815系電車
概要
JR九州が豊肥本線 熊本~肥後大津の電化開業と熊本地区・大分地区でのワンマン運転開始に合わせて投入した交流近郊形電車です。
日立製作所のA-trainシステムをJRグループの中で初めて採用しており、車両デザインは813系と同様、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が手がけています。
車体はA-Trainシステムの特徴である摩擦撹拌方式により製造されたダブルスキン構造のアルミ合金車体であり、813系より13%の軽量化を実現しています。
前面部は鋼製であり、車体との間に生じた結合部にはフィンを貼ることで違和感のない見た目になっています。
また、前照灯のデザインはカシオの腕時計「G-SHOCK」をモチーフとしています。
20m級車体に片側3箇所の扉を配置しています。
先頭部には貫通扉を設置しており、本形式同士の併結の他、811系・813系、815系、817系、BEC819系、821系との併結が可能で、811系以外との併結では編成間の行き来も可能です。
車内はJR九州発足以降の電車としては初めてオールロングシートとなっており、アルミニウムの無垢材にクリア塗装を施した内装となっています。
床面は813系より10mm低い1115mmとなっており、車内には段差がないようになっています。
また、ワンマン運転を行うため運賃箱、運賃表示器、整理券発行器を備えています。
トイレは各編成に1箇所あり、洋式便器となっています。
窓ガラスはUVカットガラスを採用しており、カーテンは省略されています。
走行機器はIGBT素子によるVVVFインバータ制御であり、IGBT素子の採用はJR九州で初でした。
モーターは定格150kWのMT401KA形三相かご形誘導電動機で、TD平行カルダン駆動方式で駆動します。
最高速度は120km/hで、消費電力は415系と比べて58%程度の消費電力となっています。
ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなっています。
また、パンタグラフはJR九州では初めてシングルアーム式を採用しました。
なお、熊本地区に投入された本形式のうちN007~N010編成については当初「豊肥本線高速鉄道保有株式会社」が保有し、JR九州にリースする扱いとなっていましたが、後にJR九州が買い取ったため、現在は全編成がJR九州の保有となっています。
受賞歴としてはグッドデザイン賞とブルネル賞国際賞(近距離旅客列車部門)を受賞しています。
歴史
1999年に登場しました。
2001年にはグッドデザイン賞とブルネル賞を受賞しました。
現状
JR九州の交流電化区間のうち、熊本地区と大分地区、及び福岡地区の一部の普通・快速列車として活躍中です。
走行線区(特記無い場合は全線)
JR九州 |
鹿児島本線(博多~八代)、日豊本線(中津~重岡)、豊肥本線(熊本~肥後大津) |
2024.09.16現在
フォトギャラリー
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外観
フレスタくまもとラッピング 熊本駅にて
先頭部方向幕
側面方向幕
車番表記(車外)
Commuter Trainサイン
車内
くず物入れ
運賃表示器
車内LED案内表示機
運転室部分
運転台