多摩急行さよなら乗車

今回は来春ダイヤ改正での廃止が決まった多摩急行のさよなら乗車、及び取材に出掛けましたのでそのレポートです。
首都圏近郊での活動ということで短編レポートになるかと思いますがどうぞお付き合いください。

そもそも多摩急行とは

小田急や千代田線などの沿線にお住まいの方以外には「多摩急行」と言われてもピンと来ないかもしれませんね。
「多摩急行」とは小田急・東京メトロ・JR東日本の3社直通運転で取手・我孫子・綾瀬~唐木田を結ぶ列車の種別であり、常磐緩行線・東京メトロ千代田線・小田急小田原線・小田急多摩線を直通で運行しています。
急行とは言うものの常磐緩行線、千代田線内では各駅停車となっており、実際に急行運転をするのは小田急線内のみとなっています。そんな多摩急行ですが、来春のダイヤ改正で千代田線と小田急線の直通運転は本厚木方面への準急のみとなり、多摩線への直通系統は廃止されることとなり多摩急行という種別も消滅することになったため今回さよなら乗車も兼ねて取材することとなりました。

今回の活動内容

メインは多摩急行の取材となるわけですが、まずは取手駅へ向かい、1日2本しか走っていないレアな取手始発の多摩急行に乗車して一気に唐木田までの全区間乗車を果たします。その後は適当に帰ってくるという感じです。ようするに行き当たりばったりw
何だかあっという間に説明が終わってしまいましたが、いよいよレポート本編へと入っていきます。

まずは大手町駅へ

取手へ向かうに際しては常磐快速線を使ったほうが早く到達できるわけですが、今回は常磐緩行線の取手行きにも乗ってみたかったので大手町から千代田線に乗ってそのまま常磐緩行線直通で取手を目指すこととしました。
というわけで、レポートは大手町からスタートします。


大手町といえば東京の地下鉄の中心と言ってもいいターミナル駅であり、東京メトロだけでも丸ノ内線・東西線・千代田線・半蔵門線の4路線が乗り入れ、都営三田線も加えれば5路線がひしめく地下鉄の一大ターミナル駅ですが、そのため構内は複雑で、ちょうど工事をしていたためか要塞感がすごかったですw


駅名標はもちろん押さえます。


これは仮設なんでしょうか?w


さて、発車標には急行唐木田行きが出ていますが、これは多摩急行ではないのかというと、実は千代田線・小田急線においては「多摩急行」と「急行」は別物です。
そもそも小田急線内では千代田線直通以外にも「急行」が運転されていたわけですが、「多摩急行」と「急行」の違いは何かといえば、向ヶ丘遊園駅に停車するかどうかという違いだけだったりしますw
長らく「多摩急行」は終日に渡って運転されていましたが、小田原線系統の急行が快速急行へと格上げされ、向ヶ丘遊園駅に停車する列車の本数が減ってしまったこともあり、日中は千代田線直通系統も「急行」として運行して優等列車の停車本数確保を実施したということのようです。
そんな経緯により多摩急行は朝夕しか走らない種別になってしまっているわけですが、それももう見納めですね。


ホームの様子は・・・まあ普通の地下鉄駅ですかね。


そうそう、当駅には「ロマンスカー」がやってくるんでしたね。
地下鉄直通の「ロマンスカー」のデビューから結構経ちますが未だに乗れていなかったりしますw


そして、いよいよ取手行きがやってきます。
これも実はレア行先でして、常磐緩行線は取手までということになっているものの、大半の時間帯では我孫子までしか運転されておらず、取手まで行くのは朝夕のラッシュ時間帯のみとなってるんですね。(休日ダイヤでは14時頃から運転あり)
こうなった詳しい経緯は後ほど解説しますが、わざわざ”JR”取手と表記しているのが面白いですね。JR線直通であることをはっきり宣言しておきたいんでしょうかw


