立山黒部アルペンルートを満喫

今回は観光旅行をかねて北陸方面に出掛けましたのでそのレポートです。
なお、あくまでも観光旅行ということでいつもよりは鉄分が薄めになるかもしれませんが、予めご了承下さい。
旅自体は2泊4日(うち車中泊1泊)でしたが、立山黒部アルペンルートがメインの1日目、北陸新幹線「はくたか」と「花嫁のれん」がメインの2日目と分けて行きます。最終日は「サンダーバード」と「かがやき」に乗車したものの観光がメインだったので2日目とくっつけて1つの記事にしてしまうかもしれません(書きながら考えますw

まずは扇沢へ向かう

立山黒部アルペンルートはJR大糸線の信濃大町から富山地方鉄道の電鉄富山駅までとされていますが、信濃大町~扇沢間は一般の路線バスとなっており、必ずしも信濃大町駅を起点としなくとも、新幹線が利用できる長野駅からのバスもありますし、繁忙期のみの運行ながら新宿から直接扇沢へ向かうバスも出ています。また、この区間は一般車にも解放された道路なので自家用車でもアクセスが可能です。(繁忙期は大渋滞するようなのでおすすめしませんが

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旅のスタート、新宿から乗り込むのは「ムーンライト信州」・・・ではありませんw
こちらは以前の旅で乗ったことがありましたので、今回乗るのは先程もご紹介した新宿から出る扇沢行き夜行バスです。

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というわけでやってきたのは「バスタ新宿」です。
しかし、今回乗るバスは西口から発車するものでここから乗ることは出来ません。バスタ新宿開業後に訪れたことがなかったので少し様子を見に来たわけですね。

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JRバスのエアロキングもバスタ新宿に乗り入れています。
前のバスターミナルは代々木駅の近くであり、「新宿」を名乗っていいのか微妙でしたからねw

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外観です。流石に今風のデザインですね。

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そして、私の乗る扇沢行きは西口の路上から発車です。

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京王とアルピコ交通の共同運行の路線ですが、今回はアルピコ交通の担当でした。

受付を済ませて乗車するとすぐに発車時間になりました。当日の飛び入りで乗車した人がいたようですが、それでも空席がある状態で新宿駅西口を発車します。このバスは乗車は新宿駅西口のみとなっており、以降は降車のみの路線となるため、現時点で空席となっている席は誰も乗らないことが確定します。そして、なんと私の隣は空席でした。これはゆったりと旅ができそうです。

首都高速4号新宿線を経て中央自動車道に入ると私は眠りに落ちました。

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ふと目を覚ますとバスは談合坂サービスエリアに到着していました。トイレと飲み物調達を済ませるついでにバスの写真を撮ったらまた車内に戻り、再度眠りにつきます。

次に目を覚ました時には梓川サービスエリアに停まっていましたが、眠気のあまり降車する気にはなれず結局降りないまま再び眠りに落ち、気が付くとバスは一般道に降りていました。

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再び目を覚ますとすっかり夜も明けていました。

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こういう田舎道の景色もいいですね。

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田園風景が続きます。


↑車窓動画です。


↑車窓その2

先ほどの田園風景とは打って変わり、ワインディングロードやロックシェッドが続く山岳道路の景色へと様変わりし、その坂を登り切ったら扇沢に到着です。

扇沢駅

トロリーバス乗り場となる扇沢ですが、トロリーバスも法的には鉄道扱いなので”駅”と呼ぶことにします。

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新宿からここまで私を運んでくれたバスを再度撮影

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この建物の2階部分がトロリーバス乗り場となっています。

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先ほどのバスは降車場所から少し移動したもののまだ扇沢にいました。
しばらくして何処かへと回送されていきました。ところで、今回乗った路線は新宿→扇沢の方向のみ運行されており、逆の扇沢→新宿の運行はされていないのですが、扇沢に到着した後、再び新宿発で運行するときはどうするんですかね。まさか新宿まで回送なんて勿体無いことはしないでしょうし、長野~新宿線や松本~新宿線などに充当してうまいこと運用しているんでしょうか。

