JRの運賃・料金~実務編~

全6回に渡ったJRの運賃・料金シリーズもこれにて最終回となります。
今までは規則の紹介がメインでどちらかと言えば理論的な内容でした。
このページでは今までご紹介した規則を活用し、実際に切符を買ったりJRを使った旅行をする際に知っておくべき手続きや取り扱いなど実用的な内容をご紹介し総括としたいと思います。
なお、このページに書かれている内容は通常乗車券類での話であり、JR各社が発売する企画乗車券(いわゆるトクトクきっぷ)では取り扱いが異なるものがありますのでご注意下さい。

きっぷの購入

発売箇所

冒頭でも少し触れましたが、JRのきっぷは全国のみどりの窓口と券売機、及び一部の旅行会社で購入できます。
券売機についてですが、通常は近距離の当日分の普通乗車券に限定されますが、一部の券売機では長距離や当日以外のきっぷも購入できます。
旅行会社でも一部JR券の発売を取り扱っているところがありますが、旅行会社でのJR券の手配は「手配旅行契約」というものになり、きっぷの値段に加えて一定の手数料が加算されることが通常です。
どうしても近くにJRの駅がない場合や旅行会社の職員と旅行の相談をしながらきっぷを手配したいという場合以外はみどりの窓口や券売機での購入をおすすめします。

発売時期

JRのきっぷはそのきっぷの有効期限が始まる日の1ヶ月前から発売されます。また、その月の前月に同じ日がない場合、1日後ろにずれます。具体的には3月31日から有効のきっぷの発売は、2月31日が存在しないため3月1日より開始されます。
指定席券・寝台券・グリーン券(自由席タイプは除く)については1ヶ月前の午前10時からとなります。
発売の最終日についてですが、基本的には乗車する当日でも購入できます。また、指定席券についてはその列車が乗車する駅を発車する時刻まで発売となっていますが、実務上は実際には乗車が不可能な数分前などでは断られることもあるので余裕を持って購入しましょう。
なお、日付をまたいで運行される列車の指定席券や(指定席)特急券については、乗車する列車が乗車する駅を出発する日が基準となり、特急列車の指定席のシーズンによる価格変動も乗車する駅を発車する日が基準となります。
ただし、発売日は列車が始発駅を発車する日が基準となります。
例えば、8月10日の0時18分に静岡駅を出る「サンライズ瀬戸」に静岡駅から高松駅まで乗車する場合、実際に静岡駅から乗車する日である8月10日の指定席券を購入するものの、始発駅の東京駅を発車するのは8月9日の21時50分なので発売日はその1ヶ月前である7月9日の午前10時となります。
日付を間違えて乗れないなんてことになったらせっかくの旅行も台無しですので注意しましょう。
また、実際に乗車する日が基準であることは理解できても、発売日は始発駅が基準であることを知らないまま駅に行って10時打ちをやった時には満席なんて話もあります。

10時打ち

これは正式な制度ではありませんが、前項で触れたとおり、指定席券は乗車日の1ヶ月前の午前10時から発売が始まります。
発売と同時に完売してしまうような人気列車の指定席を確保したい場合、10時の少し前に窓口を訪れ、10時ちょうどに駅員にMARS(指定席券発売システム)を操作してもらうことで、希望の列車が確保できる可能性が高まります。これを鉄道ファンなどの間では「10時打ち」と呼びます。
しかし、前述の通り正式な制度として存在する取り扱いではないので、駅によっては事前申込制として、別途定める期日までに申込書を提出しなければならない場合があります。
そうでなくても、窓口が混雑していて、せっかく10時前にみどりの窓口を訪れても、順番を待っている間に10時を過ぎてしまうなんてこともありますので、事前にきっぷを申し込む予定の駅の様子を調べておくといいかもしれません。
また、近年は「えきねっと」などのインターネットによる指定席券の予約も普及しつつあり、事前申し込みという形で10時打ちと同等のことが可能になりつつありますから、会員登録などの手間はありますが活用を検討してみるとよいでしょう。

支払い方法

みどりの窓口では現金のほか、クレジットカードでの支払いも可能です。
ただし、注意して欲しいのはクレジットカードで購入した乗車券は「C制」という刻印がされ、払い戻しの取り扱いが現金で購入した乗車券とは異なり、払い戻し箇所が購入した駅のみとなったり、購入した駅を管轄する会社と同じ会社の駅でしか払い戻せないなどの制約が生じる場合があります。
ポイント!
・きっぷはみどりの窓口、券売機、一部旅行会社で買える
・きっぷは1ヶ月前から発売(指定席は10時から)
・支払いは現金かクレジットカード

