キハ187系気動車
概要
JR西日本が山陰地方の特急列車の高速化と利便性向上のために開発した特急型気動車です。
カーブが多く、勾配がきついという山陰地区の路線の特性に合わせ、大出力エンジンを搭載し、振り子装置を備えています。
JR四国の2000系気動車をベースとしており、制御式自然振り子方式を採用しています。
車体はJR西日本の特急型車両では初めてとなるステンレス構体を採用し、低重心化と軽量化を図っています。
また、前面デザインは特急型車両では珍しく箱型となっており、その形状ゆえにトンネル進入時のトンネル微気圧波が問題となり、智頭急行線内の単線断面のトンネルに進入する際は速度制限を受けます。
また、人口の少ない地域での使用を想定しているため、全てが先頭車であり、中間車が設定されておらず、また、普通車のみの設定でグリーン車はありません。
走行装置は450PSを発揮する小松製作所製SA6D140H形ディーゼルエンジンを各車2基搭載しており、大出力エンジンの搭載により、高速走行を実現してます。
変速機は変速1段・直結4段の自動切替式であり、ブレーキは機関ブレーキ併用電気指令式ブレーキとなっており、雪の多い地域を走ることから大雪ブレーキも装備しています。
基本構造は同時期に登場した一般型気動車であるキハ126形とともに、電車との共通化を図り、保守の効率化を目指しています。
基本的には223系電車と共通化されており、エンジンの制御も列車情報制御装置(TICS)と呼ばれる方式を採用しており、必要なケーブル数の削減を実現しています。
最高速度は120km/hとなっており、ベースとなった2000系気動車の一部が130km/h運転に対応していたのに比べると抑えられていますが、従来使用されていたキハ181系などに比べると大幅な高速化を実現しています。
導入の経緯としては山陰本線安来~益田間の高速化事業の一貫としてまず0番台が投入され、その後山陰本線米子~鳥取間と因美線鳥取~智頭間の高速化に合わせて10番台・500番台が投入されました。
0番台は島根県、10・500番台は鳥取県の資金援助により製作されました。
10番台は0番代に比べて騒音や振動を低減する改良がなされており、500番台は智頭急行線での運行に対応するため、保安装置としてATS-Sw形・P形の双方に対応しているなどの相違点があります。
受賞歴としては鉄道友の会「ローレル賞」を受賞しています。
歴史
2001年に0番台が、2003年に10・500番台が登場しました。
2002年にはローレル賞を受賞しています。
現状
山陰本線・山口線の特急「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」、及び、因美線・智頭急行線経由の特急「スーパーいなば」として活躍中です。
走行音
録音区間:湯田温泉~山口(スーパーおき2号)(お持ち帰り)
走行線区(特記無い場合は全線)
JR西日本 |
スーパーおき |
山口線、山陰本線(益田~鳥取) |
スーパーまつかぜ |
山陰本線(益田~鳥取) |
スーパーいなば |
山陽本線(岡山~上郡)、智頭急行線、因美線(智頭~鳥取) |
フォトギャラリー
画像をクリックすると拡大できます。
外観
トレインマーク
行先表示器
JR西日本ロゴ
ロゴ
車番
車内
車内案内表示器
座席
座席テーブル(格納時)
肘掛けテーブル
荷棚
デッキ
フリースペース(500番台)