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209系電車





概要

JR東日本が「新系列車両」の元祖として開発した車両です。
国鉄から引き継いだ103系が更新時期を迎えていることなどを機に開発されました。
「重量半分・価格半分・寿命半分」という民営化されたJRらしい発想で開発され、導入当初から廃車までのリサイクルを考慮するなど環境に配慮した車両でもあります。
当初はGTO素子のVVVFインバータ制御でしたが、一部が更新されIGBT素子のものになっています。
導入からしばらくは京浜東北線や中央・総武緩行線など東京の主要路線で活躍していましたが、E231系やE233系などの後継車両に活躍の舞台を譲ると、千葉地区などに活躍の場を移しました。
また、本形式を改造した試験車両である「Mue Train」や、観光列車の一種である「のってたのしい列車」の「BOSO BYCICLE BASE」も製作されました。

本形式のコンセプトである「重量半分・価格半分・寿命半分」はそれぞれ、「重量半分」は省エネルギー化、整備性の向上、維持費用の削減を、「価格半分」とは一定の範囲内に製造会社の自由度を認めることで大量生産による調達コストの削減を、「寿命半分」は20~30年に渡って使用し続けた場合に車両の陳腐化や新技術の恩恵を受けられない事態を避け、法定減価償却期間である13年で廃車しても経営上の影響を受けないようにすることを意味しており、設計段階より廃車後のリサイクル計画を策定し、環境問題にも配慮した設計になっています。
この「寿命半分」という部分に着目し、レンズ付きフィルム「写ルンです」になぞらえ「走ルンです」という俗称がつけられたりもしました。
内装面ではモジュール化、配線やダクトを一体成型したユニット構造を採用し組み立てコストを削減したり、ドアエンジンにはフランス「フェブレイ社」製の電気式を採用したり、座席をバケット式シートとし、クッションをバネからウレタンに変更するなの変更点があります。
走行機器面ではVVVFインバータ制御と交流誘導モーターを使用することによるメンテナンスフリー化を図り、MT比を減らしても従来車と同等の加減速性能を維持しています。
補助電源装置も従来の電動発電機から、静止形インバータに変更し、パンタグラフの小型化、ブレーキに部品点数の少ないユニットブレーキを採用、車両間の信号のやり取りをシリアル伝送方式に変更し、必要な電線の数を減らすといった工夫も見られます。

車体構造についてはメーカーにより細部に違いがあり、東急車輛製造では従来の骨組み工法、川崎重工業ではシート貼り合わせ工法となっており、軽量ステンレスで造られています。
走行機器はJR東日本の車両としては初めて本格的にVVVFインバータ制御を採用し、三菱電機製のGTO素子によるVVVFインバータで、定格95kWの交流誘導電動機を駆動しており、定格は従来車両より控えめですが、VVVFインバータを採用したことで過負荷使用を前提としており、実際には直流電動機での150kW相当の出力となっています。
なお、インバータの素子は後年の更新でIGBT素子に換装されています。
また、MM'ユニットというVVVFインバータと補助電源装置・空気圧縮機・集電装置を2両に分散して搭載する方式を採用しており、これも軽量化に貢献しています。
最高速度は110km/hですが、950番台のみ120km/h運転に対応していました。

番台区分としては試作車である900番台、910番台、920番台、京浜東北線向けの量産車の0番台、中央・総武緩行線、京葉線、武蔵野線向けの500番台、常磐緩行線向けの1000番台、八高線・川越線向けの3000番台があり、東京臨海高速鉄道70-000形を譲り受け編入した3100番台、千葉地区への転用を受けて改造された2000番台、2100番台、「のってたのしい列車」の「BOSO BYCICLE BASE」に使用される2200番台、500番台を八高線・川越線に転用するために改造された3500番台といった区分があります。

1000番台のみ地下鉄乗り入れ対応のため非常用貫通扉が設置されており、前面デザインが大きく異なります。
運用としてはまず京浜東北線で、続いて八高線・川越線で、その後は中央・総武緩行線、常磐緩行線へと投入され、京浜東北線へE233系が投入されて本形式の置き換えが始まると京葉線、武蔵野線へと転用され、京浜東北線での運用は終了しました。
常磐緩行線向けの1000番台はE233系の投入で置き換えられ、中央快速線へと転用されました。
八高線・川越線ではE231系3000番台の投入により本形式も置き換えられましたが、3500番台のみ運用を継続しています。
中央総武快速線ではE231系500番台投入により置き換えられ引退し、車両は武蔵野線や八高線・川越線に転用されました。
現存する車両のほとんどがVVVFインバータの素子をGTOからIGBTに変更されていますが、中央快速線を走る1000番台の2編成のみGTO素子のまま残る貴重な編成となっています。