運賃区分

JRを利用する場合、年齢により運賃や料金が異なります。その区分についてのお話です。

大人

JRでは中学生以上が大人とされています。厳密な話をすると中学校に入学する年の4月1日以降から大人料金になります。
時刻表や運賃検索サイトなどで出てくる運賃は大人料金なのでそれをそのまま適用します。

小児

JRでは小学生が小児とされています。こちらも厳密な話をすると小学校に入学した年の4月1日から小学校を卒業した年の3月31日までが小児です。
運賃・料金は大人の半額となり、半額にした際の10円未満の端数は切り捨てとなります。
ただし、グリーン券・寝台券については小児でも大人と同額となりますのでご注意下さい。
なお、小児の運賃・料金でのきっぷの購入については証明書などを用意する必要はなく、係員による見た目での判断になります。
従って、小学生であってもあまりにも大人びた容姿である場合などは、年齢を証明できるものを携帯しておくと安心かもしれません。

幼児

JRでは1歳以上で小学校入学前までが幼児という区分になります。
大人、もしくは小児が付き添う場合は大人もしくは小児1名につき幼児2名まで無賃扱いとなり、3名以上の場合、2名を超える人数分の小児運賃を支払います。
また、幼児単独で乗車する場合は人数分の小児運賃が必要です。
なお、無賃扱いとなるケースでも、指定席を利用する場合で、幼児も1席を占有して利用する場合は、運賃・料金は小児の分を支払うことになります。
ただし、指定席を使う場合でも、膝の上に乗せるなどして座席を使用しない場合は、乗車券・特急券・指定席券などは一切不要で無賃扱いになります。
寝台車についても大人もしくは小児と1つの寝台を一緒に利用する場合は無賃扱いですが、1つの寝台を幼児だけで占有する場合は小児の運賃と料金(寝台料金は大人と同額)が必要です。
あと、意外に多い誤解なんですが、特急列車や新幹線の自由席に幼児・乳児を乗せる場合で、乳児・幼児も座席に座らせる場合、自由席特急券を買わなければならないと思っている人が多いようですが、自由席については特に規定がないので無賃扱いにできる乳児・幼児については運賃・料金を追加することなく座席を使用できます。
ただし、混雑時などは子供は膝の上に乗せるなどすることがマナーとされており、車内放送でもそのような呼びかけがされているようですので、確実に幼児・乳児も座らせたいのであれば、指定席の利用が無難でしょう。

乳児

JRでは1歳未満は乳児という区分になります。
乳児の運賃・料金は原則として無賃扱いで、幼児と異なり人数制限はなく何人でも無賃扱いとなります。
しかし、現実問題として1歳未満の子供はおぶったりベビーカーに乗せるなどしなければ移動は困難で、物理的に連れていける人数には限度があるでしょう。JRが人数制限を設けていない理由はそういったところにあります。
ただし、幼児同様、指定席や寝台車を座席を占有して利用する場合は、小児の運賃・料金が必要です。

実例に当てはめる

以上の説明を読んでもピンと来ない方もいらっしゃると思いますので、実例を上げながら解説したいと思います。
例えば、大人1名・小児1名・幼児2名というグループですと、この場合幼児は4名まで無賃扱いにできるため、運賃・料金は大人1名と小児1名分で結構です。
しかし、指定席を利用する場合で、この幼児2名にも座席を使わせるならば、小児2名分の運賃・料金を追加することになります。
ポイント!
・中学生以上は大人運賃
・小学生は小児運賃
・1歳以上で小学校入学前は幼児
・1歳未満は乳児
・大人ないし小児1人につき幼児2人が無賃扱い、それ以上は小児運賃

払い戻し

せっかく楽しみにしていた旅行でも、急用や体調不良などで取り止めざるをえないこともあるでしょう。
そういった場合にきっぷを払い戻す(キャンセルする)ときのお話です。

