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E233系電車




概要

JR東日本がE231系とE531系の技術を基盤に開発した車両で、実質的にE231系の後継車種と言えます。
JR東日本のユーザーアンケートを反映して、故障に強い車両、人に優しい車両、情報案内や車両性能の向上、車体強度の向上を基本コンセプトとして開発されました。
前面の行先表示器(方向幕)にはJR東日本の車両としては初めてフルカラーLEDを導入し、また乗車促進放送や発車メロディを流すための車外スピーカーと液晶ディスプレイを使用した車内案内表示装置も製造当初から設置されています。
当系列は投入された路線によって番台区分と車体のラインカラーが異なり、0番台はオレンジ、1000番台はスカイブルー、2000番台はエメラルドグリーン、3000番台は湘南色、5000番台はワインレッド、6000番台はウグイスとグリーン、7000番台はグリーン、8000番台は黄色とオレンジが採用されています。
先代にあたるE231系と同じく、通勤路線から郊外路線まで幅広く使用され、通勤型と近郊型の要素を兼ね備える一般型電車と呼ばれており、細かい仕様は投入先の路線ごとに異なっています。
車体は軽量ステンレス製で、E231系では近郊型のみだったクラッシャブルゾーンを全タイプに採用しています。
車体幅は混雑緩和のため、2950mmの幅広車体となっています。
車内はロングシートが基本ですが、3000番台では一部にセミクロスシートも存在するほか、0番台、3000番台にはグリーン車も存在します。
ガラスは紫外線・赤外線カットの熱線吸収ガラスとなっており、カーテンは省略されています。
機器関連では、同一機器を複数搭載して故障時の冗長性を高める設計思想となっており、E231系でも採用されたTIMSを本形式でも採用しています。
制御装置はIGBT素子による2レベルVVVFインバータ制御で、モーターは定格140kWのMT75形かご形三相誘導電動機となっています。
設計上の最高速度は120km/hですが、実際に営業運転で120km/hを出すのは3000番台と7000番台に限られ、他は路線により95km/hないし100km/h、110km/hとなっています。
起動加速度は2.3km/h/s、2.5km/h/s、3.0km/h/sの3パターンから選択可能で、投入先の路線ごとに設定できますが、2000番台のみ東京メトロに乗り入れる関係上、協定に合わせて3.3km/h/sとなっています。
以下、番台ごとに詳述していきます。

0番台は中央線快速向けに投入されたグループで、201系の置き換えを目的としていました。
編成は10両固定編成、6両固定編成、4両固定編成の3種類が投入され、更に五日市線・八高線へ直通する運用や、富士急行線直通の運用では4両と6両を併結した10両編成での運用も存在しました。
また、青梅線や中央本線大月口などでの運用を考慮して、乗降扉の半自動扱いに対応しています。
長らく、中央線快速系統を中心に、直通する中央本線大月方面・富士急行線、青梅線、五日市線、八高線で運用されてましたが、八高線については後に乗り入れを終了しています。
2024年より中央線快速でのグリーン車サービスの開始に向けて、0番台用のグリーン車が製造され、既存の10両ないし6両の編成に2両ずつ組み込まれました。
このため、編成のパターンはグリーン車付きの12両、8両と普通車のみの4両の3パターンとなりました。
このグリーン車は2025年3月ダイヤ改正より正式サービス開始となり、それまではグリーン車は普通車扱いで開放され、乗車券のみで利用できました。
3000番台のグリーン車と同様に2階建てですが、乗降扉は混雑の激しさや東京駅での折返し時間の短さを受けて両開きとなりました。
最高速度は当初は地上設備の兼ね合いで95km/hでしたが、後に100km/hに向上しました。
起動加速度は3.0km/h/sとなっています。

1000番台は京浜東北線向けに投入されたグループで、209系の置き換え用として導入されました。
編成は10両固定編成で、最高速度は95km/h、起動加速度は2.5km/h/sに設定されています。
2015年よりホームドア対応改造が実施された他、前照灯や車内灯のLED化が実施されました。

