋脚が思いの外細くて驚きましたw


気仙沼から3時間の旅もいよいよ終わり。仙台駅に入線しました。

思ったのは、折壁駅での交換待ちは仕方ないとして、一ノ関駅での運転停車をなくせば所要時間は2時間40分ほど、ダイヤを調整して交換待ちも無くせれば2時間半程度の所要時間で仙台~気仙沼を結べる可能性がありますから、所要時間面では一ノ関経由の経路でも都市間列車として成立しうるのではないかと思いました。
問題は運賃面でして、大船渡線は大都市近郊区間には含まれず、経路特定区間や列車特定区間の特例もないことから実際の乗車経路である一ノ関経由の運賃を支払う必要がありますが、この経路で計算すると運賃は3020円、一方、震災以前の経路である気仙沼線・石巻線・東北本線経由だと2360円でして、乗客からしてみれば気仙沼線が不通なのは震災が原因とはいえJRの都合で高い運賃を押し付けられる形になりますし、何らかの特例を設けて直通快速列車に乗車する場合に限り、一ノ関経由で乗車しても気仙沼線経由の運賃で計算できるようにするか、直通快速利用が前提のトクトクきっぷを発売するといった施策は必要だと思いました。
参考までに高速バスは片道2000円(回数券利用で1回あたり1850円)ですから、高速バスより少し高い程度の水準に抑えたいですよね。

仙台駅でも「kenji」を撮影

気仙沼から3時間かけて仙台までやって来たわけですが、このまま即撤収なんて真似はせず、もちろん「kenji」を撮影していきます。


とは言っても、細かい部分はあらかた撮ってしまいましたし、正面くらいですかねw


「kenji」なんて表示もできるんですね。


色違いバージョンまであるというw

あとは回送シーンを動画で撮って撤収ですね。


↑回送シーン


撤収しようと思ったら北斗星の案内が残っているのを発見
もはや思い出の中の列車ですが、こうして痕跡を見つけると嬉しいですね。

撮影も終えてコンコースの立ち食いそばで軽く昼食を済ませたら次の列車に乗り継ぐわけですが、ちょっと気になるものを見かけたのでご紹介します。


東北本線~東北新幹線の所要時間の変遷をまとめたパネル


仙山線を紹介するパネル


仙石線を紹介するパネル
どれも読み応えのある内容で乗り換え待ちの暇つぶしにはもってこいでした。

常磐線を乗りつぶし

「kenji」という本日のメインを早くも終えて次の行動は常磐線の乗りつぶしです。
常磐線も東日本大震災の影響で不通が続く路線の1つで、順次運転再開されているものの、現在も浪江~富岡間が不通でバス代行となっています。よって、今回は列車で辿ることの出来る浪江までを乗りつぶします。


やってきたのは701系でした。ただ、問題は行先でして・・・・
実は行程表では私が乗る列車は浪江行きとなっていたのですが、実際にはご覧の通り原ノ町行きでした。
行程表作成時に写し間違えたなどのミスを疑って再度確認するもやはりこの時間にあるはずの列車は浪江行き・・・
そして、調べてみるとこの浪江行きは原ノ町で列車番号が変わり、更に原ノ町で停車時間があるようで、恐らくは原ノ町到着後そのまま浪江行きの列車となるが、案内上は原ノ町行きということにしているんだと納得して乗車しました。
最悪浪江まで行ってくれなくてもそのまま折り返す行程である以上、乗りつぶしの取りこぼしは出るもののとりあえず今後の行程には影響ありませんしね。

仙台駅を発車して岩沼までは東北本線を走りますが、仙台近郊の区間列車という役割もあるようで途中駅での下車も結構ありました。しかし、岩沼を過ぎて常磐線に入る頃には立ち客もいなくなっていましたけどね。


常磐線の中でも相馬~亘理間では特に津波被害が大きく内陸寄りのルートに変更の上で復旧されており、真新しい高架橋を走る区間もあります。


田園風景の中の高架橋というと、ほくほく線や智頭急行のような雰囲気ですが、ここは経緯が特殊ですからねぇ・・・


新地駅です。震災の当時、ここにはちょうど停車中の列車があり駅舎もろとも津波により流出しますが、偶然乗り合わせていた警察官の迅速な誘導で乗客乗員の全員が高台へ避難していたおかげで難を逃れたという逸話が残っています。
震災後は内陸に移転の上での再建なので、ホームもピカピカで開業間もない新駅のようです。


