南海6000系電車
概要
南海電鉄が高野線のうち平坦線と呼ばれる三日市町駅以北向けに導入した通勤形電車です。
当時は高野線沿線の宅地化が進んでおり、平坦区間専用として20m級4扉の形式として本形式が導入されました。
南海電鉄では初の4扉通勤車の高性能車となっています。
車体はオールステンレスとなっており、東急7000系、京王3000系と並び、日本のオールステンレス車の嚆矢と言えるし車両で、そのうち20m級車両としては国内初の事例となっています。
これはアメリカのバッド社のライセンスを受けて東急車輛製造が製造したものです。
ただし、ステンレス車体は事故などで損傷した際の修繕が難しいという特徴があるため、本形式をベースとした南海本線向けの7000系は普通鋼製とされました。
以後は踏切の少ない高野線はステンレス車、南海本線は鋼製車という形で棲み分けられる時期が続くことになります。
車内は全てロングシートです。
走行機器は超多段式バーニア抵抗制御となっており、一般的な抵抗制御よりきめ細かくノッチ段を刻むことができ、滑らかな制御が可能です。
モーターは定格145kWのMB-3072-B形直流直巻モーターです。
ブレーキは発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキで、抑速ブレーキにも対応します。
駆動方式はWNドライブです。
なお、本形式の登場時は南海電鉄の架線電圧は600Vだったため、当初は本形式も600Vでしたが、1500Vへの昇圧が行われたため、複電圧車両となった他、600V専用で製造されたグループも後に複電圧車両に改造されています。
後に冷房化、車体更新といったリニューアルが実施されています。
南海電鉄では置き換えが進み、2025年までに引退する予定ですが、大井川鐵道に譲渡された車両も存在します。
歴史
1962年~1969年までに製造されました。
1985年より車体更新・冷房化が実施されました。
2018年には本形式の置き換え計画が発表されました。
2020年に本形式のうち6905Fが大井川鐵道に譲渡されました。
2024年12月30日より大井川鐵道にて営業運転を開始しました。
現状
南海電鉄では高野線の橋本以北と泉北線にて活躍中です。
大井川鐵道に譲渡された車両は大井川本線にて活躍中です。
走行音は準備中です。
走行線区(特記なき場合は全線)
| 南海電鉄 |
南海高野線(難波~橋本)、泉北線 |
| 大井川鐵道 |
大井川本線 |
2025.11.20現在
フォトギャラリー
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外観
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方向幕