今回は青春18きっぷを使ってJRバス関東が運行する路線バスの白棚線に乗りに出かけましたのでそのレポートです。
行程の概要
まずは行程の概要ですが、今回の旅ではタイトルにもある白棚線への乗車がメインですが、ついでに黒磯~新白河間でE531系に乗車したり、復路の宇都宮では餃子を頂いたり、小山からは両毛線で115系に乗ったりとおまけも盛り沢山です。
そのため、白棚線が出る白河駅までの往復だけなら鈍行しか使えない18きっぷでもそんなにタイトな行程ではないのですが、おまけを色々追加した結果、ほぼ始発で出発し、ほぼ最終で帰ってくるというなかなかのハードスケジュールになりましたw
よって、行程を簡潔にまとめると、東北本線で白河まで行って白棚線に乗って、復路も東北本線を南下していきますが、宇都宮で途中下車して餃子を頂き、小山から115系運用の両毛線で高崎へ出てから高崎線で帰路に就きます。
なお、白棚線は青春18きっぷでは乗れませんので別途運賃を支払っての乗車です。
気仙沼線や大船渡線のBRTは鉄道の代替輸送という扱いなので青春18きっぷでも乗れますが、白棚線は鉄道としては既に廃止され、完全に路線バスという扱いなのでこういう違いが出るわけですね。
まずは小金井へ
最初の目的となる白河を目指すべく東北本線を北上していくわけですが、まずは小金井で降ります。乗車したのは宇都宮行きだったのでそのまま乗り通してもよかったのですが、ある列車に乗るために小金井で降りました。
JR宇都宮線区間での主力となるE231系です。小金井始発の上野東京ラインでした。
↑その乗車したい列車が入線してきました!
そのまま貨物列車も通過していきましたので一緒に動画撮影しました。
これが乗車したかった列車です。
205系なんですが、実は普段は宇都宮~黒磯間でのみ走っていて、宇都宮以南での運用はありません。
しかし、小金井にある車両基地からの出庫を兼ねたいわゆる間合い運用として小金井発黒磯行きが設定されているんですね。
普段は10両ないし15両で走る区間を4両で走っているので余計に混雑している感もありました。
宇都宮でようやく空いてきましたが、前にも乗っている区間なので道中は略w
宇都宮線から東北本線へ
黒磯までの区間は朝夕のみですが東京都内からの直通列車も走っていてJR宇都宮線の愛称もありますが、黒磯以北の区間は名実ともに「東北本線」となりまして、都内からの直通もない地方線区となっていきます。
言うなれば、列車の運行形態上の関東と東北の境とも言えますね。
↑続いてはE531系にバトンタッチです。
この区間でのE531系運用に乗るのもこの旅の目的の一つでしたが、早速果たすことが出来ますね。
新白河行きの表示。
そういえば、交直流電車であるE531系なら郡山、福島方面へも物理的には乗り入れ可能だと思いますが、高価な交直流電車の運用数を最小限にしたいのか、僅かに1本だけある白河行きを除いて新白河以北へは乗り入れない運用となっているようです。
隣に貨物列車が入ってきたので並べて撮影しました。
しかし、小金井でも貨物列車に遭遇しましたが、東北本線も貨物列車のメッカですね。
このE531系で新白河まで行くわけですが、車種がE531系という以外は過去にも乗っている区間ですし、車窓風景なども特筆すべきこともなかったのでここは新白河までレポートを飛ばします。
新白河駅
E531系のおかげでまだ関東地方という気分でしたが、県境を超えて福島県へと入りました。いよいよ東北地方ですね。
新白河では普段は同じホームで郡山・福島方面の列車と乗り継げるんですが、私が乗った列車は30分待ち時間が発生するという微妙な接続でしたw
まあ新白河駅には降りたことがなかったのでついでに取材をしたいと思います。
ちなみに、白棚線は新白河駅にも立ち寄りますが、全区間乗車したいというマニア的理由により白河まで出てから乗車しますw
駅名標です。
ところで、同じ東北本線で埼玉県内に白岡駅と新白岡駅があるので、「あれ?白河?白岡?」と一瞬訳が分からなくなりましたw
E531系の運用は朝夕のみであり、私が乗ってきた列車が午前中の運用の最終便だったため、以後の運用はキハ110系にバトンタッチです。
黒磯行きとして発車を待っていました。
以前のレポートでも触れたと思いますが改めてご紹介しますと、当駅の中線はこのようにホーム中央でぶった切られています。
これによって同じホームに黒磯方面と郡山方面の列車を並べることができ、平面乗り換えを実現しているわけですね。