そして、終点の原ノ町に到着ですが、アナウンスによると予想通りこのまま浪江行きとなるようです。


乗り場案内は「いわき・水戸・上野」方面のままでした。
一応代行バスを乗り継げばいわき以南へも通り抜けられますが、全線復旧を見越してこの案内なんですかね。

そして、浪江まで乗車し、不通区間北側の乗りつぶしは終わりです。

浪江駅

現在列車が通う区間としては実質的な終点となる浪江駅ですが、ここで10分ちょっと滞在時間があるので取材していきます。


駅名標です。
不通区間内の駅である双葉駅も載ったままですね。
残る不通区間は原発事故による帰還困難区域を含みますから時間はかかるでしょうが、2020年3月の再開を目指して復旧が進められているそうです。
ちなみに、当駅は現状列車で訪れることの出来る駅としては最も福島第一原発に近い駅になるんだそうですよ。


乗り場案内もいわきや上野も載ったままです。


原ノ町・仙台方面は普通に列車が走っているのでこっちは違和感ないですね。


名所案内


現状、3番線のみを使用する形になっており、1番線・2番線はレールが錆びてしまっていますね。


特徴的なのは1番線・2番線を横切るように設置された仮設通路です。
確かに現状使っていない線路ならば、仮設通路を設ければ階段の昇り降りが不要になってバリアフリーではありますが、だったら最初から駅舎に面した1番線で折り返す運用にすればいいのにw
なお、この運用は広野~竜田間復旧前の広野駅でも見られました。


常磐線はいわきや水戸へ繋がっているんだということを強く主張するがごとく大量に並んだ看板
早くここでいわき行きが見られるようになるといいですね。


改札口はごくシンプルな構造ですが、現状利用者は少ないようですし、妥当なんでしょうね。
ちなみに、駅員配置は11時10分~19時10分の間のみであり、それ以外は乗車駅証明書を取って下車駅や車内で精算する方式なんだそうですよ。


時刻表ですが、2時間に1本程度しかないんですね・・・


紙の時刻表もありましたが、通勤・通学時間帯でさえ1時間ヘッドなんですね。


震災前はみどりの窓口も設置されていたという当駅ですが、現在は廃止されており、代替として指定席券売機が設置されています。


代行バスの案内です。
ちなみに、浪江駅までやってくる代行バスは1日2往復しか無く、不通区間を通り抜ける場合、行程の選択肢はかなり少ないです。


駅舎内は何だかガランとしていますね。
これも利用者の少なさを象徴しているんでしょうか・・・


駅舎です。ここは駅舎の流出といった被害は免れ、震災以前の駅舎が使われているようです。


入口部分


タクシー乗り場とバス停の屋根は独特のデザインですね。


バス停には浪江町営バスとありますが、これはかつてJRバス東北が福浪線として福島駅まで結んでいた路線が廃止され、浪江町内の区間を代替する目的で運行されていましたが、震災、及び原発事故の影響で運休となり、代替としてデマンドタクシーが運行されているようです。
目の前に停まっている車がそのデマンドタクシーでして、浪江町に住民票を持つ人限定で自宅から駅や病院、商業施設への移動に利用できるんだそうですが、時刻表はなく電話で申し込み随時運行するということなので路線バスというよりはタクシーですね。
これとは別に南相馬市へ向かう系統もあり、こちらは大まかですが時刻表と運行日が決まっており、浪江町内の自宅と南相馬市内のスーパーや病院まで1日2往復走っているようです。

とはいえ、利用対象が町民のみということを考えれば当駅から利用できる公共交通機関は実質JR代行バス以外存在しないことになりますね。
ちなみに、震災以前は高速バスとして東京行きの「いわき号」、大阪行きの「シーガル号」がそれぞれ乗り入れていましたが、震災以降はいわき以北を運休扱いとしていて利用できません。


こちらがJR代行バスの乗り場のようです。

さて、浪江といえばB級グルメの「なみえ焼きそば」が有名ですが、それを食べる暇もなくもうそろそろ駅に戻らねば・・・

このあとは来た道を引き返して名取を目指します。

行きはよいよい帰りは・・・

浪江から乗車した原ノ町行きでまずは原ノ町を目指します。
浪江行きのときと同じメンバーを何名か見かけましたが、彼らも乗りつぶし目的だったんですかねw


2度目の原ノ町ですが、数分乗り換えなので写真はこれだけw
ちなみに、今度は別の車両が待っていて完全に別列車でした。


そろそろ高校生の帰宅時間が始まるためか4両編成でした。

さて、後はこのまま名取まで乗っているだけ・・・だったのですが、まさかのハプニングが・・・
先頭車に乗っていたため運転室の音は全て聞こえていたのですが、突然「○○M(乗っていた列車の番号)運転士、止まれ!止まれ!」と無線が入りました。
すかさず非常ブレーキが扱われ列車は駅間で停止・・・
その後のやり取りを聞いていると沿線で車が脱輪して線路に支障している可能性があるため徐行運転で通過せよという内容でした。
これで遅延は決定的になったわけですが、名取駅は取材時間も兼ねて長めの乗り換え時間としていたので最悪取材をカットしてすぐに乗り継げば何とかなりそう。
人身事故とかで1時間単位で足止めにならなかっただけマシということで気を取り直して進みます。

