東武100系電車
概要
東武鉄道が日光線・鬼怒川線系統の特急に長らく使用されていた1700系・1720系(通称:DRC)の置き換えのために開発した特急形電車で、「スペーシア」という愛称があります。当系列は全体の設計コンセプトとして「Fast&Pleasure」を掲げています。車体は東武鉄道では初めてオールアルミ合金製とされ、軽量化と低重心化に貢献しています。ドアにはプラグドアを採用し、側面の平滑化によって美しい車体形状を実現しています。塗装は6050系の塗装をモデルとしたものになっています。走行機器にはGTO素子を使用したVVVFインバータを採用し、最高速度は130km/hを誇ります(現在の最高運転速度は120km/h)。また、すべての車両が電動車になっていますが、これは勾配と曲線が連続する日光線北部における運転を考慮したものです。当系列には走行中の揺れの低減による乗り心地改善を図るためにヨーダンパを装備していることも大きな特徴の一つです。車内デザインは銀座東武ホテルのデザインを手がけたロバート・マーチャントが担当しています。座席はフッドレスト付の回転式リクライニングシートを採用し、ヘッドレストに内蔵のスピーカーによってオーディオサービスが行われていました。3号車には軽食が提供できるビュッフェ、主に外国人観光向けのサービスカウンター、テレホンカード専用公衆電話が設置された電話室、自動販売機などの設備が備えられていました。6号車にはホテルの客室を意識した4人用の個室(コンパートメント)が設置されています。床面全体はカーペット敷きで、テーブルは大理石製、ビュッフェへの直通電話や電動ブラインドも設置されており、高級な旅を演出することができます。
歴史
投入後は1720系全車を置き換えて特急サービスの向上を果たしました。1990年に通商産業省(当時)のグッドデザイン商品に選定され、翌年にはブルーリボン賞を受賞しています。なお、各座席のオーディオサービスは2001年に終了し、その後ヘッドレスト内臓のスピーカーは撤去されました。サービスカウンターの業務も既に終了し、コンパートメントのビュッフェ直通電話、電動ブラインド、そして電話室も既に撤去されています。2006年3月からはかつて日光への観光客輸送でライバル関係にあった、国鉄東北本線と日光線を継承したJR東日本との直通特急列車の運転を開始しました。直通運転開始前に、当系列にはJR線用のATSなどの各種設備を取り付ける工事と、JR仕様の号車表示やグリーン車マークの貼付が行われています。2011年12月末よりリニューアル工事が施工された編成が順次登場し、紫基調のラインが入った編成は「雅」編成、水色基調のラインが入った編成は「粋」編成、日光線のラインカラーであるオレンジ色基調のラインが入った編成は「サニーコーラルオレンジ」編成とされています。内装は座席モケットとカーペットの交換と壁紙の変更が行われました。当系列は定期運用は入線しない横浜駅に臨時特急列車で入線した実績があります。
現状
現在はJRの沿線や駅に東武鉄道の存在感を示し、そして何より東武鉄道を代表する顔として、日光、鬼怒川の2大観光地を訪問する観光客たちの足となり活躍しています。
走行音は準備中です。
走行線区(特記無い場合は全線)
東武鉄道 |
きぬ |
東武伊勢崎線(浅草~東武動物公園)、東武日光線(東武動物公園~下今市)、東武鬼怒川線 |
けごん |
東武伊勢崎線(浅草~東武動物公園)、東武日光線 |
スペーシアきぬがわ |
湘南新宿ライン(新宿~大宮)、東北本線(大宮~栗橋)、東武日光線(栗橋~下今市)、東武鬼怒川線(下今市~鬼怒川温泉) |
フォトギャラリー
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南栗橋車両管区にて
先頭部分側面
方向幕
コンパートメントのエンブレム
スペーシアのロゴとプラグドア