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飲み物を買おうと自販機に向かうと「黒部ダムカレー」のアフィがw
テレビなどで取り上げられることも多いので有名だと思いますが、黒部ダム周辺のお店などで提供されるカレーで、今回の旅行でも食べる予定です。

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それにしてもすごい霧です。今日のハイライトといえる黒部ダムの頃には晴れてくれるといいのですが・・・

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よくある「リュックは前に持って(ry」というやつかと思ったら、登山用具をむき出しで携帯するのは危険だからやめましょうという掲示のようでした。
ただ乗り物に乗るだけの観光という目的でアルペンルートを訪れる人も多いでしょうが、登山の拠点という役割もあるアルペンルートならではですね。

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これだけ立派なバスターミナルになっていながらちゃんとバス停のポールが立っていました。

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遠景です。それにしても自然を楽しむ山岳観光の拠点としてはいささか無骨な印象ですね。

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一通り撮影を済ませましたが、まだ乗り場への通路は閉鎖されたままです。
それもそのはずで、私の乗ったバスがここに到着したのが朝の5時半頃、一方、アルペンルート最初の乗り物となる関電トンネルトロリーバスの始発便は7時半・・・よって2時間は待ちぼうけを食らうわけです。
アルピコ交通もこんなに待ちぼうけを食らうようなダイヤを設定しなくてもいいじゃないかと思いましたが、その理由はすぐに分かりました。
まだ閉まったままのチケット売り場には徐々に行列が出来ており、すぐに並んだので先頭の方に並べましたが、信濃大町駅からの始発のバスがやってくると一気に行列は伸び、100人は超える人達が行列を作っていました。
これでは7時頃に到着しようものならチケットを買うだけでどれだけ待たなければならないのか見当もつきません。
確実に先頭に並べるという意味での2時間待ちぼうけダイヤだったんですね。
ちなみに、アルペンルートではチケットの前売りはしておらず、旅行会社などで”引換券”を事前購入することは出来ますが、結局行列に並んでチケットに交換しなければなりません。
もしかしたら、乗り物のキャパを超える乗客が殺到した場合に乗車制限をするために当日購入に限っているのかもしれませんが、このあたりは飛行機や新幹線ではチケットレスサービスが普及しているご時世を考えれば改善の余地があるように思いました。

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発車標は液晶モニターでした。まるで空港の案内みたいですね。

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黒部ダムのライブカメラ映像がありました。やはり曇ってはいるようですが、ダムの躯体自体は拝めそうで一安心です。

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運賃表ですが・・・北総鉄道や東葉高速鉄道も真っ青の高額運賃w
アルペンルートは長野県と富山県を直接結ぶ唯一の公共交通機関ということになりますが、ほぼ観光に特化した運営となっており、交通機関というよりは観光アトラクションだと考えたほうがよさそうですね。
まあ多くの乗り物を乗り継ぐので、1つ1つは高くても2000円未満ですから、観光地のロープウェーやケーブルカーの運賃としては妥当なのかなとも思います。

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無事チケットを購入したものの、今度は改札前で待たされますw
口上のうまい駅員さん(駅長さん?)のトークを楽しみつつ展示を見ていきます。

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写真パネル

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何かの賞状と運転台のモックアップ

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改札口は昔ながらのスタイルでした。
ちなみに、アルペンルートのチケットはバーコード式となっており、航空券に近いスタイルですね。

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いよいよ入場します。バスは1台だけかと思っていたので乗りきれるのか心配でしたが、何台ものバスが待機しており、続行運転をするようです。