名取駅

結局5分弱の遅れで名取駅に到着しました。
何とか取材時間は確保できそうなのでちょっと急ぎ足になりますが、レポートします。


↑乗ってきた列車の発車シーン


駅名標です。ここから分岐する仙台空港線はJRではなく仙台空港鉄道という別会社になるため色が変えられていますね。


仙台空港線乗り場の駅名標


縦型


ホームです。2面3線のいわゆる国鉄型ですが、元々中線だった2番線は仙台空港線乗り入れに合わせて軌道を強化する改良が施されているそうです。


ここで貨物列車が通過です。


↑動画もどうぞ


エスカレーターは随分狭いですね。エスカレーターでの歩行が問題になっているのでそれの対策だったりするんでしょうか。


エスカレーターを上がるとこれがお出迎え
以前の駅舎に付いていたものだそうですが、どんな駅舎だったんですかね。


随分大きな乗換案内だなと思ったらトイレでしたw


改札を出て東口の階段


こちらが入口です。


駅舎はよく言えば都会的な、正直言えばありきたりなデザインですね。


ちょうどバスがやって来ました。驚きの白さのデザインで、どこかの企業の私有バスだと思ったら列記とした路線バスで、「なとりん号」という名取市のコミュニティバスだそうです。
ちなみに、当駅に乗り入れるバスは全て「なとりん号」であり、民間の路線バスは乗り入れていないようです。仙台市にも近い都市近郊の駅ですら民営バスが存在しないというのはちょっと驚きでした。


駅近くにはサッポロビール仙台工場があります。かつては専用線を使って製品の鉄道輸送が行われていたそうですが、トラック便へ切り替えられオフレールステーションとなった後、トラック便も廃止となり、JR貨物による輸送は終了しているようです。
工場自体は現在も稼働しているようなので自社でのトラック輸送に切り替えたとかですかね。


反対側の西口にも来てみました。

それでは構内に戻ります。ちなみに、仙台空港鉄道は秋の乗り放題パスでは乗れませんので別途切符を買っての乗車です。


お次に乗る仙台空港行きです。


あの高架橋が仙台空港線です。


やってきたのはJRのE721系ですが、500番台という仙台空港線専用の番台区分となっていて塗装も異なっています。

仙台空港鉄道仙台空港線

名取から乗車する仙台空港線ですが、これは解説を入れておきたいと思います。
1991年に仙台空港がジェット機に対応して滑走路延伸が検討されたのに合わせて、アクセス鉄道の整備が検討され、地下鉄の延伸、モノレール・新交通システムの整備、JR線からの分岐線などの案が出ましたが、JR線分岐案が採用され、JR東日本を事業主体とする方向で打診されますが、JR東日本は採算面を理由にこれを拒否、結局第三セクター方式で建設し、名取駅からJR線に直通する方式となりました。

開通以前は空港アクセス手段として仙台市交通局によってリムジンバスが走っていましたが、仙台空港線開業と同時に廃止され、その後愛子観光バス、東日本急行バスがそれぞれ仙台市内と空港を結ぶバスを運行開始しますが、いずれも振るわず廃止されたため、仙台市内と空港の移動は公共交通機関では鉄道の独占状態にあります。

あと、仙台空港線とか、仙台空港アクセス線とか色んな呼び方があるんですが、仙台空港線は名取~仙台空港間の路線の正式名称であり、仙台空港アクセス線と呼んだ場合は直通運転される東北本線名取~仙台間も合わせた仙台~仙台空港の運行系統の愛称ということになります。
その仙台空港アクセス線の運行形態ですが、全列車がJRに直通して仙台~仙台空港間での運行となっており、逆に仙台駅より先まで直通したり、名取から岩沼・白石・福島方面へ直通する列車はありません。ほとんどの列車が普通列車でありJR線区間を含めて各駅に停車していきますが、1日3往復のみ快速列車が設定されており、快速列車は途中名取のみ停車となります。


乗車したのはJRのE721系500番台でしたが、大荷物を抱えた空港利用者に配慮して荷物置き場が用意されていました。

夕方の帰宅ラッシュの中杜せきのした、美田園の2駅に停車したら仙台空港に到着です。両駅とも付近に商業施設が出店しており正直空港利用者よりも沿線の地元利用者のほうが多かった気もしますw

仙台空港駅

仙台空港駅も折り返し時間僅かですがレポートしておきます。


駅名標


ホームです。1面2線の島式です。


乗り場案内は「名取・仙台方面」というシンプルなもの


終端部


鉄道むすめがデザインされた自販機


改札口です。Suicaの仙台エリアに含まれており、Suica対応です。


切符売り場です。券売機は3台ですがスペース的には5台分あるようなので将来的に利用状況次第で増備できるようにってことなんですかね。


ガチャガチャがいっぱいw


ここにも鉄道むすめがw
名前を「杜みなせ」というそうで、杜せきのした駅の杜に、美田園、名取、仙台空港の3駅の頭文字が由来だとか。


記念撮影用?