払い戻し箇所

JRの乗車券類は「C制」でない限り全てのみどりの窓口で払い戻しができます。
「C制」の場合は払い戻せる駅が限定される場合があります。

払い戻し時期

いつまで払い戻しができるかというお話です。

未使用の場合

払い戻しはきっぷの有効期間が終わるまで可能ですが、指定席券・寝台券・指定席グリーン券・立席特急券については指定列車が乗車する駅を発車する時刻までとなります

使用開始後の場合

きっぷ使用開始後は、乗車券に限り、使用しない区間のキロ数が100kmを超える場合は、実際に乗車した区間の運賃との差額が払い戻されます。
ただし、大都市近郊区間内で完結する乗車券の場合は乗車しない区間が100kmを越えても払い戻しはありません。
なお、これは厳密には「乗車変更」という取り扱いであり払い戻しとは異なるものですが便宜上こちらに載せました。

手数料

当然自分の都合で払い戻す場合は手数料が発生します。
その金額についてですが、きっぷの種類と払い戻すタイミングで手数料が異なります。
乗車券・急行券・自由席特急券・特定特急券・自由席グリーン券・立席特急券は常に210円
指定席特急券・指定席券・指定席グリーン券・寝台券列車出発日の前々日までは320円前日以降はそのきっぷの金額の30%か320円のいずれか高い方となります。
これはきっぷ1枚ごとに発生しますが、往復乗車券・連続乗車券の場合は1組で210円です。
また、一葉券と言って乗車券と料金券を1枚のきっぷで発売する場合がありますが、この場合は乗車券と料金券を別々のきっぷとみなし、それぞれに払い戻し手数料が発生します。
ポイント!
・払い戻しは全国のみどりの窓口でできる。
・ただし、「C制」は購入した駅でのみ取り扱い
・払い戻しは有効期間内のみ(指定席は指定列車発車まで)
・手数料は指定席以外は220円、指定席は前々日まで340円、前日以降は3割か340円のうち高い方

乗車変更

全てのきっぷは1回まで手数料なしで変更することが出来ます。

乗車変更できるきっぷ

変更ができるのは同じ券種同士に限られ、同じ券種同士ならば日付・区間・利用列車などを変更することが出来ます。
例えば、東京から青森までの旅行を計画しきっぷを購入したが、行程の変更で函館まで行くことになった場合は、乗車する区間を「東京都区内→青森」から「東京都区内→函館」に変更することとなり、その際は差額を追加で支払います。
また、指定席券であれば、利用する列車を1本遅らせたいといった場合や日付・乗車区間などの変更もできる他、自由席特急券を指定席特急券に変更することも出来ます。
しかし、乗車券として購入したものを指定席券に変更したり、特急券として購入したものを乗車券に変更するといったことは出来ません。

乗車変更できる期間

乗車変更は払い戻しが可能な期間であれば可能です。

過不足の扱い

乗車変更によりきっぷの金額が変わる場合、元の金額より安くなる場合は払い戻し、高くなる場合は追加で支払うことになります。
ただし、大都市近郊区間内で完結する乗車券を乗車変更する場合は、安くなる場合でも払い戻しはありませんが、高くなる場合は追加の支払いが必要です。

2度目は・・・

先程も申し上げたように乗車変更ができるのは1回きりです。
もし1回変更した後で再び変更する必要が生じた場合は、一旦そのきっぷを払い戻し、改めて目的のきっぷを買い直すという扱いになります。
この際、当然ながら払戻時に手数料が発生しますのでご注意を。
なお、乗車変更したきっぷの券面には「乗変」という刻印がされるので、知らんぷりして2度目の変更をしようなどという浅知恵は通用しませんw
ポイント!
・乗車変更は1回限り
・手数料は不要
・同じ券種でのみ可能
・できるのは有効期間内
・大都市近郊区間内完結の乗車券は安くなっても払い戻しなし

列車運行不能の場合の取り扱い

日本の鉄道は世界一正確と言われていますが、それでも災害や事故などで大幅に遅れたり運転が取り止められたりすることもあります。
そういった場合の取り扱いについてです。

