レトロでんしゃ館&日進工場見学

今回はリニア鉄道館名鉄資料館「ゆとりーとライン」&「基幹バス」と続いた愛知シリーズの4回目となり、愛知県日進市にある名古屋市交通局が運営する「レトロでんしゃ館」と隣接する日進工場の見学をする機会がありましたのでそのレポートとなります。

「レトロでんしゃ館」へ

名古屋にとっていた宿も今日でチェックアウトとなり、まずは地下鉄を乗り継いで赤池駅まで向かいます。
赤池駅からは徒歩で10分弱で「レトロでんしゃ館」に到着できますが、地図上ではすぐそこにあるように見えるんですよね。
実際にすぐそこにあるんですが、大きな幹線道路がその間に横たわっており、道路を渡れる場所が少し迂回した交差点以外にないため実質的に徒歩10分の移動を強いられるわけです。
もともと、車両整備工場である日進工場の一部に一般向けの施設としてオープンしたものが「レトロでんしゃ館」ですから、駅からの利便性はそれほど考慮されていないのかもしれませんね。
まあ、名鉄資料館よりはアクセスは容易でしたけどねw

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というわけで見えてきました!
随分変わった形の看板だなぁと思っていると・・・

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シールドマシンのモニュメントでしたw
ちなみに、シールドマシンとはトンネルを掘るときに使用する専用の機械で、この円盤状の部分が回転しながら岩盤を削り取り、同時にトンネルの外壁を随時設置していくことでトンネルを掘っていくというものです。
このような工法をシールド工法といい、シールド工法で掘られたトンネルはシールドトンネルといいます。長大山岳トンネルや地下鉄の建設で大活躍中の工法です。

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おっと、忘れるところだったw

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「レトロでんしゃ館」の看板です。鯱をモチーフにしたであろうキャラクターが印象的ですw

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こちらが「レトロでんしゃ館」です。ちなみに、正式名は「名古屋市 市電・地下鉄保存館」といい、名前の通りかつての名古屋市電や名古屋市営地下鉄で活躍した車両や関連する品々を展示する施設となっています。
なお、「レトロでんしゃ館」の入場料は無料で、名鉄資料館と違って予約をしなくても開館日であれば見学が可能です。
ちなみに、今回は隣接する日進工場の見学も行いますが、こちらは事前申し込みが必要です。窓口で受付を済ませた我々は、まだ開始時刻まで時間があるということで、しばらく館内を見学することにしました。

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当館の目玉は市電の実物展示ですよね。名古屋市電は私の生まれた時には既に全廃されていましたから、リアルタイムで見たことは一切ないわけですが、今でも地下鉄駅として残っている電停名があったりするとかつて、地下鉄の代わりを市電が果たしていたんだなと実感しますね。

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さらに嬉しいのは車内にも入れることです。鉄道博物館やリニア鉄道館でも一部車内に入れる車両もありましたが、立ち入れる範囲が限られていたり、ビニールが敷かれていて往時の雰囲気ではなかったりしますが、ここは車内の全てが自由に入ることができ、まるで営業運転当時のままを体験できる感じです。

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営業運転中は絶対に入れない運転台にも入ることができます。マスコンを握ることもできますから、運転士気分も味わえます。

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別の市電もありました。ちなみに、もう1両市電が展示されているのですが、いい写真が撮れていないので、皆様が実際に訪問された時のお楽しみということでw

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地下鉄も1両だけですが展示されています。こちらはかつて東山線で活躍した100形という電車です。
なんだか西鉄モエ901形に見えるのは九州人の性でしょうかw

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第三軌条方式といって、走行用のレールとは別に電気を流すためだけのレールがもう1本設置されており、そこから電気を供給するため、このような集電靴という部品が付いています。
この方式は初期の地下鉄でよく用いられましたが、最近の地下鉄は地上を走る私鉄と相互乗り入れを行うケースが多いため、通常の架線給電となっていることが多く、現在では少数派です。

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そして、もう1つ子の車両の特徴として「打子式ATS」というものが使われていることです。あ、ATSといっても当サイトのことではないですよ?w
そもそもATSが何なのかという話をしてしまうと、それだけでちょっとした1つのコンテンツになりそうなので、ここではとりあえず「赤信号に突っ込みそうになったらブレーキを掛けて列車を停めてくれる装置」という認識で結構かと思います。
で、この「打子式ATS」は赤信号だと立ち上がり、それ以外なら寝ている”打子”という叩き棒を線路際に設置しておき、その打子が列車側に付いているブレーキ弁を叩いて開放することで自動的にブレーキが掛かって列車が停まる仕組みです。