今回は立ち入りませんが空港ターミナルビルです。


空港らしくカートが並んでいました。


空港ターミナルへは連絡橋で直結しています。

と言った所で折り返します。時間もないのでSuicaタッチで入場したいところですが、JRとの境界である名取駅を通り越してそのまま仙台まで行ってしまうので秋の乗り放題パスとの併用の都合上、切符を買わなければならないのが面倒ですが、これもコレクションになると思えばいいのかなw

その仙台への道中ですが、ちょうど帰宅ラッシュが重なりかなりの混雑でした。空港利用者だけでは採算が厳しいのかもしれませんが、空港利用者のために作った鉄道なのだから混雑する時間帯は快速列車を増発するなどして空港利用者と一般利用者を分離するなどした方がいいと感じました。

仙台駅で小休止

一通りの乗りつぶしも終えて、あとは「kenji」で気仙沼へ戻るだけですが、少し時間があくのでまた駅をぶらつきます。
昨晩は牛タンをいただきましたが、まだ食べていない仙台名物があったような・・・?


乗ってきたE721系500番台を撮ったら一旦改札を出ます。


「ミスター生き地獄」(藩士しか分かりませんねw
というフレーズでおなじみの「ずんだ餅」
甘党の私はもちろん美味しく頂きました。


構内に戻ったら暇つぶしに撮影です。
仙石東北ラインのHB-E210系


↑発車シーンは動画撮影

あとは「kenji」の入線を待ちますが、入線動画は昨日も撮ったので今度は撮影場所を変えて向かいのホームで撮ることにしました。
昨晩もホームにいたおかげで他の列車の動きも把握できていますからカブられる心配がないのが分かっていますしね。


↑「kenji」入線シーン


キャプチャ


編成写真風に撮ったら急いで乗り場へ移動・・・しようと思ったら・・・


見慣れない車両がいました。阿武隈急行の車両だったようですが、阿武隈急行は朝夕に1往復ずつ仙台駅直通運転があるそうで、それに遭遇したわけですね。

気仙沼へ3時間の旅

それでは「kenji」に乗り込んで気仙沼へ3時間の旅と行きましょう。
今回も何となく展望席に乗りましたが、私の他には1人しかいませんでしたw
まあ、とっくに外は真っ暗ですし、展望席の意味もないんですがw

一ノ関でのやたらと長い運転停車は気仙沼行きでもあるようで、この先は逆向きになるためもう一人は移動してしまい展望席は私の貸切状態になりました。一般の席を見てもガラガラでしたが、これに乗って気仙沼へ行ってしまうと接続は本吉行きの気仙沼線BRTか盛行きの大船渡線BRTのみで、一ノ関方面へ引き返す列車はもうありませんので宿泊必須になるし、せっかくの「kenji」で暗い時間帯に乗っても仕方がないということもあって気仙沼行きは乗り鉄には不人気なのかもしれませんね。
まあ、その分キハ58系のエンジンサウンドは最高の環境で録音できましたけどw


道中はほとんど乗ってるだけで書くこともないので気仙沼で撮った「kenji」を貼って終わりにします。


このBRTに接続があるおかげで、一応大船渡へ向かう人もこの列車の恩恵を受けられるわけですが、接続時間が微妙なんですよね。
一ノ関からの普通列車に接続したダイヤになっているので当たり前といえば当たり前ですがw

駅は前回訪れた時に大体撮っているのでこのままホテルへ向かいます。ホテルは駅前の好立地なところですが、逆に言うと気仙沼駅周辺のホテルは1軒しかないため、気仙沼に泊まろうと思うとそのホテルしかなかったりしますw
ただし、それは気仙沼駅が気仙沼市の中心から外れた位置にあるせいであり、気仙沼市中心部へ行けば何軒もホテルがあります。鉄道利用者は気仙沼駅に近いほうが便利なので結局ホテルは1択になりますけどねw

一緒に「kenji」に乗り合わせていた人の何人かもそのホテルへ向かっていました。そのホテルは「kenji特需」で潤っているかもしれませんねw


ホテルから見た夜の気仙沼駅


仙台駅ではずんだ餅を食べただけで、ちゃんとした夕食は食べていなかったのでホテルにあるレストランで頂いた定食です。
海のものを食べられて良かったです。
ちなみに、気仙沼といえばフカヒレということで姿煮もメニューに合ったんですが、あまりの値段に流石に手が出ずw

というわけで、2日目は以上になります。
3日目は追ってレポートします。
~追記~
3日目も公開しました。

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つばめ501号(管理人) について

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