京成「臨時ライナー」に乗車!

今回は京成電鉄が印旛日本医大駅から京成上野駅まで、平日に1本だけ運行している「臨時ライナー」に乗車してきましたのでそのレポートです。
なお、時系列としては「北海道遠征2024」の続きとなり、飛行機で成田空港に降り立ったものの、既に東京方面への交通機関がない時間帯であったため、ターミナル内で夜を明かし、その翌朝に実施したのがこの活動ということになります。

「臨時ライナー」とは

まずはこの記事の主題となる「臨時ライナー」についての解説から始めましょう。
この「臨時ライナー」は北総線の印旛日本医大駅から京成上野駅まで運行されるライナー列車で、「スカイライナー」と同じく京成AE形が使用されます。
運行は平日の朝のみであり、通勤ライナー的な性質を持った列車といえます。

運行は2020年10月から始まり、当初は新型コロナウイルスの感染拡大で空港アクセスの需要が激減した情勢下で、通勤利用者に「密」を避けた移動を提供しようといった意図で始まったようです。
なお、元々この時間帯に京成上野へ向けてAE形の回送列車が設定されていたようで、それを旅客化したのがこの「臨時ライナー」であり、「スカイライナー」で稼げなくなった分、少しでも収益源を増やそうという京成電鉄の戦略だったとも言えますね。
京成では既に京成本線経由のライナー列車として「モーニングライナー」や「イブニングライナー」を運行しており、通勤ライナー的な列車は初めてではなかったのですが、北総線での有料列車は従来「スカイライナー」のみだったところ、それに新たに加わった仲間ということにもなります。

当初はコロナ禍の間だけの期間限定という考えもあったのか「臨時ライナー」という味気ない名前で呼ばれていたのが、アフターコロナとなった現在でもそのまま「臨時ライナー」と呼ばれ続け、運行が続いています。

運行概要は、印旛日本医大駅を7時ちょうどに発車し、途中停車駅は千葉ニュータウン中央、青砥、日暮里、京成上野となっており、乗車にはライナー券が必要なものの、「スカイライナー」などとは異なり、ライナー券の事前販売はされておらず、乗車時に車内で購入する形になっています。
そのため座席指定はなく乗車したら好きな席に着席し、巡回してきた係員からライナー券を購入するという流れになります。
このあたりも、あくまでも「臨時」であるという印象を受ける運用ですが、なんだかんだで4年も続いているんだから、そろそろ「北総ライナー」とかちゃんとした愛称を着けて、ライナー券も普通に発売するようにすればいいのにと思いますがw

今回の活動では、成田空港から成田スカイアクセス線で印旛日本医大駅へ移動し、そこから「臨時ライナー」に乗車し、京成上野駅まで乗り通すというものになります。

といったところで、解説はこれくらいで、レポートに入っていくとしましょう。

乗車レポート

というわけで本編スタートです。


↑印旛日本医大駅へ向かう前に空港第2ビル駅で撮った京成3000形です。


アクセス特急に乗って印旛日本医大駅にやってきました。
以前に北総線の急行のさよなら乗車で訪れて以来ですが、今回は「臨時ライナー」に乗り換えるだけなので、「臨時ライナー」関連を中心に見ていくだけにします。


↑乗ってきたアクセス特急の発車シーンです。


来たことがある駅ですが、一応駅名標は押さえておきましょう。


縦型も忘れずに


ホームは島式1面2線ですが、北総線の列車はここで折り返し、成田スカイアクセス線の列車は引き続き運行するという駅ですから、折り返し列車も「スカイライナー」などの合間を縫って入線するという感じで慌ただしいですね。

最初から成田スカイアクセス線と一体的に建設されていたら島式2面4線くらいの配線にしたと思いますが、当初は北総線単独の終着駅でしたからこれで十分だと判断されたんでしょうね。


都営の5500形がいました。
北総線は京成線を介して都営浅草線と直通していますから、都営の車両もよくやってきます。


こちら、成田空港方にあった標識ですが、ここから「スカイライナー」が160km/hの本領発揮をする区間であることがよく分かりますね。
かつてはほくほく線の特急「はくたか」と並び、在来線では日本一の俊足を誇っていましたが、ほくほく線については北陸新幹線に役割を譲る形で「はくたか」が廃止になり、160km/h運転も終了したため、この成田スカイアクセス線が単独で在来線としての国内最速となっています。


お、高速進行の現示が出ました!
ということは・・・


↑「スカイライナー」の通過だぁ!