あと、真横を東北新幹線が通っており、新幹線駅も併設されています。
いかにも新幹線開業時に在来線との乗り換えのために新設された駅という印象を受けますが、実は1944年の鉄道省時代に磐城西郷信号場として開設され、1959年に駅に昇格して磐城西郷駅となった経緯があり、1982年に東北新幹線が乗り入れたのに合わせて新白河駅と改称されたようです。
ついでに余談ですが、改称前の駅名にもなっていた西郷というのは所在地の西郷村から来ていて、現在でも新白河駅の所在地は西郷村ですが、新幹線停車駅としては唯一村に所在する駅だそうですよ。
黒磯・宇都宮方面の案内
色分けしてはっきり区別していますね。
一見過剰にも思えるほど案内がびっしりと貼られていますが、同じホームから発車では鉄道に疎い人には紛らわしいんでしょうね。
私も、鉄道趣味のおかげでE531系ないしキハ110系なら黒磯方面、701系ないしE721系なら郡山方面と判別できますが、そうでなくこのあたりの地理にも疎かったらどっちに乗ればいいか悩んでしまうかも知れません。
新白河~黒磯間が系統分断されたのはもう半年ほど前のことですが、未だに改正のお知らせが出ていました。
たまにしか電車を使わない人もいるかも知れないということで未だに掲出しているんでしょうかね。
床にも乗り場の案内がされていました。かなり徹底していますね。
改札口へはガラス張りの自動ドアを通っていきます。
防寒対策なんでしょうが、こういう設備を見るとやっぱりここは東北なのだと実感しますね。
改札機は1台だけとちょっと寂しい改札ですが、こちらは新幹線乗り継ぎ用のようです。
外へ出る改札はなんと自動改札機すら設置されていませんでした。
まあ、私は18きっぷなのでどのみち有人改札を通らなければならないのですがw
新幹線乗り場への入場改札はこんなに豪華でしたw
この駅はもはや新幹線に乗るためだけにあるような印象さえ受けますw
改札の目の前には麺処があります。なお、当駅構内に営業する飲食店はこのお店のみになります。
時間があれば駅を出て街へ繰り出すのもいいですが、乗り換え待ちの僅かな時間で食事を済ませたければこのお店一択ですね。
ちなみに、うどん・そばのみならず、白河名物の「白河ラーメン」も提供しているようなので駅取材が済んだら頂くことにしましょう。
その脇には顔出しパネルを発見!
白河城にだるまにE5系新幹線が描かれているようでした。
コンコースです。新幹線が来るとどんなマイナーな駅でもやたら構内が立派になるのは全国的な傾向だと思いますが、ここもその例に漏れないようですね。
なんか巨大なだるまがコンコースを見守っていました。
やけにだるまを推しているなと思って調べて見たら、私は知らなかったのですが、白河では「だるま市」というものが有名だそうです。
驚いたのはコンコースに白棚線の時刻表が掲出されていたことです。
同じグループのJRバス関東が運行しているというのもあるでしょうが、鉄道路線を前身とするだけに他のバス路線とは別格の扱いなんですかね。
駅前に出てきました。
白河市の玄関口ともなる当駅だけに駅前のバス乗り場は地方にしては充実していました。
今日乗る「白棚線」もこの中から発車します。
何やら連接バスもいました。
当駅から発着するJRバスの路線は白棚線しかないのですが、連接バスが走っているという話は聞いたことがありません。
調べてみると、当駅に隣接するJR東日本の研修施設への送迎バスとして使われているようですね。
よく見ると行先は「JR東日本 総合研修センター」となっていました。
となると、あのバスに乗れるのはJR東日本の社員に限られることになりますが、乗ってみたいなぁw
一般のバスもいました。これから研修を受ける社員たちがやって来るのを待っているんだと思いますが、連節バス1台では足りないほどの人数が来るんですかね。流石は世界最大の民営鉄道事業者だけのことはあります。
東北新幹線は比較的初期に開業した新幹線ですが、そのためか最近できた新幹線駅とは趣きが違いますね。
没個性的な汎用デザインよりはずっといいと思います。
新幹線駅あるあるの駅舎が大きすぎて写真に収まらない問題が発生したので別の写真で補ってみましたが、高架橋と一体的な構造のようですね。
駅前には銅像が鎮座しますが、「奥の細道」で知られる松尾芭蕉の像だそうです。
各地を旅したことで知られる松尾芭蕉ですが、この白河にも立ち寄っていたんですね。
さて、それでは「白河ラーメン」でちょっと早めの昼食としましょう。
