「花咲くあたみ満喫号」で行く熱海・箱根の旅(1日目)

今回は甲府~熱海間で臨時運行された特急「花咲くあたみ満喫号」に乗車するべく熱海に出掛けました。
小田原に一泊し、現地では乗りバスを中心に活動をしました。
詳しい説明は後段の「本日の行程」の中で行いますが、時系列としては「中央線河口湖行きを乗り通す!」の続きとなります。

本日の行程

初日となる今日は甲府駅から臨時特急「花咲くあたみ満喫号」に乗車し、熱海まで行ったら東海バスで湯河原へ、更に伊豆箱根バスで真鶴へ行ったら東海道線で小田原へ向かい、最後は箱根登山バスで国府津へ向かい、そこで甲府行きの「花咲くあたみ満喫号」を撮影したら東海道線で小田原へ戻り宿泊します。

まずは「花咲くあたみ満喫号」で熱海へ


それでは早速今回のメインとなる「花咲くあたみ満喫号」に乗るところから本編スタートです。
最初に「花咲くあたみ満喫号」について解説しておくと、2022年1月22日・23日に運転された臨時列車であり、甲府~熱海間で運行されました。
使用車種はE257系で、運行経路は甲府~立川間が中央本線、立川~府中本町間が南武線、府中本町~鶴見間が武蔵野線、鶴見~小田原間が東海道貨物線、小田原~熱海間が東海道本線となっています。
使用車種は特段ネタでもないE257系ですが、運行経路が変わっていて、中央本線と東海道本線を直通する列車というのはそれだけでかなり珍しいです。
また、府中本町~鶴見間で走る武蔵野線は通常は貨物列車しか走らない区間であり、そこを乗車できる列車という点や、鶴見~小田原間は通常は貨物列車用の線路を走行するなど、走行ルートが変わっている列車と言えます。
このため鉄道ファンからも注目を集めた列車だったのですが、運良く指定券を入手できたため乗車することが出来ました。

列車の本来の趣旨としては中央本線沿線の山梨県内から小田原・湯河原・熱海などへ観光へ向かう利用者へ向けた列車だと思われますが、甲府~熱海間で考えると実は身延線で富士へ出て東海道本線で熱海に抜けるルートのほうが早いらしく、大月や八王子あたりから小田原・熱海への移動で真価を発揮すると言えると思います。

解説はこれくらいで本編に進むとしましょう。


というわけで甲府駅です。
駅構内にも「花咲くあたみ満喫号」のPRが貼られていました。


発車標です。
通常の列車の表示とはフォーマットが違うようですが、臨時列車らしくていいですね。


甲府駅で熱海行きを見られるのはなかなかないですよ。


ちなみに、身延線経由の特急「ふじかわ」が「花咲くあたみ満喫号」の40分ほど後に出るのですが、富士駅で東海道本線普通列車に乗り継ぐと熱海に11時23分に到着し、一方の「花咲くあたみ満喫号」は熱海に11時17分に到着するので流石に逆転されることはありませんが、40分の差があったのが6分差にまで詰められてしまっているわけで、やっぱり一旦立川・鶴見まで行ってから東海道本線に入るルートは遠回りだということが分かりますね。


ホーム上の発車標です。
表示内容は先程と同じですね。


こうしてみると定期「あずさ」の10分後を追いかけるダイヤなんですね。


ちょうど211系普通列車が停車中でした。
首都圏ではもう見ることができなくなった形式ですが、ここではまだまだ主力として頑張っていますね。


↑発車するところだったので動画を撮りました。


駅名標を撮っておきましょう。


ホームです。
中央本線用の2面3線+身延線用の1面2線と、山梨県庁所在地に相応しい規模の駅となっています。


甲府周辺は盆地のため平らな地形ですが、遠くに目をやると山梨という県名に反して周囲は山だらけです。


↑211系普通列車が入線してきました。


↑続いて「花咲くあたみ満喫号」の先行列車となる「あずさ」がやってきました。
かつては「あずさ」もE257系によって運行されていましたが、今はE353系ばかりになりましたね。

