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E5系・H5系新幹線




概要

JR東日本が東北新幹線の高速化、及びE2系の後継車として開発した新幹線用車両です。
「MADE IN DREAM」「21世紀の夢の超特急をカタチにしたら、こうなりました。」とのキャッチコピーが付けられ、鉄道友の会ブルーリボン賞も受賞しています。
JR東日本が2000年に策定した「ニューフロンティア21」という構想の中で東北新幹線の360km/h運転の実現が盛り込まれており、試験車両「FASTECH 360」を使用した試験を重ね、騒音等の環境対策やコストを考慮し320km/h運転が妥当と判断されたことを受けて、本形式は最高速度320km/hとなりました。
車体はアルミニウム合金製のダブルスキン構造を採用し、トンネル微気圧波(いわゆるトンネルドン)を軽減すべく車体高は「FASTECH 360 S」同様の3650mmとし、先頭部も「ダブルカスプ」を採用して、トンネル微気圧波の軽減を図っています。
また、車体の裾部分には点検蓋を兼ねた板を設置して騒音対策をしている他、車両間には全周幌、ダンパーを設置することで騒音や振動を軽減しています。
制御装置はIGBT素子による3レベル電圧形PWM制御を採用しています
パンタグラフは編成中2基設置されており、そのうちの1基を進行方向によって使い分けています。
車内設備としては、多機能トイレ、多目的室などバリアフリー設備を設置したため編成全体での定員はE2系1000番台に比べて83名、200系K編成とくらべて8名減少となっていますが、従来車よりシートピッチも拡大されており、快適性を重視しています。
普通車の他に、グリーン車、グランクラスが設置されており、特にグランクラスは本形式に初めて導入された設備で、グリーン車の更に上位クラスの座席となり、事実上の1等車の復活として注目を集めました。
グランクラスは「特別な旅のひととうきをあなたに -Exclisove Dream-」をキーワードとしており、1300mmのシートピッチ、520mmの座席幅、LED式読書灯、更には最大45度まで傾斜する電動リクライニングを備えたシートが設けられ、座席のサイズとしては国内の一般向け座席としては最大級を誇ります。
また、一部の列車を覗いて毛布、スリッパ、アイマスクなどのアメニティグッズが用意され、グランクラス専任のアテンダントも乗務し、軽食や飲料が提供されるなど、ソフト面でのサービスも最高級となっています。
性能面では、前述の通り営業最高速度320km/hを誇り、これは国内最高速となりますが、性能的には上り3‰の勾配で360km/hの均衡速度を誇ります。また、曲線通過時の乗り心地向上や曲線でも320km/h走行できるようにするため、車体傾斜装置を備えます。

また、2016年に北海道新幹線が新青森~新函館北斗間で開業すると、本形式と同等の車両をJR北海道でも導入することになり、JR北海道保有車はH5系を名乗っています。
形式名を別にしたのはJR東日本保有車と区別する意味があり、"H"は「北海道」("Hokkaido")の頭文字からとられています。
構造などはE5系と同等ですが、外観では帯の色が「彩香パープル」に変更され、ロゴマークも独自のものとなっています。
内装も「北海道への旅の序章として、その先の旅への想いを奏でる~Prologue of the North Experience~」をコンセンプトにE5系とは異なるデザインとされており、床面には雪の結晶を、ブラインドには縄文・アイヌ時をあしらうなど独自のデザインとなっています。
なお、車内チャイムはE5系で使用される東北新幹線用汎用チャイムをそのまま使用しており、車内チャイムについては統一されています。

歴史

2009年に量産先行車が落成し、走行試験が行われました。
2011年3月5日より「はやぶさ」として営業運転を開始しました。ただし、この時は本形式の最高速度である320km/h運転は実施せず、宇都宮~盛岡間での300km/h運転となりました。
しかし、同年3月11日に発生した東日本大震災の影響で東北新幹線も甚大な被害を受け、全線で運転が再開される4月29日まで営業運転を中止されることとなりました。
4月29日より運転再開となったものの暫定ダイヤだったため300km/h運転はできず、7月9日の宇都宮~福島間・一ノ関・盛岡間、9月23日の福島~一ノ関間と復旧工事の進捗に伴い順次300km/h運転が再開されてきました。
11月19日より増備に伴い「はやて」「やまびこ」での運用も開始され、2012年3月17日より「なすの」でも運用されるなど順次運用の幅を広げていきました。
2012年に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しています。
2013年3月16日改正では、更に増備され新青森駅発着の「はやて」は全て本形式で統一され、単独運転の「はやぶさ」では320km/h運転が開始され、本形式の性能をフルに発揮できるようになりました。
2014年3月15日改正より、「こまち」がE6系に統一されたこと受けて、全ての「はやぶさ」で320km/h運転が開始されました。
2016年3月26日に北海道新幹線新青森~新函館北斗間が開業すると、H5系がデビューするとともに、E5系も北海道新幹線への乗り入れを開始しました。
2022年3月16日に発生した福島県沖地震では「やまびこ223号」として東北新幹線福島~白石蔵王間を走行中だったH5系H2編成(と併結していたE6系Z9編成)が脱線し損傷を受けたことから当該編成は廃車となり、代替車両は製造されなかったため、H5系は1編成減ることになりました。
JR北海道では14億円の特別損失を計上し、以後はJR東日本からE5系を借用することで対応しています。

現状

E5系は東北新幹線の「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」、及び北海道新幹線の「はやぶさ」「はやて」として活躍中です。
H5系は東北・北海道新幹線の「はやぶさ」と東北新幹線の「やまびこ」での運用が基本ですが、他の列車にも充当される場合があります。
また、「鉄道博物館」(さいたま市)では本形式の実寸台モックアップが展示されており、こちらは走行機器を搭載していないため走行はできませんが、車体そのものは実車同様に日立製作所にて製作され、車内はグランクラス仕様となっていて、「E514-9001」の車番が与えられており、編成番号は「U-」となっています。
モックアップとはいえ、展示のために1両丸ごと製造するのは異例であり、注目を集めました。

走行音

E5系
録音区間:二戸~八戸(はやぶさ31号)(お持ち帰り)
H5系
録音区間:新函館北斗~木古内(はやぶさ10号)(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

E5系 はやぶさ 東北新幹線、北海道新幹線
はやて 東北新幹線(盛岡~新青森)、北海道新幹線
やまびこ 東北新幹線(東京~盛岡)
なすの 東北新幹線(東京~郡山)
H5系 はやぶさ 東北新幹線、北海道新幹線
はやて 東北新幹線(盛岡~新青森)、北海道新幹線
やまびこ 東北新幹線(東京~盛岡)
2024.8.01現在

フォトギャラリー

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外観(E5系)

E3系との連結部

行先表示器

ロゴマーク

乗降扉

中間車連結部

車番

車内

車端部テーブル

大型荷物置き場

普通車3人がけ座席

普通車2人がけ座席

座席テーブル

車内案内表示器

デッキ部

外観(H5系)

乗務員扉(H5系)

ロゴマーク(H5系)

車番(H5系)

中間車連結部(H5系)

普通車車内(H5系)

普通車2人がけ座席(H5系)

座席番号表示(H5系)

座席コンセント(H5系)

壁面コンセント(H5系)

車内から見た乗降扉(H5系)

デッキ部くず物入れ(H5系)
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