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E1系新幹線




概要

JR東日本が関東エリアでの通勤需要など輸送量が増加していた東北・上越新幹線での輸送力増強のため導入した新幹線車両です。
オール2階建てとされ、輸送力強化に貢献しています。
また、Maxという愛称を持っていてこれはMultiAmenityExpressの略です。
形式名は当初は600系となる予定でしたが、当形式よりJR東日本独自の形式名とされたため、E1(イー・ワン)系となっています。

車体は普通鋼製で、JR東日本の新幹線では1両あたりとしても編成全体としても最も重量があります。
また、新幹線車両としては本形式が最後の普通鋼製の車両となりました。
オール2階建てのため、通常床下に設置される機器を格納するスペースがなく、車端部に機械室を備えるという独特の構造になっています。

外観デザインのコンセプトは「グランド&ダイナミック」とされ、先頭部の形状は騒音・微気圧波対策を考慮した「エアロダイナミックノーズ」を採用しています。
新製当時はスカイグレーとシルバーグレーのツートンにピーコックグリーンの帯を配したデザインでしたが、後にリニューアルされ、E2系やE4系と同じ白と青のツートンに朱鷺色の帯を配したデザインに変更されました。

内装のデザインは「ハイクオリティ&アメニティ」をコンセンプトとしていますが、本形式では新幹線車両としては珍しく通勤・通学輸送を主眼においており、輸送力を最優先した設計となっています。
中でも自由席として使用される1~4号車の2階座席は車内販売をしないことを前提に極限まで通路幅を詰めており、これによって3+3列配置の座席配置を実現しています。
また、乗降扉は他形式より定員が多いことを考慮し、1050mmと幅広いものを採用しています。
その他、2階建て車両ということで車内に階段があり、ワゴンサービスによる車内販売ができない問題があり、代替として売店や自動販売機も設置していました。
一部の自販機では駅弁も販売していましたが、利用状況が悪く後に終了しています。
編成は12両固定編成であり、その定員は1235名となっています。

走行機器の配置も2階建てである本形式では一般的な鉄道車両のように床下に機器類を収めることができず、多くの機器を車端部に設けた機器室に収納しています。
制御装置はGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御となっており、モーターは410kW定格の強力なものを搭載し、重量級の車体ながら200系と同等の加速性能を確保しています。
最高速度は240km/hと低めですが、これはスピードより輸送力を優先した結果です。

デビューから10年ほどを経た2003年~2006年にかけてリニューアルが施され、前述の塗装変更のみならず、座席も交換されており、グリーン車はE2系1000番台のもの、普通車はE4系のものに交換され、更に東北・上越新幹線にデジタルATCが導入されるのに伴い、本形式にもデジタルATC対応の家事王が施されました。

当初は東北・上越新幹線で幅広く使用され、特に関東近郊での新幹線通勤への対応では絶大な効果を発揮しました。
しかし、東北新幹線において分割・併合を行う列車が増えてくると、12両固定編成である本形式は不向きとなり、8両固定編成とした次期2階建て車両であるE4系の投入によって、本形式は東北新幹線からは撤退することになりました。
そうして本形式は上越新幹線のみで使用されるようになりますが、それもE5系の増備で余剰となったE4系を上越新幹線へ転用することにより、玉突きで本形式が置き換えられることになり、引退となりました。
なお、形式名に"E"が付く形式で事業用車を除く初の廃形式となりました。

歴史

1994年5月9日に報道公開され、同年6月11日に一般公開を経て7月15日に営業運転を開始しました。
1998年12月8日ダイヤ改正をもって東北新幹線仙台以北への定期運用での乗り入れを終了し、更に翌1999年12月4日ダイヤ改正をもって東北新幹線(厳密には上越新幹線は東北新幹線東京~大宮間に乗り入れているため、実質的には大宮以北)からも撤退となり、本形式は上越新幹線専用として運用されることになりました。
2012年4月には本形式のうちM1・M2の2編成が廃車となり、同年9月29日のダイヤ改正をもって本形式の定期運用は終了となりました。
同年10月27日・28日に引退を記念した団体臨時列車「ありがとうMaxあさひ号」「さよならE1 Maxとき号」として本形式が運用されたのがラストランとなり、同年12月7日付けで最後まで残ったM4編成が廃車になると、本形式は消滅形式となりました。
なお、翌2018年3月14日にはさいたま市大宮区にある鉄道博物館にて本形式の先頭車であるE153-104が展示・公開されることとなりました。

現状

全車廃車済みであり、走行可能な車両は現存しません。
ただし、さいたま市大宮区の鉄道博物館にてE153-104が展示・公開されています。

走行音

録音区間:上野~東京(Maxとき348号)(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

※現在、定期運用はありません。

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

リニューアル後のE1系、新潟駅にて

行先表示器

ロゴ

デッキの階段

車内
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