5泊6日で実施した北海道遠征の5日目です。
なお、1日目・2日目・3日目・4日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
5日目となる今日は昨晩宿泊した稚内からスタートし、宗谷本線で豊富へ、そこから沿岸バスで留萌へ、更に乗り継いで留萌別苅線に乗車し、直通する別苅雄冬線に乗車し留萌へ引き返したら宿泊してゴールとなります。
沿岸バスを乗り回す1日となり、2024年9月末で廃止される別苅雄冬線のさよなら乗車もする予定・・・でしたが・・・
朝から大波乱・・・!?
今回は10時半頃の列車での出発であり、かなりゆっくりした出発でしたから、宿でゆっくりと過ごせました。
フロントにあったこの貼り紙、ドライバー向けだと思いますが、私も昨日乗っていた列車がシカとぶつかっていますから他人事ではないですね。(またしてもフラグ?)
駅へ向かう途中にあったこちら「稚内港北防波堤ドーム」という構造物で、道路や鉄道を波しぶきから守るために作られたものなんだとか。
独特な形状から稚内の名所として親しまれ、2001年には北海道遺産にも選ばれているんだとか。
中に入るとトンネルみたいですね。
ここも観光名所になっているようで、撮影を楽しむ観光客の姿も見受けられました。
上からは海がよく見えました。
そりゃあ防波堤なんですから海辺にあるのは当然ですね。
それでは稚内駅へ向かいます。
10時前という時間なので、既に地元の人や観光客が動き出していて、活気ある雰囲気になっていました。
昨晩は列車から降りた人以外に人影を見ないほど閑散としていたんですが、時間帯で雰囲気がだいぶ変わりますね。
宗谷バスを撮ったりしつつ、改札へ向かいます。
「北海道・東日本パス」を手にして改札へ向かったのですが・・・
・・・ぬん
どうやら昨日乗っていた列車と同じ車両がこの列車にも充当されるはずだったのが、シカとの衝突のせいで故障箇所が見つかり、急遽運休ということになったようです。
稚内までは走れていたので問題ないと思っていたんですが、入庫後に細かく点検したら異常が見つかったとかですかね。
問題なのは、この列車の後続となると13時過ぎの特急「サロベツ4号」まで待たねばならず、それだと豊富駅で乗り継ぐ予定のバスには間に合わないということです。
更に、稚内から豊富へ移動できる公共交通機関はJR宗谷本線だけなので、他の迂回ルートもありません。
流石にタクシーを飛ばして行くのは費用がかかりすぎるので無理ですし、ここは大人しく後続の列車で移動するしかないようです。
というわけで、緊急脳内会議が始まり、今日の活動をどうするかということが話し合われました。
調べてみると「サロベツ4号」で豊富へ向かっても、留萌行きのバスはまだあることが分かりましたが、別苅雄冬線については元々最終便に乗る予定でしたから間に合わず、諦めるしかないということが分かりました。
留萌別苅線についても、別苅雄冬線に乗るために乗車することにしていたので、それならば、豊富から留萌へ向かい、そのまま宿泊することにしました。
いっそ留萌宿泊を取りやめて、今日中に明日乗る予定の滝川美唄線などを乗ってしまい、明日は別の手段で留萌へ行って別苅雄冬線に乗るということも考えたのですが、そうすると今度は既に購入してしまっている「萌えっ子フリーきっぷ」をどうするかという問題(「萌えっ子フリーきっぷ」は都市間バスや旭川留萌線などは対象外)も出てきますし、調べてみると今晩宿泊するホテルは当日キャンセルは100%のキャンセル料がかかることも分かりましたので、別苅雄冬線は諦めて、今日は留萌へ移動するだけにすることにしました。