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そうそう、列記とした鉄道なので駅名標もあります。

関電トンネルトロリーバス

今回の旅としては記念すべき初アルペンルートとなる関電トンネルトロリーバスにいよいよ乗車です。
トロリーバスはこの関電トンネルトロリーバスともう1つ、立山トンネルトロリーバスというのが走っており、どちらも立山黒部アルペンルートの一部となっています。
それ以前にトロリーバスとはなんぞや?という方もいらっしゃるでしょうから、そちらの解説をしますが、トロリーバスとは簡単に言ってしまえば架線から電気を受け取ってモーターを駆動させて走るバスです。
車体そのものは先ほどもご覧頂いたように普通のバスにしか見えないのですが、架線から電気を取るためのトロリーと呼ばれる装置が付いているのが特徴です。
日本では法規上鉄道の1つとして扱われており、バス路線ではなく鉄道路線の扱いになりますし、運転士も大型二種免許に加えて無軌条電車操縦免許という免許が必要です。
このトロリーバスはかつては日本の多くの都市で路線バスや路面電車と並んで市内交通として活躍していましたが、多くが通常の路線バスに置き換えられるなどして廃止され、現在日本国内で運行されているトロリーバスは立山黒部アルペンルートのみとなっており、日本でトロリーバスを体験したければここに来るしかないというわけですね。
そのため、ダムも山も興味はないという方でもアルペンルートは楽しめると思います。

トロリーバスが何なのかという点を理解いただいたら関電トンネルトロリーバスについての解説に入りたいと思います。
関電トンネルは元々黒部ダムを建設するのに必要な資材の搬入のために建設されたトンネルであり、名前の通り関西電力が保有・管理しています。建設時には多くの破砕帯に遭遇し難工事となったことは有名で、映画「黒部の太陽」でも描かれています。ちなみに、中部電力管内に所在するため中部電力の電気を使っているそうですw

そんなダム建設用のトンネルになぜトロリーバスが走ることになったかといえば、トンネルが国立公園内に所在し、建設に際して「一般公衆の利用に供する」ことを条件に認可を得たため、トロリーバスの運行を持って「一般公衆の利用」という条件を満たしたというわけです。
このトンネルはちょうど自動車1台が通れる幅しかないため、トンネル内に設けられた交換場所で交換するようになっており、トロリーバス以外にダム関係の作業車も通行しますが、それらも含め全て時刻表に従って運行されています。

乗ってみた感想ですが、ほぼ全線が地下ということで地下鉄のように景色を楽しむことは出来ませんが、バスに乗っているのにVVVFインバータの音がするというのは新鮮な体験でした。
始発便ながら大混雑でゆっくり楽しむ余裕はなかったのが残念ですが、いつか閑散期にリベンジしたいですね。

黒部ダム

富山県側に入り、黒部ダム駅に到着です。

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こちらもちゃんと駅名標がありました。
イラストは黒部ダムの観光放流ですかね?

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扇沢での写真は少しブレてしまったのでリベンジも兼ねて改めて撮影です。
ちなみに、この車両は3代目で300形というそうです。

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ホームはこんな感じです。車体自体はバスなのでホームの構造も鉄道のホームよりはバスターミナルの乗り場に近いです。

さて、ここからは道のりは2つに分かれます。1つは黒部ダムを見下ろせる展望所へ続く階段、もう1つはまっすぐ黒部ダムの天端(ダムの一番上の部分)へ続く通路です。多くの観光客はその展望目当てに220段にも及ぶ階段にチャレンジする事となりますが、ダムの眺望はスルーしてアルペンルートの旅を先に進めたいという方や足腰に自身がなくて階段は遠慮したいという方は通路を通ることになります。
私は今回は観光に重きをおいた旅ということもあり、ここでは時間を取って頑張って階段を登って展望所を目指したいと思います。

階段の写真は撮り忘れてしまったのですが、無骨なコンクリートの階段が延々と続く光景は筒石駅を思い出しました。

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早くも足がガクガクになりながらも登り切った先にはこんなキャラクターがお出迎え
黒部ダムというと古くからの観光地という印象ですが、時代に合わせてこういうものも用意しているんですね。

