北海道遠征2024(4日目)

5泊6日で実施した北海道遠征の4日目です。
なお、1日目2日目3日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。

本日の行程

それでは本日の行程の説明です。
4日目となる今日は昨日宿泊した旭川からスタートし、道北バスが運行する2系統名寄線で名寄へ、一旦名寄高校駅へ寄り道したら、宗谷本線を北上して稚内へ向かってゴールです。
ざっくりいえば旭川から稚内まで移動する1日ということですね。
元々は宗谷本線の音威子府以北は特急でしか乗ったことがなかったので、1度くらい普通列車で行ってみたいと思っていたことがあり、名寄までは普通列車や快速「なよろ」を含めて何度も乗車したことがあったので、道北バス名寄線を絡めることにしたという経緯があります。

道北バス2系統名寄線

それでは本編スタートです。
まず最初は道北バスの2系統名寄線に乗車ですが、その前に1つミッションがありました。
それはこの翌日の活動で乗車する沿岸バスの1日乗車券「萌えっ子フリーきっぷ」の購入です。
翌日の活動では豊富駅から乗車する予定ですが、乗り換え時間が数分しかなかったので、旭川駅前の道北バスの窓口でも販売しているということでしたのでここで買っておくことにしたのです。
そのため、少しだけ早めにホテルを出る必要がありましたが、元々10時過ぎのバスでよかったので、多少早く出ることになっても十分ゆっくりと過ごすことが出来ました。


無事にフリーきっぷを買ったところで駅前ロータリーから活動開始となります。


お目当ての名寄線が来るまでは適当に撮りバスして待ちます。
まずは旭川空港行きの旭川電気軌道


道北バスですが、乗るバスとは別です。


これも道北バスですがラッピングバスですね。


こちらは”ふらのバス”です。


乗り場にあった案内表示です。
今回は2系統名寄行きに乗りますが、1系統というのもあるように案内されていますね。
実は最近のダイヤ改正で1系統は廃止されており、今は2系統のみが名寄行きとして運行されています。
違いは急行運転の有無であり、1系統は急行、2系統は普通となっていました。
今は急行系統である1系統がなくなっているのですが、名残で案内だけ残っていたようですね。

本当は急行系統である1系統がある頃に乗りに来たかったですが、少しだけ遅かったようです・・・


それではいよいよ乗車するバスのお出ましです。
急行がなくなった今でも「普通」と表記しているのは、単純に方向幕の表示内容を変更するのが面倒くさいだけだと思いますが、将来的に急行を復活させる可能性があると考えると希望を感じますね。


側面の幕にも「普通」と出ていますね。
それでは乗り込みます。
私にとっては初めての道北バス乗車となり、そういう意味でも楽しみでした。

ここで道北バス2系統名寄線についてざっくり解説です。
2系統名寄線は旭川駅前と名寄駅前を結ぶ路線バスで、経路の大半が国道40号となっています。
その運行距離は83.8kmと、路線バスとしてはかなり長距離路線の部類に入りますし、旭川と名寄の間はJR宗谷本線でも移動できるわけで、鉄道と並行しながらこれほどの長距離の路線バスが令和の時代まで生き残っているというのもネタ要素です。
ちなみに、道北バスでは沿岸バスとの共同運行路線である留萌旭川線に次ぐ第2位の運行距離となるようです。

所要時間では宗谷本線の普通列車と比べても、普通列車が列車によるばらつきがあるものの1時間10分~30分ほどなのに対して、バスは2時間半以上かかるので倍近いです。
一方、運賃ではJRの普通運賃が1890円に対して、バスは1320円なのでバスの方が570円お得です。
まあ、570円のために倍の所要時間を受け入れる利用者がどれほどいるのかという気もしますが、最近まで急行便もあったということで、意外と名寄と旭川の間をバスで移動する人もいるのかもしれませんね。