きっぷの使用開始前

きっぷは購入したものの旅行に出発する前に利用する予定の路線や列車が運転を取りやめてしまった場合は、そのきっぷは無手数料で払い戻しが出来ます。

きっぷの使用開始後

実際に旅行に出発したものの、目的地へ向かう途中で利用する路線や列車が運転を取りやめてしまった場合は、使用中のきっぷは日程の変更か無手数料での払い戻しをしてもらえる上、出発した駅まで追加の運賃を支払うことなく引き返すことが出来ます。
ただし、注意が必要なのがその時使用中のきっぷの経路が始まる駅までしか戻れないという事です。
例えば、東京から名古屋まで伊東に立ち寄ってから向かう行程で旅行をしているとして、この場合、熱海~伊東が重複するため1枚の片道乗車券では発売できないのは既に以前のページでお伝えしたとおりですが、東京→伊東と伊東→名古屋のきっぷを別々の片道乗車券として購入しているのか、連続乗車券として購入しているのかで取り扱いが異なる場合があります。
伊東から名古屋へ向かう途中でトラブルがあり引き返すことになった場合、連続乗車券ならば最初の出発地である東京まで引き返すことが出来ますが、片道乗車券だと東京→伊東の分は運送契約が完了したとみなされ何の補償もしてもらえず、引き返せるのは伊東までとなります。
料金券についても目的地まで利用できなかった場合は全額が払い戻されますが、寝台で朝6時まで使用した後で旅行を中止することになった場合は寝台券の払い戻しはありません。
また、急行・特急列車や新幹線が2時間以上遅延して運行した場合も急行券・特急券が全額払い戻されます。
ポイント!
・列車が運行を取りやめた場合、無手数料で払い戻し
・旅行中の運行取りやめは払い戻しに加え、日程変更や出発駅に無賃で引き返す取り扱いも
・特急・急行が2時間以上遅延したら特急券払い戻し
・目的地まで利用できなければ料金券払い戻し
・ただし、寝台は6時まで使うと払い戻しはない

きっぷを紛失した

人間はやっぱりついうっかりということがあるもので、大事なきっぷをなくしてしまうということがないとは限りません。
いざという時パニックにならないように予めそういう時の対処法を学んでおくと良いでしょう。
なお、定期券・回数券は紛失した場合でも一切救済措置はなく、改めて買い直すだけなのでご注意下さい。

使用開始前

きっぷの使用開始前に紛失してしまった場合は、原則として改めて買い直すことになります。
ここで新しいきっぷを再交付するなどという対応をしていては格好の不正乗車の手段として使われかねないわけで、これは致し方ないのですが、JRもただ買い直させるだけでなく一定の救済策を用意しています。
それは、1年以内になくしたきっぷが見つかれば、そのきっぷの金額から手数料を差し引いたものを払い戻してくれるというものです。
具体的には、まず駅員にきっぷを紛失した旨を伝えた上で、改めてきっぷを購入します。すると駅員は「紛失再」という表示のついたきっぷを発行してくれます。
旅行では紛失再と書かれたきっぷを使い、目的地の駅の改札で「再収受証明」を受けて持ち帰って下さい。
改めてきっぷを買い直した日から1年以内に紛失したきっぷが見つかれば、「再収受証明」のあるきっぷと共に窓口に持っていけば手数料を差し引いた金額が払い戻されます。
この時の手数料は通常の払い戻しと同額ですが、指定席券については330円のみです。

使用開始後

実際に切符を使って旅行を始めた後で紛失した場合は、使用開始前に比べ厄介になりますのでできればなくさないで頂きたいですが、それでもなくしてしまった場合のお話です。
紛失に気づいたらすぐに最寄りの係員(駅員・車掌など)に申告して下さい。乗車駅や利用した線区などについて事情を聞かれ、係員が紛失だと認めてくれればなくしたきっぷと同額を改めて支払い、その後の取り扱いは使用開始前と同様になります。
しかし、説明に不審な点があるなどで係員が紛失だと認めてくれない場合、既に乗車した区間については通常運賃に加え、その2倍の金額を加えた(つまり通常運賃の3倍)割増運賃を支払い、これから乗車する区間については普通運賃と同額を支払い、以降の取り扱いは使用開始前と同等になります。
乗車中となると乗車した駅を証明するものがないため、係員がケースバイケースで判断する形となりますが、最悪3倍の割増運賃を取られるという覚悟はしておいて下さい。
なお、係員の温情で改めて運賃を支払うことなく下車させてくれる場合もありますが、それはあくまで個人の温情であり正式な取り扱いではないので、それをしてくれないからといって係員に食って掛かったり鉄道会社にクレームを入れるのはやめましょう。
ポイント!
・きっぷをなくしたら申告の上買い直す
・1年以内に見つかれば手数料を引いて払い戻し
・乗車中の紛失は係員が認めるか否かで対応が違う
・乗車中の紛失は最悪通常運賃の3倍を支払う可能性も

