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JRの運賃・料金 ~乗車券・原則編~

先ほどのページではJRの運賃・料金の基礎と切符の種類について解説しましたが、このページでは乗車券の制度の原則について詳しく解説していきます。

券売機とみどりの窓口

普段近距離でしかJRをご利用にならない方は「きっぷは券売機で買うもの」という風にお思いの方もいるかもしれません。
しかし、券売機ですべての切符が買えるわけではありません。一般的に券売機で買えるのは2000円前後以内の比較的近距離のきっぷで一般的な経路のものに限られます。
長距離のきっぷや経路指定をする場合はみどりの窓口へ行く必要があります。
みどりの窓口は時刻表の索引地図で緑色の点で示された駅にあります。また、JR東日本の一部駅ではみどりの窓口と同等のきっぷが買える券売機が設置されている駅もあります。
みどりの窓口以外に旅行会社でもJRの乗車券を購入することができますが、きっぷの代金以外に手数料がかかる場合もありますし、キャンセル・変更をする場合の扱いもややこしくなるのでお近くにJRのみどりの窓口があるならばそちらで買うことをおすすめします。
なお、JRグループ全ての会社相互間で乗車券の購入ができますので、東京駅で札幌→函館の乗車券を買ったり博多駅で東京→熱海のきっぷを買ったりもできます。
ただし、JR各社が独自に設定する企画乗車券などはその会社の管内でしか購入できない場合が多いのでご注意下さい。

購入できる期間

乗車券に限らず全てのJRのきっぷはみどりの窓口で購入でき、使用する日の1ヶ月前から発売されます。
また、一部企画乗車券を除いては旅行当日に買うこともできます。

乗車券とクレジットカード

すぐにお金の持ち合わせがないという場合に便利なのがクレジットカードですが、みどりの窓口でも使用することができます。
ただし、注意が必要なこととして、クレジットカードで買ったきっぷは購入した駅でしか払い戻しができません
現金で購入した乗車券であれば、東京駅で買ったきっぷを大宮駅で払い戻すなんてことも可能ですが、なぜクレジットカードだけこんな扱いになっているのかというと、不正利用対策です。
乗車券というのは払い戻すと決まった額が返ってくるため、端から使う気のないきっぷを買ってすぐに別の駅で払い戻せばクレジットカードから現金を取り出すことができてしまいます。それを防ぐためというわけですね。

乗車券に必要な3つの要素

乗車券を買うときに必要な3つの要素があります。
1.利用する区間
当然ですがどの駅からどの駅まで乗るのかは必要です。
また、区間は利用する列車ごとではなく、乗り継ぎの有無にかかわらず最初に乗る駅から最後に降りる駅までです。
名古屋駅から東海道新幹線で東京駅に出て山手線で上野駅、そこから特急「ときわ」「ひたち」で水戸に行くような場合、乗車券は名古屋→水戸ということになります。
2.利用する経路
これは意外と見落としがちですが、JRの場合同じ区間を利用する場合でも利用する経路によって運賃が異なります。
従って通常は駅員さんが最も一般的な経路を勝手に指定してくれる場合が多いですが、経路もちゃんと伝えたほうが間違いありません。
3.利用する日にち
これも当然といえば当然ですが、いつ利用するきっぷなのかということも伝えなければなりません。
利用する区間の距離によって有効期限が異なりますが、指定した日にちから○日間有効という形になります。

乗車券と経路

先程も申し上げたように乗車券は経路を指定して購入し、その通りの経路で旅行をするのが原則です。
例えば、博多駅から大分駅までの旅行の場合、小倉駅経由の「ソニック」か、久留米駅経由の「ゆふ」「ゆふいんの森」を利用するかで経路が異なり、同じ区間の旅行でも運賃が異なることになります。
なお、実際に運賃の金額を求めるための運賃計算の方法についてはかなり複雑な世界になり、ここで取り上げるとリタイアしてしまう読者さんが多くなると思うので別のページで扱いたいと思います。

経路が成立する条件

経路はどんなルートでも好き放題に選んでいいのでしょうか?
もちろんそんなことはなく、乗車券として成立する条件があります。
それは、同じ区間を2度通らないことです。
ようするに「一筆書き」になるルートでなければいけません。
例えば東京駅から山手線外回りに乗車し1周乗車して戻ってきてそのまま品川駅まで行って東海道本線に乗り換えて横浜駅へ行くなんてルートは成立しません。
もちろん途中で引き返すようなルートもダメで、東京駅から名古屋駅までの旅行の途中で伊東駅に寄り道するような場合、伊東線を2度乗車することになりますので経路が成立しません。
ただし、後述しますがいくつか例外がありそういう場合は同じ区間を2度通ることが出来る場合もあります。
ダメな例その1
ダメな例その1
ダメな例その2
ダメな例その2