ちなみに、2024年10月1日ダイヤ改正で廃止された32系統比布スキー場線の代替として、比布スキー場経由となった3系統が新設されており、2系統は早朝の1往復を残すのみとなったため、今回のように日中に乗車できるのは貴重な体験となりました。


↑発車ギリギリの乗車にも関わらずマニア席が確保できましたので前面展望をどうぞ

車内は10名いるかどうかという乗車率で旭川駅前を出発です。
時間帯的には駅前から郊外へ向かうより、駅前へ向かう方が多い時間帯でしょうから、こんなもんですかね。


要所要所でキャプチャで車窓を紹介していきましょう。
旭川市内は道も広く、道内第2の都市らしい風景ですね。


いよいよ国道40号に入るという場面で出てきたこの交差点ですが、なんとロータリーになっています。
最近はロータリー型交差点の一種であるラウンドアバウトが導入される事例が増えていますが、国道40号という大きな国道と交差して交通量も少なくないのにロータリー型という
のが珍しいですね。
その名を「旭川常盤ロータリー」というこの交差点はロータリー式としては日本最大規模であり、中心部にはシンボルタワーが聳えます。
なお、信号機を併用し、国道40号を優先する運用となっていることから、信号機を用いないでロータリー内の車両が優先となる特徴を持つラウンドアバウトとは異なります。


そんな旭川常盤ロータリーを過ぎると国道40号に入り、旭橋で牛朱別川と石狩川の合流地点付近を渡ります。
歴史を感じさせる重厚なトラス橋ですが、幅は2車線ありながら区分はされていないというのは雪国あるあるですね。


石狩川を渡って本町3丁目交差点では国道40号は右折となるようですが、バスも右折していきます。


あとはロードサイド店が立ち並ぶ典型的な地方都市の郊外という風景になりました。
このあたりは地図で見ると石狩川を隔てて宗谷本線と並走する形となります。


ロードサイド店が途切れ、市街地と呼べるような景色も終わると同時に道路も4車線から2車線に収束しました。


進路上に小さな山が出てきました。
あの山が旭川市と比布町の境界にもなっているようです。


比布トンネルを潜り、旭川市から比布町に入っていきます。
このあたりの宗谷本線にはトンネルはなかったと思うのですが、宗谷本線はこのあたりでは石狩川の対岸を進んでいるので、国道がトンネルで抜けている丘陵をそもそも通っていないようです。


比布町に入ると地形は開け、田園風景となりました。


青看が出てきましたね。
終点の名寄まではまだ63kmもあるんですね。


比布町を抜けると再び地形が狭まり、山が迫ってきます。


宗谷本線に並走しつつ塩狩峠を越えます。
同名の小説の影響もあって知名度はあるであろうこの峠ですが、現在の国道40号は改良の成果でトンネルもなく、緩やかなカーブで越えるルートとなっており、あまり峠越えという実感もないままに通過していきます。
そんな塩狩峠を越えたら比布町から和寒町へ入っていきます。
和寒といえば、宗谷本線の特急に乗ると、旭川を出て最初に停車する駅となりますね。


おにぎり発見!


和寒の街中に入ってきました。

そして、バスは「和寒」というバス停に停車しますが、ここでは停車時間があり、トイレに行きたい人は併設する待合室のトイレを利用して良いとのことでしたので、一旦下車することにしました。
名寄線も長大路線なので、トイレ休憩があるんですね。


まずは乗ってきたバスを撮影です。


ちなみに、ここはセイコーマートの敷地だったりしますw
コンビニの建物の一部が道北バスの待合室になっており、更にはここで札幌への高速バス「なよろ号」と接続するという、交通結節点でもあるようです。
また、JR和寒駅とも至近なので鉄道との乗り換えにも便利です。


待合室内には「なよろ号」の案内もありました。
フォントが昭和チックな感じですねw


運転士さんがまだ戻ってきていない間に行路表を撮らせてもらいました。
路線が長いせいで折れ曲がりながらなんとか1枚に収めている感じでしたw


進路上を横切るようにある林は防風林でしょうか?