2000番台は常磐緩行線、及び直通する東京メトロ千代田線向けに投入されたグループで、207系900番台の置き換え用として導入されました。
編成は10両固定編成であり、地下鉄乗り入れのため車体は幅広ではなく2770mmとなっています。
また、地下鉄乗り入れのため、先頭部には非常用貫通扉を備えています。
最高速度は100km/hとなっており、起動加速度は東京メトロとの乗り入れ協定のため標準仕様より高い3.3km/h/sとなっています。
当初は千代田線を介して相互乗入れをしている小田急線への直通は、小田急の保安装置の未搭載のため行われていませんでしたが、後に小田急用の保安装置も追加で設置され、小田急線へも乗り入れるようになりました。
その他、後年にホームドア準備工事や、車外スピーカーから発車メロディを流すようになるなどの変更点がありました。

3000番台は近郊路線向けに投入されたグループで、211系の置き換え用として導入されました。
上野東京ライン・湘南新宿ラインを中心に、直通する上越線、両毛線、横須賀線、伊東線などでも活躍しています。
編成は10両固定編成の基本編成と、5両固定編成の付属編成があり、10両固定編成にはグリーン車も組み込まれています。
通常は基本編成単独、もしくは基本編成と付属編成を併結した15両編成で運行されています。
また、普通車はロングシートとセミクロスシートの両方があります。
車内案内表示器は他の番台とは異なり、LCDではなく、LED式となっています。
最高速度は120km/hで、起動加速度は近郊型ということで最も低い2.3km/h/sとなっています。

5000番台は京葉線向けに投入されたグループで、201系・205系・209系などの置き換え用として導入されました。
編成は10両固定編成と、4両・6両固定編成の3パターンが存在し、4両・6両固定編成は東金線、外房線直通など分割併合を伴う運用に使用されています。
最高速度は110km/h、起動加速度は2.5km/h/sです。

6000番台は横浜線向けに投入されたグループで、205系置き換え用として導入されました。
編成は8両固定編成のみで、基本的に単独で運用されます。
行先表示器の視認性を向上させた他、乗り入れる京浜東北・根岸線内での誤乗対策の観点もあり、座席モケットも横浜線のラインカラーである緑色を採用しています。
最高速度は95km/hで、起動加速度は2.1km/h/s、2.3km/h/s、2.5km/h/sの3つから選べるようになっています。

7000番台は埼京線向けに投入されたグループで、205系の置き換え用として導入されました。
編成は10両固定編成のみとなっています。
座席モケットはラインカラーである緑色となっており、湘南新宿ラインとの誤乗対策の意味合いもあります。
また、埼京線では痴漢被害が多いことから、車内の一部に防犯カメラを設置しています。
相鉄線への直通に際して、本番台の増備が行われた他、埼京線に導入された保安装置「ATACS」も設置されました。

8000番台は南武線向けに投入されたグループで、205系、209系の置き換え用として導入されました。
編成は6両固定編成のみとなっています。
座席モケットは背もたれ部のみラインカラーである黄色となっています。
また、乗務員室には業務用タブレット端末用の充電コンセントが設置され、更に前方カメラと記録装置(ドライブレコーダー)も設置されています。
また、本番台投入完了後に、1編成だけ南武線に残っていた209系置き換え用として、0番台の転用が行われることとなり、8000番台に準じた改造を受け、8500番台と呼ばれるようになりました。

歴史

2006年に0番台が登場し、2007年より青梅線、五日市線向けの編成も登場し、201系を置き換えました。
2007年から2009年にかけて1000番台が導入され、京浜東北線の209系を置き換えました。
2009年から2011年にかけて2000番台が導入され、常磐緩行線の203系などを置き換えました。
2007年から3000番台が導入され、2017年まで製造が続きました。
東海道線・宇都宮線・高崎線の113系・115系・211系の置き換えを果たしました。
当初は湘南新宿ラインや伊東線での運用はありませんでしたが、2015年の上野東京ライン開業と同時に、E231系近郊型との共通運用となったため、湘南新宿ラインや伊東線での運用も始まり、E231系との併結運用も始まりました。
2010年には5000番台が導入され、京葉線の201系・205系・209系を置き換えました。
2013年には7000番台が導入され、埼京線の205系を置き換えました。
2014年には6000番台・8000番台が導入され、横浜線・南武線の205系を置き換えました。
2013年には2000番台に小田急用の保安装置が設置され、小田急線への乗り入れが開始されました。
2022年のダイヤ改正により、上野東京ラインの黒磯乗り入れが終了することになり、本形式の黒磯乗り入れも終了しました。
また、同年に0番台の八高線乗り入れが終了しました。
2024年3月ダイヤ改正では京葉線の通勤快速廃止と共に直通範囲が勝浦から上総一ノ宮までに短縮されたため、本形式の勝浦乗り入れは終了しました。
2024年より0番台のグリーン車が増備され、0番台へのグリーン車組み込みが始まりました。
2025年3月ダイヤ改正より0番台でのグリーン車サービスが正式スタートします。

