今回はとある遠征の足として夜行バス「ドリーム岡山・広島号」に乗車しましたのでそのレポート記事です。
高速バスの乗車レポートは単独での需要も多いと思いますので、別記事としてお届けしていきます。
「ドリーム岡山・広島号」の概要
まずはこの記事の主題となる「ドリーム岡山・広島号」について解説してから本編に入っていこうと思います。
「ドリーム岡山・広島号」は中国ジェイアールバスが運行する夜行バスで、東京都・神奈川県と岡山県・広島県を結んでいます。
夜行バスとしても長距離路線の範疇に入りますが、「キングオブ深夜バス」と称される「はかた号」には及びませんねw
停車停留所は東京駅、横浜シティ・エア・ターミナル、山陽インター、岡山駅西口、広島駅新幹線口、広島バスセンターとなっており、愛称名の通り、広島だけでなく岡山にも立ち寄る設定になっています。
「ドリーム号」というと夜行バスの中でも老舗といえる存在ですが、「ドリーム岡山・広島号」についてはその歴史は意外に浅く、2014年~2015年に期間限定の夜行バスとして運行開始したもので、2017年より通年運行となり現在に至ります。
更に遡ると、中国ジェイアールバスを含めた4社共同運行でやっていた「ニューブリーズ号」というのもあり、「ドリーム岡山・広島号」はその多客期増発便のような位置づけでスタートしたようです。
しかし、「ニューブリーズ号」は最終的には中国ジェイアールバスと小田急ハイウェイバスの2社体制となり、結局はコロナ禍での需要減少や乗務員不足の問題もあって廃止されました。
そして、元々は臨時便的位置づけだった「ドリーム岡山・広島号」のみが残った形です。
「ニューブリーズ号」は岡山に立ち寄らない代わりに西条駅などを経由すると言った違いはあったものの、実質的には小田急ハイウェイバスが撤退して中国ジェイアールバス単独運行になったという見方もできそうです。
このように現在は中国ジェイアールバスの単独運行ではありますが、JRバスのネットワークの広さを生かした運行となっており、中国ジェイアールバスは広島支店と岡山支店それぞれの乗務員が広島バスセンター~山陽インター間と山陽インター~道の駅もっくる新城間を担当し、道の駅もっくる新城~東京駅間はジェイアールバステックに委託することで、3名の運転士がリレーのように乗り継いでいくという運行形態をとっています。
通常は長距離夜行バスでは2名の運転士が乗務し交代しながら運転することが多いので、この運行形態がとれることで、乗務員不足の情勢下にあっても路線を維持できているのかもしれません。
ちなみに、道の駅もっくる新城はJRバス関東新城支店に隣接しているため交代場所になっているようです。
そして、今回は東京駅から広島バスセンターまで乗車します。
乗車レポート
それでは早速本題となる乗車レポートに入っていくとしましょう。
乗車地は東京駅ですので、私はJRで東京駅にやってきました。
東京駅の近くには「バスターミナル東京八重洲」という新たなバスターミナルも開業したばかりですが、「ドリーム岡山・広島号」はそちらではなくて従来からある八重洲口駅前のバスターミナルから出発します。
ここは主に東京から千葉方面や茨城方面、静岡・名古屋方面へ向かう高速バスが発着しますが、時刻は19時頃であり、まだまだ夜行バスよりも近距離高速バスの方が多いですね。
そんな中で岡山駅・広島駅という1つだけ関東ではない地名が出ているわけですが、これが「ドリーム岡山・広島号」です。
運行距離が長いので、その分早く出発するわけですね。
時間になりバスがやってきました。
見た目はJRバスのよくあるデザインですが、中国ジェイアールバスなので東京駅で見かけるのは夜行路線くらいということになります。
行先を撮ったら乗車です。
事前予約制ですので、私も予約をしてあったのですが、予約時のメールを印刷するかスマホなどの画面に表示して提示します。
すると自分の座席を教えてもらえるのでその席に座ります。
車内の写真は既に他の乗客が多く乗り込んでいたこともあって撮らなかったのですが、よくある4列シートとなっていて、高速バスとしてはコスパ重視の路線といえるでしょうか。