和寒の市街を過ぎるとまた田園風景が広がります。
左手に続く地吹雪対策のバリケードも北海道らしい風景です。

その後は国道40号を一度外れて剣淵に立ち寄ります。
剣淵は特急こそ停まりませんが、快速「なよろ」は停車しています。
ちなみに、剣淵駅の両隣は和寒と士別なんですが、途中駅がことごとく廃止されてしまったことを実感します。
まあ、その分、駅と駅の間を補完する路線バスの役割が大きいとも言えますね。


剣淵からは道道を進み士別を目指します。
JR宗谷本線の踏切を渡ったら士別市街に入っていきます。


士別の市街地に入りました。
和寒以来の開けた土地に出てきました。

そういえば、以前に士別軌道のモノコックバスに乗りに訪れた街でもありますが、今回は素通りさせてもらいます。


士別市街も終わると再び国道40号を走行し、まだまだ田園風景が続きます。
この景色もすっかり見慣れてきましたw


また開けた場所に出てきましたが、そこは風連の市街です。
現在は名寄市の一部になっていますが、かつては風連町という独立した自治体でした。


風連を過ぎるとバスは国道40号を外れてJR宗谷本線を渡ります。
実は名寄~風連間には道北バスの名寄線の他、名士バスの風連線も運行されており、ダブルトラックの状態になっています。
この2路線は経路が微妙に違っていて、名寄線は風連を過ぎると東側へ迂回するような経路をとり、道道538号旭名寄線を北上して名寄駅前へ至りますが、名士バス風連線は国道40号を素直に直進し、名寄市街でも国道40号経由なので、道北バスとはほとんど重複する区間はないという状態です。
ただでさえパイの少ない地方ですから、極力利用者の奪い合いにならないように配慮しているんでしょうね。


道道538号へ入ると山々をバックに田園風景という美しい景色になってきました。


名寄市街に入ってきました。
長かった旅ももうすぐ終わりです。


道幅も広がり、いよいよ名寄の中心部ですね。


2時間40分のバス旅もいよいよ名寄駅前で終焉の時を迎えます。
なお、駅前ロータリーには入らず、アカシヤ通り上のバス停で終点となります。
名寄では名士バスが主力なので、道北バスはアウェーなのかもしれませんね。


降りたところで乗ってきたバスを撮影です。
結局、全区間乗り通したのは私だけであり、長距離利用者もほとんどいなかったので、やっぱりこのあたりの都市間輸送はJR一択なんですね。
あと、運賃の支払いにクレジットカードのタッチ決済が使えたのには驚きました。
道北バスではこういうローカル路線でもキャッシュレス化を進めているんですね。


こちらがバス停です。
路上のバス停ではありますが、雁木のある歩道に面しているので、雨の日でも濡れずに乗り降りできますね。
また、JR名寄駅も歩いて数分のところなので、そこまで不便というわけではないです。


こちら、駅前の目抜き通りとなる「アカシヤ通り」です。

このあとですが、お目当ての稚内行き普通列車までは2時間以上あるため、暇つぶしに1駅隣にある名寄高校駅へ訪問するわけですが、それでも1時間ほど待ち時間があります。
なので・・・


駅から少し歩いたところにある「西條」という商業施設に向かいます。
中にレストランもあるので、そこで昼食というわけですね。

それにしても、駅から歩いていける範囲にこういう商業施設があるのは、地方都市としてはかなり便利な部類だと思います。
ちなみに、名寄にはイオンも出店していますが、そちらは徒歩では厳しい距離になるので、車での訪問が前提という感じでしょうか。


ここで頂いたのは「オムカツカレー」です。
名寄の名物というわけでなさそうですが、お米は地元のものだそうで美味しかったです。

そういえば、以前に名寄で立ち寄った中華屋さんがあって、今回そこでお昼ごはんでもいいかと思っていたんですがどうも見当たらず、帰宅後に調べてみると閉店していたことが発覚・・・
たった1度行っただけとはいえ、無くなったと聞くと寂しいものですね。


