【訪問記】青函トンネル記念館

今回は青森県外ヶ浜町にある「青函トンネル記念館」に行ってきましたのでそのレポートです。
なお、これは遠征の一部ではなく、個人的な旅行の中で訪問したときの様子をレポートするものですので、単発の記事となります。

青函トンネル記念館とは

まずはこの記事の主題となる青函トンネル記念館について解説してから本編に入っていこうと思います。
「青函トンネル記念館」は青森県外ヶ浜町(旧三厩村)の龍飛斜坑の入口に位置する施設であり、名前の通り青函トンネルについての展示を行う施設です。
目玉はトンネル建設の際に作られた「斜坑」にあるケーブルカーに乗って竜飛定点と呼ばれる青函トンネルの内部まで降りていけることであり、このケーブルカーは「青函トンネル竜飛斜坑線」という正式な鉄道路線として扱われているのも特徴です。
所在地に繋がる道路が冬季閉鎖される関係で、11月上旬から翌年4月下旬までは休館となります。

記念館の見学のみであれば大人400円、子供200円、ケーブルカーのみであれば大人1200円、子供600円、2つのセット券が大人1500円、子供750円となっており、ケーブルカーについては必ず往復乗車することになるため片道券はなく往復券のみとなっています。
また、トンネルに降りたらガイドさんが案内してくれてトンネル内を見学できるため、そのガイド料も含まれていると考えてもよいでしょう。
運行は50分間隔が基本ですが、多客期は増便され25分間隔となります。

また、この青函トンネル記念館は「道の駅みんまや」の一部という扱いになっており、道の駅を目指していけば必然的に着くことができます。

といったところで基本情報を押さえたら、早速本編に入っていきましょう。

訪問レポート

それでは本編スタートです。


これは竜飛岬の展望台からの景色ですが・・・


ここもトンネル建設の際には工事の基地が設けられたようで、そのことを伝える看板ですね。


竜飛岬から移動してきまして、こちらが青函トンネル記念館です。
「道の駅みんまや」の施設も兼ねており、売店や食堂などもあるようです。

ちなみに、私はレンタカーを利用して訪問しましたが、公共交通機関で来る場合は外ヶ浜町の町営バスや乗合タクシー「わんタク」を利用することになります。
鉄道で訪れる場合は三厩駅が最寄りですが、災害により長期不通となっており、事実上廃止が決定しているため、蟹田駅か奥津軽いまべつ駅まで鉄道を利用してからバスか乗合タクシーということになりますね。


天皇皇后陛下の訪問記念碑がありました。
今では新幹線が主役となった青函トンネルですが、かつては当たり前に走っていたED79形が描かれているのがいいですね。


記念館の看板(?)です。


前述の通り道の駅でもあるので登録証がありました。


体験坑道のポスター

それでは受付でチケットを購入しまして入場です。
ケーブルカーまでは少し時間があったので、先に展示施設を見学していきます。


施設の入り口部分もトンネルをイメージしたのかコンクリートのアーチ型となっていました。


スタンプが置かれていました。


トンネル掘削現場の再現ですが、かなりのリアリティですね。


掘削中の様子の模型


青函トンネルは難工事だったことでも知られていますが、それがトンネル技術の発達に貢献した面もあり、新オーストリアトンネル工法(NATM)が駆使されました。


トンネル内部からの視点で


トンネルがどのように通っているかが分かる模型もありました。


自治省とか三厩村とか今は存在しない自治体や省庁が出ていますが、トンネル内の県境に設置されていたものなんでしょうか?


トンネル内に設置されている電線や通信線など


このアーチはトンネルの実寸台模型だそうです。
列車が駆け抜けるのだからこれくらいの大きさなのは当然ですが、こうして実物大で見せられるとこの大きさのトンネルを53kmも掘ったんだからすごいですよね。

といったところでそろそろケーブルカーの時間になったので移動します。
記事では駆け足での紹介になったのもありますが、展示スペースはそれほど広くはなく、ケーブルカーの待ち時間にサクッと見学するのにちょうどいい規模感だと思いました。
やっぱりメインはケーブルカーですね。

青函トンネル竜飛斜坑線に乗る!

