【乗車記】夜行バス「ルミナス・マスカット号」

今回は東京と岡山を結ぶ夜行高速バス「ルミナス・マスカット号」に乗車しましたので乗車レポートを書きたいと思います。
実を言うと最後に夜行バスに乗ったのは2019年の夏に乗った「ウィラーエクスプレス」以来でして、今回も遠征へ向かうための足として乗車しましたが、「ルミナス・マスカット号」も初めての路線でしたのでレポートしたいと思います。

「ルミナス・マスカット号」とは

まず最初に今回乗車する「ルミナス・マスカット号」について解説してから本題に入っていくとしましょう。

「ルミナス・マスカット号」は東京と岡山を結ぶ夜行高速バスで、関東バス・小田急シティバス・両備バス・下津井電鉄の4社で共同運行されています。
停車する停留所はバスタ新宿・津山駅・津山パーキング・津高・岡山大学筋・岡山駅西口・倉敷駅北口で、東京側はバスタ新宿の1箇所のみですが、岡山側は細かく停車して集客している感じですね。
名前がやたらと長いのは元々「ルミナス号」と「マスカット号」という別々の夜行バスだったものを統合したためであり、「ルミナス号」はハイアットリージェンシー東京前・バスタ新宿・津山駅前・落合インター・津高・岡山駅西口・倉敷駅北口・児島駅・下津井電鉄児島営業所に停車しており、運行会社は小田急シティバスと下津井電鉄の2社でした。
一方の「マスカット号」は丸山営業所(関東バス)・中野駅北口・バスタ新宿・津山駅前・岡山インター・岡山駅西口・倉敷駅北口に停車し、運行会社は関東バスと両備バスでした。
この2つの路線はバスタ新宿と津山・岡山・倉敷を結ぶという点で共通点が多く、「ルミナス号」は下津井電鉄が関わっている関係で児島駅にも乗り入れていたり、「マスカット号」は関東バスが関わっている関係で中野駅に乗り入れたりという差異こそありましたが、コロナ禍で需要が減少したためか2系統を統合することになり、中野駅や児島駅への乗り入れはなくなりました。
ちなみに、東京駅を起点に横浜YCAT経由で津山駅・岡山駅を結ぶ「ルブラン号」(両備バスと東北急行バスの共同運行)、東京ディズニーリゾート、上野駅、東京駅と停車し、津山には立ち寄らずに岡山駅・倉敷駅へ向かう「ままかりライナー」(両備バスと東北急行バスの共同運行、ただし現在運休中)も走っていて、その他にツアーバスから発展したWILLER EXPRESS、KBライナー、JAMJAMライナー、オリオンバス、杉崎高速バスなども走っており、東京~岡山間には運休中のものも入れると8系統もの夜行バスが走っていて、夜行バスの激戦区と言えますね。

乗車レポート

解説もこれくらいにして本題の乗車レポートに入っていきましょう。


まずは出発地のバスタ新宿にやってきました。
オープンからだいぶ経ちますが、すっかり東京のバスターミナルとして定着しましたね。
このようにいろんな行先が表示されているのを見るとそれだけでワクワクしてきます。