駅へ戻る道すがらに名士バスを見かけました。
名寄の町の主力といっていいバス事業者ですからね。


名寄駅に戻ってきました。
この駅舎は何度見てもいいですね。


ここからは快速「なよろ」に1駅だけ乗って名寄高校駅へ向かいます。


何度も訪れている駅ですが、なんとなく駅名標は撮りました。
でも、隣の駅が名寄高校になってからは初なので、これは撮っておいて正解でしょう。


待っていたのはH100形でした。
ここも少し前までキハ40系が主力で、たまにキハ54系という感じでしたが、今や旭川方面はH100形ばかりになりました。


行先表示も撮ったら乗り込みます。
ところで、時刻表を眺めていて気付いたんですが、快速「なよろ」も、通過していた小さな駅が続々と廃止されたせいで、通過駅がかなり少なくなっているんですね。
こうなってくると普通列車との差がなくなってくるので、そのうち普通列車への格下げで廃止されるのではないかという危惧を覚えました。
キハ40系の頃に乗ったときは2~3駅ごとに停車するという感じで、ちゃんと快速らしい停車パターンだったんですがね・・・

名寄高校駅

それではここからは時間つぶしも兼ねて名寄高校駅を見学していきます。
まず最初にざっくりと駅の概要を説明すると、2022年3月12日より現在地に開業した駅であり、まだまだ新しい駅です。
しかし、書類上は入れ替わりで廃止になった東風連駅の移転という扱いになっており、移転と同時に駅名も変更したというのが正確な表現です。
ただし、東風連駅とは1.5kmも離れた場所にあるので、事実上の新駅と言ってしまっていいと思います。
駅名の通り、名寄高校の近くにあり、快速「なよろ」も全列車が停車するなど、割と優遇された扱いですね。


というわけで名寄駅から1駅だけ乗車して名寄高校駅にやってきました。
列車に乗れば3分ほどですが、名寄駅からは2.1kmありますから、この1駅だけでも列車に乗る価値はある距離ですね。


↑発車は動画でどうぞ


後追いで列車を撮りましたが、草木の間に消えてゆく列車というのもいいですね。


それでは駅を見ていきましょう。
まずは駅名標ですが、これについては特筆すべき点はなさそうです。


ホームは単式1面1線のいわゆる棒線駅です。


駅名標を入れないバージョン


停車場中心がありました。


ホームの柵には名寄高校の生徒さんが書いた絵が飾られていました。


周辺は空き地ばかりで住宅などはありません。
ここだけ見たら秘境駅っぽいですが、反対側に名寄高校があります。


外部への出入りはこの階段を使うようです。
また、奥の方にはスロープもあるのですが、このあたりは小さな駅とはいえちゃんとバリアフリーに対応しているんですね。


外側から見た階段


出口のところには東屋風の待合室がありました。
雪国の北海道にしては簡素な造りですが、メインターゲットが高校生ですし、高校が目の前なので、列車の時間まで長いときは学校内で待てばいいということなんでしょうか。


この「Nステ」というのが待合室の愛称なんでしょうか。
わざわざ名前をつけているにしては屋根があるだけでベンチすらないのはどうなんだというツッコミは置いておくことにしましょうw


時刻表です。
普通列車に加えて快速「なよろ」も停車するので1~2時間に1本と、地方にしては十分な本数が確保されています。


あと、何故か千羽鶴が飾られていました。
被爆地へ送るイメージが強くてこの土地には不似合いな気もしてしまいましたが、元々千羽鶴というのは祝福や幸福祈願といった目的で作られることもあるそうなので、ここの場合は駅の開業祝いといったところでしょうか。


