E127系電車
概要
JR東日本が新潟・長野支社管内で普通列車運用に残っていた165系・169系を置き換えることを目的に開発した通勤型電車です。
ラッシュ時対応のためや従来の165系・169系の3両編成を2両編成で賄うためにロングシートを採用しています。
制御装置は当初はGTO素子によるVVVFインバータ制御でしたが、2018年までに全車がインバータ更新され、IGBT素子に変更されました。
新潟地区向けの0番台と長野地区向けの100番台があり、0番台はロングシートですが、観光路線もある長野地区を走る100番台ではセミクロスシートを採用しました。
また、当初はATS-SN形のみ対応でATS-Pには非対応でしたが後に改造され対応しています。
新潟地区向けだった0番台は2015年に開業した第三セクター「えちごトキめき鉄道」へ譲渡され、ET127系となった編成と、引き続きJR東日本で運用される車両に別れましたが、JR所属のまま残った2編成は2022年3月までに新潟地区での運用を終了しました。
落雷によるE129系故障に伴うピンチヒッターとして一時的に運用が復活することもありましたが、その後は改造を実施の上で南武支線に転用されることとなりました。
主な改造内容としては路線環境に合わせて前面貫通幌・運賃箱・整理券発行機を撤去し、路線長が短いことからトイレと乗降中表示器の使用停止、室内灯のLED化、防犯カメラ・転落防止幌の設置などがあります。
この転用は地方で活躍した車両が首都圏に転用されるという異例の抜擢として注目を集めました。
歴史
0番台は1995年5月に営業運転が始まりました。本来は3月から運用開始の予定でしたが、同年発生した阪神淡路大震災の影響で車両の納入が遅れ5月にずれ込んだ経緯があります。
2015年には第三セクター「えちごトキめき鉄道」へ10編成が譲渡され、ET127系として第二の人生を送ることとなりました。
2022年3月ダイヤ改正にて新潟地区での運用が終了しましたが、落雷によってE129系の一部に故障が発生したことからピンチヒッターとして一時的に運用が復活することもありました。
2023年2月17日には南武支線への転用が発表され、同年5月25日をもってV1編成が、同年8月31日をもってV2編成が鎌倉車両センター中原支所へ転属となり、同年9月13日より南武支線での運用が始まりました。
100番台は1998年12月に松本地区での運用が始まりました。
2003年12月より松本以南がATS-PとなりATS-Pを搭載しない当形式は大糸線限定運用とされましたが、2007年~2010年にかけてATS-Pの設置が行われ再び松本以南での運用が復活しました。
2011年以降は同年発生した東日本大震災に伴う電力不足への対応のため115系の運用を当形式で置き換えて節電を図る動きもありました。
現状
0番台は南武支線、100番台は長野地区で活躍中です。
北陸新幹線が金沢まで開通する2015年以降にはそれに伴って経営分離される北陸本線を引き受ける第三セクター会社「えちごトキめき鉄道」に当形式10編成が譲渡されています。
走行線区(特記無い場合は全線)
JR東日本 |
0番台 |
南武線(浜川崎~尻手) |
100番台 |
大糸線(松本~南小谷)、信越本線(長野~篠ノ井)、篠ノ井線、中央本線(塩尻~茅野・塩尻~辰野) |
フォトギャラリー
画像をクリックすると拡大できます。
外観(0番台)
外観(南武支線0番台)
外観(100番台)
方向幕(0番台)
方向幕(南武支線0番台)
前面方向幕(南武支線0番台)
行先表示器(100番台)
スカート(0番台)
スカート(100番台)
パンタグラフ
所属表記(南武支線0番台)
ドア(0番台)
ドア開閉ボタン(南武支線0番台)
運転台(100番台)
運転台(南武支線0番台)
運賃表示器
車内(100番台)
車内(南武支線0番台)
車内(運転室部)
座席(南武支線0番台)
座席(クロスシート部)
貫通扉(車内から)
車番と号車表記(南武支線0番台)
トイレ跡(南武支線0番台)
車椅子スペース(南武支線0番台)