外は生憎の雨で、階段でやられてしまったのでアイスクリームなど頂きつつ休憩したら、220段を登り切った者だけに許された景色を拝みに行きます。

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黒部ダムといえば、放流された水に虹がかかる光景が有名ですが、生憎の天気で太陽は出ておらず、こんな感じw

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黒部湖の方も入れてアングルを変えてみました。想像していたのとちょっと違いましたが、これはこれで幻想的ってことにしときましょうw


↑観光放流を動画撮影です。
ちなみに、この放流は”観光”放流というだけあって、観光客向けに実施しているもので、時期や時間を限って実施しています。
黒部ダム自体は発電用ダムとなっていますが、黒部川第四発電所は地下に設置されていて、放流は完全に観光客のためだけに実施されています。

このダムの高さ186mはダムとして日本一であり、富山県内で最も高い構造物だそうです。
あと、ダムがアーチを描いた形になっているのにお気づきかと思いますが、黒部ダムはアーチ式コンクリートダムという種類のダムでして、ダム自体をアーチ型にすることでかかる水圧を左右の岩盤に伝えることでダム自体は薄く作ることが出来るというものです。左右の岩盤が強固な場所にしか建設できないため、どこにでも作れるわけではありませんが、コンクリートを大幅に節約できる構造です。
ダムの専門家ではないのでこれ以上の解説は専門サイトや専門書へどうぞw

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さて、登ってきたからには降りなければなりませんw
来た道を引き返す事もできますが、外階段を使ってみます。こんなつづら折りの階段が続いていきますが、ひたすらコンクリートしか見えなかった先ほどと違って景色があるのでそれほど苦ではなかったように思います。

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しばらく進むと謎の物体が現れました。もう少し近づいてみたいと思います。

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近くに設置されていた説明文によるとダム建設時に生コンクリートを入れてダムに積み上げていくのに使用したバケットだそうです。

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こちらはそれを釣り上げる部品

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横にはトンネルの出口のような穴が開いていました。察するに先ほどの関電トンネルの支線か何かで、工事用車両の出入りに使っているんでしょうね。

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この階段からのダムの眺めもなかなかです。踊り場が少し大きめに作られていて、展望所を兼ねているみたいでした。

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途中で見かけたちょっと恐ろしい張り出しは階段を使わずにアクセスできる展望所のようでした。眺望は上に登るよりは劣ってしまうんでしょうが、足腰の悪い人にも少しでもダムを楽しんでもらおうという配慮なんでしょうね。

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新展望広場という場所があるようなので寄り道する形になりますが行ってみました。雨宿りがてら”特設会場”とやらに入ってみます。

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中は黒部ダム関連の展示をしているスペースになっていました。

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こんなパネルがたくさんあり、じっくりと読めばかなり詳しく黒部ダムのことを知ることが出来そうですが、同行者を上に待たせていますし、早くレストハウスで黒部ダムカレーを食べたいので軽く読み飛ばして外へ出ました。

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そして、ここからのダムの眺めがこんな感じ
日本一高いダムだけに見上げると圧巻ですね。


↑ここでも動画を撮ってみました。

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パノラマ撮影をしてみました。

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ところで、この新展望広場は本来の通路から更にこれだけ下がった場所にあります。つまりはそれだけ階段の登り降りを伴うということです。足腰の悪い方は厳しいかもしれませんね。
かくいう私も息は切れるし足はガクガクでしたw

さて、いよいよお待ちかねの黒部ダムカレーですが、まだレストランが開かないということで、とりあえずレストハウス内で休みつつその時を待ちます。
このレストハウスは食券方式で、食券を買うと自動的にオーダーが厨房に伝わり、食券に記載の番号で呼び出されるというサービスエリアなんかでよくある方式を採用しています。
そして、ついに私の番号が呼ばれ、黒部ダムカレーとご対面です。

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ご飯がダムの躯体、カレールウが黒部湖の湖面、乗っているカツとコロッケが黒部湖遊覧船をイメージしているそうです。
味の方ですが、私は結構美味しかったと思います。皆さんも黒部ダムを訪れた際には食べてみてはいかがでしょうか?

