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787系電車




概要

JR九州が783系に引き続き、フラグシップトレインとして新たに開発した特急型車両で、当時JR九州の看板特急であった「つばめ」に最初に投入されて使用されたことにちなみ「つばめ型車両」と呼ばれることもあります。
当系列は工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が車両デザインを担当しており、軽食を提供できるビュッフェやコンパートメント席などを設置したほか、「つばめレディ」と呼ばれた客室乗務員による接客も行われ、歴史ある特急名「つばめ」を名乗るのに恥じない豪華なサービスの提供を実現しました。
車体の大部分に783系で採用されていたステンレス鋼ではなく普通鋼を採用しましたが、屋根上などの腐食しやすい部分にはステンレス鋼を使用しています。
パンタグラフにはJR九州で初めて下枠交差式のものが採用され、以後の車両にも踏襲されました。
足回りや搭載機器は811系をベースとしており、サイリスタ位相制御と発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを組み合わせ、最高速度は130km/hを誇ります。
また、JR九州の電車としては初めて、運転席に本格的な乗務員支援モニタが採用されています。ちなみに、当系列はJR発足後に登場した特急型車両としては初めて製造両数が100両を越えた形式でもあります。
編成は登場時は9両固定編成でしたが、後に7両固定編成と4両固定編成の2パターンに組み替えられました。
長らくJR九州の特急列車の代表格として幅広い活躍を見せましたが、新幹線網の拡充や後継車種の登場もあって活躍の場は変遷していきました。
本形式の売りだったビュッフェは「リレーつばめ」への転用で乗車時間が短縮されたことから廃止の上で普通車に転用される一方で、新たに「DXグリーン車」が登場するなど、時代に合わせた変化を遂げています。

また、本形式を改造して製造された「D&S列車」(観光列車)の「36ぷらす3」も登場しており、そちらについても解説していきます。
「36ぷらす3」は「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった"走る九州"といえる列車」をコンセンプトに、水戸岡鋭治氏がデザインを担当しました。
なお、「D&S列車」では初めての"電車"による運行となりました。
列車名の由来は九州が世界で36番目に大きな島であることと、5日間の行程で35のエピソードを紹介し、利用者自身に"36番目のエピソード"を語って欲しいという願いを込めた「36」と、乗客・地域住民・JR九州の3者、驚き・感動・幸せの3つの意味を込め、36+3が39となることから「サンキューの輪」を広げたいという意味が込められています。

運行形態としては旅行商品として発売される枠と、一般の特急列車扱いで発売される枠が存在し、団体専用列車として運行されるJR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」よりも手軽に乗れる車両として登場しました。
運行は5日間に分けて九州を一周するような経路で行われ、毎週木曜日に博多駅を出発し鹿児島中央駅まで(赤の路)、金曜日は鹿児島中央駅から宮崎駅まで(黒の路)、土曜日は宮崎空港駅から別府駅まで(緑の路)、日曜日は大分駅から門司港駅経由で博多駅まで(青の路)、月曜日は博多駅から肥前浜駅経由で佐世保駅まで往復し博多駅へ戻る(金の路)というルートで運行されます。
全ルートの距離を合計すると1160.2kmとなり、これは一方向に円を描くように環状運転する電車としては寝台列車を除いて世界最大であるとされています。
特徴は正式な停車駅の他に、乗客が一時的に下車して地元のおもてなしや散策が出来る駅が設定されていることです。
その他、車窓に合わせた「エピソード」を車内で紹介したり、マルチカーを利用した車内でのイベントが開催されるなど、「D&S列車」らしいサービスも実施されています。

車両は6両固定編成で、3両がグリーン個室、1両がマルチカー、2両がグリーン座席という構成になってます。
グリーン個室は食事がセットになった旅行商品として発売され、2人用、4人用、6人用の3種類があります。
規定人数以下の場合は6人用は4人以上、4人用は3人以上、2人用は追加料金を支払えば1人でも利用可能です。
グリーン座席は食事がセットとなった旅行商品の他、一般の座席としても発売されており、乗車区間の乗車券に加えて、特急券とグリーン券を購入することで乗車できます。
その際のグリーン料金は「36ぷらす3」専用のものが適用されます。
また、運行経路の関係上、1週間毎に編成の向きが逆転するという特徴があります。

