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N700S系新幹線




概要

JR東海が東海道・山陽新幹線向けにN700系(N700A)の後継として導入した新幹線電車です。
700系やN700系ではJR西日本との共同開発の形を採りましたが、これは300系以来のことでした。
なお、開発元のJR東海では本形式はN700Aとは別形式として扱われていますが、JR西日本では本形式はN700Aの一種という扱いですが、当記事では別形式として紹介していきます。

形式名は700系やN700系から700の数字を踏襲しつうつ、末尾の”S"は「最高の」や「究極の」などを意味する英単語の"Supreme"の頭文字から採られました。

JR東海では16両固定編成として運用されていますが、山陽新幹線など他線区への転用や海外輸出を見据えて「標準車両」とすることを目指し、8両編成や12両編成といった組成も可能な構造を採用しています。
製造は日本車輌製造と日立製作所笠戸事業所で行われ、「アルミ水平リサイクル」の仕組みにより、廃車解体された700系から回収したアルミ合金を再利用しています。

区分としてはJR東海所有の0番台、JR西日本所有の3000番台があり、これらは16両固定編成となっています。
また、西九州新幹線でも本形式を導入しており、JR九州が所有する編成は8000番台を名乗っており、6両固定編成となっています。

車体はN700系と同じくアルミニウム合金製の中空押出形材によるダブルスキン構造となっており、先頭部の形状はN700系の「エアロ・ダブルウィング形」を更に進化させて「デュアル・スプリーム・ウィング形」としとえり、トンネル突入時の騒音や走行抵抗の低減や、最後尾車両で発生しがちな気流による車体の動揺を抑える効果も出ています。
ノーズの長さはN700Aの9620mmより1080mm拡大した10700mmとなっています。
前照灯はN700系のHIDから、新幹線では初採用となるLEDを採用しています。

車内はN700系をベースとしつつ、曲面を多用したデザインとし、車内案内表示器はLEDの電光掲示板からLCD(液晶ディスプレイ)となり、大型化もされました。
セキュリティ面では防犯カメラを従来の出入り口付近のみから、客室内にも設置し、1両あたり最大で4箇所設置しています。
座席コンセントも、N700Aでは窓側と最前部・最後部の座席にのみ設置されており、コンセントが利用できない座席もありましたが、本形式では全席にコンセントが設置されています。
座席モケットは水に濡れると柄のラインが濃く浮かび上がる「水濡れセンサーシート」となっており、車内清掃時に座席の水濡れを見つけやすくなっています。

走行機器としてはSiC素子によるVVVFインバータ制御を採用しており、発熱が少ない特性により走行風のみで冷却が出来るようになり、機器類の小型軽量化に成功しています。
モーターは305kW出力のかご形三相誘導モーターとなっており、差高速度は300km/h(東海道新幹線では285km/h、西九州新幹線では260km/h)となっています。
また、N700系から引き続き車体傾斜装置を搭載しており、東海道新幹線では本則+25km/hでの曲線通過を可能としています。

両先頭車とグリーン車・パンタグラフ搭載車にはフルアクティブ制振制御装置を搭載し、乗り心地の向上を図っています。

また、車体に大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載しており、停電時にも最寄り駅や避難誘導がし易い場所まで最低限の自走が出来るようになっており、これは高速鉄道では初めての試みです。

一部の編成には「軌道状態監視システム」「トロリ線状態監視システム」「ATC信号・軌道回路状態監視システム」といった検測システムを搭載しており、従来は「ドクターイエロー」など専用の検測車両を使用していたものを、本形式の検測機能で代替する方針が示されており、東海道・山陽新幹線では「ドクターイエロー」を引退させ本形式による検測に置き換え、西九州新幹線では他の新幹線と線路が繋がっていない都合上、「ドクターイエロー」が入線できず、開業時から本形式に搭載する検測機能を使用して計測を実施しています。

0番台・3000番台は16両固定編成であり、普通車13両とグリーン車3両という構成です。
8000番台は6両固定編成であり、全車普通車でグリーン車の設定はありませんが、指定席車と自由席車で座席配置がことなり、指定席車は2+2列、自由席車は2+3列となっています。
0番台・3000番台は700系やN700系に共通のデザインですが、8000番台ではオリジナルデザインとなっており、0番台・3000番台と8000番台では外観が異なっています。

受賞歴としては鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。

歴史

2019年1月にJR東海より本形式の導入計画が明らかにされました。
2020年度より量産車が製造され、2020年7月1日に運用開始しました。
以後、順次増備され、N700Aを置き換えていく予定です。
2021年5月26日には鉄道友の会ローレル賞を受賞しました。

2022年9月23日に開業した西九州新幹線でも、本形式の8000番台が導入されました。

現状

0番台・3000番台は東海道・山陽新幹線にて、8000番台は西九州新幹線の全列車にて運用中です。
また、今後アメリカや台湾などへ本形式をベースにした車両を輸出する計画もあります。

走行音

0番台・3000番台
録音区間:新神戸~新大阪(のぞみ28号)(お持ち帰り)
8000番台
録音区間:長崎~諫早(かもめ56号)(お持ち帰り)

走行線区は準備中です。

フォトギャラリー

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外観(0・3000番台)

車体ロゴ(0・3000番台)

行先表示器(0・3000番台)

普通車車内(0・3000番台)

普通車座席(0・3000番台)

座席テーブル(格納時)(0・3000番台)

座席テーブル(展開時)(0・3000番台)

座席コンセント(0・3000番台)

窓ガラスとブラインド(0・3000番台)

荷物フック(0・3000番台)

車内案内表示器(0・3000番台)

客室防犯カメラ(0・3000番台)

デッキ部(0・3000番台)

車内トイレ(0・3000番台)

洗面所(0・3000番台)

外観(8000番台)

行先表示器(8000番台)

ロゴその1(8000番台)

ロゴその2(8000番台)

号車表示(8000番台)

車番(8000番台)

パンタグラフカバー(8000番台)

自由席車内(8000番台)

3人がけ座席(8000番台)

2人がけ座席(8000番台)

窓ガラスとブラインド(8000番台)

座席テーブル(格納時)(8000番台)

座席テーブル(展開時)(8000番台)

座席コンセント(8000番台)

車端部テーブル(8000番台)

車内案内表示器(8000番台)

荷物置き場(8000番台)

デッキと車内トイレ(8000番台)
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