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腹ごしらえを済ませたらダムの上を渡って対岸へ向かいます。次に乗るケーブルカーの黒部湖駅もこの先にあるのでアルペンルートを通る人は基本的に黒部ダムの上を歩くことになるんですが、そう考えるとこの道もアルペンルートの一部ともいえますね。

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それにしてもすごい流木の量ですw
定期的に回収したりするんでしょうかね?

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このトンネルの先が黒部ケーブルカーの黒部湖駅ですが、一旦スルーして先に進んでいきます。

黒部湖遊覧船「ガルベ」

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目的はこれです。黒部湖遊覧船「ガルベ」です。
この遊覧船は黒部ダムによる人造湖、黒部湖を運行するもので、1448mの標高に位置する日本一高所を航行する船舶になります。
ちなみに、「ガルベ」という名前は黒部の名の由来になったアイヌ語から来ているようです。北海道でもないのにアイヌ語が由来というのも面白いですが、東北地方を始め、本州でもアイヌ語由来の地名は結構あるようですよ。

さて、いよいよ乗船しますが、生憎の雨で窓ガラスは濡れており、開放デッキには雨が降り込むため出られず、それでもなんとか楽しませようと辛うじて見える範囲で色々案内をしてくれたのですが、ガラスが濡れているせいで満足に撮影はできずw
ダムこそ湖上から眺めることが出来ましたが、周囲の山々は雲の中でした。

黒部ケーブルカー

ここでは2時間以上滞在し、本格的な観光を楽しみましたが、ここから先は専ら移動するだけという感じになりますので足早に乗り物をご紹介していくだけになりそうです。

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こちらが黒部湖駅です。ケーブルカーに特有の階段状になっているホームが特徴的です。

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車両です。ここだけを見ればそこら辺の観光地で走っているケーブルカーとこれといって違いはないように思えますが、実は走行する路線が特徴的なんです。
実はこのケーブルカーは全線が地下となっており、一切の景色が楽しめませんw
これは、雪害を防止する観点からのようですが、一般に観光目的で設置されることの多いケーブルカーとしては、地形の都合上一部にトンネルを用いることはあっても、全線が地下というのは大変珍しいのではないでしょうか。
あと、路線名にも雑学がありまして、一般に案内される黒部ケーブルカーというのは愛称のようなもので、正式には鋼索線というそうです。鋼索というのはケーブルカーのことですし、他社でもケーブルカーの正式名称に鋼索線を用いることはそれほど珍しいことではないと思いますが、実は富山側に位置する立山ケーブルカーもこの黒部ケーブルカーと同じ会社が運営しているのに正式名称は同じく「鋼索線」だそうです。
あちらは案内上は「立山ケーブルカー」と呼ばれており、正式名称で呼ぶことは皆無ですから問題にはならないんでしょうが、正式な書類なんかで両ケーブルカーに言及するときはどうやって区別するんですかねw

立山ロープウェイ

黒部平駅から乗り換えるのは立山ロープウェイです。
ただ、この立山ロープウェイがアルペンルートにおけるボトルネックとなっており、前後の乗り物に対して乗車定員が少ないため、黒部平駅や大観峰駅で多くの待ち時間を強いられることが多いようです。
このため、混雑が予想される時期には長野側から富山側へ向かう人は黒部ケーブルカーに乗車する時点で立山ロープウェイの整理券が配布されるようになっており、整理券の番号で呼ばれるまで待ちぼうけとなりますw
他の乗り物は基本的に行列に大人しく並んでいないといけないので待ち時間は退屈になってしまうのですが、ここについては整理券のおかげで乗れるまで軽食を食べるなり、駅の上の展望スペースへ行くなりできるのがありがたいです。