ちょっと欲張ってチャーシュー麺にしました。(チャーシューを1枚食べてしまってから撮影したため実際よりチャーシューが1枚少ないですw)
駅そば屋がついでにラーメンも出している程度の認識でクオリティはそんなに期待していなかったんですが、これが意外と美味しく堪能しました。
あ、私がラーメン通でもなければ、この記事がグルメブログでもないのでこれ以上の気の利いたコメントは求めないでくださいw
ホームに戻って701系に1区間だけ乗って隣の白河駅へ向かうこととします。
白河駅
1駅進んだ白河駅も初訪問となりますので、白棚線に乗る前に駅取材をすることにします。
ここも白棚線との接続が微妙で時間があるんですよね。
↑乗ってきた列車の発車シーン
まずは駅名標ですね。
鉄道路線としての白棚線が廃止されて以降分岐する支線もないので表記は単純なものです。
ホームです。
今でこそ短編成のローカル列車しかやってこない当駅ですが、かつては東北本線を走る長距離優等列車を受け入れたこともあり、それを訴えるかのように重厚な印象のホームでした。
ホームに待合室があるのもかつて優等列車の発着があった時代の名残でしょうか。
家庭用エアコンを2台も稼働させて暑いくらいに暖房が効いていました。
誰も待っている人がいなかったのですごく勿体無い気もしましたが、いざ入ってひんやりしていたらそれはそれで嫌ですしね・・・
あと、側線には恐らくさっき乗車したやつであろうE531系がいました。
午前の運用を終えたら夕方までここで待機なんですかね。
他に間合い運用で使えるような線区もないですし仕方ないんでしょうけど、だったら過剰輸送でも日中もE531系を充当してもいいような気もしました。
そのコストよりキハ110系を持ってきて走らせるコストのほうが安かったということなんでしょうけど・・・
それではホームはこれくらいで改札へと向かいます。
線路をくぐる関係で地下道のようになっています。
島式ホームであり、乗り場は1つしか無いので必要性が薄いようにも思いますが、しっかり乗り場案内が出ていました。
あと、うっかり首都圏や仙台都市圏から乗り越してしまう人もいるかも知れないという意味でこれは重要だと思いますが、SuicaなどICカード乗車券が使えないという案内でした。
Suicaは首都圏エリアと仙台エリアでそれぞれ利用可能ですが、首都圏が黒磯まで、仙台エリアが矢吹までで、当駅を含む区間はちょうどどちらにも属さないため利用できないんですね。
都市部で暮らしているとICカードで電車に乗るのが当たり前になってしまい、都市部から直通で行ける範囲は当たり前のように使えるような気になりますがこのように使えない場所もあるので要注意です。
壁にもこんなにデカデカと注意書きをしていましたが、継ぎ接ぎだらけなのが気になるw
もしかして、普通のプリンターで印刷したのをラミネート加工して継ぎ合わせたとか?w
改札への通路です。
新白河駅よりも古い印象ですが、新幹線が来なかった分古い時代の趣きを残しているということでしょうか。
中庭のような空間がありました。今どきの駅ではなかなか見かけませんよね。
開業当初からのものかどうかは分かりませんが石垣が残っていました。
この「しらかわん」というちょっと安直なネーミングのキャラクターはご当地キャラってやつなんでしょうか。
ホームから改札への移動だけでも色々ネタがありましたが、いよいよ改札口が見えてきました。
それにしても、「近藤眼科」の存在感がありすぎるw
これは宣伝効果抜群でしょうね。
そして、ようやく改札口です。
自動改札機がないのは新白河駅の在来線乗り場同様ですが、いくつも並ぶラッチがかつての栄光の時代の生き証人ですかね。
「小さな旅モデルコース」として散策コースの案内が出ていました。
駅舎です。
ホームもそうでしたが、駅舎もまた重厚さを感じます。大正ロマンって感じでしょうか。
「えきかふぇSHIRAKAWA」というカフェが構内で営業しているようですね。
今回は取材で忙しいですが、乗り換えで暇を持て余したときにはちょうど良さそうです。
駅舎の隣りにあったやけに現代的な建物ですが、公衆トイレと駐輪場が一体化した建物のようです。
大正ロマンな古びた駅舎の隣りにあるので対比のようになっていますね。
駅前ロータリーです。
新白河駅に勝るとも劣らない規模ですね。
ボンネットバス(風?)のバスがいました。
観光路線に使われているのかと思ったら「白河市循環バス」とありますから、市内のコミュニティバスのようですね。
まだ時間がありますが白棚線乗り場の案内を撮影。
