キハE200形気動車
概要
JR西日本が開発したハイブリッド方式の一般型気動車です。
ディーゼルエンジンで発電した電力とバッテリーに蓄えた電力で電気モーターを動作させて走行するシステムとなっており、鉄道車両としては世界初のハイブリッド方式の営業運転の例となりました。
ハイブリッド方式にはシリーズ方式とパラレル方式がありますが、本形式ではシリーズ形式を採用しており、エンジンは発電専用であり、走行は電気モーターのみを使用します。
本形式を契機として、JR東日本ではHB-E300系、HB-E210系といったハイブリッド車両を続々登場させることとなりました。
車体は1両編成で走行可能な両運転台車であり、キハE130系に近い車体構造を有しています。
車内はクロスシートとロングシートを併用するセミクロスシートで、乗降扉は2箇所設置と、ローカル線に適した構造になっています。
走行機器は450PSを発揮するコマツ製直噴式直列6気筒ディーゼルエンジンとリチウムイオンバッテリーで電力を生み出し、95kWのかご形三相誘導電気モーター2基を駆動します。
最高速度は100km/hとなっています。
バッテリー残量に余裕があるときはエンジンを停止し、バッテリーの電力のみで走行可能であり、バッテリ残量が少なくなったり、力行時など大きな電力が必要な場合に自動的にエンジンが起動してバッテリーをアシストします。
停車中や惰行中はエンジンを停止し、更に減速時は回生ブレーキを使用し、モーターから発生した電力をバッテリーに蓄えることで、運動エネルギーを回収可能となっています。
「環境世紀にふさわしい最新技術を用いたハイブリッド気動車の実現」という点が消化され、鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。
ただし、本形式自体は小海線への投入にとどまり、製造数も3両にとどまっており、以後のハイブリッド気動車は別形式として投入されることとなり、試験的な意味合いの強い車両となりました。
歴史
2003年に本形式の前身となった試作車のキヤE991形「NEトレイン」が登場し、各種試験を行っていました。
2007年に本形式の営業運転が開始し、以後2009年まで営業運転を行いながらデータ収集を行っていました。
2008年には鉄道友の会ローレル賞を受賞しました。
現状
小海線の普通列車の一部にて運用中です。
基本は2両編成での運行で、残りの1両は予備車となっています。
走行線区は準備中です。
フォトギャラリー
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外観
連結器
乗降扉と乗務員扉
行先表示器
乗降口ステップ
乗降扉(車内より)
車内
座席(ボックスシート)
座席(ロングシート)
座席(優先席)
車椅子スペース
ドア開閉ボタン
ローレル賞プレート
車番
運賃表示器
整理券発行機
運賃箱
ハイブリッドシステムモニター
車端部
運転台