この活動の数日後には別苅雄冬線のラストランとなるわけで、改めて乗りに来るということも不可能なので、もう諦めるしかないですね・・・
といった感じで今後の行動を決めたところで、今度は空腹という問題が立ちはだかりました。
宿は素泊まりだったため朝食は出ず、周辺に朝から営業している飲食店もなさそうだったので、駅構内にあるセイコーマートで適当にパンかおにぎりでも買って車内で食べようかとか思っていたんですが、「サロベツ4号」まで稚内で待ちぼうけになったため、そろそろ観光客向けのお店も営業し始める時間となり、せっかくなのでお昼ごはんを食べてから出発することにしました。
というわけで駅を出て歩くこと10分ほどで、いかにも観光客向けという感じのお店を見つけました。
幸いにしてまだ混み合っていないようですし、ここに入店しました。
注文したのは海鮮丼&貝焼きの定食です。
昨日はコンビニ飯ばかりだったので、今日は贅沢しましょう。
ここからは異例の午後スタートとなりましたが、ようやく本日の活動が始まっていきます。
豊富へ向かう
それでは13時過ぎにしてようやく本日の行動開始です。
まずは窓口に行って特急券&乗車券を購入しないといけません。
今回使用しているきっぷは「北海道・東日本パス」であり、特急には乗れないんですよね。
それにしても、本来は普通列車を利用する予定だったのが、運休でやむなく特急に乗るのだから、振替乗車扱いで特急料金免除とかあってもいいんじゃないかと思ったものの、特にそういった案内はありませんでした。
もっとも、「北海道・東日本パス」のようなフリーきっぷだと振替乗車の対象にならないことも多いので、どっちにしてもこの区間は自腹で乗るしかなかったでしょう。
発車標に案内が出て、いよいよ改札開始です。
私のように普通列車に乗るはずだった人たちも混じっているのか、結構な人数が並んでいます。
それではこの「サロベツ」に乗って豊富へ向かいます。
特急列車だと南稚内・豊富・・・と停車していき2駅目となりますが、時間にして40分ほどかかります。
なんとなく行先表示を撮ってから乗車します。
改札前の行列の長さから座れないのではないかと不安になってさっさと乗車しましたが、自由席の乗車率は半分程度でした。
しかし、南稚内からは更に乗ってきて、最終的には7~8割の乗車率になったようでした。
やっぱり普通列車に乗るはずだった人たちが流れてきているんですかね。
↑豊富に到着したら、乗ってきた列車の発車を撮りました。
ここからは駅のご紹介です。
実はここではバスの乗換え待ちで1時間ほどあるので、ゆっくりと駅を見ることが出来ます。
なにせ初めて訪問する駅ですからね。
予定通りの行程だったら数分乗り換えでしたから、駅をじっくり見る時間はなかったわけで、唯一行程変更になってよかった部分だったりします。
ところで、この駅名は一般名詞である「豊富(ほうふ)」と同じ表記であり、そっちに引っ張られて意外と読めない駅名かも知れませんね。
由来としては「イペコロペッ」というアイヌ語で、「食物を持つ川」といった意味合いがあるそうです。
これを意訳した地名だそうで、似た例として「オタウシナイ」という「砂浜についている川」という意味のアイヌ語を意訳した砂川市があり、逆にそのまま音に漢字を充てた歌志内市も併存しているのが面白いです。
豊富温泉が有名な場所である他、セイコーマートへよく行く人ならば「豊富牛乳」でも聞き馴染みのある土地でしょう。
名所案内にも温泉や牧場が出ていますね。
ただ、いずれもバス移動を前提にしており、徒歩圏内にはありませんがw
流石に特急停車駅なだけあり、ホーム上は舗装されていて、点字ブロックも整備されていました。
こちら側の駅名標は1番乗り場より綺麗でした。
最近お色直しされたんでしょうか?
