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東急3000系電車




概要

東急目黒線(当時はまだ東急目蒲線の一部)と営団地下鉄(現在の東京メトロ)南北線、そして都営地下鉄三田線との相互直通運転計画が決まった当初、東急電鉄では東急9000系に地下鉄線乗り入れ対応工事を施して使用する計画を立てていました。しかし南北線と三田線にホームドアが設置されることとなり、これに対応するための改造工事は大がかりになってしまうことや、9000系の主電動機出力が南北線内での連続急勾配を走行するのに不十分であることなどから、9000系を改造するよりも、最初から両線の走行条件に対応できる通勤形電車を新造する方がコスト面などで有利であると判断されました。
このような経緯によって、「すべてにやさしく美しい車両」をコンセプトとし、目黒線と南北線・三田線との相互直通運転に対応した仕様で製造された通勤形電車が東急3000系です。当系列は前述のコンセプトに基づき、「環境にやさしい」「お客様にやさしい」「乗務員にやさしい」「検修員にやさしい」を目指して、車体・内装・運転台の設計や搭載機器などを全て見直し、東急の電車として初めて採用する機器やバリアフリー設備を備えています。

外観・走行機器


車体はビードプレス無しのステンレス製であり、車体長20mの4ドア車となっています。なお、車体はつや消しのために全面ダルフィニッシュ仕上げとされ、東急のコーポレートカラーである赤色の帯と、アクセントをつけるための濃紺と白の帯を巻いています。方向幕にはLED式のものを採用し、中間車の連結部分には転落防止幌が取り付けられていました。
前面には繊維強化プラスチック(FRP)を使用し、曲線を多用してソフトなイメージをもたせた形状となっています。また、地下線で使用する非常用貫通扉を前面右側に設置しており、前面上部の両脇には通過標識灯が、前面下部にはスカートが取り付けられています。なお、第2編成以降のスカートは形状が若干変更され、通過標識灯については廃止となっています。なお第1編成についても、目黒線開業に伴う本格的な使用開始の前に、スカートを第2編成以降のものに交換しています。前面のガラスには、側面まで回り込んだ曲面ガラスを使用しています。
走行制御装置にはIGBT素子を使用したVVVFインバータを採用し、パンタグラフには剛体架線に対応したシングルアーム式パンタグラフを使用しています。

車内


車内の座席は通勤形電車では標準的なロングシートで、赤系と茶系の色を使用したバケットシートを採用しています。内装はローズレッド系を基調とした色遣いとされたほか、床面は編成ごとに柄が異なっており、全部で3種類の柄が存在しています。車椅子スペースも車内に設置されており、ドア上部にはLED式車内案内表示器もしくはドア開閉予告灯と、ドアチャイムを搭載しています。なお、自動放送装置の使用も従来車と同様に可能です。
乗務員室は光の反射を抑えるためにグレー系の色遣いとされ、非常用貫通扉の内側には、地下区間で車外へ避難する際に使用するための大型の梯子が取り付けられています。また保安装置として、目黒線で使用するATCと定位置停止装置(TASC)、そして南北線・三田線・埼玉高速鉄道線で使用するATOを設置しています。加えて、定期検査時の回送運転で走行する東急大井町線用のATSも搭載しています。運転台はワンマン運転に対応した仕様であり、マスコンにはワンハンドル式のものを採用しています。

歴史

1999年4月に、量産先行車として製造された第1編成が8両編成で登場し、2001年1月まで一時的に東急東横線で使用されました。第2編成からは最初から6両編成で製造されました。なお、第1編成については中間車2両を抜いて6両編成化され、余った中間車2両も新たに製造された4両と一緒に6両編成を組みました。全編成が出そろった後、営業運転開始までは一部の編成が乗務員訓練に使用され、2008年8月の目黒線開業、同時に開始された南北線・三田線との相互直通運転から本格的に全編成の使用が始まりました。
2001年3月に埼玉高速鉄道が開業した後は、埼玉高速鉄道線での使用も開始されました。2003年には、当系列の使用線区にホームドアが設置されているため不要となっていた、中間車の連結部分に設置されていた転落防止幌の撤去が行われています。

現状

現在は全編成が、後継車両である東急5080系と共通運用で、目黒線と南北線・埼玉高速鉄道線・三田線との直通運転で活躍しています。なお、将来的には全編成が8両編成で使用される予定です。

走行音

録音区間:目黒~白金台(お持ち帰り)

走行線区は準備中です。

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

武蔵小杉駅にて

志村車両検修場にて

連結器

LED式方向幕

運転台

乗務員室部分

車内

ドア内側部分

LED式車内案内表示器

車内仕切り扉部分
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