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山上は雲の中ですが、雪渓が見えました。いよいよ高山にやってきたんだと実感させてくれました。
ここで立山ロープウェイについて豆知識を1つ。
このロープウェイの全長は1710mなんですが、ご覧のように途中に一切支柱がないワンスパン方式としては日本最長なんだそうです。
このような形式にした理由としては、支柱を立てることによる環境破壊を防ぐことと、冬期の雪崩による被害を避ける意味もあるそうです。

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そして、眼下には先程まで遊覧船でクルーズしていた黒部湖が見えます。

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まだ雨も降り止まず、一通り眺めたらあとは建物の中でゆっくりしたいと思います。
「黒部そば」に興味を惹かれもしましたが、黒部ダムカレーを食べて間もなかったので今回は食べないことにしました。
さて、上のモニターに映しだされているのが整理券番号で団体客がいない場合は2つの番号の人が同じロープウェイに乗ることになるようです。

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あれがロープウェイの車体ですね。

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上下がすれ違うシーン

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入線してきていよいよ乗車です。
それにしても、この車体の塗装はなんだか南海電車っぽい気がするのは私だけですかね?

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車窓からも雪渓が見えました。

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大観峰駅に到着しました。

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完全に雲の中に入ってしまい、ロープウェイのケーブルだけが空中に伸びているというちょっと幻想的な光景になっていました。

立山トンネルトロリーバス

続いての乗り物は立山トンネルトロリーバスです。扇沢から乗った関電トンネルトロリーバスと同じく、こちらもトロリーバスなんですが、関電トンネルトロリーバスは開業当時からトロリーバスだったのに対し、立山トンネルトロリーバスは当初は通常のディーゼルバスとして運行を開始したものの、増加する観光客に対応するため増便を繰り返した結果、トンネル内の排気ガスの換気が困難となり、トロリー化されたという経緯を持っています。

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この写真はバスに乗り込んで運転席を写したものです。バスなのでハンドルはついていますが、クラッチもシフトレバーもなく、装備される計器類は電車のものに近いですね。

いきなり車内の写真となりましたが、実は大観峰駅についてはすぐに乗り換えてしまったので写真はほとんどありませんw
この駅は断崖絶壁に位置しており、屋上展望台以外に見所はないようですし、その展望台も先ほどの真っ白な景色を見るに、何も見えなそうだったのでトロリーバス乗り場に直行したわけですw


↑運良くマニア席に座れたので展望動画を撮ってみました。
ちなみに、かつてトンネル内に「雷殿駅」という途中駅が設けられていたようですが、どれがそれなんでしょうね。分かった方はコメント頂けると幸いです。

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破砕帯付近です。青色にライトアップされています。

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室堂駅に到着したところで外観を1枚
この車両は8000形という形式名があるようです。

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山岳観光を売りにするアルペンルートだけにこれまでの各駅にも標高の表記はあったのですが、ここはわざわざそれだけを撮ってご紹介すべき価値があると思ったので載せました。
それは、なんといっても、この標高2450mはアルペンルートでの最高地点になるからです。
また、先述の通りトロリーバスは正式には鉄道扱いになるため、ここも鉄道駅ということになりますが、ロープウェイを別にすれば日本最高所にある鉄道駅ということになります。(ロープウェイも含めた場合、長野県の千畳敷駅が2611mで日本最高所の駅となります)
この標高では人によっては高山病を起こす可能性もあるとされる高さであり、稀に高山病の症状を訴える方もいるそうです。とはいえ、私自身も平気でしたし、高山病になった人を目撃することもなかったので、過剰に心配する必要もないとは思います。

