近鉄260系電車
概要
近畿日本鉄道がナローゲージとして知られる内部・八王子線に多く残っていた旧型車の置き換えのために導入した電車です。
現在は三岐鉄道に所属する北勢線に先行して導入されていた270系をベースに開発されました。
また、旧型車のうち比較的車齢の若い車体は当形式の中間車として組み込まれる形で流用されています。
車体は15m級の軽量全金属製となっており、片側2箇所の片開き扉を備えています。
車内は固定クロスシートとなっており、座席は路線バスのようなローバックシートとなっています。
ただし、他形式を流用した中間車については元の車両の仕様であるロングシートのままとなっています。
走行機器は抵抗制御で、定格38kWのMB-464AR形モーターを制御します。
駆動方式は吊り掛け駆動方式です。
ブレーキは自動空気ブレーキとなっています。
最高速度は45km/hとなっています。
なお、後に改造が実施され、モーターをMB-464AR3形に換装するとともに、ブレーキを自動空気ブレーキから電磁直通ブレーキに変更しています。
近鉄が内部・八王子線の廃止を決定すると、四日市市が路線を保有し、第三セクター「四日市あすなろう鉄道」が運営する形態へ移行することとなり、本形式は四日市市が保有し、四日市あすなろう鉄道が運行する形となり、近鉄からは消滅することとなりました。
それに伴い、冷房化や老朽部品の交換、カーテンの撤去と窓ガラスのUBカットガラス化、塗装の変更などが実施され、モーターもより絶縁性能を強化したMB-464AR3形に換装されました。
細かい変更点としては座席をハイバックタイプとし、モケットのクッションを厚めにするなど、快適性の向上を図ったり、ドアチャイムや車椅子スペース、非常通報装置の新設など、バリアフリー面での改善も実施されました。
また、四日市あすなろう鉄道へ移管後に新製された車両も存在し、主に旧型車を流用していた中間車を対象に新造され、同形式同士での置き換えが実施されました。
歴史
1982年~1983年にかけて製造されました。
1994年~1995年にかけてブレーキが自動空気ブレーキから電磁直通ブレーキへ変更されました。
2004年より編成ごとに異なるカラーリングに変更され、2008年までにすべての編成が新塗装に変更されました。
2015年4月に内部・八王子線が四日市市へ移管され、運営を四日市あすなろう鉄道へ移譲したことに伴い、本形式も四日市市所有となり、近鉄からは離脱しました。
2015年~2018年にかけて老朽化の激しい旧型車流用の中間車を中心に新製による置き換えが実施されました。
現状
四日市あすなろう鉄道内部・八王子線の主力として活躍中です。
走行音
近鉄時代(モーター変更前)
録音区間:小古曽~内部(お持ち帰り)
走行線区(特記無い場合は全線)
2025.12.08現在
フォトギャラリー
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運転台
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車内(運転室後方)
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車内
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座席
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