当駅通過時点では160km/hまでは出していないと思いますが、それでもかなりの迫力です。
考えてみれば、都市部の駅でホームドアがないホームを130km/hとかで通過するのも、今では珍しい光景となりつつあるかもしれません。


発車標には「臨時」とだけ出ていますが、これが「臨時ライナー」です。


英語表記は”Extra”でした。


乗車口の案内がありました。


さらに柱にも


ホーム上に専用の待機列が作られていました。


こちらは「ライナー」とだけ書いてありました。

案内も思ったよりちゃんとしている印象ですが、それでも「臨時ライナー」なんですよねw

あとは入線を待つのみです。
発車時刻が近づくと数名が乗車口に並び始めましたが、今回は撮影優先ということでギリギリまで列には並ばずに行きます。
実質自由席とはいえ、さすがに座れないなんてことはないでしょうw


↑いよいよ入線です。
AE形自体は「スカイライナー」でも当駅を通りますが、停車するのはレアですからね。


行先表示は「臨時」とだけ出ていました。
せめて京成上野に行くことくらいは案内したらいいのにと思いましたが、その分、駅でしっかり案内しているからいいのかなw


英語表記は発車標と同じく”Extra”でした。

それでは乗り込みます。
発車直前の入線なので、ゆっくり撮影している時間はありませんでした。


乗車しました。
今のところはガラガラで、4年も続いている割には大した事ないんだなぁとか思っていたのですが・・・


↑車窓を撮ってみましたのでどうぞ!

発車するとすぐに車内放送が始まりますが、さすがに自動放送はなく、車掌さんの肉声放送でした。
でも、これはこれで味があっていいですね。


発車するとすぐに係員による巡回が始まり、ライナー券の発売が始まりました。
皆さん慣れているようで、手元に500円ちょうどを用意し、さっと手渡しライナー券を受け取ると、寝るなりスマホをいじるなり、各々のスタイルで乗車時間を過ごしているようでした。
こちらがライナー券ですが、車内補充券のようなスタイルでした。
しかし、駅名なんかは印刷されており、「臨時ライナー」用に用意されていたものなのは間違いなさそう。
また、乗車区間ごとに別バージョンを用意する手間を省くためか、乗車区間に限らず共通の券面のようですね。


車内案内表示には千葉ニュータウン中央駅の案内が出ていました。
自動放送こそないですが、案内表示のデータは用意されているんですね。
まあ、放送音源に比べれば用意するハードルは低いでしょうし、もともと「スカイライナー」の経路ですから、臨時停車とかに備えて元から用意されていたのかも知れません。

そして7~8分ほどで最初の停車駅の千葉ニュータウン中央駅に到着します。
ここではかなりの人数が待っていて、ホーム上で何度も折れ曲がりながら乗車待ちの列が形成されていました。
ほとんどの列車の始発となる印旛日本医大駅に対して、千葉ニュータウン中央駅は途中駅なので、より着席サービスへのニーズが高いんでしょうね。
それが全員乗ってくるのだからこれは相当混み合うのかと思ったら、ほとんどが奥の方の車両へ向かっていって、結局は通路側はほとんど空いていて、1人で2席占領が許容されるような雰囲気でした。

どうやら乗車口は最後尾1両のみですが、車内では2両か3両程度が開放されていて、常連さんは奥のほうがが空いていることを知っていてどんどん奥へ進んでいたようでした。
乗車口を制限するのは誤乗対策もあるんでしょうが、この列車の場合はライナー券は車内発売のみなので、どちらかといえば乗車できる車両を制限することで、折り返し時の車内清掃の手間を削減する意図があるようですね。