白棚線の文字はありませんが棚倉の名前があれば間違いないですね。
ちなみに、色違いで表記された行先もありますが、既に廃止された系統のようです。消したつもりがはっきり読める状態で残ってしまっているようですね。
しばらくしてバスがやって来ました。
これが白棚線のバスですが、「白棚線60周年記念ラッピング」の車両でした。
これも「白河市循環バス」のようですが、ごく普通のバスでした。
そして、時間が迫りバスが乗り場へやって来たのでいよいよ乗車となります。
JRバス関東白棚線
記事のタイトルにも採用した本日のメインとも言える白棚線ですが、まずはその解説から入っていきます。
白棚線は元々鉄道路線だったということは軽く触れましたが、より詳しく説明すると、1916年に開業した白棚鉄道という私鉄が起源であり、元々東白川郡の中心地だったものの東北本線のルートから外れてしまい交通不便な土地になってしまった棚倉と東北本線の通る白河を結ぶべく開業しました。
しかし、沿線の貨物需要の要だった鉱山が閉山し、更に1932年に水郡南線(現在の水郡線)が磐城棚倉駅に乗り入れを開始し、1934年には郡山まで繋がると貨物輸送の大部分を水郡線に奪われる形となり経営状況が悪化してしまいます。
その後、国有鉄道としての買収を求める動きがあり、国の財政難から買収ではなく1938年より借上げ営業として国鉄白棚線となりました。1941年には正式に買収され名実ともに国有化されますが、そのわずか3年後の1944年、戦時下という時局もあり、不要不急線として休止されてしまいます。
終戦後には鉄道としての復活が2度ほど検討されますが、結局白棚線の線路敷を舗装道路にしてバス専用道路に転用することでバス路線として生まれ変わることになり国鉄バスの「白棚高速線」として再スタートを切りました。
”高速線”を名乗っていたのは、これとは別に一般国道を走行する白河~棚倉間の路線バスもあったため区別の意味合いがあったようです。
今風に言えばBRT(バス高速輸送システム)の先駆けとも言える存在であり、国鉄としても不採算路線のバス転換のモデルケースという意味合いや、戦後急速に整備が進んだ高速道路網を利用した高速バス事業のための新型バスの走行試験のコースという活用もされたようです。
開業当初は国道も砂利道の箇所も残るなど、舗装道路だった専用道路の意義が大きかったのですが、徐々に国道の整備も進むと専用道路の優位性は薄れ、開業時は大半が専用道路だったものが、現在は三森~表郷庁舎前間と磐城金山~関辺間のみが専用道路となり、残りは並行する一般道に経路変更されたり、専用道路が一般道に転用されたりしています。
そして、現在ですが、国鉄バスはとっくに存在しませんので、JRバス関東が引き継いで運行を続けています。
白河駅と磐城棚倉駅を結ぶ系統が基本系統であり、新白河駅を通らずに旭高校前を通る系統や、磐城棚倉駅から少し先の祖父岡という所まで足を伸ばす系統もあります。
運行本数は日中でも1時間おきと地方の路線バスとしては充実しており、ラッシュ時ともなれば平均で10分ヘッドと都市部並の高頻度運行になりますが、元々単線の線路敷を道路にしているためバス停や待避所以外ではすれ違いが出来ないと言った事情もあり運行間隔が偏ったダイヤになっているようです。
話をレポート本筋に戻しまして、車内の様子です。
60周年記念ラッピングバスということでなのか、地元の子どもたちの描いた絵が飾られていました。
さて、いつもなら車窓とか貼りながら乗車中の様子をレポートするところですが、今回は往路では途中の関辺と谷中という2つのバス停で途中下車してバスの撮影と専用道路の取材をして祖父岡へ向かうこととして、往路では道中のレポートは省略することとします。
なので、レポートは関辺バス停からとします。
関辺バス停
最初の途中下車となる関辺バス停ですが、ここを選んだ理由はその立地にあります。
関辺バス停はちょうど国道から専用道路が分岐する地点となっており、分岐部がどうなっているかを含めてバスの撮影がてら取材したいというわけです。
↑乗ってきたバスを見送ります。バス専用道路へと進みます。
そんなに利用者が多いとも思えないバス停ですが、屋根が付いていました。
隣接する一般道との交差部よりバス停を振り返ります。
こちらから見て右側が白河方面で、東側が磐城棚倉方面の乗り場となっており、右側通行の島式ホームのような構造になっています。
一方、こちらは国道です。地方の国道としては一般的な2車線道路ですが、分岐するバス専用道路よりも立派ですね。