奥には防風フェンスがありますが、冬場は吹き溜まるんですかね。
ちなみに、かつては「日曹炭鉱天塩砿業所専用鉄道」という専用鉄道が分岐しており、そのため構内には側線や引き込み線が広がっていて、今よりも広い構内を持っていたようです。
また、天塩炭鉱や木材の集積拠点ともなっていて、貨物輸送で栄えた時代もあり、かつては機関区もあったらしいです。
1番乗り場に戻りまして出口へ向かいます。
ホームに面した駅舎は、北海道の中規模な駅ではよくある雰囲気です。
こちらが出口です。
大抵はこの奥が改札になっているものですが、当駅については既に無人化されており、集改札業務は行われておらず、ここは単なる通路と言えます。
もちろん過去には有人だった時代もあったようですが、国鉄時代には無人化されており、駅構内のキヨスクで乗車券を発売していたり、幌延駅から駅員が派遣されて乗車券の発売をしていたりした時期もあったみたいですが、現在は隣接する豊富町観光情報センターに一部乗車券の発売を委託しているものの、駅としては完全な無人となっています。
このため、扱い上は無人駅ではなくて簡易委託駅となるようですが、観光情報センターで発売するのは記念入場券と、町民のみが購入できる町民乗車票のみとなっており、一般利用者が利用できるきっぷは買えないため、実質的には無人駅と変わりありません。
ただ、意外にも利用者数では有人である音威子府駅や幌延駅よりも多いらしく、宗谷本線の無人駅の中では最も利用が多い駅なんだとか。
まあ、多いと言っても近年のデータでは1日あたりの乗車人数が23人とからしいですが・・・w
それでも1名未満なんて駅もごろごろある北海道にしては多い方になるんですかね。
これについてはやっぱり沿岸バスに乗り換えて羽幌や留萌へ抜けられるので、バスへの乗り継ぎ需要なんじゃないかと思います。
駅舎内は意外に広く、ストーブを囲むようにベンチが備えられていました。
座布団まで敷かれていて暖かさを感じますね。
あと、奥のシャッターが降りた一角は、かつてのキヨスクの跡でしょうか?
構内には「ロイヤルエクスプレス」の幟がありました。
JR北海道に貸し出されてクルーズトレインとして走っているのは知っていましたが、ここにも来るみたいですね。
出口には何故か信号機が置いてありました。
それも駅前の方向を向いているので、最初見たときは何なのかすぐには分かりませんでしたw
こちらが駅舎です。
平屋建てのシンプルなものですが、地方の国鉄駅という雰囲気をよく残していると思います
やたら厳重に守られているこれはなんだと思ったらご当地マンホールのようです。
最近は盗難に遭うことも珍しくないのでこうして簡単には持ち去れないようにしているようですね。
そういえば、先程の写真にもマンホールカードの幟が出ていました。
昔の公園やプールによくあったような水道があったんですが、もしかしてSL時代に眼に入った煤を洗い流すために設けられていたものがそのまま残っているんでしょうか?
そして、この後で乗る沿岸バスのバス停です。
昔ながらの丸型ですし、風雪に晒された結果なのか塗装が剥げかかっているのが逆にいい味を出していると思います。
時刻表です。
バスは1日に6本あり、そのうちの5本が留萌まで直通、残りの1本が羽幌止まりとなっています。
また、土日祝日には2往復が運行されず、年末年始にも運休になる便があり、特に元日は全便が運休となるようです。
都市部だと三が日は三が日で初売りや初詣で交通機関が混み合うので、運休どころか増便することすらありますが、このあたりの地域には当てはまらないのでしょう。
また、留萌方面のローカル路線の他に、札幌へ向かう都市間バス「はぼろ号」も豊富を発着していますが、駅前にはやってこず、駅から少し行ったところにある豊富営業所までの運行となっているようです。
まだバスまでは時間があるので、もう少し駅周辺をぶらつくことにします。
駅前広場の入口にはアーチ状のゲートがありました。
観光客向けに設置したようですが、近くに観光客の姿はありませんでした・・・
駅前通りには商店がありました。
こういう地方の駅前には、営業しているのかどうかよく分からない商店があったりしますが、ここについては店構えからしてちゃんと営業しているっぽいですね。
ただ、地元民相手のお店のようで、旅の途中の補給には不向きかもしれませんが・・・
駅から少し行くと「Aコープ」がありました。
