今回は大宮駅を発着する西武バスのうち、唯一東口を発着する系統となっている「大38」に乗る機会がありましたので、ミニレポになるでしょうがレポートしたいと思います。
まえがき
そもそも「大38」ってどんな路線なのかという話から入りまして、大38は大宮駅西口と東口を結ぶ西武バスの路線となっていて、同じ駅の西口と東口を結ぶというちょっと変わったルートとなっています。
西口と東口は、いくら大宮駅が大きな駅とはいえ、歩いても10分もかからず行き来できますから当然大宮駅の西口と東口を行き来するためのバスというわけではなく、駅周辺のエリアを循環運行しているものの同じ口には戻らずに反対側へ行ってしまうという路線です。
しかしながら、年々運行本数が減少傾向にあり、最盛期には毎時2本程度という時代もあったようですが、今では土日ダイヤ限定で1日1往復のみという典型的な免許維持路線と化してしまい、こういう路線って意外とひっそり廃止になったりすることもありますから乗れるうちに乗っておこうということで今回、大宮駅近辺で用事があったついでに乗車を決めました。
乗車レポート
大宮駅の栄えている方とも言われる西口からレポート開始です。
西口の駅前広場はペデストリアンデッキから直結したバス停によってちょっとしたバスターミナルを形成しています。
合理的ではありますが、直感的に乗り場の位置を把握しにくい難点はありますねw
ただし、ちゃんと分かりやすい発車案内板が設置されているので初見で分からないときはこれを頼りましょう。
私の乗る大38も案内が出ていました。
1日1本、しかも土休日のみというマイナーっぷりの割にはちゃんと行先が表示されているのは、かつてもっと頻発していた栄光の時代の名残でしょうか。
2番乗り場を使用するのは今回乗車する大38の他、指扇駅まで行く大31、ラッシュ時限定の大30といったラインナップですが、主力路線は言わずもがなで大31ですね。
ちなみに大31は以前に乗ったことがあります。
時刻表です。大31がスペースの半分以上を占めていますがその運行本数を見れば納得せざるを得ませんね。なにせ土日の日中ですら毎時2~3本は出ていますからw
大30も平日限定で朝に5本だけというマイナー路線ですが、大31の区間便という役割だと思われ、ラッシュ時の積み残し対策という意味合いが強そうですね。こっちも大宮駅西口から中並木の方を循環して大宮駅に戻ってきますが、東口には行きません。
そして、今日のメインの大38ですが、冒頭でも書いたとおり土休日のみ1日1本、しかも15時頃の運行と、実需を無視したと言わざるを得ない運行ダイヤw
路線図も掲示されており、大38もちゃんと載っていますが、バス停数だけで見ると大31と2つしか違わないんですね。
この路線図で見ると分かるように、中並木というところまで大31と重複して走り、そこから南へ進路を変えて上小、上落合といった地区を巡りJR線を越えて東口へ向かいます。
発車時間が近づき発車案内にも表示が出ました。
この時点でバス停には4~5名が待っていて、しかもバスマニアという雰囲気でもなかったので、大38も意外と使う人がいるのかななんて思いました。
加茂川団地の方からやってくる大32の幕でバスがやってきました。
これは違うバスでこのまま入庫か折返しなのかなと思っていると・・・
幕が変わって大38になりました。これが私の乗るバスのようです。
バス停にいた人のうち1名だけ乗車しましたが、残りは大31を待っていたようでバス停でそのまま待っていました。
また、運転士さんも「大宮駅東口行きです。指扇行きではありません」と念入りにアナウンスしていました。
大38が普段から普通に走っている系統ならば利用者も気をつけるでしょうが、土日に1本だけでは存在自体知らない人も多く、ここが専ら大31専用の乗り場となっていることを考えれば誤乗は多そうですよね。
正面からも撮ったら乗り込みます。
発車までの数分の間にもう数名乗り込んできて4~5名程度の乗車で発車となりました。
しばらく大宮の商業地区を抜けていきますが、今のところ目立った渋滞もなくバスは快調に進みます。中並木までは大31として乗車済みではありますが、久々の大宮の景色に懐かしいやらで意外と楽しめました。
そごうやらがあるあたりを過ぎるともう車窓からは「大宮感」があまりしなくなった気もしますが、郊外の景色なんていろんな街を見てきた自負がありますが結構画一的ですしねw
いよいよ大31との重複区間が終わって中並木を過ぎました。ここまでは大31の他、二ツ宮・加茂川団地・さいたま新都心駅方面の路線も重複しているためバスの本数は非常に多くなっており、時刻表を見る必要がないほどの高頻度運行となっていることもあってかこの区間での乗り降りは皆無でした。
ちなみに、中並木の1つ手前のバス停は「並木中」というのですが、紛らわしいことこの上ないw
隣のバス停同士ですから最悪間違えてしまっても徒歩でカバーできる範囲だとは思いますが、これはちょっとどうなの?w
この鋭角カーブを華麗なハンドルさばきで曲がると「三橋三丁目北」となります。大30はこの1つ先の並木南町からこの通りに出てきて中並木へ抜けたら、大38が通ったルートで大宮駅西口に戻りますから、大38の単独区間というわけではないですが、大30は平日のみ、大38は土休日のみということで基本的に同時に走ることはありませんから1つの路線しか利用できないという意味では単独区間ですね。
なお、隣接して別路線のバス停もありますから、日常的にバスを使う人はそちらまで歩いているのでしょうかね。
