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500系新幹線




概要

JR西日本が山陽新幹線の高速化を目指し開発した新幹線車両です。
320km/hで営業運転が可能な車両として開発されましたが、営業運転開始前に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)を機に改正された制動距離基準を満たせないことや、費用対効果を勘案し、営業運転での最高速度は300km/hとなりました。
スピードを最重視して設計されたため、戦闘機を思わせるフォルムとなり、ドイツの工業デザイナー「アレクサンダー・ノイマイスター」のデザインがん人気を集めましたが、先頭車の運転席側には出入口がない他、尖った部分が長いために先頭車の客室が他形式よりも狭くなること、車体断面を小さくするために客室の壁が内側に迫るような配置となり、これが居住性を悪化させるなど、他の要素を犠牲にした上でスピードを最優先したとも言える設計になっています。
そのため、子供などには人気を集めたものの、頻繁に新幹線を利用するビジネスマンなどには居住性の悪さゆえに不評だったことや、独特の構造ゆえの製造コストの高騰、更には座席配置が他の車両と異なり共通運用ができないといった問題もあり、同じ300km/h走行が可能なN700系の登場でのぞみ運用は減っていき、2010年にはのぞみ運用は無くなり、8両編成に改造された上で山陽新幹線のこだまに転用されました。
のぞみ運用があった当時は山陽新幹線内での表定速度が世界記録となっていました。また、実質的な後継となるN700系よりも速度種別は上であり、現在でも日本最速(で走行可能な)車両の地位は譲っていません。
近年では、500系をモチーフにした山陽新幹線公式キャラクター「カンセンジャー」のラッピングを施した編成が走っており、年ごとにラッピング内容と編成を変えて運行しています。
2014年7月19日~2015年8月30日までV2編成の1号車を改造してプラレールなどで遊べるスペースを設けた「プラレールカー」なども登場しており、子どもたちからの人気度の高い500系を用いたツアープランなどが好評でした。
2015年11月7日からは、「新幹線:エヴァンゲリオン プロジェクト」として「エヴァンゲリオン」監督の庵野秀明氏の監修と、メカニックデザイナーである山下いくと氏の車両デザインをV2編成に施し「500 TYPE EVA」として運行しています。1号車は展示スペースとエヴァの実物大コックピットが置かれており、抽選で選ばれた人はコックピット搭乗体験を受けることが出来ました
それに続いて「ハローキティ新幹線」に改造され、内外装の変更がされました。
2号車は「KAWAII! ROOM」と称してフォトスペースを設置するなど特別デザインの車両となっています。
これは海外メディアでも報じられ、世界的に人気を集めています。

走行機器としてはGTO素子によるVVVFインバータ制御となっていて、300km/hでの走行を可能とするため、全車両を電動車としており、16両編成での総出力は17,600kWとなっています。
また、空気抵抗や騒音を低減させるべく、パンタグラフは「翼型パンタグラフ」と称する独自のものを採用しています。
前述の「こだま」への転用にあたり、8両編成への短縮化、内装リフレッシュと荷棚の交換、喫煙ルームの設置、グリーン車の一部を普通車へ変更、パンタグラフをシングルアーム型へ変更、ドアチャイムを追加等の変更が加えられ、最高速度は285km/hに落とされています
子供用の疑似運転台を一部車両に設置しており、子供連れの利用者には好評を博しています。

一部編成がインバータ更新を受けており、GTO素子からIGBT素子に変更となっています。
受賞歴としては鉄道友の会「ブルーリボン賞」と通商産業省(現:経済産業省)「グッドデザイン商品選定」の商品デザイン部門での選定を受けています。

歴史

1997年3月22日に営業運転を開始しました。
1996年には通商産業省(現:経済産業省)のグッドデザイン商品選定の商品デザイン部門で選定を受け、1998年には鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しました。
2007年にはN700系が登場し、徐々に本形式の置き換えが始まり、2010年2月を持って本形式の「のぞみ」での定期運用は終了しました。
また、同時に東海道新幹線への乗り入れがなくなりました。
余剰となった本形式9編成のうち8編成が「こだま」へ転用すべく改造を受け、2008年12月より順次「こだま」へ投入されました。
このとき減車により余剰となった車両と転用されなかったW1編成は廃車となっています。
2014年7月19日より、V2編成がタカラトミー・パナソニックとのコラボにより「プラレールカー」とされ、翌2015年8月まで運行されました。
2015年11月7日よりV2編成はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とのコラボで「500 TYPE EVA」となり、2018年5月13日まで運行されました。
同年6月30日よりサンリオのキャラクター「ハローキティ」とのコラボで、「ハローキティ新幹線」とされ、2024年7月現在まで運行中です。

現状

山陽新幹線「こだま」の一部にて博多~新大阪間と博多南線にて活躍中です。
また、2両が保存車として静態保存されており、「京都鉄道博物館」と「日立製作所笠戸事業所」内の歴史記念館にて保存されています。
なお、日立製作所笠戸事業所については通常非公開であり、公開イベントなどでのみ見ることが出来ます。

走行音

GTO素子車
録音区間:広島~新岩国(こだま741号)(お持ち帰り)
IGBT素子車
録音区間:小倉~新下関(こだま842号)(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

こだま 山陽新幹線
2024.08.01現在

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

洗車機から出てくる500系、博総にて

博総内にて展示中の500系

ロゴ

ドア

車内

車内電光掲示板(300km/h走行中)

通信用アンテナ

カンセンジャーラッピング

プラレールカーのロゴ

プラレールカーのデッキ部と車内ステッカー

プラレールカーのプラレールレイアウト

「500 TYPE EVA」先頭のカラーリング

「500 TYPE EVA」先頭のカラーリングその2

1号車先頭部分

2号車DE席

2号車ABC席

ATフィールドカーテン

EVA仕様の車両案内

座席下部のラッピング

外観(ハローキティ新幹線)

ロゴ(ハローキティ新幹線)

車内(ハローキティ新幹線)

フォトスポット(ハローキティ新幹線)

ハローキティ像(ハローキティ新幹線)

大型荷物置き場(ハローキティ新幹線)

客室端部(ハローキティ新幹線)

座席(ハローキティ新幹線)

車端部テーブル(ハローキティ新幹線)

客室扉(ハローキティ新幹線)

乗降扉(ハローキティ新幹線)

車内案内図(ハローキティ新幹線)
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