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HB-E300系気動車




概要

JR東日本がキハE200形に続き、次世代型ハイブリッド気動車として開発した観光用一般型気動車です。
本形式より従来の気動車で使われていた「キハ」に変わり「HB-」の記号を用いることとなり、本形式以降に登場したハイブリッド車両に踏襲されています。
長野地区に投入された「リゾートビューふるさと」を皮切りに、キハ40系が使われていた「リゾートしらかみ」の橅編成・青池編成の2代目として、青森地区向けの「リゾートあすなろ」、新潟地区の「きらきらうえつ」に変わる観光列車「海里」が登場し、JR東日本の観光列車として標準的な車両になりつつあります。
また、「リゾートあすなろ」は後に改造を受け、「ひなび」と「SATONO」して生まれ変わっています。

車体はステンレス製の軽量車体で、先頭部のみ普通鋼製となっています。
基本構造はキハE200形を踏襲しており、東北地方での運用が中心になることから耐寒耐雪仕様となっています。
外観デザインは投入される列車ごとに異なるものが採用されており、「リゾートビューふるさと」は緑色と白色のグラレーションに金色の帯を配し、長野県の県木である白樺の森を走る抜けるイメージとなっています。
「リゾートしらかみ」の青池編成では前身のキハ40系改造の車両のカラーイメージを踏襲し、日本海の水平線と青池をイメージした青色を貴重とし、これに本形式をイメージした銀色を合わせたものとなっています。
同じく「リゾートしらかみ」の橅編成では緑色のグラデーションによって白神山地のブナの木立を表現したものとなっており、奥山清行氏がデザインを担当しています。
「あすなろ」はねぶたの情熱を表す赤、下北半島の菜の花を表す黄色、そして森林を表す緑色を使用しています。
「海里」は朱色と城のグラデーションで、夕陽と新雪の融合をイメージしたものになっています。
「ひなび」はキハ58系に使用されていた盛岡色を基調とし、北東北の自然や人と人を結ぶ列車をイメージしたデザインを取り入れています。
「SATONO」は1号車には「郷・山・森の緑」や「めぶき」「わかば」「常盤色」をイメージした緑系の塗装を、2号車には「空の青・川のせせらぎ」「海の蒼・雪化粧」をイメージした青系の塗装となっています。

客室扉は基本的に各車片開きを1箇所ずつとなっており、デッキを備え特急形に準じた車体構造となっています。
また、バリアフリー対応として通路部分の床面を下げているものの、車窓の眺望に配慮し、客席部分は通路より130mm高くなっています。
その他、車椅子スペースやバリアフリー対応トイレも設置しています。
観光列車らしい設備としては、前面展望が楽しめる展望ラウンジや車内イベントを各車両で放映できるディスプレイなどを備えています。
また、「リゾートしらかみ」用の青池編成・橅編成では中間車1両がセミコンパートメント席となっている他、「海里」ではイベントスペースや売店、コンパートメント席、ダイニングなどを設置しています。
編成は青池編成・橅編成・「海里」が4両編成で、それ以外は2両編成となっています。

走行機器はエンジンを発電用に用い、発電機からの電力とバッテリーの電力を適宜使い分けて電気モーターで走行するというシリーズハイブリッド方式となっています。
エンジンは定格450PSを発揮するDMF15HZB-G形直噴直列6気筒ディーゼルエンジンとなっており、これい定格270kWのDM113形かご形三相誘導発電機を組み合わせています。
これにより環境性能を高めている他、エンジンはコモンレール式となり、エンジン単体でも排出ガスの有害物質低減を図っています。
バッテリーは日立製作所製のMB1形リチウムイオン電池を搭載しており、1両あたり15.2kWhの容量を持ちます。
制御方式はPWMコンバータとIGBT素子によるVVVFインバータを組み合わせたものとなっており、これにより定格95kWのMT78形かご形三相誘導電動機を駆動します。
加速性能はキハ40系相当の1.5km/h/sと、キハ110系やキハE200系相当の2.3km/h/sを切り替えることが可能で、従来車との併結も考慮されています。
最高速度は100km/hで、ブレーキは回生・発電ブレーキ併用電気指令式ブレーキで、直通予備ブレーキ、抑速ブレーキ、耐雪ブレーキも搭載します。

運行中の各種機器の動きとしては、停車中や惰行中はエンジンを停止しバッテリーからの電力で補機類やサービス電源を確保します。
発車時はエンジンは停止させ、バッテリーからの電力のみでモーターを駆動させつつ加速し、25km/h程度まで加速したらエンジンを始動して、発電機とバッテリーの電力を併用して加速していきます。
制動時はエンジンを停止し、回生ブレーキにより得た電力をバッテリーに充電します。
こうしたシステムによりキハ40系との比較で燃料消費率は10%削減、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を約60%削減できた他、停車中や発車時の騒音を20dBから30dB程度削減することに成功しています。

歴史

2010年に最初の編成が登場し、「リゾートビューふるさと」として運行を開始しました。 続いて「リゾートしらかみ」の青池編成や「リゾートあすなろ」にも導入されました。
2016年には「リゾートしらかみ」の橅編成、2019年には「海里」が登場しました。
2023年には「リゾートあすなろ」の改造により「ひなび」が、2024年には同じく「リゾートあすなろ」の改造で「SATONO」が登場しました。

現状

定期的に運行されるものとしては「リゾートしらかみ」「リゾートビューふるさと」「海里」といった観光列車で活躍中です。
また、「ひなび」は主に岩手県や青森県を中心に各種臨時列車として、「SATONO」は主に宮城県・福島県・山形県内の各種臨時列車として運行されています。

走行音

録音区間:岩館~あきた白神(リゾートしらかみ4号)(お持ち帰り)

走行線区(特記なき場合は全線)

リゾートビューふるさと 信越本線(長野~篠ノ井)、篠ノ井線(篠ノ井~松本)、大糸線(松本~南小谷)
リゾートしらかみ 奥羽本線(秋田~東能代・弘前~青森)、五能線
海里 白新線、羽越本線(新発田~酒田)
※定期的、かつ通年に渡って運行される列車のみ記載
これ以外にも各種臨時列車として運行されるため、詳細は公式サイトをご覧下さい。
205.08.23現在

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

リゾートビューふるさと

同編成

同行先表示器

リゾートしらかみ(橅編成)

同先頭部側面ロゴ

同行先表示器

同所属表記

同デッキ部

同車内(一般席)

同座席

同車端部荷物置き場

同車内案内表示器

同イベント用ディスプレイ

同車番表記(車内)

同洗面台

同展望ラウンジ

リゾートしらかみ(青池編成)

同ロゴ

同行先表示器

同セミコンパートメント席

同イベント用ディスプレイ

海里

同連結器とスカート

同ロゴ

同行先表示器

同車番表記(車外)

リゾートあすなろ

同先頭部ロゴ

同側面部ロゴ

同行先表示器
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