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小田急4000形電車




概要

小田急3000形の増備によって進められていた小田急5000形・5200形の置き換えをさらに進めるため、JR東日本のE233系をベースとした上で3000形で確立された標準仕様を取り入れ、「故障に強い車両」「人と環境にやさしい車両」を目指して開発されたのが小田急4000形で、10両編成が登場しました。
当系列では先述の目標を達成するため、運行障害を低減させるため主要機器・回路を二重系とし、バリアフリー化の促進を図った車両とされました。また従来小田急電鉄に在籍していた10両固定編成の車両は、検査などの際に新宿方面の4両と小田原方面の6両に分割できる仕様でしたが、当系列は新宿方面6両、小田原方面4両に分割できるように編成仕様を変更しています。
車体は小田急1000形から続いてきたオールステンレス製となっており、車体強度の向上を図るため柱などの部材を厚くしています。車体の帯色には3000形までに使用されていたロイヤルブルーではなく、インペリアルブルーを採用しています。側面の窓ガラスには全てUVカット遮光ガラスを採用したため窓の日除けカーテンは省略されています。方向幕はE233系で使用されていたものと寸法が同じフルカラーLED式のものを設置しています。
前面はベースとなったE233系と異なり、小田急50000形(愛称:VSE)を担当したデザイナーが手掛けた小田急オリジナルのデザインで、全体に丸みを持った形状となっています。なお、当系列は1000形に代わって、小田急小田原線と相互直通運転を行っている東京メトロ千代田線への乗り入れ運用に使用されることになっていたため非常用の貫通路も設置されています。前照灯には小田急電鉄の通勤形電車として初めてHIDランプを採用し、前面の窓ガラスには合わせ強化ガラスを採用した上で室内側に飛散防止フィルムを貼り、乗務員の保護を図っています。
車内の内装は地下鉄への直通時を考慮して乗客が暗く感じないような配色とされ、座席は通勤形電車では標準的なロングシートです。座席形状や車内の握り棒の配置はE233系と同一ですが、座席の袖仕切り部分の形状は3000形の2次車以降のものとほぼ同一です。先頭車には車椅子スペースと、そのスペースを利用しない場合に使用できる収納式の座席が設置していますが、2009年以降の増備車では収納式座席が省略されています。ドア上部には液晶ディスプレイ式車内案内表示器が1台設置されています。
運転台には3000形に引き続きワンハンドル式マスコンが採用されていますが、3000形で採用されたものとは少し仕様が異なる新型のものになっています。また運転台の各スイッチは取扱いミスの防止を図った配置とされました。保安装置として、現在小田急電鉄で使用しているOM-ATS、新しく採用され将来使用予定のD-ATS-P、そして千代田線内で使用するCS-ATCをそれぞれ搭載しています。その他には、走行制御装置にはVVVFインバータ制御を、パンタグラフにはシングルアーム式のものを採用しています。
2012年に製造された第15編成は、CMやニュースを流すための「トレインビジョン」を小田急電鉄の車両として初めて採用し、それは液晶ディスプレイ式車内案内表示器の横に設置されています。また、日本の鉄道車両では初となる調光機能付きのLED照明が導入されています。

歴史

2007年秋から小田急線内および小田急線と千代田線との直通運用での使用が始まりました。2007年末に増備された第6編成は、小田急電鉄の車両として初めてJR東日本の直営車両工場である新津車両製作所で製造されました。
当系列の投入によって従来千代田線への直通運用を担当していた1000形はその任を解かれて地上線専用車となり、その結果としてまだ残っていた5000形・5200形を玉突きの形で置き換えることになったほか、千代田線直通列車の完全10両固定編成化が達成されました。
2013年4月に、将来的に当系列もJR常磐緩行線に乗り入れることが発表され、その対応化工事が順次実施される予定です。

現状

現在は千代田線直通運用のほか、10両固定編成の大きな輸送力を活かした小田急線内の急行、快速急行にも盛んに使用されています。

走行音

録音区間:経堂~下北沢(急行)(お持ち帰り)

走行線区(特記無い場合は全線)

小田急電鉄 小田急小田原線、小田急江ノ島線、小田急多摩線、東京メトロ千代田線(北綾瀬支線を除く)

フォトギャラリー

画像をクリックすると拡大できます。

代々木上原駅にて

祖師ヶ谷大蔵駅にて

先頭部分側面

フルカラーLED式方向幕

液晶ディスプレイ式車内案内表示器
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