JRの運賃・料金 ~基礎編~
このページでは複雑なJRの運賃制度やきっぷについての解説をしています。全くきっぷのことが分からないという初心者の方はもちろん、知識として知っておきたいという鉄の方などもぜひご覧ください。
なお、このページではJRの運賃・料金についてのみ取り扱い、私鉄やバス、その他の交通機関については取り扱いません。
運賃と料金
「運賃」とはある駅からある駅まで運んでもらうための対価で、「料金」とは特別に早く運んでもらう(特急料金)とか、特別に豪華な設備の車両を利用できる(グリーン券)という風に、運賃に追加して付加サービスを受けるための対価ということになります。
そのため、運賃は原則として列車を利用する際には必ず発生し、利用する列車や車両によって該当する料金を追加するということになります。
ただし、唯一の例外が入場券で、入場券は構内に立ち入るための対価で料金の一つですが、列車には乗らないので運賃は発生しません。
実際のきっぷでは
運賃と料金の違いはご理解頂けたと思いますが、今度は実際のきっぷではどのようになっているかというお話です。実際のきっぷでは、運賃に相当するものが「乗車券」、料金に相当するものが「料金券」というものになっています。
以下より乗車券・料金券について解説していきます。
乗車券
乗車券といっても多くの種類があります。普通乗車券
一般的に乗車券といえばこれです。普通乗車券は更に以下の3種類に分類できます。
片道乗車券
ある駅からある駅までの片道を利用できるものです。往復乗車券
ある駅からある駅までの往復を同じ経路で利用できるものです。連続乗車券
一部経路が重複するなど片道乗車券では発券できない経路で利用する場合に利用できるものです。回数乗車券
一般的に回数券と呼ばれるものです。片道乗車券を複数回分セットにしたもので、普通乗車券より割引されたものです。
片道乗車券5回分の金額で6枚、あるいは10回分で11枚という形での発売が殆どです。
定期乗車券
一般的に定期券と呼ばれるもので、ある区間を一定期間乗り放題としたものです。 通常は1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の3種類があり、期間が長いほど割引率が高くなります。また、利用目的で2種類に分かれます。
通勤定期乗車券
「通勤」とついていますが、利用目的は限定されず、任意の区間で発売できます。また、指定校(詳しくは後述します)以外の学校に通う学生は通学定期乗車券を購入できないためこちらを利用することになります。
通学定期乗車券よりも割引率は低くなっています。
通学定期乗車券
利用目的はJRの指定校への通学に限られ、発売できる区間は自宅の最寄駅と学校の最寄り駅に限られます。その分、割引率は通勤定期乗車券より高くなります。
学生の定義
学生割引や通学定期乗車券などを利用できるのは当然学生ということになりますが、JRは学生の定義をしっかり決めています。具体的には先程も何度か出てきた「指定校」に一定の日数以上通学している人ということになります。
中学校・高校・短大・大学・大学院は原則的に全て対象となっていますが、フリースクール、学習塾、予備校、専門学校については個々の学校の認可区分や出席する日数により適用される場合とされない場合に分かれます。
自分が通う学校が指定校かどうかはその学校に問い合わせることになります。
特にこれから学校選びをされる方はその点もしっかり確認しておくと良いでしょう。
料金券
料金券はある列車に乗るためのものとある設備を利用するための2種類に大別できます。急行券
こちらはある列車に乗るための料金券、すなわち「早く移動するための料金」というタイプです。急行券は更に2種類に分かれます。
普通急行券
一般的に「急行券」と呼ばれるもので、急行列車に乗るために必要なものです。2021年現在、JRでは急行列車は定期運行されておらず、臨時列車に限られるため利用する機会は限られるでしょう。
特別急行券
一般的に「特急券」と呼ばれるもので、特急列車や新幹線に乗るために必要なものです。設備のための料金券
先ほどの急行券に対して、設備を利用するために必要となる料金券です。指定席券
指定席を利用する際に必要なものです。特急列車・新幹線であれば「指定席特急券」というふうに特急券と一体になっていることも多く、指定席券単独で利用するのは普通・快速列車の指定席を利用する場合や自由席利用が前提の企画乗車券で指定席を利用する場合に限られます。
購入時に利用日時・列車・座席を指定します。希望の列車が満席の場合は発売できません。
グリーン券
グリーン車は原則的に座席を指定する制度になっているため指定席券も兼ねる形になりますが、首都圏で運行される近郊電車に設定されているグリーン車は自由席扱いですので、座席は指定しません。
寝台券
寝台車を利用するために必要なものです。利用する寝台によりA寝台、B寝台に分かれ、A寝台の方が設備が豪華でその分割高です。
ただし、個室など独自の料金を設けている寝台もあるので注意が必要です。
基本的に寝台は事前に指定する仕組みなので利用方法は指定席券の場合に準じます。
ポイント!
・「運賃」と「料金」は違う
・「運賃」は運んでもらう対価
・「料金」は設備や速達に対して付加的に払う対価
・「運賃」と「料金」は違う
・「運賃」は運んでもらう対価
・「料金」は設備や速達に対して付加的に払う対価