磐城棚倉方面のバスはここを右折する形で専用道路へと入っていきます。
バス停付近にあったので白棚線に関連する石碑かと思ったら、学校の改築記念の石碑のようでした。
こちら、一般道とバス専用道路の交差部です。
専用道路であることから、バスの通行が優先され、一般道側は一時停止が義務付けられている上、バス専用道路に入ることになる右左折も禁止されています。
さて、取材は終わったのですが、そろそろ白河方面のバスが通り掛かる時間なので適当な場所で撮影をしてからバス停に戻りたいと思います。
↑白河行きのバス
そして、もうしばらくして私の乗る磐城棚倉行きもやってきました。
これに乗って谷中バス停へ向かいます。
谷中バス停
2ヶ所目の途中下車となる谷中バス停ですが、ここは一般道と専用道路の分岐部ではなく、専用道路の途中にあるバス停です。
↑ここでも乗ってきたバスを見送り動画撮影です。
バス停の全景ですが、バス停であると同時にバス同士がすれ違う待避所の役割もあるようでここだけ道幅が広がっていました。
バス停のすぐ脇には2車線の公道が通っていますが、やはりバス専用道路が優先なので、道幅が広い側に一時停止標識が立っているというちょっと変わった道路風景になっています。
いかにもバス専用道路という風景になります。
白棚線を紹介する記事では大抵このような写真があるのではないでしょうか?w
あと、驚いたのがバス停なのに駐輪場(多分)まで備えていたことです。
パーク&ライドの一環で都市部などでバス停に駐輪場を設置する例はありますが、田舎のバス停ではあまりない気がします。
このあたりは鉄道駅のノリで設置しているんでしょうか。
ただ、支柱があまりにも心許ないw
このあたりなら冬ともなれば結構な積雪があるでしょうし、その重さに耐えられるものなんでしょうか。
バス停は撮り終えましたが、40分以上バスは来ませんし散策がてらぶらつくことにしました。
しばし散策する
というわけで散策となったわけですが、当てもなく彷徨っていたわけではありません。
スマホの地図アプリでバスをいい感じで撮れそうな場所を探し出し、そこを目指して歩いていたのです。
白棚線関連のものかと思って撮りましたが、どうも違うようでした。
皇族の方がここでご休憩なさったという記念碑のようです。
しばらく行くと別のバス停に行き当たりました。
鉄道駅よりは間隔が短くなりがちとはいえ、気づかずバス停1つ分歩いていたようです。
名前を「温泉口」というこのバス停ですが、近くには入谷温泉という一軒宿の温泉があるようです。
明らかに家庭用の物置を転用したであろう待合室です。
かなり簡素なものですが、これでも雨風から逃れるという最低限の機能は果たせるでしょうし、無いよりはマシでしょうか。
ただ、なんとか明かりを確保しようという配慮なのは分かりますが、この開け方は強引すぎません?w
鉄道駅だったら間違いなく駅名標の痕跡ですが、このバス停は鉄道時代には存在せず、バス転換後に設置されたようですから、鉄道時代の痕跡ではないはず・・・
正体が気になりますが、自動車駅として駅名標があったとしたら見てみたかったですね。
ここも専用道路の範囲内なので撮っておきましょう。
そういえばここはガードレースが設置されていますが、設置されている場所とされていない場所の違いは何なんでしょうか。
その先にあった一般道との交差部です。
それにしても、白棚線全体で思うことですが、一般道との交差部は標識を設置しているだけで、物理的に一般車の侵入を阻止するような対策は取られていないようですね。
早い時期から専用道路を利用した運行をしているため、地元の人にとってはすっかりお馴染みで、ドライバーを信用するスタンスなんでしょうか。
そして、あれが目星をつけていた撮影スポットです。
専用道路といっても色んな風景がありますが、バス専用の橋を渡る所はそれらしい映像を撮れるのではないかと思ったわけです。
実はアクセスに使おうと思っていた一般道が工事で通行止めとなっており、農道と思われるあぜ道に迂回を強いられたのですが、徒歩では地味につらい迂回であり、バス専用道路を歩いてショートカットしたい衝動に駆られました。
もちろん、ぐっと自重して大人しく迂回しましたけどw
ちなみに、犬を連れた人や自転車に乗ったご老人などが専用道路を歩いている姿を時折見かけましたが、見なかったことにしましょうw
近づいてみました。
ガードレールの古びた感じがまた味を出していますね。
↑いよいよやって来ました!
