キハ150形気動車
概要
JR北海道が地方線区に多数残っていたキハ22形などの旧型気動車を置き換えるため、及び出力不足のため閑散線区でも2両以上での運転を強いられていたキハ40系の問題を解決するために導入した一般型気動車です。
本形式は高出力エンジンを搭載し、冬場の積雪期でも単行運転が可能であり、ワンマン設備の設置、バス用部品の採用などでコストカットも実現しています。
車体は普通鋼製の20m級で、片開きドアを2箇所に備えます。両運転台で単行運転が可能です。
また、従来の北海道向け車両では備えられていた客室とドアの間の仕切り扉はドア開閉ボタンによる半自動ドアの搭載に代える形で省略しています。
車内はローカル線向け気動車としては一般的なクロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートですが、クロスシートのうちの片側は1列としており、通路の幅を確保し、乗降の円滑さを図っています。
エンジンは定格450PSを発揮する、コマツ製のN-KDMF15HZ形ディーゼルエンジンであり、過給器・吸気冷却器を備え、キハ40形に比べて倍の定格出力を誇ります。
変速機は湿式多板クラッチを用いた液体式のN-DW14C形で、変速団は変速1段、直結2段となっており、最高時速110km/hで走行可能です。
また、ブレーキは電磁自動空気ブレーキとなっており、キハ40形との併結も可能です。
また、機関ブレーキ、コンバータブレーキにも対応します。
基本番台と100番台が存在し、基本番台は大型固定窓で冷房搭載、100番台は小型の開閉可能な窓で冷房非搭載となっています。
登場後は北海道内の多くのローカル線で活躍した他、「きたみ」「ホリデーきたみ」「狩勝」などの快速列車でも活躍しましたが、現在は後継となるH100形の投入により徐々に活躍の幅を狭めています。
歴史
1993年から1995年にかけて計27両が富士重工にて製造されました。
現状
旭川運転所所属車は留萌本線と函館本線の旭川~滝川間にて活躍中です。
函館運輸所所属車は函館本線の長万部以南にて活躍中です。
苫小牧運転所所属車は室蘭本線の糸井~岩見沢間と函館本線の岩見沢~滝川間にて活躍中です。
走行線区(特記なき場合は全線)
基本番台 |
函館本線(函館~長万部・滝川~旭川)、留萌本線 |
100番台 |
室蘭本線(糸井~岩見沢)、函館本線(岩見沢~滝川) |
2025.08.06現在
フォトギャラリー
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基本番台の外観
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基本番台の方向幕
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基本番台のドア
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基本番台の乗務員扉
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基本番台のドア開閉ボタンと車外スピーカー
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基本番台の車番表記
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100番台の外観
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100番台のドア開閉ボタンと車外スピーカー
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100番台のドア
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100番台の方向幕
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100番台の排障器
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100番台の車内
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100番台の貫通扉部(車内から)
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100番台の運転台
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100番台の運賃表示器
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100番台の運賃箱と整理券発行機
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100番台のドア(車内から)
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100番台のドア開閉ボタン(車内)
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100番台の座席(ロングシート部)
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100番台の座席(2人がけボックスシート部)
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100番台の座席(1人がけボックスシート部)