それではいよいよ青函トンネル竜飛斜坑線に乗って青函トンネルへ降りて行きましょう!
前述の通りこのケーブルカーは正式な鉄道路線として認可されており、ロープウェイやケーブルカーも含めた乗りつぶしをする方は、ここも外せないスポットですね。


それではケーブルカー乗り場へ向かうとしましょう。
ケーブルカーは記念館に併設の「青函トンネル記念館駅」から乗車となっており、写真がその駅舎です。
無骨なコンクリートむき出しの外観ですが、青函トンネルのイメージに合っていていいと思います。


こちらが改札口です。
時間になるとスタッフの方がやってきて改札をしてくれます。
待ち時間に退屈しないようにという配慮か、壁には青函トンネルに関する豆知識が書いてありますね。


案内板とともに時刻表も掲出されていました。
前述の通りれっきとした鉄道なので、時刻表もしっかり存在します。


改札を済ませて乗り場へ向かうとこんな可愛らしいケーブルカーがお出迎え!
やはり正式な鉄道なので「セイカン1」という形式名があり、「もぐら号」の愛称も着けられています。

また、一般的にケーブルカーというと2両の車両が互い違いに走る「交走式」が一般的ですが、青函トンネル竜飛斜坑線は1両のみとなっています。
ちなみに、普段は観光客を運んでいますが、竜飛定点はトンネルを通過する列車に非常事態が起きた場合の避難口という役割もあることから、竜飛定点から地上へ脱出するための救命ボート的な役割も持っています。


車内はこんな感じです。
ややレトロな雰囲気もありますね。


そうそう、ちゃんと駅名標もありますよ!


それでは出発かと思いきやなんと線路を塞ぐように扉があります。
実はこれ、通風門といい、斜坑を吹き抜ける風を遮るためのものなのです。
乗客が出入りするための扉とケーブルカーが通行するための扉は二重扉の構造になっており、2つが同時に開くことがないようにしてトンネル内の風圧が地上へ届かないようにしているのです。

この意味がイマイチ理解できないという方はほくほく線の美佐島駅に行けばその意味がよく分かると思います。
といっても、今では通過列車がなくなってしまったので、過去帳入りしてしまった光景ですが、列車通過時はホームへの扉が施錠されるにも関わらず、隙間から凄まじい風が吹き抜けてくるのを待合室で体験することができました。
あちらは試運転の際に駅舎の窓ガラスが風圧で割れてしまったという経緯から設置されたそうですが、ここも通風門を設置しないと記念館の建物に被害が出てしまう恐れがあるのでしょう。


↑空いていたので前面展望を撮ることができました。


門が開いたらいよいよ出発進行!


駅を出るとひたすらトンネルを下っていきます。
斜坑と呼ばれるこのトンネルは名前の通り、斜めに地上とトンネルを結ぶものとなっており、並行する階段を見ればどれだけの傾斜かが分かると思います。
ケーブルカーがあるから気軽に見学できますが、もしこの階段を歩いて上り下りするとなったらよほど足腰に自身のある人以外はお断りの観光スポットになってしまいますねw


ブレッブレですが体験坑道駅の手前で線路は二手に分岐します。
片方は工事用の線路だそうで、通常は直進の線路が使われるようです。
今でも保線用の資材などをこの線路で搬入しているのかもしれませんが、詳しくは分かりませんでした。


そして終点の体験坑道駅に到着です。
既にガイド役のスタッフの方が待ち構えており、降りるなりガイドツアーが始まります。


ここもやっぱり駅なので駅名標があります。


振り返ってもう1枚
かつては青函トンネル内に竜飛海底駅と吉岡海底駅があったのが、現在は廃止されたため、現在ではこの体験坑道駅が世界で最も海抜の低い場所にある駅となっています。