誤乗・乗り過ごし

初めて利用する駅や路線だと、不慣れゆえに間違って別の路線に乗ってしまったり、目的地の駅を通過する列車に乗ってしまったり、うっかり寝過ごしてしまったりということもあるでしょう。
そういう場合の取り扱いです。

定期券・回数券の場合

定期券・回数券については誤乗や乗り過ごしなどで区間外へ乗り越してしまった場合でも、特段の救済措置はなく、普通に乗り過ごした分の運賃を支払うことになります。
これは、定期券・回数券を利用するということは、その路線や区間に慣れているはずであり、乗り間違え、乗り越しは本人の過失が大きいという判断や、普通乗車券より割引されている分の格差ということです。

普通乗車券の場合

誤乗・乗り越しに気づいた時点ですぐに車掌や駅員などに申告して下さい。
事情を説明し、誤乗であると認めてもらえれば、本来の目的地まで無賃にて引き返すことが出来ます。これを「無賃送還」といいます。
なお、無賃送還中は途中下車は出来ません。また、無賃送還は原則として普通列車の普通車で行いますが、グリーン券など特別車両を利用できるきっぷを持っている場合は、その車両を利用できます。
もしも無賃送還中に途中下車した場合、乗り越した分に加え、既に無賃送還として乗車した区間の普通運賃が請求されますのでご注意下さい。
ポイント!
・誤乗・乗り越しは普通乗車券のみ救済される
・認められれば本来の目的地まで無料で引き返せる
・無賃送還中は途中下車は出来ない

特急・新幹線の指定席利用時で列車に乗り遅れた

指定席(グリーン車・寝台車)を利用する場合、指定席券(グリーン券・寝台券)を購入することになりますが、指定席券の類は原則その列車に対してのみ有効なので、乗り遅れてしまうと有効期間が過ぎたものとみなされ、効力を失うばかりか払い戻しもできません。
しかし、JRも鬼ではありませんから、そういう場合にも救済措置があります。
それは「その日のうちの同区間の後続列車の自由席に乗車できる」というものです。ただし「その日のうち」なので、その日の最終便を指定していた場合には役に立たない制度ということになりますw
しかし、そうでない場合、追加料金無しで後続便に乗れるのは助かります。
心情としては自由席特急券との差額を払い戻してほしいと思いたくもなりますが、乗り遅れた自分が悪いと割りきりましょう。
なお、どうしても指定席がいいという場合は、改めて特急券を買い直すことになります。
ポイント!
・指定席利用で指定列車に乗り遅れたら当日中の後続列車の自由席に乗車できる

やむを得ず切符を買わずに乗車した場合

発車時間間際に駅に到着した場合や、無人駅から乗車した場合など、きっぷを持たずに列車に乗らざるをえない場合もあります。
そういった場合は、車掌に申告し、車内で「車内補充券」というきっぷを発売してもらうことになります。
無人駅から乗車の場合は、駅に「乗車駅証明書」が備え付けられているか、乗車時にドア横に「整理券」があるはずですから、それを必ず受け取り、車内補充券を購入するときに渡して下さい。
なお、列車がワンマン列車だった場合、車内では買うことが出来ないので、最初の乗り継ぎ駅か目的地の駅で支払うことになります。
駅員のいる改札口へ行って、乗車駅証明書か整理券とともに運賃を精算します。
また、無人駅から乗車し無人駅で降りる場合で、列車がワンマン列車という場合は、バスと同じように、整理券を取って乗車して下車時に現金で運賃を支払います。
ポイント!
・切符を買わずに乗った場合は車内補充券を購入するか乗り換え・下車駅で精算
・無人駅の場合必ず「乗車駅証明書」か「整理券」を取る

最後に・・・

長丁場となったJRの運賃・料金シリーズですが、このページを持って完結となります。
なるべく噛み砕き分かりやすい説明を心がけたつもりですが、それでも内容が内容だけに分かりにくいところも多々あったかと思います。
検索エンジンで見つけたなどで一部のページのみご覧頂いた方も、最初から最後前全部ご覧頂いた方も、ここまで読んでくださってありがとうございました。