田舎によくあるイメージですが、入店してみると普通のスーパーという感じで、飲み物や軽食を調達しました。
地方の駅の徒歩圏内にスーパーがあるのは嬉しい誤算でした。
ちなみに、豊富の市街地にはここの他にもう1軒スーパーがあり、2軒のスーパーがあるようです。
沿岸バス豊富幌延線・幌延留萌線
ここからは沿岸バスに乗って留萌を目指します。
この路線はかつて幌延~留萌間を結んでいた国鉄羽幌線の廃止代替バスに相当しますが、豊富駅と幌延深地層研究センターの間は「豊富幌延線」、幌延深地層研究センターから留萌市立病院の間は「幌延留萌線」という路線になっており、時刻表の上では2つの路線に分かれています。
ただし、この2路線は連続運行するのが原則となっており、幌延深地層研究センターに到着したらそのまま同じバスが留萌行きとして運行されるため、利用者はそのまま乗り通すことが可能です。
このような運用は以前に乗車した天北宗谷岬線が、時刻表の上では鬼志別で分断されているのに、実際には同じバスがそのまま直通し、乗客はそのまま乗り通すことができるといった例があります。
ただし、沿岸バスの場合はちょっと変わった運用になっていますが、詳しくは後述します。
この2路線を1つの路線だと考えた場合はその運行距離は150kmほどになり、日本最長の路線バスとして知られる八木新宮線にこそ及びませんが、それでも国内随一の長距離バス路線と言えるでしょう。
また、かつては豊富からではないものの幌延深地層研究センターから留萌・深川を経て旭川まで直通するバスも設定されており、こちらも時刻表の上では途中で分断されていたものの、1つの路線だと考えた場合はその運行距離は212kmにもなり、隠れた日本最長の路線バスともなっていました。
現在は旭川まで行くためには留萌での乗り換えが必要になっていますが、そもそも豊富や幌延から旭川ならJR宗谷本線を使うのが一般的でしょうから、この直通が無くなったのは必然と言えるかも知れません。
また、所要時間で考えても豊富から留萌までは4時間ほどの乗車となり、乗車時間という視点でもかなり乗りごたえのある路線です。
解説はこれくらいで、そろそろレポート本編に戻るとしましょう。
バスがやってきました。
4時間お世話になるバスですが、ごく普通の路線バスですねw
行先表示に注目すると、この時点では幌延深地層研究センター行きとなっていますが、「留萌方面連絡」とも書いてあります。
これだと乗り換えが必要なように読み取ってしまいますが、実際には同じバスがそのまま運行するので降りる必要はありません。
私の他に数名が乗り込み、バスは出発します。
マニア席も空いていたのですが、今回は途中で日没になってしまう時間帯の乗車だった上、終点まで行かずにホテルに近い留萌駅で降りるつもりなので、前面展望を撮る気にもならず、大人しく後ろの方の席で過ごしました。
でも、これから走っていく国道239号は「日本海オロロンライン」の愛称もある路線で車窓からは日本海が望めるはずなので、それも楽しみにしていきましょう。
そういえば、沿岸バスのフリーきっぷ「萌えっ子フリーきっぷ」は「絶景領域」と枕詞がついていますし、沿岸バスとしても車窓風景は売りの1つだと捉えているんでしょうね。
シカのせいで乗れなくなってしまった別苅雄冬線の廃止のお知らせが貼ってありました。
乗れなくともせめて記録は残そうということで撮らせてもらいました。
豊富の市街地を出たバスは早速草原が広がる風景の中を走ります。
ところで、豊富から幌延へは国道40号がメインルートですが、バスは道道84号・道道121号を経由しています。
これは国道40号経由だとJR宗谷本線と完全に並行することになってしまい、棲み分けが必要だと考えられたことと、道道経由ならば沿線に豊富温泉もありますから観光需要も見込めるため、そのような経路になっているのでしょう。
点々と置かれている黒い物体は牧草を丸めて保管しているものですが、このあたりは全て牧場なんですかね。
ということは、豊富牛乳を生み出す牛さんたちもこのあたりに住んでいるんでしょう。
豊富温泉を過ぎるとすぐに豊富町から幌延町に入っていきます。
そして、豊富駅を出てから20分ほどで早くも(時刻表上の)終点である幌延深地層研究センターに到着です。
ここではある変わった光景が見られます。
それは・・・車内の乗客たちが一度席を立ち運転席の方へ行き、また戻ってくるという光景です。
