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201系電車



201系の画像

概要

国鉄が導入した直流通勤形電車です。
当時はオイルショックといった時代的背景もあり、「省エネ電車」をコンセプトに設計されており、制御方式として国鉄としては初となる「電機子チョッパ制御」を採用しており、これにより走行エネルギーを電力として回収して架線に戻し、他の電車の動力源として再利用する「回生ブレーキ」を実現し、チョッパ制御そのものの効率の良さも相まって省エネルギー化を実現しました。
チョッパ制御はモーターへの電力を高速でオン・オフを繰り返してモーターを制御する仕組みで、従来の抵抗制御では余分な電力を熱に変換して捨てていたのに対して、チョッパ制御では電力の無駄が少なく省エネルギー性の高い方式でした。
これは大電力に耐える半導体の製造が可能になったことで実現したものでしたが、製造コストが従来の103系などに比べると1.5倍ほどとなり割高であったことから、本形式の増備はそれほど進まず、よりコストパフォーマンスを考慮した界磁添加励磁制御を採用した205系に移行しました。
また、チョッパ制御自体もより高性能なVVVFインバータ制御が出てくると新規に採用される例はなくなったため、国鉄(JRグループ)でチョッパ制御を採用した例は本形式の他には派生系列とも言える203系があるくらいで、希少な方式となっています。

車体は普通鋼製車体ですが、従来の通勤形電車とは異なる新機軸を採用した車両であることをアピールするべく、103系などとは異なる先頭部デザインが採用されました。
車内も「20年程度先を見越した接客設備」を目指して改善が図られ、7人がけ座席では中央の1人分のスペースだけモケットの色を変えることで定員通りの客席を誘導すると行ったデザイン上の工夫も見られました。

走行機器はサイリスタを用いた電機子チョッパ制御で、MM'ユニットを採用しているため、チョッパ制御器・主制御器・抵抗器・パンタグラフを搭載するM車(モハ201形)と、補助電源装置・電動空気圧縮機を搭載したM'車(クモハ200形・モハ200形)があり、電機子チョッパ制御が発する独特の音はM車でのみ聞くことが出来ます。
モーターは直巻整流子電動機のMT60形で、これはチョッパ制御用に新開発されたものであり、高速走行時でも安定して回生ブレーキを動作させられるように、定格150kWと従来の通勤形電車より大出力のものが搭載され、定格回転数も1850rpmと高く取られてます。
また、駆動方式は中空軸平行カルダン駆動方式です。
モーター出力こそ従来の電車より強力なものになっていますが、セッティングが高速寄りであるため、低速域での加速性能は103系などと大差ないものとなりました。
最高速度は100km/hとなっています。
ブレーキは回生ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキで、回生ブレーキの実用化こそ本形式の最大の特徴ですが、まだ細かい制御は発展途上であり、思うようにさせられず、空気ブレーキへの依存が高くなってしまう問題もありましたが、徐々に改良されていきました。
台車には乗り心地のよい空気ばね台車が採用されており、省エネ性以外の点でも改良された電車でした。
また、後年に「軽装車」と呼ばれるコストダウンを図った設計変更されたグループが登場しており、細部に変更点がありました。

初期は中央快速線に投入され、直通する青梅線・五日市線でも活躍しました。
中央・総武緩行線にも投入され、更には京阪神地区の東海道線(京阪神緩行線)にも投入され、首都圏や京阪神地区を主な活躍の舞台としました。
国鉄分割民営化後はJR東日本とJR西日本に引き継がれ、JR東日本では中央線快速の直通範囲の拡大により八高線拝島~高麗川間や富士急行線への乗り入れも開始されました。
中央線快速で使用されたグループは大月駅や富士急行線まで乗り入れる運用も存在し、長距離・高速走行が多い運用で、抑速ブレーキがないにもかかわらず小仏峠越えの運用を担ったこともあり、走行距離が嵩み老朽化も目立ったことから比較的早い時期に引退することとなり、置き換え用としてE233系が投入されました。
また、中央・総武緩行線や武蔵野線でも運用されていましたが、こちらもE231系0番台や205系などへの置き換えで引退し、最終的にJR東日本での本形式の運用は京葉線に集約されることとなりました。
それも209系やE233系といった車両に置き換える形で引退すると、JR東日本からは本形式が消滅することとなりました。
また、JR東日本では本形式を改造した観光列車「四季彩」を登場させています。
JR西日本では国鉄時代から引き続き京阪神緩行線で運用されてましたが、後に大阪環状線や関西本線(大和路線)に転用されています。
大阪環状線については後継となる323系の投入で103系と共に置き換えられると、大和路線が最後の活躍の舞台となりました。
また、おおさか東線でも一時期運用されていました。

