E2系新幹線

概要

JR東日本が新幹線の標準車両として開発した車両で、200系の置き換えも念頭に置かれています。
大きく分けると東北新幹線向けのJ編成と長野(北陸)新幹線向けのN編成があります。J編成の中でも0番台と1000番台があり、1000番台は「はやて」運転開始に際して増備された分です。

登場初期は東北新幹線の「やまびこ」のうち「こまち」と併結運転される便を中心に運用が始まり、続いて長野新幹線の開通と同時に長野新幹線でも運用が始まりました。
東北新幹線ではE5系の増備が進み、つばさ号とこまち号以外はE5系で統一するという方針が打ち出されていて、当形式も上越新幹線への転用されるも、北陸新幹線・上越新幹線ではE7系・W7系による置き換えで撤退し、最後まで運用されるのは東北新幹線となりました。

登場してすぐに開催された長野オリンピックの輸送に使用されることも考慮して"Gran-Grace"(気高い、魅力・しとやかさ)をおトータルイメージに、"Dynamic & Graceful(優美で動的な)をエクステリアイメージに、"Advanced & Comfort"(先進的で快適な)をインテリイメージとしました。
車体はアルミニウム合金製で、先頭部形状はトンネル突入時の微気圧波(トンネル・ドン)の低減のために最適化されています。
最高速度はN編成では260km/h、J編成では275km/hとされています。
走行機器としては初期はGTO素子によるVVVFインバータ制御、後年からはIGBT素子によるVVVFインバータ制御を採用し、定格300kWのかご形三相誘導モーターを電動車1両につき4基搭載しています。

30‰の急勾配や50Hz/60Hzの切り替えがある長野新幹線での運用を考慮して、抑速ブレーキや強力なブレーキ、両周波数に対応した電源装置など特別な配慮がされています。
なお、1000番台については東北新幹線の「はやて」を中心に投入されており、長野新幹線での運用を考慮しないためこれらは省略されています。

編成は北陸新幹線向けのN編成が8両、東北・上越新幹線向けのJ編成が10両となっており、J編成はE3系または400系との併結運転が可能です。

また、本形式を使用した高速度試験が実施されたことがあり、上越新幹線浦佐～新潟間では362km/hを記録した他、東北新幹線八戸円延伸開業に際しては320km/hでの試験走行も行われています。
更に、当形式をベースにしたCRH2型電車が中国高速鉄道向けに輸出されており、JR東日本の新幹線技術輸出の一翼も担います。

歴史

1997年3月に東北新幹線向けのJ編成が「やまびこ」で営業運転を開始し、長野新幹線(当時は長野行新幹線と呼称、正式名所は北陸新幹線)用の車両として導入されたN編成は、量産先行車が1995年に登場し、営業開始は1997年の長野新幹線開業と同時でした。
更に2001年には1000番台が登場しました。
2013年には後継車のE5系の増備により本形式の運用は縮小し、盛岡以北での運用がなくなった他、E3系「こまち」との併結運転もなくなりました。
更に2019年3月ダイヤ改正では東京駅発着の「はやて」が全て「はやぶさ」に置き換わる形で廃止され、本形式の運用範囲は臨時列車を除いて仙台以南となりました。
また、2023年3月ダイヤ改正においては上越新幹線から本形式が撤退し、上越新幹線はE7系に統一されました。
残るは東北新幹線での運用のみですが、置き換えと廃車が進行中です。

現状

東北新幹線「やまびこ」「なすの」の一部にて活躍中です。
また、保存車両として3両が保存されており、三和テッキ宇都宮事業所鉄道広場(栃木県宇都宮市)、「ザ・ヒロサワ・シティ」(茨城県筑西市)にて公開されています。
残りの1両はJR東日本の研修施設にて研修用設備として使用されており、一般公開はされていません。

走行音

N編成(IGBT)
録音区間：佐久平～軽井沢(あさま548号)(お持ち帰り)

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J編成(IGBT)
録音区間：燕三条～長岡(とき314号)(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

JR東日本	J編成(0/1000番台)	はやて	東北新幹線
		やまびこ	東北新幹線(東京～盛岡)
		なすの	東北新幹線(東京～郡山)
	N編成	あさま	東北新幹線(東京～大宮)、上越新幹線(大宮～高崎)、長野(北陸)新幹線

フォトギャラリー

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