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ここから先は立山高原バスで美女平駅に向かいます。
ここまでは富山側から普通の車道が通じており、この立山高原バス自体もハイブリッド車が多数導入されているとはいえ、実態は普通のディーゼル路線バスですし、団体ツアーでは立山ケーブルカーと高原バスには乗らないで直接観光バスでここまでやってくるケースもあるようです。
また、富山空港や富山駅、宇奈月温泉方面の直行バスも季節運行ながら運行されていたりするようです。
このように書くとじゃあマイカーで室堂まで行けるのかと思われそうですが、実はマイカーでは行くことが出来ません。いわゆるマイカー規制が実施され、室堂まで乗り入れられるのは路線バスか観光バス、あるいは特別に許可をもらった車両、緊急車両のみとされているからです。

立山高原バス

バスの写真を撮るまもなく車内に押し込まれ、高原バスの旅が始まります。
走るのはマイカー規制されているとはいえ、ごく普通の公道ですし、バスもトップドア車である以外は普通の路線バスなので今までの乗り物からするとインパクトが薄いような気もしてしまいますが、ここはアルペンルートを通り抜ける旅人にとってはちょっとしたオアシスかもしれません。
なぜなら、アルペンルートの乗り物で唯一着席が保証される乗り物だからです。
他の乗り物は座席に座るのは早い者勝ちなので、混雑期にはずっと立ちっぱなしでここまでやってくるということも珍しくはないでしょう。しかし、高原バスは座席定員制となっており、座席定員以上を乗せて走ることはないため、乗れる=座れるということなんですね。

あと、アルペンルート内では唯一途中での乗り降りが可能な乗り物であるというのも特徴でしょう。
途中に9箇所ほどバス停が設置されており、そのうち、弘法、弥陀ヶ原、天狗平の3箇所は乗降ともに可能となっています。その他のバス停については降車のみ可能で、バス停にはポールといったものはなく、乗っていてもどれがバス停だったのか分からないうちに次のバス停の放送が始まるという感じでした。
ただ、普通の路線バスと違う特殊なルールが存在するのがこの立山高原バスでして、まず、繁忙期には増発便として室堂~美女平間ノンストップの臨時便が運行されます。こちらは途中バス停での乗降は出来ません。途中バス停で乗り降りする人は定期便と呼ばれる便に乗らないといけません。
また、降りる場合は普通の路線バス同様に降車ボタンを押せばいいのですが、乗車する場合は、弥陀ヶ原では弥陀ヶ原ホテル、天狗平では天狗平山荘で乗車予約の手続きをし、弘法からの乗車の場合は事前に電話予約することになっており、それ以外は空席があれば乗車可能という扱いになるようです。
下車したバス停でそのまま乗車する場合については、降車時に次のバスの予約をとることも可能みたいです。
このような扱いになっているのは前述の通り立山高原バスは座席定員制となっており、起点で満員になってしまうと途中から乗車する人がいつまでたっても乗れないという状況になってしまうので、予約がある人の分の席を空けた状態で出発するためみたいですね。そのため、予約締切時間はそのバスが起点を出る時間までとなっているようです。

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最初のバス停、天狗平です。意外と多くの乗り降りがありました。

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ものすごいヘアピンカーブです。運転が好きな方ならこういう道路でドライブしたいと思うかもしれませんが、マイカーでは乗り入れられないので、バスの運転手にでもなるか、郵便配達や宅配便の車は入れるようなので、郵便局や運送会社に入ってこの付近の地域を担当する部署に配属されるくらいしか手はなさそうですね。
ちなみに、この道路は富山県道6号富山立山公園線というそうで、この路線の大部分は富山市と立山町を結ぶ主要道路となっており、概ね富山地方鉄道立山線に並行するルートになるようです。
今走っている区間は立山有料道路と呼ばれる区間で、有料道路という名前だけあって、観光バスなどは通行料が必要のようです。

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ちょうど対向のバスが撮れました。
このウネウネした道路を走るバスというのも画になります。

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前車のバスが右側の路肩という変な位置に停めていたので何かトラブルかと思えばすぐに発車していきました。