私が白河駅から関辺まで乗車した60周年記念ラッピングのバスでした。
ちょうど折り返し便だったんですね。
というわけで、これで撮影という目的も果たしたのであとはバス停に戻りますが、乗車区間を歯抜けにしたくないという理由で最寄りの温泉口ではなく谷中バス停まで引き返すことにします。
その途中でちょっとしたおまけもありました。
一見すると民家にも見えるこの建物ですが、これが「谷中温泉」の一軒宿のようです。
昭和レトロを感じさせるホーロー看板(?)もありましたが、文字が薄れて読めない箇所がちらほらとw
看板もこんな感じですし、人の気配も感じられなかったので現地では勝手に廃業しているのではないかという疑惑を持っていたのですが、帰ってから調べると「谷中ノ湯」としてあの「楽天トラベル」に掲載されていました。
ただし、交通アクセスは自動車によるものしか載っておらず、白棚線のことには触れられていませんでしたw
バス停の名前にまで採用されているんだから白棚線のことも紹介してあげてw
それではあとはバス停に戻ることとします。
そして、私の乗るバスがやって来ました。
今まで乗ってきたのは全て磐城棚倉駅行きでしたが、今度は祖父岡行きです。
白棚線は磐城棚倉駅から先にある祖父岡というところが終点ですが、磐城棚倉駅~祖父岡間は朝夕のみ運転されているようで、日中は全て磐城棚倉駅で折り返しになっているようです。そのため、祖父岡までの区間を乗車するためには夕方の便まで待つ必要があったわけですね。
東北本線で復路もE531系に乗るためという事情もありましたが、祖父岡行きを待つためもあって2箇所の途中下車を入れました。
これが意外と混んでいてマニア席も確保できなかったので車窓などのレポートは復路に譲るとして記事は祖父岡まで飛びます。
祖父岡バス停
白棚線の棚倉町内での終点となる祖父岡ですが、ここで1時間以上も折返し待ちがありますw
したがって、バス停周辺をレポートしたら周辺散策もしつつ時間を潰します。
祖父岡バス停は折り返しがあるバス停としては標準的な、道路脇の転回スペースの中に停留所が設けられていました。
起点ということでなのか、待合室が用意されていました。
温泉口とは違って物置の転用ではないちゃんとした待合室ですねw
そうそう、バス停名の「祖父岡」ですが、普通なら「そふおか」と読みたくなりますが、「そぼおか」と読みます。
「そぼおか」と読ませるなら「祖母岡」という表記でよさそうなもの、何故に「祖父」が「そぼ」になってしまったんでしょうかw
バスは既に折り返し運行となる白河行きを表示して待機していました。
おや?ということはまさかこのまま1時間以上ここで待機するということなんですかね?
こちらがバス停全景です。
とここまで5分も掛からず取材が終わってしまったわけですが、とにかく暇ですw
しかし、幸いにしてちょうどいい距離にちょうどいい暇を潰せるネタがありました。それは・・・
おまけの駅取材
祖父岡バス停は磐城棚倉駅からは結構距離があり、歩いて戻るのは困難な距離なんですが、バスのルートがほぼ水郡線と並行していたおかげで磐城棚倉駅の1つ隣の中豊駅まで徒歩15分~20分程度でアクセス可能な立地だったのです。
のんびり歩いて往復40分、駅取材に20分程度かければいい塩梅で待ち時間が潰れる計算です。
今ではすっかり見かけなくなったSLデザインの「踏切注意」の標識が出てきました。
ということは・・・
ホーム端からそのまま出入りできる構造で、無人駅なので出入り自由のようです。
今では1両か2両の列車ばかりの水郡線ですが、かつてはこのホームを目一杯使う長さの列車も発着していたのですかね。
ドアまでは付いていないものの風雨をしのげる待合室が設置されていました。
それも意外と綺麗です。
時刻表です。見事にスッカスカですw
日中は3時間以上列車がない時間帯もあるんですね。
これとは別に待合所が用意されていました。
近くに高校があるようですから通学時間帯には混み合うのかも知れませんね。
と言った所で駅取材も済んでしまいましたが、まだだいぶ時間が余りそうです。
誰もいない状況に甘えて待合所のベンチで休憩させてもらったらのんびりバス停へ戻ることとします。
もう少し散策
途中で見かけたロードサイド店に立ち寄ってみたりして時間を潰すも結局20分ほど持て余してバス停に戻ってきてしまいました・・・
バス停周辺の土手にサイクリングロードがあり、歩行者の通行も禁止されていないようだったので散策がてら歩いてみることにしました。
元々自転車のための道ですから道幅は狭いですけど、車が来ないので安心して歩けますね。
川沿いの心地よい空気を吸いながら歩きます。
運動は好きではない私ですが、散策は結構好きだったりしますから、これはいい暇つぶしになりそうです。
橋を渡り折り返す形でバス停の方へ戻るとこんな公園がありました。
この公園はバス停の真裏に位置していますが、元気に遊ぶ子どもたちの姿は見かけませんでした。
時間的にはまだ学校にいる時間帯なんですかね。
バスが出るまで微妙に時間があるので公園のベンチでしばし休憩させてもらうこととしました。
あと、ここにも何やら石碑がありましたが、風化がひどく文字の判読は不可能でした。
バスが写り込んでいますが、あれは私がここまで乗ってきたのと同じバスでしたので、やはりここでずっと待機していたようですね。
そろそろ発車時間なのでバスのところへ行くもドアが開いておらず、バスへ駆け寄ると気付いてくれて開けてくれました。
