215系電車
概要
JR東日本が年々増加する東海道本線の遠距離通勤客に対して、快適に移動できる着席サービスを提供するために製造された車両です。
当系列は1列車あたりの着席定員を増加させることを目的として開発されたため、211系の2階建てグリーン車と415系唯一の2階建て車両である1900番台を設計の際に参考として両先頭車を除く全車両が2階建て構造(ダブルデッカー)となっています。
この結果、当系列の普通車1両あたりの座席定員は最大で120名にも及びます。
なお、グリーン車以外の座席は全てボックス式クロスシートになっています。
車体は基本的にステンレス製とし、先頭部分のみ普通鋼製として軽量化を図っています。
パンタグラフが狭小トンネルの通過に対応したものなので中央本線の高尾駅以西にも入線することができます。
電動車は10両編成のうち両端の各2両ずつのみで、残りの中間車はすべて付随車になっており、他の系列では見られない特徴的な編成の組み方となっています。
走行装置は基本的に211系のシステムを踏襲していますが、車体重量の増加と最高速度120km/hへの向上に対応するために細部が若干変更されています。
ちなみに、付属編成として5両固定編成の製造が計画されていましたが、これは実現しませんでした。
歴史
製造後はその大きな輸送力を活かし、かつ通勤客に快適な着席サービスを提供できる朝夕のホームライナーに投入されました。その後、東海道本線で日中に運転される快速「アクティー」での全面使用も始まり、定期運用の全盛期を迎えました。同時に、中央本線で狭小トンネルが続く高尾駅以西にも直通できることを活かして、行楽客向けの臨時快速「ホリデー快速ビュー山梨」への運用も開始されました。しかし、当系列は利用客からは好評であったものの、車体の構造上、停車駅での乗降に時間がかかりがちであったため遅延が目立つようになりました。また、特急「踊り子」に利用客を転移させて増収を図る目的もあったため、2001年12月のダイヤ改正でアクティーの運用からは撤退し、同改正で運行が開始された湘南新宿ラインの列車に転用されました。しかし、2004年10月のダイヤ改正で湘南新宿ラインの使用車両がE231系に統一されたことによってその運用も消滅しています。
その後は定期運用は東海道線のライナー列車「湘南ライナー」のみとなっていましたが、土休日には「ホリデー快速ビューやまなし」などの行楽列車として運用されるなどしました。
しかし、2021年3月ダイヤ改正にて「湘南ライナー」が特急「湘南」に格上げの上、使用車種をE257系に統一されたことに伴い定期運用がなくなり、そのまま引退となりました。
現状
全車引退済みであり、現存しません。
走行音
録音区間:塩山~勝沼ぶどう郷(ビューやまなし)(お持ち帰り)
走行線区(特記無い場合は全線)
※全車廃車済みであり運用はありません。
2024.08.22現在
フォトギャラリー
画像をクリックすると拡大できます。
外観
先頭部分側面
先頭車
中間車
前面種別幕と列車番号表示
乗務員扉
乗降扉
車番
ロゴマーク
方向幕
車内
座席
優先座席
車内階段
車内案内表示器
乗降扉(車内より)