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すると私の乗ったバスも同じく路肩に停車しました。
アナウンスによるとここは滝見台という場所で、バス停にもなっているようです。
その滝を見せるための停車というわけですね。それにしてもこんな場所で停まれるのはほとんどバスしか通らないこの道路ならではの芸当ですよねw

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50分の乗車時間もあっという間に美女平駅に到着です。
ところで、バスのフロントガラスの下部に「定期」という表示がされているのにお気づきでしょうか?
これは、途中バス停から利用する人向けの表示で、途中バス停に停まらないバスは「直行」、途中バス停にも停まる「定期」と、両者を簡単に見分けられるようにしているんですね。

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基本的に同じ区間のピストン輸送なので方向幕は運行区間のみを示す方式でした。

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親切にもフリガナ付きで駅名が記されていますが、これを読めない人ってほとんどいないんじゃないですかねw

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記念撮影用なんでしょうが、完全に外国人向けですね。

立山ケーブルカー

それでは、いよいよアルペンルート最後の乗り物、立山ケーブルカーに乗車です。

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ホームに入るもまだケーブルカーは来ていませんでした。

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駅名標(?)はちょっとレトロなタイプ

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ケーブルカーがやって来ました。

こちらは黒部ケーブルカーとは違って普通に地上を走るので景色を楽しめるのですが、あまりの混雑にそれどころではありませんでしたw

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立山駅に到着しての1枚です。先ほどとは違う車両に見えるかもしれませんが、実は麓側に貨車を連結することがあるそうで、その貨車を繋いでいる姿だったんですね。
元々このケーブルカーも黒部ダム建設の資材運搬の役割で活用されたようで、その後観光客輸送がメインになると、登山者やスキー客などの大きな手荷物を乗せることもあるそうです。

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立山駅から先は今宵の宿がある富山まで富山地方鉄道で移動することとなりますが、しばらく乗り換え待ちの時間があるようなので駅前に出てみました。
とはいっても、実は別件で数ヶ月以内に再訪の予定もあったし、何よりだいぶ疲れも溜まってきていたので、超簡易駅取材となりましたw

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駅前には先ほどの立山高原バスと同じカラーのバスが停まっていました。
ケーブルカー混雑時には立山~室堂間直行の臨時バスが走ることもあると聞いていたのでそれかと思いきや称名滝という先ほど高原バスが停車して見せていた滝へ向かうためのバスのようです。
この他、極楽坂というところへ行くバスも運行されており、これも立山高原バスと同じ立山黒部貫光が運行しています。よって、同じ塗装のバスが用いられているわけですね。

富山地方鉄道

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食堂で軽食を取りつつ時間をつぶすとそろそろ列車の時間になりました。
ここから先は富山地方鉄道立山線となります。富山地方鉄道については市内線のみ乗ったことがあり、鉄道線は未乗なんですが、こちらも近々改めて乗りに行く機会があるので撮影も最小限、録音もなしで専ら移動手段として割りきって乗って行きます。

列車は急行ですが、後で調べて分かったのは当駅始発の急行は1日1本だけだったんですね・・・収録しておけばよかったとちょっと後悔ですw

旅の疲れも出て途中うたた寝しつつ、寺田を過ぎて本線に入っていました。
富山の市街地が近づくと段々と街の景色となっていき、終点の電鉄富山に到着です。

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せっかくなので駅名標だけは撮っておきます。

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ちょっとだけ撮り鉄

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この並びだと東京にいるみたいですw

この後はホテルにチェックインし、市内で夕食を食べまして行動終了です。居酒屋に行きましたがノドグロのお刺身は最高でした。
翌日は富山観光と「花嫁のれん」がメインとなりますが、別記事でまたレポートしたいと思います。
それにしても、アルペンルートだけで12000字も費やすとは自分でも驚きですw

~追記~
2日目もアップしました。

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