実はここで一旦運賃を精算する必要があり、フリーきっぷを利用する場合も一旦運転士さんに提示する必要があるのです。
なんでこんな事をしているのかというと、沿岸バスの公式サイトによるとこれは補助金の関係だそうで、豊富幌延線と幌延留萌線それぞれの運賃収入を明確に区別するためにこのような運用をしているんだとか。
ここから先は私の推測ですが、幌延留萌線は国鉄留萌線の廃止代替バスという位置づけで運行が始まっており、国鉄では廃線を受け入れた自治体に対して転換交付金といって代替交通手段を整備するための補助金のようなものを出していたので、幌延留萌線の開業に際しても補助金があったと考えられます。
当初は鉄道時代の運行区間をそのまま踏襲し、幌延から留萌(一部は旭川へ直通)という運行形態だったのが、後に元々存在した幌延~豊富間の路線と統合という形で豊富まで延伸された経緯があるようです。
ここで問題になるのが豊富町は国鉄羽幌線の沿線ではなく、転換交付金を受けていないと考えられるのです。
なので、このバス路線の赤字補てんに際しては豊富町だけは独自の枠組みでの補助金という形になり、豊富町内の区間とそれ以外を区別することが求められたのではないかと考えられます。
ところで、その路線の境界にあたる「幌延深地層研究センター」ですが、具体的にどんな施設なのか気になって調べてみました。
すると、どうやら高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発をするところだそうです。
名前からして地学関係の研究施設だと思っていたんですが、どちらかといえば原子力に関連する施設ということになりますね。
それなのに名前に原子力関連のワードが入っていないのが気になりましたが、反原発派の批判をかわすためだったり?
そんな車内プチウォーキングも終わってバスは再び走り出します。
車窓から見えたこの看板ですが、「トナカイ観光牧場」でした。
「トナカイ観光牧場前」というバス停もあるのですが、乗降はありませんでした。
そういえば、「シカ色デイズ」の歌詞で「トナカイは仲間」と歌われていましたねw
JR幌延駅が見えてきました。
ここでいくらか乗客が入れ替わります。
ここが最後の鉄道駅となり、あとは終点の留萌まで一切鉄道と交わることなく進んでいきます。
駅を出てしばらくしてこんな場所に出ます。
ここは道道121号と国道40号が交差する交差点ですが、実は自動車専用道路となっている幌富バイパスと一般道路である現道に分かれる場所でもあるのです。
バイパスと言いつつ、実質的には高速道路とも言える道路であり、宗谷本線沿線にも高速道路の整備の手が及びつつあります。
そして、天塩川を渡ると早くも幌延町は終わり、ここからは天塩町に入っていきます。
天塩町は現在鉄道がない町となっていますが、隣接する幌延町内の幌延駅や雄信内駅などが最寄りとなるようです。
天塩町中心部を過ぎ、車窓には海が見えてきました。
が・・・既に日は傾いており、これは遠からず日没ですね。
まあ、夕日は夕日で綺麗ですけどね。
その先は田園風景の背景に海が見えるという感じの風景が続き、いつの間にか天塩町から遠別町に入っていました。
ここの境はごく普通の平地なので、本当にいつの間にかという感じでした。
今度は「しょさんべつ温泉」の看板が出てきました。
ということは、いつの間にか初山別村に入っていたようですね。
今までよりも海の近くを走る場面もありました。
これは「絶景領域」と謳うのも納得の景色です。
久々に大きな街に出たこちらは羽幌町です。
羽幌線や「はぼろ号」の名前の由来になっており、途中にある街としては最も大きいと思います。
最初に立ち寄るのは「本社ターミナル」と呼ばれるバスターミナルで、名前の通り沿岸バスの本社を併設しています。
そう、実は沿岸バスって羽幌に本社があるんですね。
留萌の方が路線も多く集まっているので、留萌にあるとばかり思っていましたが、昔は羽幌の方が栄えていた時代もあるんですかね。
続けて立ち寄ったこちらは「羽幌ターミナル」と呼ばれるバスターミナルです。
こちらはかつて羽幌駅があった場所に位置しており、「本社ターミナル」はそれ以前から存在するバスターミナルということのようです。
基本的には2箇所のバスターミナルの両方に立ち寄る設定になっていますが、羽幌港への連絡バスだけは本社ターミナルのみ停車なので要注意です。