まだコロナの影響で長距離バスの需要が戻ってきていないのか前に訪れたときよりは空いている気がします。


小田急バスがいましたがこれは別の路線です。


日本中央バスの本庄・伊勢崎行きです。
本当に高速バスって色んな所に行っていますね。


小湊鐵道バスの木更津行き
アクアラインのおかげで木更津へはバスが圧倒的に優勢になり、逆にJR内房線の特急は大幅な縮小を余儀なくされました。


鉄道で言うところの発車標


一番上に出ているのが私が乗る「ルミナス・マスカット号」です。
表示によると若干の空席があるようです。


あとは乗り場で待ちます。
既に並んでいる人が出始めていますが、夜行バスは基本的に座席指定制なので早く並ぼうが遅く並ぼうが座る席に差はありません。


待つ間にも撮りバス出来るので全く退屈しません。


一瞬京王バスかと思いましたが西東京バスでした。
西東京バスも京王グループなので同じカラーリングにしているんでしょうね。


元ツアーバスのオリオンバス


この「MEX」というのは、「みちのりホールディングスグループ」に入っている会社が運行する高速バスに付けられる統一ブランドで、岩手県北バス、福島交通、茨城交通、関東自動車(東京を走る関東バスとは別)、会津バス、東日本交通などが含まれます。
つまりはこの「MEX」のバスを見たら北関東か東北方面へ向かうという認識で間違いはないと思います。


後ろからも


そして、いよいよ私の乗る「ルミナス・マスカット号」がやってきました。
今回は小田急シティバスの担当のようです。


もっと寄せてもう1枚
小田急シティバスは名前の通り小田急グループの一員で経堂などの地区で一般路線バスもやっていますが、この「ルミナス・マスカット号」を始めとして、「水曜どうでしょう」にも登場した「ブルーメッツ号」にも関わっていたりします。
また、バスマニアの間で有名な新宿駅西口~よみうりランド線もこの小田急シティバスですね。
この「ルミナス・マスカット号」の前身にあたる「ルミナス号」は小田急シティバスにとって最初に移管された夜行バスということも付け加えておきましょう。

余談ですが、2022年1月1日をもって「小田急シティバス」は同じグループ内の「小田急箱根高速バス」と経営統合されて法人としては消滅し、「小田急箱根高速バス」は「小田急ハイウェイバス」と社名を改めるようです。
「ルミナス・マスカット号」が現在の体制になったのが2021年11月18日で、「小田急シティバス」の経営統合に伴う消滅が2021年12月31日ということになりますから、「小田急シティバス」が運行する「ルミナス・マスカット号」は1ヶ月半ほどしか存在しなかったことになり、他の会社が運行を担当する日もあることを考えるとかなりレアな存在かもしれませんね。


行先表示です。
ドアが開くと乗務員さんが降りてきて、乗客のチケットを確認して座席を案内しつつ、トランクに荷物を預ける人がいれば荷物を預かる業務も行っていて慌ただしそうでした。


「ルミナス・マスカット号」は3列独立シートで、比較的ゆったりと乗ることが出来る夜行バスだと思います。
ただし、カーテンは窓際席と通路の間にだけ付いているため、窓際席の人は個室に近い状態になりますが、通路真ん中の席の人はあまり個室感がありませんでした。
まあ、これはバスの車種や運行会社による差異もあるかもしれませんのであくまで参考程度に・・・


トイレと給水コーナーもあって、一昔前の夜行バスの雰囲気を残していました。
乗車時間としては10時間の超えるのでこれくらいの設備はあってもいいでしょう。


発車時刻になりバスが動き始めるとモニターが降りてきて案内が始まります。
東京側の停留所はバスタ新宿だけなのでこの先乗ってくる人はおらず高速道路に入って最初の休憩箇所に着くまではのんびりと過ごせます。
今時の夜行バスでは標準的な設備となったコンセントももちろんあるので、スマホもいじり放題です。
ただ、前述の通り、カーテンは一部だけなので消灯後にスマホを使うと光で他の乗客の迷惑になるかも知れませんのでそのへんは要注意ですね。

バスはしばらく都内の一般道を走行後、三軒茶屋のあたり(カーテンが閉まっていたので違うかもしれません)で首都高に乗り、そのまま東名高速に入っていきます。
少し前まで新宿発着で西へ向かう高速バスは中央道を使うイメージが強かったですが、新東名が出来てからは東名・新東名への移行が進みましたね。


最初の、そして最後の休憩地点は足柄サービスエリアです。
全区間乗ると10時間超えですから2回位休憩があってもよさそうですが、車内にトイレもあるということで1回だけなんですかね。