ここから乗車する人は僅少なので誰か来たらドアを開けるというスタンスなんでしょうかw
というわけで、ここから白河駅まで一気に乗車し、道中のレポートとしたいと思います。
JRバス関東白棚線 祖父岡→白河駅
往路では途中下車もあるので乗車中のレポートは省略しましたが、復路ではしっかりレポートしていきます。
祖父岡を出たバスはしばらく狭い道を進み、2車線道路へ左折するとあとは磐城棚倉駅まで真っ直ぐです。ちなみに、祖父岡からの乗客は私のみでしたw
途中何箇所かでお年寄りが乗ってきましたが、買い物などまさに日常の足として使っているんでしょうね。
棚倉町の市街地を進みますが、火の見櫓のようなものが見えました。
ここは古い町並みが残る町のようですね。
それにしても、やたらとくねくねした線形の道路だったのが印象的でした。
これも古くからの町並みが残っているゆえなんでしょうか。
青看(案内標識)ですが、空港のマークがありますね。
実は福島空港はこのあたりからも近かったりします。
そして、磐城棚倉駅に到着です。
ここで待っている人が何人かおり、列車からの乗り継ぎの人だったんでしょうか。
駅の出口の前にバス停があるので乗り換えは便利ですが、バスロータリーとしては簡素ですね。
白河駅から関辺まで乗車し、温泉口で撮影もした60周年ラッピングがここにもいました。
今日はやたらと会いますねぇw
ここからは新潟市といわき市を結ぶ国道289号を経由します。
余談ですが、この国道の甲子峠は長らく車道が開通しておらず、登山道が国道に指定されており、しかも登山道に国道標識(おにぎり)が建っているという道路マニア垂涎の聖地でしたが、登山道区間に甲子トンネルが開通して登山道の国道指定も無くなったため標識も撤去されてしまいました。
そして、最初の専用道路が始まります。ここから専用道路に分岐ですね。
↑ここは動画を撮りました。
思ったのが、一般道との交差部の手前には警笛鳴らせの標識が設置されていますが、実際にはバスは鳴らしていませんでした。
近隣住民からの騒音の苦情とかで自粛しているんですかね。
もっとも、専用道路ですから道路交通法は適用されないものだと思いますし、鳴らさなくても交通違反にはならないんでしょうけどね。
かつての踏切だったであろう場所ですが、線形だけでも鉄道の面影がありますね。
かつては駅舎も残っていたという磐城金山バス停です。
元々駅があった場所にそのままバス停が設置されているようですが、現在は国道上にある普通のバス停です。
そして、2箇所目の専用道路が磐城金山から始まります。
小学生が乗り合わせていてちょっと賑やかな区間もありましたw
基本的にはバスが優先となる一般道との交差部ですが、何箇所か一般道側が優先になる箇所があり、そういう場所ではバス専用道路側に一時停止標識があります。
専用道路を終えて一般道に戻ります。
やっぱり一般道の方が立派に見えてしまいますねw
実際、所要時間面では白河市から棚倉町への移動では専用道路を経由せず国道を通ったほうが早いのではないかという指摘もあるようで、専用道路ということは道路の補修や除雪なんかもバス会社自らやらなければならないということも考えるといずれ全区間で一般道を走る普通の路線バスになってしまうのでしょうか。
五新線の専用道路を使った路線は既に廃止されてしまっていますし、白棚線がどうなるのかは分かりませんが、残った専用道路は末永く残ってもらいたいですね。
白河市街に入り片側2車線に広がりました。
もうすっかり街の景色ですね。
福島銘菓の「ままどおる」のお店も見たらもう新白河駅はすぐそこです。
今朝も訪れましたが新白河駅です。
ここで降りる人がほとんどのようでしたが、私はもちろん終点の白河駅まで行きます。
もうこの先専用道路はありませんが、実は狭隘区間があることを往路の乗車で把握済みでした。
↑その狭隘区間です。
ここは専用道路ではなく一般道ですから当然一般車も通行するわけで、運行の難易度は専用道路よりも高そうです。
しかも、最も狭い箇所は路線バス以外は一方通行になっているというw
勝手な推測ですが、もっと広い道もある中であえてこんな狭いところを通っているのは、元々鉄道の白棚線の線路敷を転用した公道なのではないかという仮説を持っています。これならわざわざ狭いところを通るのは鉄道時代のルートを踏襲しているからと言えますし、バスに限って一方通行規制が免除されているのも歴史的経緯というやつで解決できますしね。
そして、白河駅に到着です。
専用道路あり狭隘区間ありとバス路線としても大変楽しめました。
白河駅で暇つぶし
無事白河駅に戻ってきたものの、列車との接続が微妙で時間を持て余すので既に取材は済んでしまっていましたが、見落としの回収も含めてぶらつきます。
内部には様々な解説パネルがありましたが、その中に鉄道時代の白棚線についての言及もありました。
実物のお城も駅前にあります。
あそこまで行くのは時間的に厳しそうなので見るだけw
さてさて、そろそろホームへ入ろうと改札へ向かうとまさかの改札省略w
ずいぶん緩い駅だなと思いつつ、ありがたくそのまま入場することに。
側線にはまだE531系がいましたw
キハ110系が運用されている間はずっとここでお昼寝してるんですかね。
よく見るとトヨタ自動車の部品を運ぶ「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」ですね。
と、ここで列車が通過するという放送が流れました。
どうせ貨物列車だろうと思って構えていると・・・
↑なんと「East i」でした!
