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東武30000系電車




概要

東武10000系列の後継車両として開発された通勤形電車です。6両編成と4両編成がそれぞれ製造され、東武伊勢崎線と営団地下鉄(現在の東京メトロ)半蔵門線との相互直通運転に対応した設計となっています。当系列の設計前、まだ計画中であった伊勢崎線と半蔵門線との相互直通運転には10000系列を改造して充当する構想もありましたが、次世代の通勤形車両の計画が浮上する中で、改造費用の問題などから当系列が製造されることとなりました。
当系列には東武鉄道では初となる装備がいくつか設置されており、パンタグラフはシングルアーム式のものを、走行制御装置はIGBT素子を使用したVVVFインバータを、運転台のマスコンはT字型ワンハンドル式マスコンを、前照灯はHID式のものをそれぞれ初採用しています。定速運転機能も初めての採用となりました。従来の東武の通勤形電車と同じ特徴もあり、車体は軽量ステンレス製でロイヤルマルーンの帯を巻いています。
前面にはFRP(強化プラスチック)の成形品を使用し、併結運転と地下鉄線内での非常時を考慮して貫通扉を設けています。連結器は電気連結器付き密着連結器を採用し、10000系列との併結を可能としています。通勤形車両のため、座席にはロングシートを採用し、消火器の位置などの車内表記には東武で初めてピクトグラムを使用しています。また、ドア上部にはLED式車内案内表示器を設置し、各車内の両端には大型ガラスを使用した仕切り扉が設けられています。車体側面には車外スピーカーが取り付けられており、乗降促進放送を流すことができます。中間車の連結部には新たに転落防止幌も設置されました。
また、当系列の特徴として、側面のLED式方向幕が従来車より横幅が約2倍の大型タイプとなっています。これにより「普通 東武動物公園」といった長い行先表示を、短縮せずに表示することができます。

歴史

当系列は東武初のワンハンドル式マスコンを採用したため、1996年11月以降の工場搬入から翌年3月の営業運転開始まで、長い乗務員習熟運転期間が設けられました。1997年からダイヤ改正による輸送力増強と旧型車の置き換え用として、暫定的に伊勢崎線と東武日光線で使用が開始されました。2002年度増備車より前面の通過標識灯(急行灯)が省略されています。2003年の計画通りの伊勢崎線と半蔵門線、そして加えて東急田園都市線との3社直通運転開始以降は、計画通りそちらをメインに使用されていました。
しかし、2006年に後継車両である50050系の導入が開始された後、直通運転時の10両編成では中間に運転台付きの車両を挟む形になり、乗客を乗せられないデットスペースが発生するため該当車両の混雑が激しくなったこと、また東京メトロの直通運転使用車両および東急の直通運転使用車両と弱冷房車の位置が違うことなどが理由で、搭載する直通運転用の機器を50050系に移して直通運転から離脱し、一部の編成以外は再び東武の地上路線で使用されることになりました。ただし、50050系の登場後も3社直通運転で使用する車両形式では唯一、6両編成と4両編成に分割できるため、10両編成が入線できない伊勢崎線の館林駅以北および日光線の南栗橋駅以北に半蔵門線方面からの直通臨時列車を運転する際は当系列が使用されています。
なお、日光線の東武日光駅までと鬼怒川線の鬼怒川温泉駅までの入線実績があります。また、2007年5月までは定期列車として宇都宮線でも使用されていました。2011年には一部の編成が東武東上線系統で使用するために森林公園検修区へ転属しています。なお、転属した編成は10両固定編成とされており、中間に挟まった先頭車は乗務員室は撤去されていないものの付随車扱いとなっています。

現状

現在は6両編成、4両編成それぞれ2本が併結した10両編成2本が、当初の計画通り東武、東京メトロ、東急の3社直通運転に使用されており、残りの編成については地上線専用車として、世代がひとつ前の車両である10000系列とともに東武鉄道の各路線で使用されています。

走行音

録音区間:すずかけ台~つくし野(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

東武鉄道 東武伊勢崎線(浅草~太田、押上連絡線)、東武日光線(東武動物公園~新栃木)、東京メトロ半蔵門線、東急田園都市線

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

館林駅にて

半蔵門線で使用される30000系 渋谷駅にて

先頭車連結部分

東上線所属車 中間先頭車連結部分

大型LED式方向幕

乗務員室部分

車内

仕切り扉部分

ドア内側部分

LED式車内案内表示器

ファミリーイベントヘッドマーク 森林公園検修区にて
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