当駅の前身といえる東風連駅を紹介するプレートが設置されていました。
結局1度も訪れることなく終わった駅でしたが、こうして痕跡を残してくれるのは嬉しいですね。


駅前は砂利敷の広場になっていました。
特に利用されてはいないようですが、駅建設のために作った工事用道路の名残とかですかね。


道路側から見た駅です。
それにしても、駅名よりも「Nステ」の方が目立って案内されていて、これだと駅があると気付かない人もいるんじゃないですかね。


でも、入口に花壇を置いているのは華やかでいいですね。


駅から少し行った道道の向こうに名寄高校の敷地があります。
この道道は名寄線でも通った道路なので、さっきもここを通過していることになりますが、このあたりにあるバス停の名前は「18線」であり、学校の名前は出ていません。
名士バスの方は「名寄高校前」というバス停名なので、なんで高校の名前をバス停名にしないのか謎ですねw


駅からは校舎は見えませんでしたが、代わりにこんな看板が見えました。
よくある学校の実績を紹介するやつですね。


それでは今度は普通列車で名寄に戻ります。


名寄駅前のバス停にはちょうど名寄線の道北バスがいました。
乗ってきたやつとは塗装が違いますね。
実はこのバスに乗っても稚内行きの列車に間に合うので、これに乗るという計画もあったんですが、それだと旭川を出るのが12時過ぎになってしまい、流石に遅すぎるので2時間待ちを受け入れて10時過ぎの出発にしたのでした。

宗谷本線鈍行で稚内へ

名寄高校駅訪問という小休止を挟みつつ、また稚内を目指して前進していきます。


それではこの14時59分発の稚内行き普通列車に乗車します。
名寄駅以北へ向かう普通列車は1日に4本設定されていますが、そのうち2本が音威子府止まりであり、稚内まで行く列車は2本しかありません。
また、音威子府始発の稚内行きが1本だけありますが、それは朝の5時35分に音威子府を出発するダイヤなので、音威子府に宿泊しないと利用できず、旭川や名寄から普通列車だけで当日中に稚内まで行ける列車ということでは2本しか選択肢がありません。


既に入線していたので駅名標と絡めて撮影しました。


改札入場後も撮影です。
この列車はマニア率が高いのか、他にも撮影している方が結構いました。
まあ、わざわざ普通列車で・・・なんていう人は短距離利用の地元民を除けば十中八九マニアでしょうねw


跨線橋からもう1枚


近づいてもう1枚


サボは宗谷本線であることしか教えてくれない情報量の少なさですが、オリジナルデザインなのがいいですね。


それでは乗車です。
キハ54系は転換クロスシートとなっており、古い車両ながら快適性は悪くないです。

あとは乗っていくだけですが、到着は20時前なので、なんと5時間もの乗車になります。
これはロングシートでは辛いですし、転換クロスシートなのはありがたいです。

そして、14時59分、列車は定刻通り名寄駅を出発します。
ここからは乗っているだけの活動となりますが、普通列車で最北端まで行くという事実だけで高揚感を感じました。


貨車駅舎の残る智恵文駅や・・・


咲来駅なんかも見つつ行きます。
このあたりの小さな駅は、ほぼ例外なく廃止の可能性が示唆されており、下手をしたら名寄以北の宗谷本線は特急停車駅しか残らないのではないかという気さえしてしまいますから、せめてこうして車窓から見ておきたいですね。


そして、列車は音威子府駅に到着しました。
なんで車外にいるのかというと、実はここで1時間近くも停車するんです。
時刻表を見ても待避や離合待ちというわけでもなさそうですし、何のための停車なのか謎ですが、1時間もぼーっと待つのも退屈なので一旦降りることにしました。
音威子府駅も何度か訪れていますが、天北宗谷岬線が部分廃止になって当駅に乗り入れなくなってからは来ていないので、そのあたりの変化なども見て行ければと思います。


