キハ201系気動車
概要
JR北海道が札幌都市圏の輸送改善、及び余市・倶知安方面から札幌への直通列車への投入を意図して導入した通勤型気動車です。
JR北海道では札幌都市圏の人口増加により混雑を増していた函館本線・千歳線・札沼線などの輸送改善が急務とされており、電車としては711系の後継として731系を投入していましたが、小樽~札幌間では小樽以西から乗り入れる気動車と電車との性能差ゆえ、倶知安・余市~札幌間の直通列車の存廃について検討されましたが、直通列車のニーズが大きいと判断され、電車と同等の性能を持ち、なおかつ電車と総括運転が可能な車両として設計・導入されたのが本形式です。
そのため、多くの部分で731系電車との共通点があり、本形式と731系は総括制御が可能になっています。
車体は軽量ステンレス製で、外観は731系に酷似しています。
また、車体傾斜装置を搭載する関係上、車体断面は上部がすぼまった形状となっています。
扉は片開きドアを片側3箇所ずつ設置しており、先頭部のみ普通鋼製の高運転台となり、衝撃吸収構造となっています。
塗装は731系との差別化としてライトグリーンと青の帯となっています。
車内はオールロングシートで、寒冷地での運用となるため、長時間停車時の車内保温のため、半自動扱いが可能な乗降扉や乗降口へのエアーカーテンの設置、遠赤外線暖房、温風暖房などを備えますが、これらは731系と共通です。
なお、本形式は札幌都市圏での運用を想定した設計のため、JR北海道の特急形以外の気動車としては例外的にワンマン運転には対応していません。
走行機器についても831系と同等程度の性能を満たすべく設計されており、エンジンは定格450PSを発揮するターボチャージャー付きの直噴式N-DMF13HZE形ディーゼルエンジンを各車2基ずつ搭載し、これに変速1段、直結4段の液体変速機を組み合わせています。
ブレーキは排気ブレーキ併用の電気指令式ブレーキで、制輪子には苗穂工場製の鋳鉄制輪子を採用しており、いかなる条件でも130km/hからの600m以内での停止を実現しています。
また、車体傾斜装置を搭載しており、これは731系と同等の性能を目指して高出力エンジンを2基搭載することにしたものの、それでも単独運転時の中速域での加速性能が不足するとされたため、車体傾斜装置で曲線通過速度を高めることで731系と同等の所要時間で運行できるようにすることとなりました。
構造は空気ばねを利用した強制車体傾斜式であり、これにより最大で本則+25km/hでの曲線通過が可能です。
なお、後に車体傾斜装置の使用は停止されています。
編成は3両固定編成であり、単独で3両編成の他、本形式2本を併結した6両編成、あるいは731系と併結した6両編成で運用されます。
歴史
1997年3月22日の改正より運用が始まりました。
2012年10月27日改正にて札沼線の北海道医療大学までが電化されたため、同線での運用はなくなりました。
現状
快速「ニセコライナー」と函館本線蘭越~岩見沢間の普通列車で活躍中です。
走行音
録音区間:仁木~然別(ニセコライナー)(お持ち帰り)
走行線区(特記なき場合は全線)
ニセコライナー |
函館本線(札幌~蘭越) |
普通列車 |
函館本線(倶知安~岩見沢) |
2025.08.18現在
フォトギャラリー
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外観
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スカート部
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先頭部種別表示
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車番表記
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ドア
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ドア(車内より)
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乗降ステップ
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車内
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車内の車番表記
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車内備え付けゴミ箱
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補助席
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座席(ロングシート部)
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車内案内表示器