現状

0番台は中央線快速・青梅線・五日市線・富士急行線で、1000番台は京浜東北線・根岸線で、2000番台は常磐緩行線・東京メトロ千代田線・小田急線で、3000番台は上野東京ライン・湘南新宿ラインなど首都圏近郊路線で、5000番台は京葉線・外房線・内房線・東金線で、6000番台は横浜線・京浜東北線・根岸線、7000番台は埼京線・川越線・りんかい線・相鉄線で、8000番台は南武線で活躍してます。
今後の増備はE235系に移行していることから、0番台のグリーン車が最終増備となる見込みで、今後は千葉地区の209系置き換え用としての転用なども予想されています。

走行音

0番台
録音区間:吉祥寺~三鷹(お持ち帰り)
1000番台
録音区間:日暮里~西日暮里(お持ち帰り)
2000番台
録音区間:霞ヶ関~国会議事堂前(お持ち帰り)
3000番台
録音区間:渋谷~恵比寿(お持ち帰り)
5000番台
録音区間:越中島~八丁堀(お持ち帰り)
6000番台
録音区間:菊名~新横浜(お持ち帰り)
7000番台
録音区間:与野本町~北与野(お持ち帰り)
8000番台
録音区間:平間~鹿島田(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

JR東日本 0番台 中央本線(東京~大月)、青梅線、五日市線、富士急行線
1000番台 京浜東北線、根岸線
2000番台 常磐線(取手~綾瀬)、東京メトロ千代田線、小田急小田原線(代々木上原~伊勢原)
3000番台 東海道本線(東京~沼津)、東北本線(東京~宇都宮)、高崎線、上越線(高崎~新前橋)、両毛線(新前橋~前橋)、伊東線、湘南新宿ライン、横須賀線(大船~逗子)
5000番台 京葉線(二俣支線、高谷支線を除く)、外房線(千葉~上総一ノ宮)、内房線(蘇我~上総湊)、東金線
6000番台 横浜線、京浜東北線(東神奈川~横浜)、根岸線
7000番台 川越線(川越~大宮)、埼京線、りんかい線、品鶴線(大崎~武蔵小杉)、東海道貨物線(武蔵小杉~羽沢横浜国大)、相鉄新横浜線(羽沢横浜国大~西谷)、相鉄本線(西谷~海老名)
8000番台・8500番台 南武線(支線除く)
2025.02.14現在

フォトギャラリー

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0番台

同先頭部分側面

同行先表示

同車内

同座席

同優先座席

同網棚

同車内案内表示装置

同乗降扉(車内より)

同車端部

同車端部と車椅子スペース

同車内トイレ

同グリーン車乗降扉

同グリーン車車内

同グリーン車車内案内表示装置

同グリーン車座席

同グリーン車ドリンクホルダー

同グリーン車Suicaタッチ部

0番台(東京アドベンチャーラインラッピング)

同側面

同ヘッドマーク

同車内

同乗降扉(車内より)

同ドア開閉ボタン(車内)

同座席

1000番台

同行先表示器

同車内

同座席

同乗降扉(車内より)

同車内案内表示器

2000番台

同番台 連結器周辺部分

同番台 先頭部分側面

同番台 側面窓周辺の様子

同行先表示器

同車内

同座席

同車内案内表示器

同運転台

3000番台

同番台 先頭部分側面

同行先表示

同乗降扉

同車内

同優先座席

同車内案内表示器

同グリーン車

5000番台

同番台 白色LED式運行番号表示器

同番台 先頭部分側面

同連結面

同番台 車外車号表記

同番台 中間車連結部分

同行先表示器

同車内

同座席

同優先座席

同車内案内表示器

同運転台

6000番台

デビュー時ヘッドマーク

同行先表示器(先頭部)

同行先表示器(側面部)

同横浜線ロゴ(側面円形)

同横浜線ロゴ(前面部)

同横浜線ロゴ(側面帯)

同号車表記

同所属表記

7000番台

同行先表示器

同車内案内表示器

同車内

同座席

同車番表記(車内)

同運転台(イベント公開時に撮影)

同マスコンハンドル(イベント公開時に撮影)

8000番台

同車内

同座席

同車端部

同車内案内表示器

同車番表記(車内)
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