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京王3000系電車




概要

京王井の頭線に在籍していた旧型車両を置き換えるために製造された通勤形電車が京王3000系で、京王1000系の登場以前は当系列が単独で井の頭線の運用をまかなっていました。当系列は京王電鉄で初のオールステンレス車体ですが、この車体の製造には東急車輛がアメリカのバッド社から導入した技術が用いられており、一部の車内にはそれを示す銘板が取り付けられていました。車体の長さは18m級で、4両編成で製造され、ドアは片側3ドアとなっています。通勤形電車のため車内はロングシートとなっています。
前面形状は国鉄80系電車のような「湘南形」を採用しましたが、単調となりがちな前面に変化を持たせるため、編成ごとに異なるパステルカラー7色で塗装された繊維強化プラスチック(FRP)を前面上部に使用するという日本では初めての試みを行っています。このことにより当系列はレインボーカラーの電車として人気があり、またステンレスとプラスチックの電車ということで「ステンプラカー」という愛称があります。なお、前面下部には方向幕が装備されています。
当系列は長期にわたって製造され続けたために、製造年が後になるにつれ様々な仕様が異なってくるのも特徴の一つです。初期に製造された第1・2編成は片開き式のドアでしたが、それ以降の編成は両開き式のドアになり、合わせて車体の長さも少し延長しています。第14編成からは冷房車として増備されるようになり、また第16編成からは輸送力増強を目的として当初から5両編成で製造されました。第19編成以降は当初から側面にも方向幕が設置され、第20編成以降の車体は軽量ステンレス製に変更されました。そして走行制御装置とブレーキ方式についても、第1~9編成は抵抗制御で発電ブレーキ、第10~15編成は抵抗制御で回生ブレーキ、第16編成以降と第15編成以前に挿入された中間車は界磁チョッパ制御で回生ブレーキというように異なっています。

歴史

1963年にローレル賞を受賞しています。非冷房で製造された第13編成までは、1971年から冷房化工事を行った後に中間車(冷房車)を1両挿入し5両化され、また第14・15編成も5両化されています。更新改造時にFRP部分を普通鋼製に変更しています。1882年からは第1・2編成以外で側面方向幕が付いていない編成に側面方向幕が追加設置されました。1985年頃に第10~15編成は走行制御装置を界磁チョッパ制御に換装しました。
1996年から始まった1000系の投入と並行して、第16編成以降にリニューアル工事が実施されました。内容としては、正面窓を側面まで拡大、先頭部分のFRPを普通鋼製に変更、中間車連結面への転落防止幌の設置、そして車内の内装のリニューアルが挙げられます。2003年からは1000系と同等の電子警笛が追加されました。なお、未更新車については廃車が進み、2004年には全廃されました。以後はリニューアル工事施工済みの編成のみが1000系と共存する形で使用されていましたが、京王電鉄は全車両をVVVFインバータ制御車に統一する方針であり、また井の頭線でATCを使用した運転が開始されることが決定したことを受けて、2008年から1000系の後期製造車による置き換えが開始され、2011年末をもって運転を終了し全廃されました。

現状

当系列は全車が廃車となってしまいましたが、約50両が改造された上で地方の私鉄に譲渡されており、北陸鉄道、上毛電気鉄道、岳南鉄道、アルピコ交通(旧:松本電気鉄道)、伊予鉄道で活躍を続けています。

走行音は準備中です。

走行線区(特記無い場合は全線)

廃形式につき走行線区は省略

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

ブルーグリーン編成 高井戸駅にて

同編成 高井戸駅にて

先頭部方向幕

先頭部分側面

台車

側面方向幕

シングルアーム式パンタグラフ

中間車連結部分

運転台

乗務員室部分

車内

車内仕切り扉部分

車内路線図

ライトブルー編成 ラストラン 永福町駅にて

同編成 ラストラン 東松原駅にて

同編成 最終展示 富士見ヶ丘検車区にて
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