列車に乗り込む前にMSEの停止位置目標があったので撮影


やってきたのは16000系でした。早速乗車です。

ちょっと寄り道

せっかく乗車した取手行きでしたが、あえて手前の我孫子で途中下車しました。理由は・・・もうお察しですかねw


とりあえず取手行きを撮影


↑取手方向への発車はレアなので動画を撮っておきました。


そして、途中下車の理由はこれ
我孫子に来て唐揚げそばを食べぬ手はないw
またしても写真は使いまわしです
いつでも変わらぬ美味しさということでw


↑「ひたち」の通過シーンに遭遇


そして、やってきた取手行きは小田急車でした。
実は少し前までは小田急車はJRの保安装置に対応しておらず、逆にJR車は小田急の保安装置に対応していなかったため、3社直通の列車は必ず東京メトロの車両で運転されるという法則があったのですが、小田急車にはJRの保安装置、JR車には小田急の保安装置を搭載する改造を施し現在はJR車の小田急線直通、小田急車のJR線直通も見られるようになったわけですが、実際にJR区間で小田急車に乗ったのはこれが初だったりします。

それでは、この列車に乗って取手へ向かうわけですが、我孫子~取手間の常磐緩行線が朝夕しか運転されていない理由についてここで解説しておきます。
話は国鉄時代の通勤五方面作戦と呼ばれる複々線化事業の頃にまで遡ります。複々線化が実施される以前の常磐線は複線であり、特急や急行と言った長距離列車や水戸方面まで結ぶ中距離列車(いわゆる中電)、そして東京近郊の国電(各駅停車)が全て同じ線路を走行していました。しかし、高度成長期を迎え輸送量は急速に増大した結果、抜本的な輸送力増強が求められ、複々線化で対応することとなりましたが、地下鉄新路線として北千住~松戸間の路線が計画されており、これに便乗する形で北千住~取手間を常磐線の複々線として建設して、都心部はこの地下鉄新線(つまりは千代田線)に乗り入れる形をとることとなりました。まず第1期工事として我孫子まで複々線化され、これにより、従来の国電は上野への乗り入れはなくなり、代わりに千代田線に直通運転する形になったわけですが、当時は国鉄の運賃が安く、地下鉄を挟んだルートは割高感があったこともあり、快速が停まらない駅の利用者も松戸や北千住で快速に乗り換える利用者が多く、結果として快速列車は大混雑となり、従来は乗り換え不要で上野まで行けていたのが乗り換えが必要になったという不便も相まって「迷惑乗り入れ」と揶揄される事態となりました。
地下鉄経由でも上野経由と同じ運賃にしろとか、各駅停車の上野行きを復活させろと言った声も上がる中、複々線区間を取手まで延長する際、その中間に位置した天王台駅は快速通過として各駅停車のみとする予定だったものが、天王台駅の利用者が1期工事での快速通過駅の不便を目の当たりにしたこともあって猛反発した結果、天王台駅は快速停車駅として残されることとなり、そのかわり各駅停車はラッシュ時のみ取手発着で運転し、日中や夜間は快速列車のみを運転する形となったわけです。
つまり、我孫子~取手間の複々線はラッシュ時以外列車が走らないという非常にもったいない使われ方になっているわけですね。


解説を挟んでいる間に取手にやって来ました。早速行先表示は折り返しの唐木田行きとなっていました。
これが例の「多摩急行」となるわけですが、常磐緩行線内では原則各駅停車として案内されるようで行先表示には「多摩急行」の文字はありません。


LEDであることを活かして路線名も出ますが、千代田線直通のみで小田急まで行くことは表記されないようですw


こちら、朝夕しか使われない緩行線ホームです。その割にはやたらに広いですが、朝のラッシュ時ともなると結構混み合うんですかね。


駅名標です。何故か藤代がシールで隠されていますが、むしろなんで藤代が表記されていたのかが謎ですよね。
当駅と藤代の間には交直デッドセクションが存在する関係上、常磐緩行線は当駅以北への直通は絶対に無理ですから最初から表記する必要はないと思うんですがね。
それとも、昔は常磐緩行線の取手以北への直通の構想でもあったんでしょうか。


各駅停車は朝夕しかやってこないという案内です。


乗り場案内


改札です。以前にも訪れているので常磐緩行線関連以外は撮りませんが、ここで折り返し乗車という形になるので一旦改札を出ないと不正乗車になってしまいますからね。
余談ですが、取手駅は常磐緩行線が乗り入れる駅としては唯一茨城県内に存在する駅になるんですが、群馬・栃木・茨城の北関東3県では唯一地下鉄直通の電車がやってくる駅になるんだとか。


