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107系電車


107系の画像

概要

JR東日本が北関東地区(日光線・両毛線など)の普通列車に使われていた165系といった急行型電車を置き換える目的で製造した通勤形電車です。
当時使われていた急行型電車はボックスシートであり、デッキ付きの片開き2ドアといった車体構造がラッシュ時の輸送には向かず、遅延の原因になっていたことや、最低でも3両編成でしか運転できず、日中の閑散時間帯には輸送力過剰であったこと、何よりこれら急行型電車も登場から20年以上を経て陳腐化・老朽化が進んでいたことから、その状況を打開する車両として本形式が導入されました。
そのため、本形式では2両編成を基本とし、需要に応じて4両・6両でも運行できるようにして、輸送力の調整を可能としつつ、165系の廃車発生品を一部流用することで製造コストを削減するなど、運行の効率化を図った思想のもとで開発されました。

車体は普通鋼製で、105系に準じたものとなっており、両開き扉を片側3箇所ずつ設け、ラッシュ時の円滑な乗降を図っています。
座席は全てロングシートであり、通勤輸送を主眼においた車両となっています。
ただし、長時間乗車する利用者も少なくない路線での運用を想定しているため、「ブリッジシート」と称する座面奥行きが長く取られていて、深く座ることが出来る座席を採用しており、一般的な通勤形電車よりは快適性を考慮しています。

走行機器は119系に準じた1M方式としており、ノッチ戻し制御に対応した抵抗・弱め界磁制御となっています。
ブレーキや台車、モーターは165系の流用品を使用しており、定格120kWのモーターを各車4基ずつ搭載しています。
ただし、普通列車としての運用であることから加速性能を重視し、ギア比は変更されており、本形式では1:5.60に設定され、起動加速度は1.7km/h/sとなっています。

番台区分としては0番台と100番台の2つがあり、0番台は日光線の置き換えのために導入され、100番台は高崎支社管内での運用のために導入されました。
相違点としては、0番台は冬季の架線凍結に備えて霜取り用パンタグラフを装備し、空転対策で砂撒き装置も装備しています。
100番台では霜取り用パンタグラフと砂撒き装置は省略されたものの、代わりに耐雪ブレーキを装備し、信越本線横川~軽井沢間でEF63形により牽引・推進運転に対応した「横軽対策」が施されているのも特徴です。
0番台は日光線と東北本線(小金井~黒磯)、100番台は両毛線・上越線(高崎~水上)・吾妻線・信越本線(高崎~横川)で運用されていましたが、0番台と100番台は相互に貸出されることもありました。
先に0番台が205系に置き換えられて廃車となり、100番台も211系に置き換えられる形で廃車になっており、本形式は消滅形式となっています。
なお、100番台のうち2次車にあたる6編成12両が上信電鉄に売却され、700形と改称され使用されています。

歴史

1988年6月1日に0番台が、1989年3月11日に100番台が運用開始されました。
2008年には0番台にステッカーが貼付され、2009年3月からは塗装変更が開始され、2010年1月17日までに全編成に施工されました。
2013年3月16日ダイヤ改正では205系600番台に置き換えられる形で0番台が全車廃車となり、消滅区分となりました。
2016年より100番台も211系による置き換えが始まり、2017年中に運用が終了し、前述の上信電鉄へ売却された車両を除いて廃車となり、本形式は消滅形式となりました。

現状

JR東日本での運用は終了しています。
なお、上信電鉄に売却された車両が改造を受けて700形として活躍中です。

走行音

録音区間:新前橋~井野(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

2024年現在、JR東日本での運用は終了しています。
ただし、上信電鉄に譲渡された車両が700形として活躍中です。

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

日光線旧塗装(0番台)

日光線新塗装(0番台)

前面方向幕(日光線)

日光線ヘッドマーク

日光線ロゴ

高崎支社管内の塗装(100番台)

方向幕(100番台)

妻面表示

車内(100番台)

座席(優先席)

車番プレート(車内)

運転台
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