E351系電車
概要
JR東日本が老朽化が進行していた中央本線の183・189系の置き換えと特急の高速化によって中央自動車道経由の高速バスに対抗するために開発した振り子式直流特急型車両で、JR東日本の新製車両で初めて形式称号の頭に「E」が付きました。曲線区間でのスピードアップを図るために曲線を高速で通過することができる装置「振り子装置」を搭載しています。振り子装置にはコンピュータによる制御付き振り子式が採用され、国鉄時代に自然振り子式のものを採用していた381系よりも乗り心地が改善しています。最高時速も130km/hを誇り、速度が遅くなりがちな山岳路線の列車であるにもかかわらず表定速度は90km/hを超えています。当系列の登場により、あずさ系統の中で当系列が使用される便は「スーパーあずさ」に改称され区別されるようになりました。車体は一般的な普通鋼製ですが、振り子が作動した時に車体が車両限界を超えないようにするため卵型の車体断面になっていることが特徴です。基本編成は8両編成、付属編成は4両編成となっており、分割・併合を容易に行うために基本編成の新宿側先頭車および付属編成の松本側先頭車には貫通幌付きの貫通扉が設置されています。また、非貫通先頭車の前面には大型のLED式愛称表示機が設置されています。走行装置にはVVVFインバータを採用していますが、量産先行車はGTO素子を、量産車ではIGBT素子を使用しています。
歴史
1994年12月から「スーパーあずさ」に投入され、183・189系の一部を置き換えました。同年に通商産業省(当時)のグッドデザイン商品に選定されています。導入当初は付属編成が松本方面になっていましたが、編成組み換えによって東京方面に変更されています。1997年秋に大月駅で起こった当系列と201系との衝突による脱線転覆事故により5両が解体されましたが、廃車扱いとはせずに車体を新造して解体した車両からの使用可能な部品を取り付けるという復旧方法がとられました。2010年には先頭車のスカートの形状が変更されています。また、以前には大糸線での定期運用があり、そして臨時夜行快速「ムーンライト信州」にも使用されたことがありましたが、現在はどちらの運用も消滅しています。
現状
現在は中央本線最速の特急列車として、また間合い運用で首都圏の通勤・通学の足として活躍しています。
走行音
録音区間:茅野~上諏訪(スーパーあずさ5号)(お持ち帰り)
走行線区(特記無い場合は全線)
JR東日本 |
スーパーあずさ |
中央本線(新宿~みどり湖~塩尻)、篠ノ井線(塩尻~松本) |
中央ライナー |
中央本線(東京~八王子) |
フォトギャラリー
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スーパーあずさ 高尾駅にて
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貫通型先頭車同士の連結部分
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中間車
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方向幕