ただし、トイレは付いていますしコンセントも全席に装備しているので、現代の高速バスとしては標準的な設備は整っていると言えるでしょう。
東京駅で乗車したのは半分ほどであり、残りは空席となっていますが、この先は横浜シティ・エア・ターミナルでも乗車扱いがあるので、そこから乗ってくる人たちの席なんでしょうね。
今のところ、私の隣の席は空席ですが、横浜から乗ってくるかどうかで今回の旅の快適度が大きく変わりますから、乗ってこないでくれなんて勝手に祈りながら乗車していましたw
まだ19時台ということもあって消灯はされておらず、この時点ではスマホをいじるのも自由なのもいいですね。
東京駅を出発するとすぐに首都高に入ります。
消灯こそされていないものの既にカーテンが閉められており外の景色は見えなかったので、スマホの地図アプリを出してどこを走っているのか見ながら楽しんでいました。
まだ夜行バスにコンセントが当たり前についていなかった時代だと、乗車したらバッテリー温存のために即電源OFFにしていたものでしたが、コンセントがあるとこうやって暇つぶしにも使えるからありがたいですね。
そんなわけで地図を眺めていたんですが、意外だったのは横羽線経由ではなくて湾岸線経由だったんですよね。
確かに湾岸線経由の方がスピードが出せるので、遠回りをしても結果的に早く着けるのかもしれませんが、横浜シティ・エア・ターミナルがあるのは横浜駅付近であり、湾岸線を使っていくとなると一度本牧の方を回っていくことになって、結構な遠回りですよね。
順調な走行で定刻通りに横浜に到着しますが、カーテンの隙間から覗くと乗り場には結構な人数が待っていました。
これはほぼ満席だろうなと思っていると、発車時刻になるも私の隣は空席のまま・・・これは2席占領出来る席ガチャSSRを引いたな!と喜んでいると、1人走ってきてその方が私の隣に座りました。
乗り場が分からなくて迷っていたのか知りませんが、発車時刻とほぼ同時くらいだったので、本当に滑り込みセーフというタイミングでしたね。
このタイミングで隣席が埋まるというのは、内心では「え~」といいたくなるところですが、4列シートを承知で利用しているんですからこれは受け入れるしかないですよね。
もちろん、隣席を利用する人にも何ら罪はありませんしね。
というわけでちょっと窮屈になった席で横浜を出発し、あとは明朝の山陽インターまでは、休憩箇所を除いて降りることは出来ません。
その休憩箇所というのは1箇所目が海老名サービスエリアで、2箇所目は八幡パーキングエリアとなります。
海老名は関東近郊ですし有名なので分かるでしょうが、八幡パーキングエリアってどこ?っていう人がほとんどだと思うので解説すると、広島県三原市にある山陽自動車道の施設です。
広島県という時点でお察しだと思いますが、岡山県内で降りる人はこの休憩を利用できず、実質的に休憩箇所は1箇所のみということになります。
バスは保土ヶ谷バイパスを経て横浜町田インターチェンジから東名高速に入ります。
しかし、休憩箇所は海老名サービスエリアなので、東名に入ったら数十分間でもう停車です。
町田から海老名と考えると小田急でもそんなに時間がかからないですしね。
海老名といえばメロンパンですよねw
実は私も売店で購入しましたが、これは朝食用にと思ってのことでした。
再び東名高速に入ったバスはいよいよ消灯となるのですが、運転士さんのアナウンスによるとこの日は東名集中工事で大井松田インターチェンジから先の区間で左ルートが閉鎖されるとのことで渋滞が見込まれるとのことでした。
実際、そのあたりでは多少の渋滞があったものの全く動かないようなものではなくて、時折ノロノロ運転になるという程度でした。
ここからは明朝の岡山県内まで乗客は降りることは出来ませんし、完全消灯になるので私もさっさと寝ることにしました。
とはいえ、すんなりと眠りに落ちたわけではなくて2~3時間はウトウトしたと思えば覚醒し・・・というのを繰り返していたと思います。
