373系電車
概要
JR東海が165系急行型電車の置き換えを目的として、185系と同様のコンセプトである「普通列車から特急列車まで幅広く使える車両」として開発した車両です。
身延線や飯田線などのローカル線において短編成で運用されることを考慮し、グリーン車の設定がないモノクラス3両編成となっています。
JRの特急用車両としては珍しくデッキが省略されており、車内保温対策のためドア開閉ボタンを車内外に設置してドアの開け閉めを乗客が操作する「半自動機能」を備えています。
走行装置には383系に続いてGTO素子を使用したVVVFインバータを採用しています。なお、以後に製造された系列ではIGBT素子のものを使用したため、JR東海で最後のGTO素子使用系列となっています。
モーターは定格185kWのC-MT66形かご形三相誘導電動機で、最高速度は110km/hですが、設計上は120km/hとなっています。
ブレーキは回生ブレーキ・発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、抑速ブレーキにも対応しています。
歴史
「ふじかわ」への導入を皮切りに、「伊那路」「ムーンライトながら」「東海」に導入され、目的であった165系の置き換えを果たしました。その後、当系列を使用した特急列車には客室窓からの眺望がよいことをアピールするため「ワイドビュー」という愛称がつくようになりました。
なお、2009年春の改正よりムーンライトながらは臨時列車のみの運行となり、使用車両も183系・189系に変更されたため373系での運行はなくなりました。
この送り込みのため運行されていた東京~静岡の1往復の普通列車運用は2012年春まで存続しましたが、ダイヤ改正以後は運転区間を東京~沼津に短縮の上、E231系近郊型による運行となりました。
ちなみに、予想外の好評により車両不足に陥った中央本線の「セントラルライナー」にも一時期使用されていました。
現状
当系列は特急列車はもちろんのこと、普通列車としての運用もあるほか、特急列車の間合い運用として東海道本線のホームライナーにも使用されています。
また、上段に前述したように「ムーンライトながら」からの撤退、そして特急「東海」の廃止により車両数に余裕ができたため、ウォーキング会員向け貸切列車や団体列車、その他臨時列車などにも広く使用されます。
走行線区(特記無い場合は全線)
JR東海 |
ふじかわ |
東海道本線(静岡~富士)、身延線 |
伊那路 |
飯田線(豊橋~飯田) |
ホームライナー浜松 |
東海道本線(沼津~浜松) |
ホームライナー静岡 |
ホームライナー沼津 |
東海道本線(静岡~沼津) |
普通列車 |
東海道本線(豊橋~浜松、沼津~熱海)、飯田線(飯田~天竜峡) |
2025.04.08現在
フォトギャラリー
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外観1
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外観2
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トレインマーク表示部
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方向幕
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乗降扉(車外から)
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車内
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車内案内表示器
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座席(ボックス席)
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座席(一般席)
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座席テーブル
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乗降扉(車内より)
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ドア開閉ボタン
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車端部
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運転台