「のってたのしい列車」である「BOSO BYCICLE BASE」は房総地区へサイクリングを目的に利用する利用者が一定数いた事に着目し、自転車を分解・折りたたみせずに持ち込める専用列車として導入されたもので、愛称名は「房総各地を自転車で駆け巡るための基地」という意味の英単語から取られており、「B.B.BASE」という略称もあります。
車内には座席とともにサイクルラックが設置されており、自転車をそのまま固定することができるようになっており、6両固定編成で運用されています。
運行は当初は団体臨時列車扱いであり、乗車には専用のツアーに申し込む必要がありましたが、2022年より全車指定席扱いの一般列車という扱いになり、指定席券を買えば自転車を積載しない一般利用者も乗車可能となりました。
運行区間は東京都内では両国駅を起点に内房線、外房線、総武本線、東金線、成田線などに足を伸ばし、運行区間ごとに異なる愛称で運行されます。

その他、本形式を伊豆急行に譲渡し3000系と改称されて運用されている例もあります。
非営業用車両としては車籍はないものの乗務員訓練用の機械扱いとして訓練車として使用されているものや、各種試験に使用する試験車両「MUE-TRAIN」が本形式を改造・転用して使用されています。

歴史

1992年に試作車である900番台が製造されました。
1993年より量産が始まり、0番台が京浜東北線での運用を皮切りに、南武線でも運用が開始されました。
1996年には八高線八王子~高麗川間の電化開業に合わせて3000番台が登場し、同区間と川越線高麗川~川越間(出入庫運用として南古谷への乗り入れあり)で運用が始まりました。
1998年には500番台が登場し、中央・総武緩行線や京葉線での運用が始まり、翌1999年には武蔵野線でも運用開始しました。
京浜東北線(2010年)や中央・総武緩行線(2017年)などで置き換えが始まると他線区への転用が始まり、千葉地区向けの2000番台・2100番台(2009年)、八高線向けの3500番台などへ改造・転用されました。
2017年には本形式を改造した「B.B.BASE」が登場し、運行開始しました。
2018年には常磐緩行線で本形式の運用が終了し、翌2019年より中央快速線に転用されました。

走行音

GTO素子車
録音区間:稲毛海岸~検見川浜(お持ち帰り)
IGBT素子車
録音区間:巖根~袖ヶ浦(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

JR東日本 0番台 現存せず
500番台
ワインレッド 京葉線(東京~蘇我、二俣支線)、内房線(蘇我~君津)、外房線(千葉~上総一ノ宮)
オレンジ 武蔵野線、京葉線(東京~市川塩浜、南船橋~海浜幕張、高谷支線、二俣支線)
1000番台 中央本線(東京~高尾)
2000・2100番台 外房線、内房線、東金線、総武本線(千葉~銚子)、成田線(佐倉~松岸、空港支線)
2200番台 総武本線(両国~銚子)、内房線(蘇我~和田浦)、外房線(千葉~安房鴨川)、東金線、成田線(佐倉~香取、成田~布佐)、鹿島線
3000番台 現存せず
3100番台 現存せず
3500番台 川越線(南古谷~高麗川)、八高線(高麗川~八王子)
           2024.08.19現在

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

900番台(試作車)

同妻面

同方向幕

同車外車号表記

同台車

同車外仕様表記

同車外銘板

同後部の永久連結器

同妻部ラジオアンテナ

0番台(スカイブルー)

同方向幕

同車番表示(車外)

0番台・2200番台(南武線)

同行先表示器

500番台(オレンジ)

同前面行先表示器

同側面方向幕

同所属表記

同車番表示(車内)

500番台(ワインレッド)

同先頭部分側面

前面LED式方向幕

500番台(イエロー)

1000番台(常磐緩行線)

同車内

同座席

同優先席

同車番表示(車内)

同車内案内表示器

同乗降扉(車内より)

1000番台(中央快速線)

同前面行先表示器

同側面行先表示器

同車番表示(車外)

同車内

同座席

同優先席

同荷棚

同車両間扉

2000・2100番台

同番台

同番台 先頭部分側面

LED式方向幕

運転台

2000・2100番台 先頭車(セミクロスシート)の車内

同番台 先頭車のクロスシート

同番台 クロスシートの窓際ミニテーブル

同番台 中間車(ロングシート)の車内

3000番台

同方向幕

3100番台

同前面方向幕

同スカート

同行先表示器

同ドア開閉ボタン(車外)

同乗務員扉

同車番表示(車外)

同乗降扉(車内より)

同ドア開閉ボタン(車内)

同車番表示(車内)

BOSO BICYCLE BASE

同側面

訓練車

試験車 MUE-Train

同前面方向幕

同前面ロゴマーク

同乗務員扉

同側面扉

同側面ロゴマーク
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