思わぬ遭遇にテンションMAXですが、そろそろ新白河行きの列車がやってきます。
あとは東北本線を南下して帰るわけですが、ちょいちょいおまけがありますのでそれを交えつつレポートしていきます。
東北本線を南へ進む
E721系に1区間だけ揺られて新白河駅にやってくるとE531系にバトンタッチです。
しかしながら、先ほどの「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」が遅延していた影響で私の乗った新白河行きも遅延し、ただでさえ少ない乗り換え時間が更にギリギリとなり、これを撮るのが精一杯でしたw
E531系で県境を超えて黒磯へとやって来ますが、ここでも乗り換え時間がギリギリw
それにしても、いつも思うのですが、黒磯はいつも階段を使った乗り換えを強いられますが、対面乗り換えに出来ないものですかね。
ここからは205系ですが、もう何度も撮っているし、時間のない中でわざわざ撮ることもないかと撮影すらせずに飛び乗ってしまいました。
録音も揃っている区間なのであとはただ宇都宮までの移動時間を過ごすだけですね。
そんなこんなでどったんばったん大騒ぎで乗り継いで宇都宮までやって来ました。
ここではお待ちかねのアレが待っています。
はい、宇都宮餃子です。(今回は宇味家さんです)
どのみちすぐに乗り換えても115系がやって来るまで小山で待ちぼうけになりますしちょうどいいでしょう。
焼き、揚げ、水、フライと4種の餃子を堪能したら再び東北本線を南へ進みます。
小山まで乗車してから両毛線に乗り換えです。
両毛線115系さよなら乗車
今回の旅は帰着がほぼ終電の時間になることは冒頭でお伝えしていましたが、その原因がこの115系さよなら乗車であることは言うまでもありません。
何せ一旦高崎まで出てから高崎線で帰路につこうというのですからねw
↑もう勿体ぶらずに貼ります。
115系入線シーンです。
ありがとう115系ラッピングの車両でした。
さよなら乗車にはうってつけですね。
これだけ撮ったら乗り込みます。
さよなら乗車組が多いようで、早めに乗り込まないといい席を撮られてしまいそうですしね。
両毛線は前回の「中央ライナー」のレポート内で解説もしましたし、暗くて車窓も見えないということであまり書くことがないのが正直なところですが、時間が遅いこともあり一般利用者は少なめで、その分さよなら乗車のファンが目立っていましたが、最終日というわけではないためか目立った混乱やトラブルもなく平穏に過ぎました(それが当たり前でなければいけないんですが・・w)
MT54モーターの爆音をBGMとして乗車時間を過ごしますが、意外と録音環境もよく素晴らしいさよなら乗車となりました。
高崎でも1枚撮ったら高崎線に乗り換えです。
さよなら乗車のレポートはあっけなく終わってしまいましたが、このあとは普通に帰っただけなのでこの記事は以上とします。
最後までお付き合いありがとうございました。
以後も3月中は旅ラッシュが続きますのでまた別のレポートでお会いしましょう。
白棚線についての記事読ませていただきました。
私は高校生の時分に、3年間白棚線を使って棚倉からバス通学していました。
珍しい路線という事は聞いてましたが客観的に見ると不思議な感じがしますね。
懐かしかったです。
コメントありがとうございます。
全国的に見れば変わっていたり珍しかったりするものでも、地元の方にとっては当たり前の存在でその珍しさに気づかないなんてこともよくありますよね。