というわけで駅舎へ向かうとしましょう。


かつて天北宗谷岬線の乗車券を買い求めた窓口はもちろん閉鎖されていました。


一瞬天北宗谷岬線の時刻表が残っているのかと思ったら、都市間バスの案内でした。
「天北号」と「えさし号」というバスが音威子府を発着しており、天北宗谷岬線が無くなった今、これら都市間バスが音威子府を発着する最後のバスとなっています。


こんな案内がありました。
天北宗谷岬線の廃止を告げるもので、代替となるデマンド交通や、天北宗谷岬線と並行する「天北号」は予約制であることを案内していました。
デマンド交通とはいえ浜頓別方面への移動手段があるだけいいとは思いますが、やっぱり前日までに予約しないといけないのは不便ですよね。
急用ができて突然乗らなければならなくなったとかいう場合に対応できないですしね。
まあ、「天北号」については予約制とは言いますが、当日飛び込み利用でも空席があれば利用できるとは思いますけどね。


こちらはデマンド交通の案内です。


時刻表ですが、浜頓別方面は3本あるのに対して、音威子府行きは1本だけと上下で本数が違っているのが気になりますね。
デマンド交通という性質上、予約がなければ運行しないとはいえ、全ての便を運行することになった場合は無駄な回送が2回も発生することになりますよね。


さらにこんな貼り紙もありました。
乗り継ぎ交通機関が遅延した場合は1時間まで待つということが書いてありますが、これは予約制のデマンド交通ならではですね。


この一角はかつて「常盤軒」があったところです。
かつて真っ黒い麺が特徴の「音威子府そば」として親しまれていましたが、惜しまれつつ閉店となり、近隣のお店が味を受け継ぐ動きもあったものの、今度は麺を製造していたメーカーの廃業で麺の入手が不可能になり、ついに音威子府そばは歴史の幕を下ろすことになったのです。
私も1度だけ食べたことがあるんですが、まさかあれが最初で最後になってしまうとは・・・

ちなみに、音威子府駅の近くにある「イケレ」というゲストハウスが食堂としても営業していて、そこであの真っ黒いお蕎麦が提供されているんだとか。
提供元のメーカーが無くなったのにどうやったのかというと、音威子府そばをなんとか残したいと立ち上がった有志が「新・音威子府そば」と称して新たに開発したのです。
「イケレ」のオーナーも開発に関わったそうで、音威子府で唯一これを提供する場所ともなっています。
かつて常盤軒で提供されていたそばと全く同じものではないかもしれませんが、また音威子府で蕎麦が食べられるようになったのは嬉しいですね。
私も機会があれば食べに行きたいと思っています。
なお、この活動のときは営業時間外で食べられませんでしたw


駅前に出るとバス停がありました。
あれ?天北宗谷岬線が廃止されても残っているの?と思ったら、都市間バスのバス停として残っているわけですね。


そして、駅舎です。


そこへやってきたのは都市間バス「えさし号」でした。
枝幸町の名所をPRするラッピングバスになっていました。


反対側は山の景色になっていて、先程の海の景色とは対象的です。

ここで休憩をするらしくしばらく停車していました。


↑発車は動画でどうぞ

さて、駅を見たりバスを見送ったりして時間を潰しましたが、それでもまだ40分以上暇です。


というわけで国道40号に出て歩き出しました。


村役場にはSLの動輪が保存されていました。
実は音威子府村という場所は元々宗谷本線と天北線の分岐点として栄えた鉄道の町としての側面があるのです。


そうしてたどり着いたのは北海道の旅人のオアシス「セイコーマート」でした。
夕飯を食べる時間がなさそうだったので、ここで食料を調達です。
稚内に到着してから食べるでもよかったんですが、飲み屋っぽいお店しかないことが分かり、それならばコンビニ飯でもいいから道中で済ませてしまうことにしたのでした。
でも、セイコーマートならば特別感があるのでいいでしょうw