ところで、長距離路線ならばこういう主要なターミナルでトイレ休憩があるのがお約束ですが、幌延留萌線についてはトイレ休憩はなく、4時間耐久乗車となりますw
ただし、どうしても行きたくなってしまった場合は運転士さんに申し出ればトイレに行かせてくれるそうです。
ちょっと勇気がいりますが、トイレが近い方は主要なターミナルを通過する時間を事前に調べておくといいかも知れません。
バスターミナルの前は駐車場なのか広場がありました。
バス利用者のための駐車場なんだと思いますが、元々は駅があった場所なので余った土地を活用している感じですね。
羽幌の市街地を抜けるとまた海沿いの景色になります。
いよいよ本格的に夕焼けですが、このあとすぐに日没となってしまったため、車窓の紹介もここまでです。
羽幌町から留萌市への間には苫前町と小平町がありますが、すっかり夜の帳が下りた後の通過でしたから、特にこれといった印象はありませんでしたw
そして豊富から4時間乗車してようやく留萌に到着しました。
途中で降りる形であり、私を降ろしたらすぐに出発だったため写真は後追いしか撮れませんでした。
トイレは大丈夫でしたが、流石にお尻が痛くなりましたw
こちらがバス停です。
「留萌駅前」という名前ですが、ご存知の通り、JR留萌本線は石狩沼田駅以北が昨年部分廃止されており、留萌駅も既に廃駅ということになっています。
ですが、バス停名はそのまま残っているようですね。
ところで、ホテルを探す時に「最寄り駅から探す」という機能を使って探そうとしたんですが、「留萌」と入れてもエラーが返ってきておかしいなと考えていると、「あ、留萌駅ってもうないじゃん・・・」と気付いたという一幕もありました。
さよなら乗車もしている私ですが、実際の生活に留萌本線が関わっているわけでもないため、肌感覚としてはまだ廃止を実感できていなかったのかも知れません。
あと、バス停に萌えキャラが描かれていますが、これも沿岸バスの特徴です。
運行拠点の1つである留萌に”萌え”という字が入っているからなのか、萌えキャラをプッシュする珍しいバス会社となっており、一部のバス停やバスの車体にもこのようなキャラクターが描かれています。
更に今回お世話になった「萌えっ子フリーきっぷ」の券面にもキャラクターが描かれ、毎年デザインが変わる上に2つのデザインから選べるというほどのキャラ推しなんです。
その他、匿名掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」のユーザーを対象にしたマニアックなツアーを開催したり、都市間バス「はぼろ号」の車内でVOCALOIDを使用した曲を流したりと、オタク文化に歩み寄る姿勢を持つバス会社としてネットでは有名ですね。
バス停の前には待合室があり、ちょっとしたバスターミナルになっているようです。
駅廃止後はそのまま駅がバスターミナルになるのかと思っていましたが、結局は従来のバスターミナルをそのまま使っているようです。
窓口もあるようですが今は閉まっていますね。
バス車内でも見かけた別苅雄冬線廃止のお知らせ
とうとう乗れずに終わってしまうと思うと残念でなりません。
こちらは留萌と札幌を増毛町・石狩市経由で結ぶ都市間バス「ましけ号」のダイヤ改正のお知らせでした。
実はこの「ましけ号」は明日乗るので、詳細はその時の記事で紹介しようと思いますが、廃止される別苅雄冬線と経路が重複しているので、別苅雄冬線と同じルートを明日体験できることにはなります。
ところで、このダイヤ改正ですが、実は停留所が1箇所増えるだけであり、その増える停留所というのは「岩老」というバス停です。
この「岩老」というのは実は苅部雄冬線のバス停の1つで、従来は「ましけ号」は通過していたのが、苅部雄冬線の廃止の代替として停車するようになるということのようです。
ただ、「ましけ号」はクローズドドアシステムを採用しており、岩老バス停については札幌方面のみ利用可能で、留萌方面には利用できないため苅部雄冬線の代替といえるのか微妙な気もします。
それでは後はホテルへ向かいます。
留萌には全国チェーンのホテルこそ進出していませんが、ビジネスホテルが数軒あり、宿泊事情は悪くなかったです。
ホテル近くのレストランで頂いた「ポークチャップ」です。
肉も大きく食べ応えがあり、ソースの味付けも好みでした。
といったところで5日目は以上となり、6日目は別記事として追ってレポートしますので公開までしばらくお待ち下さい。