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そして、こちらが車両側です。左上の方に写っているのがブレーキ弁で、打子がこれを叩くことで列車が停まります。

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車両以外にも台車といった部品の展示もあります。

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こちらは市電のマスコンです。内部構造がスケルトンで見えるようになっていて、マスコンを動かして接点を切り替えていく様子が見えます。

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ジオラマもあるのですが、気になったのが”ゆとりーとライン”です。
ガイドウェイバスである”ゆとりーとライン”が普通の高架道路を走っている点は突っ込まないとしても、運行密度がおかしいw
ラッシュ時は3分間隔の運行になるようですが、それでもここまでビッシリにはならないでしょうw
あ、でも、もし西鉄バスが天神地区にガイドウェイバスを導入したらこんな感じになるかもしれませんねw

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車両以外にも、市電や地下鉄で使われた品々も見ることが出来ます。

といったところで、工場見学が始まる時間になったので係の方の案内で工場へ向かうことにしました。

日進工場へ

いよいよ工場へ入ります。すごいのは普通に作業が行われているところを見学できるということですね。
最近は各地で車両基地や車両工場を開放するイベントが行われているので、工場内に立ち入るだけならそれほど珍しいものではないですが、実際の作業が見られるのは、特別なツアーなどを除けばここだけではないでしょうか。
しかも、係の方が付きっきりで解説して下さる上に無料というのだから、ありがたいですよね。

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たくさんの台車が並んでいます。

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台車だけ単独で

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いかにも工場っていう雰囲気が好きです。

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車輪を駆動するためのギアボックスの中身が見えるようになっています。

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台枠だけになっていました。

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「レトロでんしゃ館」にもあった100形のカットモデルでした。

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こちらはモーターです。

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まさに作業中でした。

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整備中の車両たちが台車を外された状態で並んでいます。

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先頭部の貫通扉が開いているのもレアな光景ですよね。

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クレーンのオペレーター室

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工業扇

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ぱっと見モーターっぽいですが、空気圧縮機(エアーコンプレッサ)です。

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シングルアームパンタグラフ
ちなみに、昇降体験もさせて頂きました。

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こちらは昔ながらの菱形パンタグラフ

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車両の牽引などに使う専用機関車です。様々なタイプの車両と連結するために連結器は特殊なものになっているそうです。

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しばらく撮影タイムを下さるとのことなので別アングルでも撮ってみました。

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そして、見学は工場外に向かいます。

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早速、車両が出迎えてくれました。

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よく見れば「団体幕」でした。もしや見学用にサプライズで用意してくれたのでしょうか。

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たくさんの車両が見渡せる場所で記念撮影までさせて頂きました。
この他、新品の車輪と交換寸前の車輪の直径がかなり変わっていることを触らせて頂きながら解説頂きました。

とても見応えのあるものばかりで、見学時間はあっという間に過ぎてしまったという気がしますが、係の方の実体験を踏まえた説明もまた、とても興味深いものでした。楽しむだけでなく、しっかり勉強にもなるという、まさに「見」でした。

このあと、再び「レトロでんしゃ館」に戻りまして、団体としては解散となりました。あとは東京へ帰るだけ!・・・とはならないのが私ですw
どこへ行ったのかは次回のレポートでのお楽しみ言うことでw

3000
この3000形に乗って伏見駅経由で名古屋駅に戻るというところまでは予告しておきましょう。
ちなみに、3000形は前回鶴舞線に乗った時に撮影だけはしていましたが、乗るのは初めてということでばっちり走行音も収録できました。

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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レトロでんしゃ館&日進工場見学 への2件のフィードバック

  1. rs のコメント:

    方向膜は、日焼けして色が薄くなるので、しばらく使わない車両は、使わない行き先にしておくとの事です

  2. つばめ501号(管理人) のコメント:

    コメントありがとうございます。
    なるほど、そういう事情で「団体幕」だったんですね。
    それでもなかなか見られない幕を見られてよかったことに変わりはありませんがw
    今後とも当ブログをよろしくお願いします。

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