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キハ200系気動車




概要

JR九州が筑豊本線・篠栗線の輸送改善用として開発した一般形気動車です。
更には大村線や指宿枕崎線にも投入され、キハ58系やキハ65系の置き換えという役割も担いました。
輸送改善という目的があったことから、車内設備は811系と同等のものとされており、転換クロスシートを主体に、片側3箇所の両開きドアを設置するなど、設備の豪華さが特徴です。
大きく分けると2両固定編成のキハ200形と、単行運転が可能な両運転台のキハ220形が存在します。

車体は21.3m級の普通鋼製で、デザインは水戸岡鋭治氏が率いるドーンデザイン研究所が手掛けています。
当初のデザインは全体を赤で統一したデザインであり、本形式が充当された筑豊本線・篠栗線の快速列車を指して「赤い快速」とも呼ばれました。
その後、「シーサイドライナー」や大村線系統の普通列車向けとして青色や、指宿枕崎線の快速「なのはな」や普通列車向けの黄色などのバリエーションがあります。

車内は転換クロスシートを基本としますが、一部に収容力重視でオールロングシートとした車両もあります。
エンジンは新潟鐵工所(現:新潟原動機)製の定格450PSを発揮するDMF13HZA形ディーゼルエンジン(キハ220形220番台のみSA6D140HE-2形)を1基搭載し、これに直結段が2段ある新型の液体変速機であるR-DW4形(キハ220形200番台は除く)を組み合わせています。
従来の気動車では変速段と直結段の2段階の変速だったのが、本形式では爪クラッチと軸の回転数制御を組み合わせることで、変速段に加えて直結段が2段ある3段変速となり、より動力伝達効率や走行性能を改善しています。
また、惰性走行からの再加速時も速やかにギアが繋がり動力伝達が可能であるため、いわゆるノコギリ運転が容易にできる特徴もあり、勾配線区やカーブの多い線区での高速化にも貢献しています。
ブレーキは電気指令式空気ブレーキで排気ブレーキを併用しています。
最高速度は110km/hですが、本形式が投入される路線では最高速度が低い(85km/h程度)ことが多いため、ギア比は加速重視の低めのセッティングになっています。

詳細な番台区分としてはキハ200形では0・1000番台、5000番台、100・1100番台、500・1500番台、550・1550番台があり、0・1000番台は最初期に製造されたグループで0番台はトイレ付き、1000番台はトイレ無しであり、基本的にペアを組んで運用されます。
また、0・1000番台のみ灰皿を設置していますが、後に車内全面禁煙となったことから撤去されています。
その他、登場時にはワンマン運転には対応していませんでしたが、後に対応しています。
5000番台は事故により廃車となった1000番台2両の代替として製造されたグループで、基本的に1000番台に準じますが、車椅子スペースが設置されるなど細部に違いがあります。
100・1100番台は豊肥本線向けに製造されたグループで、基本仕様は0・1000番台に準じますが、当初よりワンマン運転に対応していました。
500・1500番台は香椎線向けに製造されたグループで、香椎線は非電化ではあるものの通勤路線としての性格があり、駅間が短く路線長も短いという路線環境だったため、当初よりトイレ無し、オールロングシートとして製造されました。
しかし、香椎線には3編成6両が投入されたに留まり、一部だけ性能の良い車両を導入しても全体的な高架は小さいということことで、香椎線からは早期に撤退し、鹿児島地区に転属の上でトイレを設置されました。
550・1550番台は0・1000番台をロングシート化改造の上で改番された区分です。
続いてキハ220形では1100番台・1200番台・200番台の3種類があり、1100番台は熊本地区向けに製造されたグループで、キハ220形の基本番台にあたります。
座席は転換クロスシートで、当初よりワンマン運転に対応していましたが、トイレは設置されていませんでした。
後に特別快速「なのはなDX」の指定席車向けに改造された車両が存在し、リクライニングシートを備えていましたが、「なのはなDX」の廃止後は熊本地区に転用され、塗装も変更されました。
転用に際しては座席のリクライニング機能を停止し、ワンマン設備を設置しました。
その後は豪雨災害で浸水被害を受けたものの、検測車「BIG EYE」として改造されることになりました。
1500番台は香椎線向けに投入されたグループで、キハ200形500・1500番台と同じく、ワンマン運転非対応でオールロングシート、トイレ無しという仕様でしたが、後にトイレは設置されています。
キハ200形500・1500番台と同じく香椎線からは早期に撤退し、後に大分地区に転用されました。
200番台は豊肥本線・久大本線向けに投入されたグループで、キハ220形の中では最も新しいグループです。
大きな特徴は前面・側面の行先表示器は路線バス用の大型のものを採用し、外見上の大きな相違点となっています。
車内も本形式では初のセミクロスシートとなっており、登場時よりトイレを設置しています。
また、窓ガラスにUVカット機能のあるものを使用することでカーテンを省略し、車内のデザインも変更されています。
エンジンも定格450PSを発揮するコマツ製コモンレール式電子制御燃料噴射装置付きSA6D140HE-2形ディーゼルエンジンに変更されており、本形式の中では仕様が異なるグループです。

