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東急7700系電車
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東急7600系
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概要
1962年に登場した東急7000系は、その後に登場した系列が1980年代中盤にほとんど冷房化される中で、冷房装置を搭載すると台車がその重さに耐えられないなどといった様々な諸問題があったため、冷房化が行われていませんでした。また、製造から25年が経過しており、走行機器や内装の老朽化が進行していました。
しかし、7000系はオールステンレス車体であるために腐食による「痩せ」がなく、溶接部分が製造時の状態と変わらないのであれば車体強度は落ちていない、ということが想定されました。そこで実際に強度試験を実施したところ、車体強度が落ちていないことが判明しました。こうして、骨組みと外板をそのままに、老朽化していた走行機器や内装などを全て取り換え、その上で冷房化を行うという改造工事が7000系に対して行われ、その結果登場した通勤形電車が東急7700系です。
外観・走行機器
外観は7000系の時と比較してあまり変化はありませんが、雨樋が新たに設けられています。また、屋根上に新たに設置された冷房装置は東急9000系のものと同一ですが、そのカバーは営団地下鉄(現在の東京メトロ)日比谷線の車両限界に対応するために、側面を斜めに削った形状となっています。
台車は老朽化が進んでおり、また冷房化の際の障害となっていたため、別種類の新品のものに交換されています。警笛は、従来の空気笛に加えて新たに電子笛を搭載しています。走行機器は新しいものに交換され、走行制御機器はGTO素子を使用したVVVFインバータ制御となっています。
7000系においては、日立製作所製の電装品を使用した車両と、東洋電機製造製の電装品を使用した車両では主電動機の種類が異なっていましたが、当系列では以前よりも出力が大きいものを採用し、これによって主電動機の種類を統一しています。この結果として編成あたりの出力が増大したため、7000系では全電動車編成であったものが、当系列ではMT比1:1の編成になっています。
車内
車内は東急9000系に準じた仕様に更新されています。座席は7000系の時と同じロングシートですが、定員着席を促すため、9人掛けの座席を3人ずつで区切るための仕切り板が入れられたほか、オレンジとブラウンで1スペースごとに色分けがされました。7000系のときから設置されていた車内の扇風機は、補助送風機としてそのまま残っています。
乗務員室の運転台は一新され、マスコンがワンハンドル式のものに交換されています。
歴史
当系列は1987年8月から、まず大井町線で営業運転を開始しています。翌年の目蒲線への転属前までは、当系列は暫定的に4両+2両の6両編成で運用されていました。また、第1編成の営業運転開始後に、7000系と区別できるようにするための赤色の帯が入れられました。目蒲線に転属した後は当初の予定通り、4両編成での使用が開始されています。
1994年、東急池上線でワンマン運転が1998年から始まるのを前に、第13・第14編成が中間付随車を1両抜いた上でワンマン運転対応化工事を受け、池上線で使用されるようになりました。この工事の際に、前面の方向幕がLED式のものに交換され、側面にもサボ受けを撤去した後にLED式方向幕が設置されました。前面の塗装は、通称「歌舞伎塗装」と呼ばれる特徴的な塗装に変更され、側面には赤帯が巻かれました。なお同時期に、目蒲線で使用されていた第12編成の中間付随車1両が電装化されましたが、これは東急初のIGBTインバータ制御とシングルアーム式パンタグラフを搭載した実用試験車とされました。
1996年には、第13・第14編成から抜かれた中間付随車2両が、1両は先頭車化改造、もう1両は実用試験車に準じた電装化改造をそれぞれ受け、第12編成に組み込まれていた実用試験車1両を加えた3両で組成された第15編成となりました。この編成は一時的に転落防止幌を取り付けていたほか、先頭車化改造車の前面形状や運転台は東急1000系に準じたものとなっており、その部品も1000系と一部共通化されています。また、当初からワンマン運転にも対応しています。第15編成はその登場の同年から、実用試験車が抜かれて3両編成となり、第13・第14編成と同様のワンマン運転対応化工事と塗装の変更を受けた第12編成とあわせて、池上線での営業運転を開始しています。
2000年8月に、目蒲線が東急目黒線と東急多摩川線に分離されたことに伴い、目蒲線において4両編成で使用されていた編成は廃車となるか、中間付随車1両を抜いた3両編成とされた上で第12編成から第14編成までが受けたワンマン運転対応化工事を受け、池上線と多摩川線で使用されるようになりました。この時の工事では、側面へのLED式方向幕の設置は行われていません。なお、1994年と1996年に池上線に投入された3両編成4本は、同時期から多摩川線での使用を開始しています。
2002年には、先述の目蒲線の路線分断によって廃車となった編成の先頭車6両が、十和田観光電鉄に譲渡されました。同年には、交通バリアフリー法に対応するために全ての中間車に対して、一部の座席を撤去した上で車椅子スペースを設置する工事が行われました。2007年には、第3編成が「多摩川アートラインプロジェクト アートウィーク2007」の一環として、「レインボートレイン」ラッピングで使用されていました。2012年4月から、7000系の第1編成を改造して登場し、東急の鉄道車両で最も経年が経過している第10編成が、池上線開業90周年を記念して前面の赤帯を撤去し、かつ前面の方向幕を幕式に戻した上で「7000系クラシックスタイル」車として使用されています。
2007年12月末から後継車両である東急新7000系が運転を開始した後、他の編成と比較すると特徴的な編成であった第15編成が2010年に、翌年には第13編成が廃車となっています。
現状
現在も数多くの編成が現役で、池上線で都市間輸送に、多摩川線で地域間輸送に活躍しています。
走行音
録音区間:久が原~千鳥町(
お持ち帰り
)
走行線区は準備中です。
フォトギャラリー
画像をクリックすると拡大できます。
前面赤帯編成 戸越銀座駅にて
前面赤帯編成 先頭部分側面
中間車連結部分
歌舞伎塗装 洗足池駅にて
歌舞伎塗装 千鳥町駅にて
歌舞伎塗装 先頭部分側面
連結器・渡り板部分
側面のLED式方向幕
運転台
車内
ドア内側部分
扇風機
車内貫通路部分
車椅子スペース
車内銘板と非常用ドアコック蓋部分
7000系クラシックスタイル 久が原駅にて
同編成 池上線90周年記念ヘッドマーク 雪が谷大塚駅にて
同編成 同ヘッドマーク 雪が谷大塚~御嶽山にて
前面赤帯編成と7000系クラシックスタイルの並び 御嶽山駅にて
前面赤帯編成の並び 沼部駅にて
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