123系電車
概要
国鉄、及びそれを引き継いだJR東日本、JR東海、JR西日本が導入した直流近郊型電車です。
国鉄末期の1986年からJRグループ発足直後の1988年にかけて投入されました。
背景としてはこの時期に鉄道手荷物・郵便輸送が廃止されており、これに使用されていた荷物電車が用途がなくなり余剰となったことがあり、これを利用者の少ないローカル線のうち、電化されている区間向けに転用することを目指して本形式が登場しました。
種車としては143系・145系・147系といった荷物電車が用いられており、普通鉄道用の電車としては珍しい1両単位で走行可能な車両になっています。
種車とした車両によって微妙に仕様が異なりますが、基本構造はおおむね統一されており、全てロングシートとなっています。
走行機器は抵抗制御で定格100kWもしくは120kWのモーターを制御し、駆動方式は中空軸平行カルダン駆動方式となっています。
最高速度は100km/hとなっており、ワンマン運転への対応は当初は準備工事のみとされ、後年に対応改造が行われました。
また、冷房も当初は非搭載でしたが、後に設置されています。
まずは中央本線のうち、塩嶺トンネル開通により支線化した辰野~塩尻間の輸送力適正化のためにクモニ143-1を改造した最初の車両が投入され、「ミニエコー」の愛称で親しまれました。
続けて可部線と向けとしてクモニ143-2・3・6を改造し3両が投入され、更にクモニ143-7・8を改造して2両が阪和線羽衣支線向けとして投入されました。
更にクモユニ147形を改造した5両が40番台に区分され、身延線のうち、富士~西富士宮間や鰍沢口~甲府間といった区間列車向けに投入され、「富士ポニー」の愛称で親しまれました。
このように当初は中央本線辰野支線や身延線の区間運転、可部線、阪和線羽衣支線などで活躍しました。
JR東海では2006年に、JR東日本では2013年にそれぞれ引退しており、両社からは引退となりましたが、2024年現在、JR西日本でのみ運用が続けられています。
JR西日本では可部線や阪和線羽衣支線からは撤退し、宇部線や福塩線への転用を経て、最終的に宇部線・小野田線へ転用され、以後はこの2路線を中心に運用されることになりました。
歴史
1986年に登場し、1987年にJR東日本、JR東海、JR西日本に引き継がれました。
2006年にはJR東海、2013年にはJR東日本が運用を終了し、以後はJR西日本でのみ運用されることとなりました。
現状
JR西日本でのみ運用中です。
運用線区は小野田線・宇部線を中心としており、特に小野田線では本形式が主力車種となっています。
走行音
録音区間:小野田港~南小野田(お持ち帰り)
走行線区(特記無い場合は全線)
JR西日本 |
瀬戸内地区地域統一色(黄色) |
宇部線、小野田線、山陽本線(宇部~下関) |
2024.08.07現在
フォトギャラリー
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「ミニエコー」
同車両 前面方向幕
同車両 ヘッドマーク
同車両 車外仕様表記
同車両 車外銘板
同車両 先頭部分側面
同車両 車外車号表記
同車両の車内
山陽地区塗装
地域統一色
方向幕
同車両の車内
座席
車番表示(車内)
製造銘板
整理券発行機
運賃箱
運賃表示器
運転台