が、それでもいつの間にか寝ていたようで、目を覚ますと既に明るくなっており、山陽インターの付近まで来ていました。
が・・・時刻表上の時刻からすると既に30分は遅れているようでした。
東名集中工事による渋滞はそれほどひどいものではなかったし、なんでだ?と思っていると運転士さんのアナウンスがあり、山陽自動車道通行止めのため迂回運行をした影響で遅れているとのことです。
そういえば、山陽自動車道のトンネルで火災事故が発生しトンネルが損傷したため通行止めになっているというニュースを今ここで思い出しました。
東京に住んでいる私からすれば遠く離れた地方のニュースであり、それほど気にしていなかったんですが、このバスも山陽自動車道を通るので影響があるのは当然ですよね。
すっかり寝ていたので迂回運行のことは知る由もなかったのですが、交通量の少ない深夜帯とはいえ一般道への迂回となれば30分程度の遅延は仕方ないのかなとも思いました。
広島バスセンターに着いた後も当然ながら別の活動があるんですが、多少の遅延があっても問題ないように余裕を持った行程にしているので、その点は心配ありません。
この山陽インターのバス停ですが、周囲は田畑が広がっていて、一見すると高速バスがわざわざ停車する意味はないように思えますが、大きな駐車場を併設しており、パーク・アンド・ライドのためのバス停として機能しているようです。
ここで数名が降りていき、バスは再び山陽自動車道に乗って岡山インターチェンジで高速を降りると岡山市街地を進み岡山駅まで行きます。
ここで降りる人が半分くらいで、車内はだいぶ空いてきましたが、私の隣の方は乗ったまま・・・どうやら広島まで行く方みたいですね。
その後は二度寝していると2度目の休憩地の八幡パーキングエリアに到着するという放送で目が覚めました。
この日本家屋風の外観の建物が八幡パーキングエリアです。
ここではトイレを済ませたら眠気覚ましのコーヒーを調達してバスに戻りました。
バスももちろん撮りますけどねw
明るくなってからは最初の撮影チャンスでもありました。
再び山陽自動車道を走りますが、ここでも二度寝を決め込んで気付けば広島市内まで来ていました。
まずは広島駅新幹線口に立ち寄りますが、ここで大半が降りていき、車内に残ったのは私の他は数名だけでした。
広島駅よりは広島バスセンターの方が街の中心部に近いんですが、そこから更にJRに乗り換えるとかなら駅の方が便利ですし、駅で降りる人が圧倒的に多いんでしょうね。
ここで私の隣の方も降りていき、ようやく広々と使えるようになりましたが、ここからならバスセンターまでは15分程度なので今更という感じですw
広島バスセンターに到着!
遅延も入れると13時間半ほどの旅でした。
ところで、「はかた号」だと14時間半ほどとなっており、運行距離の差を考えると「ドリーム岡山・広島号」との差が小さいように思えますが、これは「はかた号」は関東側ではバスタ新宿のみなのが、「ドリーム岡山・広島号」は横浜シティ・エア・ターミナルにも立ち寄っていますし、更に岡山駅へ立ち寄るロスもあって、運行距離の割に所要時間が長くなっているんでしょうね。
おかげでお尻が痛くなってしまいましたが、「ケツの肉が取れる夢」は見ませんでしたw
この広島バスセンターも今どき珍しいガラス戸などで仕切られていないオープンエアのバスターミナルなので、バスを撮るにも向いていて、バス好きならば眺めているだけでも楽しい場所です。
こんな看板が出迎えてくれました。
鹿っぽいキャラクターですが、宮島にいる鹿がモデルですかね?
遅れたとはいえ、次の乗り継ぎまで少し時間があるのでバスセンターの前に出てみました。
「そごう」と一体化した巨大な建物なので、全体像を収めるには遠くから撮る必要があって、これしか撮りませんでしたけどw
その代わりといってはなんですが、そごうとバスセンターが一体化している証拠とも言えるこの銘板を撮ってこのレポートは〆たいと思います。
このまま別の活動をしたわけですが、それは別記事として追ってレポートしますので、公開までしばらくお待ち下さい。