確かに従来は回送だった列車を旅客化するにあたり、運行経費としては同じでも、折り返し「スカイライナー」に充当するのなら、車内清掃は必要であり、全車両を開放するよりは一部車両のみ開放の方がその手間が減らせるというわけですね。

なお、開放する車両数は利用状況で加減されているようです。


千葉ニュータウン中央駅の発車標に出た「臨時ライナー」の案内です。
ここでは2~3分停車時間が設定されていたようですが、あれだけの人数がたった1箇所のドアから乗り込むならば時間がかかるのも仕方ないですよね。

あとは青砥までノンストップとなり、次に停車する時はもう北総線ではなくて京成線なので、北総線内の停車駅はもうありません。
元々回送列車のスジというのもありますし、ラッシュ時なので先行列車を追い越さない平行ダイヤになっているのか、のんびりとしたスピードで列車は進みます。
「スカイライナー」とは大違いののんびりペースですが、その分ゆっくりと車窓を楽しめるという意味ではいいのかも?
もっとも、印旛日本医大駅に朝7時となると、東京都心からでも始発に乗ってギリギリというくらいでしょうし、東京から離れた郊外だったらネカフェにでも泊まらないと無理ですから、乗車難易度は高い列車ですけどね。
私だって、前日に成田空港に泊まることになっていなかったら乗りに来てはいなかったでしょうしw


20分少々で青砥に到着です。
青砥は一部の「スカイライナー」が停車する駅ですが、ここで降りる人も若干いました。
押上線に乗り換えて都営浅草線経由で東京都心を目指すんでしょうが、せっかく北総線内を快適なライナーで移動できても、最も混雑する東京都心部を普通の通勤電車に詰め込まれての移動になってしまうならば、ライナーの価値も半減という気もしてしまいます。
そのためか、青砥で降りる人は少なかったように思います。


青砥を出て10分ほどで日暮里駅に到着です。
JRとの接続点であり、ここで多くが降りるのは「スカイライナー」と同じ傾向ですね。
この「臨時ライナー」の場合、確実に座れ、快適な座席を利用できるというメリットの他に、北総線から京成上野駅方面へ直通する列車は通常存在しないので、乗換なしで行けるのも大きなメリットですよね。


ほとんどが日暮里で降りてしまった中、閑散とした最後の1区間を乗っていき、終点の京成上野駅に到着です。
45分ばかりの乗車も快適なライナーではあっという間に感じられました。


終点の京成上野駅に到着です!
このまま「スカイライナー」として折り返し運行をするようで、ホーム上には大荷物を抱えた空港利用者と思われる人たちが大勢待っていました。

といったところでレポートは以上です。
次回はまた別の遠征をしていますのでその記事でお会いしましょう。
また、北海道遠征シリーズから連続でご覧頂いた読者さんはこれにて本当に完結ですので、お疲れ様でした!

それでは!

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つばめ501号(管理人) について

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京成「臨時ライナー」に乗車! への2件のフィードバック

  1. EF651001 のコメント:

    筆者様がライナーに乗車された駅、最寄りの某大学附属病院の一職員です。準夜勤の明けにちょうど利用し易い時間なので、『臨時ライナー』を埼玉県内まで帰宅する際に、日暮里駅までちょくちょく利用しています。特急車両のシートのためなのか、仕事で疲れているからなのか寝過ごしてしまい、結局、京成上野駅まで乗車する事もしょっちゅうです(笑)距離等の違いもあり、簡単に比較はできませんが、上野東京ライン・湘南新宿ライン等の普通列車のグリーン車より『臨時ライナー』の方が特急車両という事でお得感は段違いに感じる事が出来るかと…

  2. つばめ501号(管理人) のコメント:

    コメントありがとうございます。
    よく「臨時ライナー」を利用している方からのコメントを頂けるとは驚きです。
    なるほど、出勤だけでなく、夜勤からの帰宅にも利用されているのですね。
    確かに500円で特急型車両に乗れるのなら、JRの普通列車のグリーン車よりコスパはいいと言えますよね。
    貴重なご意見、ありがとうございました。
    また、今後とも当ブログをよろしくお願いします。

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