ここからはスタッフの方に誘導されて体験坑道を見ていきます。
実は青函トンネルは列車が走る本坑の他に「作業抗」や「先進抗」といったトンネルが存在しており、ここで見学できるのは「作業抗」です。
なので、トンネル内を走る列車を見ることはできませんが、竜飛海底駅があった頃は列車を降りて体験坑道へ来ることもできたそうです。
その頃に体験しておけばよかったと後悔したりも・・・


坑道を進むと線路が見えてきました。
まるで併用軌道みたいになっているんですね。


合流してくる線路はケーブルカーの続きです。


いよいよ体験坑道が始まります。


内部は展示スペースとなっており、何なら地上の展示スペースより充実しているまでありますねw
ガイドさんの案内もついており、ケーブルカー込みで1200円なら安いくらいだと思いました。


実際の工事で使われた品々も展示されています。


このトロッコのようなものですが、工事の際に作業員を輸送するのに使われていたようです。
言うなれば通勤トロッコですね。


乗り込むシーンの再現でしょうか?


ちなみに、座席はこんな感じです。
想像していたよりはしっかりした作りですね。


作業用モーターカーでしょうか?


運転する作業員の人形


ズリを運ぶ貨車ですかね?


小型のブルドーザーもいました。


こんな機械もありました。


削岩機のドリル部分ですかね。


吹付けコンクリートを発射するためのポンプですかね。


その先にはノズルを握る作業員もいました。


実際の作業風景を再現した配置になっていました。


揚水ポンプということで、トンネル内に溜まった水をこれで地上へ吸い出していたのでしょう。


万が一の事態を作業員に知らせるための警報装置ですね。
トンネル工事は危険と隣り合わせですが、当時から安全対策はしていたようです。


案内板もありました。


そんな展示品があるスペースをすぎるとこんな場所へ案内されました。
ここは作業抗と本坑の境目であり、このままゲートを越えていけば実際に列車が走る本坑へ出られますが、見学で行けるのはここまでです。
竜飛海底駅が現役だった頃ならば合法的に本坑に降り立つことができましたが、今は列車の車窓から眺める以外は不可能になってしまいましたね。


あとは徒歩で駅へ戻ってケーブルカーで地上へ出ます。


↑最後に通風門の閉まる様子を撮ったら撤収です。

といったところで青函トンネル記念館の見学は終了ですが・・・

おまけ1

ここからはおまけ編です。


言わずとしれた竜飛の名所の「階段国道」です。
実はこの階段は国道339号に指定されており、全国探しても珍しい国道なのに階段なのです。
当然車両は通行できず、歩行者専用となっていますが、階段が国道になった経緯については諸説あり、はっきりとしていないようです。

ただ、全国的には登山道のような道路を国道に指定しておき、将来的に本格的な車道を建設する足がかりとするようなケースが見られるので、ここもとりあえず元々あった階段を国道に指定しておき、将来的な車道建設の布石にしようという意図があったのではないかという気はしますね。
なお、この階段の区間を迂回する形で車道が整備されており、その際に車道の方へ国道の指定を変更することが検討されたそうですが、階段国道がすでに観光名所となっていたことから、あえて国道指定はそのままにされているんだとか。


階段自体はどこにでもありそうなありふれたものですが、国道標識があるだけで観光名所になるんだから面白いですねw

この階段国道は青函トンネル記念館にも近いのでセットで訪れることをおすすめします。

おまけ2

2つ目のおまけはこちら


これだけで、「ああ、あそこね」となった人もいるかもしれませんがここは青函トンネルの青森側坑口の目の前にある広場で、その名も「青函トンネル入口広場」です。
まあ、そのまんまですね。


坑口をアップにします。
トンネルではなくて隧道だし、右から左に読むなど渋い扁額がいいですね。


ちなみに、反対側もトンネルがありますが、こっちは青函トンネルではないのでご注意を!


E5系「はやぶさ」の通過を撮ったら撤収です。

これにて記事も〆たいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは!

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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