また、本形式を改造した事業用車「BIG EYE」が存在し、BE220形という形式名が与えられています。
従来のマヤ34形を置き換え、JR九州、及び九州内の第三セクター鉄道の検測を行っています。

歴史

1991年にキハ200形0・1000番台が登場し、直方気動車区に配置されました。
翌1992年には同番台が「なのはな」用に、更に1994年に長崎地区の快速「シーサイドライナー」にも投入されました。
1997年に増備が再開され、豊肥本線の熊本近郊区間にキハ200形100・1100番代、及びキハ220形1100番台が投入されました。
同年中にキハ200形500・1500番台とキハ220形1500番台が香椎線に投入されました。
1999年には豊肥本線熊本~肥後大津間が電化されると、同区間に使われていた本形式は豊肥本線の肥後大津以東や香椎線、篠栗線、筑豊本線などに転用されました。
2001年には篠栗線と筑豊本線の一部が電化され、「福北ゆたか線」が開業すると同区間からは撤退し、長崎、鹿児島、大分地区などに転用されました。
2003年には香椎線から撤退し、大分地区や指宿枕崎線に転用されました。
2004年には指宿枕崎線に特別快速「なのはなDX」が登場し、これの指定席車用としてキハ220-1102を改造し投入しました。
2006年にはキハ200形200番台が登場し大分地区に投入され、キハ31形の転用も合わせて結果的にキハ58系を全て置き換えました。
2009年には717系の運用を置き換える形で日豊本線での運用を開始しました。
2014年にはキハ200形とキハ220形1100・1500番台の運賃表示器を液晶タイプのものに変更しました。
2018年には日豊本線での運用を終了しました。
2021年には長崎地区へYC1系が投入され、本形式の長崎地区での運用を終了し、大分・熊本・鹿児島地区へ転用されました。
2023年にはキハ220-1102を改造し、BE220形検測車「BIG EYE」が登場しました。

現状

大分・熊本・鹿児島地区の普通・快速列車として活躍中です。

走行音

キハ200形0番台
録音区間:郡元~南鹿児島(お持ち帰り)
キハ220形200番台
録音区間:日向長井~北川(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

大分車両センター所属 鹿児島本線(鳥栖~久留米)、久大本線、豊肥本線(大分~豊後竹田)
熊本車両センター所属 鹿児島本線(熊本~宇土)、三角線、豊肥本線(熊本~宮地)
鹿児島車両センター所属 鹿児島本線(鹿児島~鹿児島中央)、指宿枕崎線(鹿児島中央~山川)
2025.08.07現在

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

キハ200形 赤

同側面部車番表記

同所属表記

同側面方向幕

同車内

同座席

同座席

同運賃表示器

同車内案内表示器

キハ200形 青

同V-VAREN NAGASAKIラッピング

同坂本龍馬ライナー

同車番表示(側面)

同側面

シーサイドライナーロゴ

同黄色

同先頭部方向幕

なのはなロゴ

同所属表記

同車端部銘板

同車内

同座席(転換クロスシート)

同座席(ロングシート)

同運賃箱

同整理券発行機

キハ220形1500番台 赤

同先頭部行先表示器

同側面部行先表示器

キハ220形200番台 赤

同車内

キハ220形200番台 青

同側面部車内表記

同車端部銘板

同車内

同運賃表示器
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