歴史

1979年8月20日に試作車が中央線快速で運用を開始しました。
1981年8月20日より量産車の運用を開始しました。
1982年8月14日には中央・総武緩行線で、同年11月15日青梅線でも運用を開始しました。
1983年2月21日には京阪神緩行線で運用を開始し、関西地区での運用も始まりました。
また、同年10月1日には五日市線でも運用が開始しました。
1986年3月3日ダイヤ改正より武蔵野線でも運用を開始し、更に同年11月1日ダイヤ改正で快速電車が大月駅に乗り入れるようになり、本形式の運用範囲も大月駅まで拡大されました。
1987年4月1日の国鉄分割民営化により、本形式はJR東日本とJR西日本に引き継がれました。
1988年12月5日には中央・総武緩行線東中野駅で発生した東中野駅列車追突事故が発生し、当該編成が最後尾1両を除き大破し廃車となりました。
1990年には中央快速線から富士急行線へ直通する快速電車が設定され、これにより本形式が富士急行線にも乗り入れるようになりました。
1997年には本形式とE351系電車が衝突する「大月駅列車衝突事故」が発生しました。
2001年に「四季彩」がデビューし、青梅線を中心に運行されました。
2005年には京阪神緩行線で使用されていた本形式が大阪環状線や桜島線に転用され、運用が開始しました。
2007年には京阪神緩行線から撤退しました。
2008年3月26日に青梅線・五日市線用車両が営業運転を終了し、同年6月19日に廃車され、「四季彩」についても同年7月20日で運用終了となりました。
また、同年3月15日に"おおさか東線"が部分開業し、本形式が投入されました。
2011年6月20日をもって京葉線での本形式の運用が終了し、JR東日本での本形式の運用は終了となりました。
2019年6月7日限りで大阪環状線・桜島線から撤退し、残る運用線区は大和路線と"おおさか東線"のみとなりました。
2022年3月12日ダイヤ改正をもって"おおさか東線"での運用を終了し、残るは大和路線のみとなりました。
また、2020年度から2023年度にかけて225系を新製投入し、これによって東海道・山陽本線(JR京都線・神戸線)の快速電車に使用されていた221系を置き換え、この221系を大和路線に転用することで本形式を置き換える計画となっており、2024年度中に本形式の運用は終了する見込みです。

現状

JR東日本では全車引退済みで現存しません。
JR西日本では大和路線でのみ運用されていますが、2024年度中に運用を終了する見込みです。
保存車両としてはクハ201-1が豊田車両センター内に保存されており、2024年現在リニューアルのため休園中の「青梅鉄道公園」に移設の上で公開される可能性があるとの情報もあります。

走行音

録音区間:八丁堀~越中島(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

JR西日本 ウグイス塗装) 関西本線(JR難波~奈良)
2024.08.08現在

フォトギャラリー

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オレンジ塗装

スカイブルー塗装(ラストランヘッドマーク付き)

同塗装 先頭部分側面

前面方向幕

ラストランヘッドマーク

ウグイス塗装

同先頭部側面

同前面方向幕

同側面方向幕

同所属表記

同妻面表示

USJラッピング

USJラッピングの車番表記

車内

座席

乗降扉(車内より)

連結面(車内より)

号車&車番表示(車内)
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