その先「かみこ公園南」「住宅前」と行きますが、この2つは加茂川団地方面の大39が利用可能な上、大38より直線的なルートで大宮駅に出られますから大38の存在意義は乏しいと言わざるを得ません。
首都高へ通じるランプが見えてきました。大宮周辺の地理に詳しい方なら分かると思いますが、大宮駅から首都高って結構距離がありますから西口側は結構足を伸ばすルートであることが分かりますかね。
住宅前から左折して広い通りに出ますがここからがいよいよ大38単独の区間となり、大38以外の路線バスが存在しない区間となります。
写真は上小小学校というバス停ですが、大宮駅近辺でバスが1日1本、しかも土日のみというバス停があるという意味ではすごいネタですねw
しかし、バス停の案内のスッカスカっぷりw
このあたりでほとんどの乗客が降りてしまい、最後には私だけになりました。
上落合九丁目というバス停ですが、ここから渋滞にハマり歩いたほうが早いのでは?というペースでしか進まなくなってしまいました。
この先は埼京線・東北新幹線・東北本線・京浜東北線といった線路群の高架をくぐってJR線の東側へ出ます。
これは東口発着の大38ならではの体験ですね(だからなんだと言われそうですがw)
線路の東側に渡ってからも吉敷一丁目・仲町と2箇所のバス停を経て大宮駅東口へ出ますが、こちら側はひどい渋滞で歩道を歩く歩行者とさえ抜きつ抜かれつを演じるほどでしたw
しかし、ダイヤは相当余裕を持ったものになっているようで大宮駅東口へは数分の遅れで到着となりました。
全区間乗り通したのはもちろん私だけw
東口はバスロータリーと言った交通結節点としての設備が貧弱のようで、バスがまるで路駐しているかのように並べて待機or発着していました。
東口は国際興業バスが主力となっており、東武バスも混じって走りますが、西武はこの大38が唯一であり、東口で西武バスを見られる事自体がかなりレアと言えるでしょう。
私を降ろしたバスはそのまま駅前広場に乗り入れてバス停で待機していました。
幕も抑えておきます。それにしても、フルカラーLEDはいいですねぇ
さて、ここで悩んだのはこのまま帰るか、西口までもバスで行くかです。
しかし、このあとの用事はそんなに急がなければならないものでもありませんでしたし、ここは即決で西口までも乗車決定ですw
なにせ乗車機会の限られる路線ですし、往復乗車できるのにしないで帰るのはあまりにも勿体無い話ですw
というわけで折り返し乗車ですが、当然運転士さんは先ほどと同じ人・・・怪訝な顔をされるかなと思いましたが至って普通の対応でした。典型的な免許維持路線とあってはバスマニアが乗りに来る頻度も高く、運転士さんもこのような乗り方をする乗客にも慣れてしまっているのかもしれませんね。
ちなみに、今度は乗客は私の他には1名だけとなりました。
駅を出ると国際興業バスがずらりと並んでいて西武バスはちょっと肩身が狭そうw
そんな状況にバツが悪いのか、少し進んだら右折して仲町を目指します。
渋滞は反対車線に偏っているようで今度は割とスムーズに進みました。
広い通りをほぼノンストップで進んで首都高のランプが見えたら右折して中並木からはバスひしめく中を進むわけですが、私の他に唯一の乗客だった1名がかみこ公園南あたりで降りたあと、上小町あたりで何人か乗ってきたくらいで特に書くこともなくあっけなく大宮駅西口に着きましたw
正直に言うと、中並木からは何度か乗っている区間になるので新鮮味がなかったのもありますね。
とはいえ、往復乗車を達成してよかったです。
最後に
乗車レポートは以上となるのですが、この大38について軽く考察みたいなことをしてみたいと思います。
まず、ここまで本数が減ってしまった理由ですが、路線の半分くらいのバス停は他の系統も利用可能だったり、近隣に別のバス停があるという条件であり、大38に依存する理由もないことに加え、単独区間となる東上小町~大宮駅東口についても、大宮駅で商業施設が発達している西側へのアクセスでは遠回りであり、徒歩や自転車が有利になるケースが多いと想像されること、東口へのアクセスでも渋滞を考慮するとやはり徒歩や自転車が有利になりうることなどでもともと安定した利用者が少なかったのではないかと推測します。
また、少し南へ行けば北与野駅やさいたま新都心駅へ向かうバスの通りにも出ますから、そちらまで歩いてバスを利用する人も多かったのかもしれません。
ちなみに、大38は2017年4月1日の改正までは毎日3往復走っていて、大38単独区間の利用者も一応はまともな利用が可能なダイヤだったのですが、同改正より現在の土日のみ1往復に改められており、買い物など実用的な目的で使うのは困難なダイヤになってしまいました。
実際、利用者は少なかったのでしょうが、東口の渋滞により運行効率の悪さや、昨今の運転士不足がこのような状況の遠因にあるのかもしれません。
このような免許維持路線ですが、この1往復が乗り入れていることによって、西武バスが大宮駅東口に乗り入れる実績が維持できるわけで、将来的に東口発着で西武バスが関与する路線が開設される場合には有利に働く可能性はありますし、当分温存される気はします。
とはいえ、鉄道でもバスでも「乗れるうちに乗っておけ」が鉄則ですし、興味のある方は早めにチャレンジしてみては?
というわけで、このレポートは以上!
次はまたしても長い遠征になりましたが、順番を前後させるかもしれませんので、何のレポートが来るかは更新してのお楽しみということでw
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