6の字ルート

先ほど同じ区間を2度通ってはいけないと書きましたが、同じ区間さえ通らなければ同じ駅を通ってもいいのかというお話になってくると思います。
実は少しややこしい話になりますが、一旦通過した駅に戻ってくるような場合、その駅でルートを打ち切れば乗車券の経路として成立します。
ただし、一度通過した駅をまた通過して経路が続く場合は成立しません。こちらも図で説明したいと思います。
6の字経路の例
6の字経路の例
赤い線は経路が成立する場合で、青い線は経路が成立しない場合です。
同じ経路なのに方向により成立したりしなかったりする例ですね。

新幹線の取り扱い

JRの運賃計算では新幹線は並行する在来線に乗車したものとみなします。
従って東京から新大阪まで東海道新幹線を利用する場合、きっぷとしては東海道本線経由となります。
ただし、例外的に在来線とは別の線だとみなすケースが多数ありますが後述します。

貨物線などの取り扱い

貨物線には通常旅客列車は走りませんが、臨時列車などで貨物線を経由するものがあります。
そのような列車を利用する場合、最も近くを並走する旅客線を利用したものとみなします。
利用する機会が多いものとして、湘南新宿ラインがあります。
大崎~西大井間は実際には短絡線を走行し品川駅は通りませんがきっぷでは品川経由とみなされます。

往復乗車券

それでは往復乗車券とは具体的にどんなものなのでしょうか。
詳しく解説していきます。

往復乗車券が発売できる条件

実際に往復乗車券を利用するのに、どんな条件があるのでしょうか。
それは、往復とも同じ経路で利用することです。
博多駅から大分駅への旅行を考えた場合、往復とも「ソニック」を利用、あるいは往復とも「ゆふ」「ゆふいんの森」を利用するのであれば往復乗車券が利用できますが、行きは「ソニック」だが帰りは「ゆふ」「ゆふいんの森」、あるいはその逆という場合には往路と復路でそれぞれ片道乗車券として購入することになります。
ただし、先ほど出てきた6の字経路になる場合は片道しか経路が成立しないため往復乗車券は発売できません。

往復乗車券のメリット

そんなめんどくさいなら普通に片道乗車券を2枚買えばいいじゃないかと思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、往復乗車券にはちゃんとメリットがあります。

1.割引

JRには往復割引という制度があり、利用する区間の片道あたりが601km以上であれば運賃が1割引きになります。

2.証明書が節約できる

学生割引を適用する場合、学校が発行した証明書を窓口に提示する必要がありますが、学校によっては年間に発行できる枚数に上限が設けられていて、頻繁に旅行をする人だとあっという間にそれに引っかかってしまう方もいるでしょう。
片道乗車券2枚の場合証明書は2枚必要ですが、往復乗車券なら1枚で済むわけです。

有効期間

有効期間は同じ区間の片道乗車券の2倍ですが、例えば3日間有効になる区間だったとして、往路分を5月1日から5月3日まで、復路分を5月3日から5月5日までとした場合、往路に4日かけて移動したり、逆に復路を5月2日から使いたいという場合には対応出来ません。
往復乗車券ならば往復両方のきっぷがそれぞれ5月1日から6日間有効で5月6日まで使用できるため行程の自由度が上がりますし購入するときも煩雑さがありません。

連続乗車券

先ほど「ダメな例」としていくつか具体的なルートを示しましたが、実際にはこういうルートで旅行をしたいこともあるわけです。
そういう時はわざわざ複数枚の片道乗車券を用意しなければいけないのかというとそうではありません。
そこで活躍するのが連続乗車券です。

連続乗車券のメリット

連続乗車券の値段は片道乗車券をバラバラに購入した場合と同じですが、こちらもちゃんとメリットがあります。

有効期限

連続乗車券の有効期限は該当する片道乗車券の有効期限の合計日数になります。 例えば、↓の図の場合ですと、片道乗車券だけで利用した場合、東京→伊東が1日間有効、伊東→名古屋が3日間有効ですので連続乗車券にした場合、東京→伊東と伊東→名古屋のきっぷ両方が4日間有効です。
途中下車していろんな場所をめぐるような旅行ですと有効期限は重要になってきますね。
連続乗車券の例

