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東武50000系・50050系・50070系・50090系電車




概要

「人と環境にやさしい次世代車両」をコンセプトとして、従来の東武鉄道の車両よりもバリアフリー、省エネルギー、メンテナンスフリー化を図り、日本鉄道車両工業会が定めた「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に則って設計された通勤形車両が東武50000系です。当系列は日立製作所のA-trainシステムを採用し、車体はアルミニウム合金を用いたダブルスキン構造とされ、前面にのみ別途製作された普通鋼製のパネルを取り付けています。また、廃車時のリサイクル性を考慮して車体各部のアルミ材質の統一が図られています。
走行制御装置にはIGBT素子を使用したVVVFインバータを採用したほか、台車はボルタレス式空気ばね台車を、パンタグラフはシングルアーム式のものをそれぞれ使用しています。運転台のマスコンは東武30000系に続いてT字型ワンハンドル式のものであり、ハンドル操作で定速運転機能を使用することができます。車両のカラーリングは東武の通勤形車両としては初めて「輝く」を意味するシャイニーオレンジ色を基調としたものになっています。方向幕は3色LED式のものを採用しています。前照灯はHID式のものを、尾灯はLED式のものを採用し、前面下部の一体型ケースに収められています。
車内の座席はロングシートとされ、優先席付近のつり革は目立つようにオレンジ色のものが取り付けられています。窓ガラスにはUVカットガラスを使用しており、連結面の妻面窓は省略され、車内の仕切り扉は車端片側のみの設置とされています。30000系と同様に自動放送装置も装備され、側面の車外スピーカーからは乗降促進放送を流すことができます。客用ドア上部には30000系のものとは少し異なるLED式車内案内表示器を千鳥配置で設置し、ドア付近のスピーカーからはドアチャイムと、視覚障害者にドアの方向を知らせる誘導音を流すことができます。長時間停車時などに中間にある2つのドアを閉めることができる「中間扉締切機構」も装備され、車内案内表示器が付いていないドア上部には「半自動」と書かれたドア手動開閉可能表示灯がついています。

歴史

2004年11月から50000系が東武東上線系統向けに製造されました。第1編成は前面窓が大型1枚窓の正面非貫通式でしたが、その後の編成は非常用貫通扉が助手席側に設置され、乗務員室内には非常脱出用の梯子が準備されるようになりました。以降はこれらが50000系列の標準装備となります。東上線系統所属の車両で初めてワンハンドル式マスコンを採用したため、搬入から翌年3月の営業運転開始まで長い乗務員習熟運転期間が設けられました。
2005年からは30000系の後継車両として、東武伊勢崎線と東京メトロ半蔵門線、東急田園都市線との3社直通運転用に50050系が伊勢崎線に投入されました。先頭車には新たに東武形ATS、東京メトロおよび東急形のATCの機能を1台に集約したATC/S装置が設置され、半蔵門線用の誘導無線アンテナと運行番号表示器が取り付けられています。ちなみに50050系の大半の編成はATC/S装置をはじめとする直通運転用の機器を30000系から移植されています。
そして、その翌年には東武東上本線と東京メトロ有楽町線および副都心線との相互直通運転に対応した50070系が東上本線に投入されました。50070系の仕様は50050系に準じたものですが、先頭車の長さの延長、方向幕をフルカラーLED式のものに、車内案内表示器を液晶ディスプレイ式のものに変更、そしてATO装置の新規設置などの変更点も存在します。
2008年からは東上本線で運転を開始した、座席定員制列車(いわゆるホームライナー)である「TJライナー」用に50090系が製造されました。これは基本的にこれまでの50000系列に準じた仕様となっていますが、車体に東上線のイメージカラーであるロイヤルブルーの帯が巻かれるようになり、一般車との識別を容易にしたほかスピード感を表現しました。そして関東地方の鉄道では初めて、座席をクロスシートとロングシートとに自動で転換できるマルチシートが採用されています。ちなみにクロスシート時には、特急列車で設置されているような転換式クロスシートとして使用できます。

現状

現在は東武10000系列、30000系に代わる東武鉄道の標準車両形式ともいうべき存在になり、東武鉄道の路線だけにはとどまらず首都圏の広範囲で使用されています。また、東武初のホームライナー列車として快適な輸送サービスを提供しています。

走行音

50000系
録音区間:成増~和光市(急行)(お持ち帰り)
50050系
録音区間:あざみ野~青葉台(急行)(お持ち帰り)
50070系
録音区間:月島~豊洲(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

東武鉄道 50000系 東武東上本線(池袋~小川町)
50050系 東武伊勢崎線(押上~久喜)、東武日光線(東武動物公園~南栗橋)、東京メトロ半蔵門線、東急田園都市線
50070系 東武東上本線(池袋~小川町)、東京メトロ有楽町線、東京メトロ副都心線
50090系 50000系と同じ

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

50000系 森林公園駅にて

50000系の並び 森林公園検修区にて

50050系 つきみ野駅にて

3色LED式方向幕

LED式車内案内表示器

50050系 フラワーリレー号ヘッドマーク 南栗橋車両管区にて

検査中の50050系 南栗橋車両管区にて

50070系 新木場駅にて

50070系 先頭部分側面

フルカラーLED式方向幕

50070系 非常扉開放の様子

50070系 川越まつりヘッドマーク 新木場駅にて

50090系 森林公園駅にて

マルチシート(ロングシート時)

50090系 急行ヘッドマーク 森林公園検修区にて
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