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相鉄11000系電車




概要

製造から約30年が経過して老朽化が進行していた相鉄5000系・7000系の置き換えと、近い将来予定されている、神奈川東部方面線を経由したJR東日本との相互直通運転に対応した車両を増備する目的で製造された通勤形電車が相鉄11000系で、10両編成が製造されています。当系列は相鉄10000系の流れを引き継ぎ、設計や製造、使用にあたっての一連のコストの削減を図るため、JR東日本のE233系とほぼ共通の設計となっていることが特徴です。そのこともあって、当系列の一部の車両はJR東日本の直営工場である新津車両製作所によって製造されています。

外観・走行機器


当系列は10000系に引き続き、ステンレスで製造された、長さ20mの4ドア車となっています。相鉄の路線の車両・建築限界の関係で、10000系ではそのベース車であるJR東日本のE231系よりも車体幅がやや狭くなっていましたが、当系列については、導入前に路線の車両・建築限界を変更する手続きとその対応工事を行なったため、E233系と同じ車体幅で製造されています。前面形状は繊維強化プラスチック(FRP)を使用した非貫通型とされ、10000系とよく似たデザインになっていますが、灯火類の位置が上部に変更されています。なお、前照灯には外部からの視認性を高めることを目的として、相鉄の車両で初めてHIDランプが使用されています。
先頭車両には衝突事故への対策として、衝撃吸収構造が相鉄の車両で初めて採用されたため、乗務員室が拡大されています。車体側面はE233系とほぼ同一となっているため、帯の色とその配置以外は特に変更点がありません。方向幕にはE233系と同様のフルカラーLED式方向幕が、車外側面には車外スピーカーが相鉄の車両で初めて採用されました。なお当系列では停車時間が長い際に使用する、4つのドアのうち、1つドアのみを開放して車内保温を行うためのドアカット機能が実装されています。塗装には相鉄の新コーポレートカラーであるブルーとオレンジの帯を巻くデザインを新造時から採用し、前面と先頭車の前方側面には相鉄のロゴが貼られています。
走行制御装置にはIGBT素子を使用したVVVFインバータ制御が、駆動方式にはTD平行カルダン駆動方式が採用されており、台車の耐寒耐雪構造を簡素化することで保守性の向上が図られています。

車内


車内設備も基本的にはE233系とほぼ同一となっています。車内の座席は従来通り、通勤形電車では標準的なロングシートで、10000系と同様の赤紫色のバケットシートを採用していますが、改良により座り心地が若干改善しています。ドア上部には相鉄の車両では初となる、液晶ディスプレイ式車内案内表示器が2台と、ドアチャイム鳴動時に赤く光るランプが設置され、ドア部分の床には滑り止めを兼ねた点字ブロックが貼りつけられています。また、車内の貫通路部分には全て仕切り扉が設置され、窓には10000系と同様に紫外線カットガラスが使用されています。第5編成では、車内照明にLED照明が採用されています。
乗務員室の運転台は、運転士の衝突事故への対策と視界確保のために高運転台仕様とされたほか、相鉄の車両では初めて、アナログ計器を廃したグラスコックピットを採用しています。マスコンはワンハンドル式のものを搭載し、"TIMS"という列車情報管理システムやEB装置も設置されています。

歴史

第1編成は2008年秋に登場しましたが、営業運転開始は翌年6月までずれこみました。この営業運転開始に伴って、新5000系は完全に置き換えられることになりました。その後は順調に増備が続き、現在は第5編成までが登場しています。当系列は「そうてつギャラリートレイン」ラッピング車両として何度か使用された実績があります。

現状

現在も全編成が快速列車と急行列車を中心に活躍しています。なお、当系列はその登場経緯上、将来予定されているJR東日本との相互直通運転にも使用される見込みです。

走行音

録音区間:相模大塚~大和(急行)(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

相模鉄道 相鉄本線、相鉄いずみ野線

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

瀬谷駅にて

先頭部分側面

フルカラーLED式方向幕

そうてつギャラリートレイン かしわ台駅にて
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