というわけで列車に戻ります。
セイコーマートまでの往復でいい感じで時間も潰れ、あとは稚内までひたすら乗車です。


音威子府から先は普通列車で乗車するのは初めての区間になります。
というわけで途中駅の駅名標などはなるべく撮っていきたいんですが、既に日没間際という感じで、筬島駅くらいしか撮影できませんでした。


このあたりの宗谷本線は天塩川に沿って走り、車窓が美しい区間ですが、少ししたら日没となってしまい車窓は見えなくなりましたw

その先は暗闇の中、列車の走行音のみをBGMに進みます。
停まる駅でも乗り降りはほとんどなく、乗車しているほぼ全員が稚内まで行く同士であるようです。
所々ウトウトしつつも乗車していると、時折急ブレーキがかかり警笛を鳴らす場面もありました。
これは・・・「シカだな」なんて北海道ならよくあることと受け流していたのですが、ついには急ブレーキがかかってそのまま停車してしまったのです。
「ドンッ」という嫌な衝撃音もありましたし、これはシカと衝突したようですね。
となるとしばらくここで足止めとなるのは確定ですが、あとは稚内に到着して宿に入るだけなので、10分か20分もすれば動くだろうと気楽に構えていました。
実際、運転士さんが車外に出て車両点検をした後、10分程度で運転再開となったので北海道ならよくあることだし、1日目の旭川で「しかのこのこのここしたんたん♪」とBGMを聞いていたので、そのフラグ回収ってことでブログのネタとしては美味しいかもなんて考えてもいたのです。
が、本当のフラグ回収はまだ終わっていなかったのです・・・


そんなトラブルもありつつ、10分程度の遅延で終点の稚内に到着です。
特急では何度か来ていますが、普通列車で来ると苦労して辿り着いたという感じがしますね。


ホームも一応撮りました。
そういえば、キハ54系がここに停まっている写真も初めて撮ったと思います。


そして、私は駅を出て稚内の街へ出ました。


こちらが今宵の宿「以木以(いこい)」さんです。
普段は宿泊施設を個別に取り上げるということはしない当ブログですが、ここはなかなか面白い旅館だったので紹介したいと思います。

いわゆる昔ながらの旅館というスタイルで、部屋に風呂・トイレはなく共同のものを利用するなど、現代の感覚からすると時代遅れとも言える宿ですが、稚内の宿泊施設としてはかなりリーズナブルなんですよね。
私が宿泊した時点では素泊まり4950円でして、いわゆる普通のビジネスホテルだと1万円以下を見つけるのも困難というのがこの遠征時点での稚内の相場でした。


お部屋はこんな感じで和室です。
思ったよりは綺麗でしたし、ゲストハウスなどに比べるとちゃんと個室でプライバシーも確保されますし、たまにはこういう宿もいいなと思いました。

といったところで4日目は以上となります。
5日以降は別記事として追ってレポートしますので公開までしばらくお待ち下さい。

つづく

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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北海道遠征2024(4日目) への2件のフィードバック

  1. 東大門歴史文化公園(DDP) のコメント:

    こんにちは。今日も読みがいのあるブログありがとうございます!
    もしかして、と思って質問したいのですが、管理人さんもしかしてセイコーマート好きですか?
    僕、セイコーマート好きなんです。大宮方面に遊びに行った際、わざわざセイコーマートでホットシェフのカツ丼を買いに行くほど、周りの鉄オタ仲間にも「セイコーマート信者」と呼ばれるくらいのセイコーマート好きですw
    セイコーマート行ったらやっぱ「絶対買ってしまうもの、好きなもの」とかありますか?あったら教えてくれると嬉しいです!

  2. つばめ501号(管理人) のコメント:

    コメントありがとうございます。
    おっしゃるとおり、セイコーマートが好きです。
    セイコーマートへ行ったら「フライドチキン」はホットシェフがあれば買いますね。
    でも、セイコーマートの食べ物はどれも美味しいのでその時の気分で色々買ったりします。

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