ホームに戻るとE233系がやってきていました。
が・・・メインは多摩急行ですからさっさと多摩急行に乗ってしまいます。


こちらは多摩急行車内の案内表示です。
各駅停車唐木田行きとなっていますが、小さく「小田急線多摩急行」とも書かれていますね。
これがJR線内では唯一の「多摩急行」への言及となりますが、なぜJRでは「多摩急行」の案内をしないかというと、JRでは急行といえば急行料金が必要な列車であり、また、JR線内では通過駅はないので「多摩急行」と案内するとかえって混乱を招くと言った事情があるようです。


常磐緩行線は綾瀬までであり、正式には綾瀬から地下鉄千代田線となりますが、そんな綾瀬からはちゃんと多摩急行と案内されますし、車内放送でも「多摩急行」と言ってくれます。
東京メトロでは副都心線で実際に線内急行運転をする急行が存在しますし、南北線や有楽町線などでも直通先で急行となる列車をそのまま急行と案内している例もありますから、それに倣ったんでしょうけど、音鉄的には収録しがいがありますw

西日暮里や大手町からは帰宅するサラリーマンが大勢乗車してきて満員電車となりましたので大人しく過ごし、列車は代々木上原からいよいよ小田急線へと入っていき、ここからが「多摩急行」の本領発揮です。
停車駅は下北沢、経堂、成城学園前、登戸、新百合ヶ丘、栗平、小田急永山、小田急多摩センター、終点の唐木田となっており、東急東横線の”隔駅停車”の急行と違ってちゃんと急行らしい走りをしてくれます。
ちなみに、登戸、新百合ヶ丘、栗平の3駅は神奈川県川崎市となるので、取手→唐木田では茨城、千葉、東京、神奈川の4都県を経由する列車ということにもなりますね。

なお、新百合ヶ丘でほとんど降りてしまい多摩線内への利用者は全員座れる程度しかいませんでしたけどw
個人的には初乗車となった小田急多摩線も暗闇の中の乗車でいまいち乗りつぶしたという実感も湧かないまま列車は終点の唐木田に到着しました。

唐木田駅にて

多摩線の終点の唐木田駅に到着しましたが、ここから先の行動は冒頭の予告通り行き当たりばったりですw
到着して5分後に折り返し多摩急行があったのでそれで引き返す案もありましたが、夜間とはいえ初訪問の駅を取材せずに帰るのは惜しく感じたのと、ホームから改札までは意外に遠く(しかも一番改札から遠い車両に乗ってしまっていた)改札Uターンをやるにもダッシュが不可避だったこともあり、とりあえず折り返しの多摩急行は見送ることにしました。


まだ行先表示が切り替えられていなかったのでこれ幸いと急いで撮影しました。


もちろん側面の案内表示も


隣には16000系がいました。どうやら乗車してきた車両はそのまま車庫へ引き上げるようで折り返しの多摩急行はこの16000系が充当されるようです。


ちゃんと多摩急行幕に変わった所でもう1枚


16000系の行先表示では多摩急行は2行に分けて表記されるんですね。

さて、実はこの時、この16000系に飛び乗りたい衝動にかられていました。なぜなら来春のダイヤ改正では千代田線直通の列車は多摩線へ乗り入れなくなり、代わりに本厚木方面への準急のみとなる予定ですから、そうなれば多摩線での東京メトロ車(とJR車)の運用はなくなる可能性が高く、そのメトロ車による多摩急行には是非乗っておきたかったというのがありました。
しかし、1日乗車券の類ではなく普通にSuicaで乗ってきている以上、それをやってしまえば不正乗車、最悪下車駅で唐木田まで乗車して折り返した旨を説明して正規運賃を引いてもらうという手も考えましたが、説明が面倒ですし、それで変な疑いをかけられるのも嫌だ・・・というわけで、ここは泣く泣く16000系の多摩急行を見送ることに・・・