証明書の節約になる

往復乗車券の場合同様、連続乗車券全体で1枚の証明書で済むため、学生割引を適用する場合は証明書の節約になります。

払い戻し手数料

もしもの急用などで旅行を中止しなければならなくなった場合、払い戻すことになるわけですが、片道乗車券をバラバラに購入していた場合、片道乗車券1枚につき220円を支払う必要がありますが、連続乗車券ならば全体で220円で済みます。

列車不通時の取り扱い

後述しますが事故や災害、気象条件などで列車が不通になった場合、振替輸送、払い戻し、出発した駅に引き返すなどの対応をしてもらえます。
これがバラバラの片道乗車券ですとその時点で使用していたきっぷについてのみの取り扱いとなりますが、連続乗車券なら一番最初に利用したきっぷまで遡って対応してもらえます。
先ほどの図でいうと、伊東から名古屋に向かう途中で列車が不通となり出発した駅に引き返す場合、連続乗車券ならば東京駅まで無償で引き返せますが、片道乗車券ですと伊東駅までしか引き返せません。
また、この場合連続乗車券ならば全額が払い戻されますが、片道乗車券ですと東京→伊東のきっぷは既に使用を終えたと扱われますので払い戻されません。

乗車券の有効期限

先程からきっぷの有効期限について言及していますが、具体的にどのように有効期限が決まるのかというお話です。
簡単に求めることができる公式がありますのでご紹介したいと思います。
乗車する区間のキロ数 ÷ 200 + 1 この式に当てはめて出てきた数字の端数を切り上げたものが有効期間の日数です。
ただし、注意して欲しいのが後述する大都市近郊区間で完結する乗車券の場合、キロ数に関係なく1日のみ有効です。

継続乗車

列車に乗っている間に有効期限を過ぎてしまうケースでは、途中下車をしない限りきっぷの券面に示された目的地の駅までそのまま乗車することができます。
これを継続乗車といいます。

途中下車

ぶらり途中下車の旅なんて番組もありますが、JRでの途中下車とは目的地の駅以外の場所で下車することです。
また、下車の定義は有人駅では改札を出ること、無人駅では乗り継ぎ以外の目的で列車から降りることで、改札から出ない場合は途中下車ではありません。

途中下車の意義

通常鉄道運賃は遠距離逓減制と言って、遠くまで乗車するほど1kmあたりの単価が安くなるように設定されています。
従って途中下車する駅できっぷを分割するより通しで購入したほうが全体では割安になるのです。

途中下車が出来る条件

どんなきっぷでも途中下車が出来るわけではありません。
条件は101km以上で大都市近郊区間内で完結しないことです。
これに該当しないきっぷであれば券面に「下車前途無効」と記されているはずですのでご確認下さい。
もし条件に当てはまらないきっぷで目的地以外の駅で降りてしまった場合、その時点できっぷが回収され残りの区間は「乗車を放棄した」とみなされますのでご注意下さい。

途中下車ができる駅

途中下車が出来るきっぷだからといってすべての駅で途中下車が出来るわけではありません。
きっぷが特定都区市内を発着するものである場合、特定都区市内では途中下車ができません。
なお、詳しくは後述しますが特定都区市内とは「東京都区内」とか「福岡市内」というふうに券面に示される場合に該当します。

割引

乗車券にはいくつか割引制度があります。

往復割引

片道あたり601km以上の往復乗車券の場合に往復とも1割引きになります。
往復乗車券を申し込めば自動的に割引が適用されますので特に意識する必要はないかもしれません。

学生割引

いわゆる学割です。利用するためにはJRが指定した学校が発行する証明書が必要で101km以上の乗車券で2割引きになります。 また、往復割引とも併用出来ます。
JRが指定した学校というのは中学・高校・大学・短大は基本的には全て、専門学校、予備校は通学する日数や在籍期間、学校の認可種別などで変わってきますので入学前に学校側に確認しておくと良いでしょう。
なお、学生割引で購入した乗車券を使用して旅行するときは常に学生証を携帯し、車掌や駅員などから提示を求められた場合は提示しなければなりません。
実際にはほとんど提示を求められることはありませんが、規則ではこうなっているので一応ご紹介しました。
ポイント!
・乗車券は区間・経路・利用日を指定して購入
・乗車券は「片道乗車券」「往復乗車券」「連続乗車券」の3種類がある。
・経路は同じ区間を2度通らず1週を超えないものでなければならない。
・途中下車は101km以上、かつ大都市近郊区間で完結しない場合のみ可能
・学割は101km以上で2割引き
・往復割引は往復とも同じ経路を利用し601km以上の場合に1割引き