道路公団時代はあくまでも休憩施設ということで質実剛健としていたサービスエリアも、民営化で今やある種のレジャースポットみたいになってきましたよね。


ただ、15分しか止まらないのでトイレに行ってコンビニで飲み物を調達するのがせいぜいですね。
まあ、時間的に夕食は乗車前に済ませている人がほとんどでしょうし問題はないでしょう。


サービスエリアでの休憩はバスの撮影タイムでもあるというw
それでは車内に戻ります。

足柄サービスエリアを出るとあとは津山まで消灯となり私も眠りに落ちるとします。
このまま岡山に着いて自宅でのんびり出来るならば徹夜でもいいですが、がっつりと活動しますからしっかり睡眠を取っておかねば・・・

そして、ふと目を覚ますとバスは中国自動車道を走っているようでした。
岡山へ行くならば山陽自動車道を通った方が早いですが、「ルミナス・マスカット号」は津山にも立ち寄るため中国自動車道を使うようです。

いつしか高速道路を降りるとまもなく津山駅に到着するという放送が始まり、数名が降り支度をはじめました。
東京と岡山を結ぶ高速バスは多くあれど、津山を経由するのはこの「ルミナス・マスカット号」と「ルブラン号」の2系統だけですから、東京~津山間を直行できる貴重な交通機関ということになりますね。

駅を出るとパーク・アンド・ライドに対応した津山パーキングにも立ち寄ったら県都岡山を目指して国道53号をひた走ります。
実は津山から岡山の間には高速道路やそれに準じるような自動車専用道路は整備されておらず、ひたすら国道を行くしかないんですね。
このおかげでJR津山線は今でもある程度の競争力を維持していて、快速「ことぶき」が走っていたりします。

岡山市内に入ると津高という停留所に差し掛かります。
ここは岡山インターチェンジの近くで、下津井電鉄が設置している駐車場を併設し、パーク・アンド・ライドが出来る停留所として設けられているようです。
地方の高速バスの停留所ってこういうパーク・アンド・ライドを前提にしたものも多いですが、日常の移動は自家用車ばかりという地域の特性を踏まえたものなんでしょうね。

続いて岡山大学筋というバス停にも立ち寄ったら岡山駅に到着します。
結局、津高、岡山大学筋での降車はなく、ほとんどが岡山駅で降りる利用者でした。


到着時もちゃんとこのように案内してくれます。
バスの終点は倉敷ですが、私はここ岡山で降ります。
ちなみに、岡山着は7時25分で、倉敷着は8時10分なので45分を要していることになりますが、JRを使うと普通列車でも15分程度なので乗り換え時間を含めても20分程度は早く着けます。
まあ、夜行バスに乗る人はあまり急いでいない人が多いのでそこまでする人はあまりいないと思いますけどねw
逆に、倉敷から乗る場合で万が一乗り遅れてしまった場合でもJRで岡山へ向かえば追いつける可能性があるという意味では覚えておいてもいい情報でしょうか。


バスはこのあと倉敷まで運行するのですぐに発車かと思ったら岡山駅で大勢降りるものだから荷物を出したりする作業に手間取ってしばらく停車するようです。


↑出発を見送ります。
倉敷までご安全に!


JRバスがやってきましたがこれは「ドリーム岡山・広島号」という路線で東京駅八重洲南口からYCATを経由して岡山、広島を結ぶ路線です。
なので、岡山は経由地点に過ぎず、この後更に広島まで走るわけです。
以前はJRバスが運行する東京~岡山間の夜行バスに「グランドリーム岡山号」がありましたが、こちらは運行終了しており、「ドリーム岡山・広島号」はこの代替の役割もあるみたいです。


チャギントンが描かれたこのバスは岡電バスで、空港リムジンバスのようです。

といったところで乗車レポートは以上となります。
このあとは岡山を起点に活動をしているわけですが、それは別記事として折ってレポートしますのでしばらくお待ち下さい。

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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