歴史

1992年7月15日に営業運転を開始しました。
1993年にブルーリボン賞と通商産業省(当時)のグッドデザイン賞を、1994年にはブルネル賞を受賞しています。
同年に「鉄道の日」が新たに制定されたことを記念し、JR東日本大宮工場(現:大宮総合車両センター)で催された「新旧つばめの出合うとき」というイベントにおいて、JR西日本の梅小路蒸気機関車館所属のC62形蒸気機関車とJR東日本高崎運転所(現:高崎車両センター高崎支所)のEF55形電気機関車とともに展示されたことがあります。
2005年には先頭車のグリーン車トップキャビン部分を改造して新たにDXグリーン席を設置し、サービスのさらなる向上を図りました。
ちなみに「有明」用車両と「リレーつばめ」用車両にはそれぞれ異なったロゴが貼り付けられていました。
2011年春の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に伴う運用変更により、当系列が単独で使用されていた「リレーつばめ」は全廃、「有明」も大幅減便の上、783系が一部列車に投入されました。
これにより大幅に余剰となった787系はJR九州に残る485系の置き換えに転用されることになりましたが、この際に全車が「AROUND THE KYUSHU」ロゴに変更されています。 また、2017年3月ダイヤ改正より「にちりん」「ひゅうが」と宮崎空港線の普通列車の一部においてワンマン運転が開始されることとなり、本形式を使用する列車でもワンマン運転が始まることから、ワンマン化改造が行われました。
2019年から2020年にかけてBM-15編成が前述の「36ぷらす3」に改造され、2020年10月16日より運行を開始しました。
2022年に西九州新幹線が開業し、併せて長崎本線の肥前浜~長崎間の電化設備が撤去されることになったため、電車である本形式の乗り入れが不可能になり、肥前浜以南への乗り入れが終了した他、「36ぷらす3」の「金の路」のコースが博多~長崎間から博多~佐世保間の往復に変更となりました。

現状

JR九州の特急列車の多くに充当されており、「きらめき」「リレーかもめ」「かささぎ」「かいおう」「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」として活躍するほか、宮崎空港線の普通列車の一部、及び日豊本線佐伯~南延岡間の普通列車の一部でも使用されています。
また、専用車両であるBM-15編成が「36ぷらす3」として運行されています。

走行音

録音区間:大牟田~荒尾(リレーつばめ35号)(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

 
一般 きらめき 鹿児島本線(博多~門司港)、日豊本線(西小倉~行橋)
リレーかもめ 鹿児島本線(門司港~鳥栖)、長崎本線(鳥栖~江北)、佐世保線(江北~武雄温泉)
かささぎ 鹿児島本線(門司港~鳥栖)、長崎本線(鳥栖~肥前鹿島)
かいおう 筑豊本線(直方~桂川)、篠栗線、鹿児島本線(吉塚~博多)
にちりん 鹿児島本線(小倉~西小倉)、日豊本線(西小倉~南宮崎)、日南線(南宮崎~田吉)、宮崎空港線
にちりんシーガイア 鹿児島本線(博多~小倉)、日豊本線(西小倉~南宮崎)、日南線(南宮崎~田吉)、宮崎空港線
ひゅうが 日豊本線(延岡~南宮崎)、日南線(南宮崎~田吉)、宮崎空港線
きりしま 鹿児島本線(鹿児島中央~鹿児島)、日豊本線(鹿児島~宮崎)
普通列車 日豊本線(佐伯~南延岡、宮崎~南宮崎)、日南線(南宮崎~田吉)、宮崎空港線
36ぷらす3 赤の路 鹿児島本線(博多~八代、川内~鹿児島中央)、肥薩おれんじ鉄道線
黒の路 鹿児島本線(鹿児島中央~鹿児島)、日豊本線(鹿児島~宮崎)
緑の路 宮崎空港線、日南線(田吉~南宮崎)、日豊本線(南宮崎~別府)
青の路 日豊本線(大分~西小倉)、鹿児島本線(門司港~博多
金の路 鹿児島本線(博多~鳥栖)、長崎本線(鳥栖~肥前浜)、佐世保線
2025.07.07現在

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

有明仕様車

有明のロゴ

リレーつばめ仕様車

リレーつばめ仕様車 ドア横のロゴ

リレーつばめのロゴ(篤姫ラッピング時のもの)

有明仕様車とリレーつばめ仕様車の連結

AROUND THE KYUSHU仕様車

AROUND THE KYUSHU仕様車のロゴ

黒田官兵衛ラッピング

同先頭部側面

同側面

ドア周りの様子

中間車

DXグリーン車ロゴ

方向幕

下枠交差式パンタグラフ

車端部表示

デッキ端部の車両間連絡ドア

車内自動販売機(サービス終了後)

デッキの客室入口ドア

車内

座席1

座席2

座席3

座席4

ヘッドカバー

座席側面テーブル(格納時)

座席側面テーブル(展開時)

座席背面テーブル(格納時)

座席背面テーブル(展開時)

フットレスト

窓ガラスとブラインド

座席側面の「つばめ」ロゴ

車内案内表示器

ブルーリボン賞プレート

車内照明

手荷物収納

手元灯(消灯)

手元灯(点灯)

運転室入口部分

36ぷらす3

同ロゴ

同号車表示とロゴ

同行先表示器

同車番表示

同パンタグラフ

同デッキ部

同グリーン車車内

同グリーン車座席

同グリーン車座席コンセント

同グリーン車窓ガラスと障子風ブラインド

同グリーン車座席テーブル

同グリーン車車内案内表示器

同グリーン車手元灯

同グリーン車車内展示アート

同グリーン車車内掲示アートその2

同マルチカー車内

同マルチカー車端部

同マルチカーカウンター

同マルチカー座席

同マルチカーテーブル
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