隣の電車との並びを撮ったり・・・


発車標を撮ったりしたら16000系を見送ります。


というわけで帰りは1本後の多摩急行として、お次の多摩急行までは20分ちょっと開くのでその間に駅取材です。
まずは駅名標


縦型


乗り場案内ですが、直通のない小田原や片瀬江ノ島まで表記されているのが面白いですね。


そうそう、当駅には車両基地が併設されています。
そもそも多摩線は1974年に新百合ヶ丘~小田急永山間で開業したのを皮切りに、1975年には小田急多摩センターまで延伸されたものの、当初計画にあった橋本への延伸は既に京王相模原線が開業していて完全に競合することとなるという事情もあり見送られ、代わりに京王と競合しない唐木田地区へ延伸することとなり、車両基地も当駅に設置されました。


1000形単独でも撮っておきます。


この時間帯は列車から降りて帰宅の途に就く人がほとんどであり、列車到着直後以外は閑散としていますね。駅取材においてはありがたいシチュエーションですけどw


改札です。


せっかくなので夜とはいえ、外に出て駅舎も撮ります。


駅名部分


そして、いよいよお次の多摩急行の案内が表示されました。
我孫子行きではなく綾瀬止まりですが、多摩急行に違いはありませんからね。
ちなみに、ピンク背景に白文字は普通に撮ると文字が読めなくなるので困りますw


今度は英語表記


ホームに行くと1000形が停まっていましたが、実はこれただの1000形ではありません。


決して画像を加工して横に引き伸ばしたわけではありませんよ?w
実は1000形の中でもワイドドア車と呼ばれるグループであり、通常は1300mmであるドアの幅を2000mmとして乗降をスムーズにしてラッシュ時の遅延を減らすことを期待して導入されたものの、実際にはそれほど効果がないことがわかり、かえってワイドドアのせいで座席数が減ってしまうという問題もあったため後に1600mmに狭める改造が施されました。
しかし、車体そのものの扉幅は変えられていないため見た目だけは今でも2000mmの扉幅に見えます。


前述の改造により400mm分狭まった分、ドアが開くと左右で200mmずつ引き残しがあります。なお、車内側は1600mm幅とされているため、車内から見る分には引き残しがあるようには見えません。


↑ワイドドア車を撮っていたら多摩急行の入線です。
お?これはもしや?


なんと先ほど泣く泣く見送った16000系でした。
やっぱり正直者は報われるということですかね。


綾瀬幕も撮ったら早速乗車です。

帰路も多摩急行

今度は郊外から都心へ向かう方向なので時間的に利用者は少なくガラガラであり、録音には最高の環境でした。特に多摩線内でのメトロ車はレアになりそうですしよかったです。
さて、問題は代々木上原で降りて新宿方面へ乗り継ぐか、千代田線内まで乗り通すかであり、私の帰宅経路的にはどっちでもよかったりしますが、千代田線内では綾瀬方面の多摩急行がどう案内されるのか気になって千代田線内まで乗り通してみることにしました。
結論を言ってしまえば代々木上原の時点で各駅停車綾瀬行きに案内が変わってしまっていましたがねw


大手町までやって来てホーム上で見かけた特急券の券売機を撮影です。


ロマンスカーの宣伝です。そういえば、来春のダイヤ改正で地下鉄直通のロマンスカーも増発されるんでしたね。

さて、それじゃあ帰ろうかなと思ったら回送列車が通過するとのアナウンスが・・・


↑噂をすればMSEが通過していきました!
現在のダイヤでは北千住始発のものを除いては大手町始発で運転されるロマンスカーですが、大手町では折り返しが出来ない関係上、湯島で折り返ししているそうで一旦当駅を回送で通過することになっているんでしょうね。

というわけで、レポートは以上!
今年いっぱいは遠征はないと言いましたが、こういう単発の短編レポートはちょいちょいあると思いますのでお楽しみに!

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多摩急行さよなら乗車 への1件のフィードバック

  1. Y.N のコメント:

    常磐線はよく使いますが小田急はあまり利用しないので多摩急行とは意識したことがありませんでした。今度利用する時みてみます。小田急のロマンスカーも見に行きたい…
    やりたいことがたくさんです(笑)

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