そして、いよいよ・・・


↑「花咲くあたみ満喫号」の入線です。

前述の通り、E257系は元々中央本線の特急列車用の車両でしたから甲府駅で見られるのは少し前まで当たり前の光景でしたが、今はこうして臨時列車でしか見られなくなりましたね。
また、今回使用されるのは5500番台と呼ばれるタイプで、185系が担っていた波動輸送の役割を引き継いだ編成となっており、中央本線を走っていた頃とは塗装が変わっています。


もちろん写真でも撮ります。


中央本線の211系と並べて


側面の幕は「特急」だけのちょっと寂しい表示でした。
まあ、特急「おうめ93号」とかでも同様でしたし、臨時列車では「特急」とか「臨時」という表示だけでお茶を濁す方針なんでしょうねw


車内に入りました。
思ったよりは乗車率が低めだと思いましたが、それでも窓際はほとんど埋まっているようでしたね。


そういえば、各座席にこんなものが置いてありました。
この手のイベント列車にありがちな乗車記念品だと思いますが、走行中に乗務員が配るのではなくて、最初から座席に置いてあるパターンは初めてでしたw
まあ、この方が乗務員の手間は省けるんでしょうね。


↑車窓は動画でどうぞ
全区間で3時間10分となりますので、モバイル回線などの方はデータ通信量にご注意下さい。

それでは発車です。
臨時列車なので自動放送はなく車掌さんによる肉声放送となりますが、これはこれで味があっていいですね。
また、放送によると「花咲くあたみ満喫号」の運行を記念したスタンプラリーをやっているらしく、車内で配布した台紙(記念品の中に入っていました)に小田原駅・湯河原駅・熱海駅のいずれかの駅スタンプを押し、甲府駅に戻ってくると記念品をもらえるらしいです。

停車駅ですが、甲府を出ると石和温泉・山梨市・塩山・大月・八王子と停車していきます。これは「かいじ」や朝晩の「あずさ」など一番停車駅が多いパターンの特急に準じた停車駅ですね。

車窓風景としては塩山あたりまでは甲府盆地ですが、そこから勝沼へ大きくカーブしながら駆け上がり、撮影スポットとしても有名な笹子峠を越え、大月へ至ります。
大月は富士急行線との乗り換え駅であり、かつ「花咲くあたみ満喫号」のダイヤの関係上、東京周辺に住む方が甲府から乗車しようとすると前泊が必要になりますが、大月からなら新宿発の朝一番の「あずさ」に乗ってくれば追いつけるため前泊は避けたいけどできるだけ長く「花咲くあたみ満喫号」に乗りたいという方は大月からの乗車という選択肢があるわけで、実際大月から乗る方がそこそこいました。
また、甲府から乗っていたのは乗り鉄っぽい人たちばかりでしたが、このあたりからは普通に熱海へ観光へ行くであろう人たちも見受けられました。
やっぱり甲府からだと身延線経由の方が早いということもあって一般利用は少なめだったんですかね。

大月を出ると次は八王子です。
このあたりは中央自動車道・国道20号と絡み合うように走る区間であり、車窓からは2つの幹線道路がよく見えます。
特に中央自動車道は斜面にへばりつくように通っているので見ていて面白いですよね。

ちょっとだけ神奈川県をかすめて小仏峠を超えると高尾を通過し、東京都内に入ります。
中央本線の特急であれば、ここから先は新宿までの僅かな時間で旅の余韻を味わう区間ですが、今回はここから先がメインと言ってもいいですからね。

八王子に到着するとここでもまとまった乗車がありました。
普段八王子から東海道本線へ向かうには横浜線で横浜まで行くか、一度中央線で新宿か東京まで出て東海道本線に乗るかしかないなか、直通で行ける便利な列車ということで八王子からの乗車が多かったものと思いますが、明らかに乗り鉄という人たちもいましたねw
東京周辺から乗りに行くなら八王子から乗るのが一番楽ですし、この列車の一番面白い区間は八王子から先ですからね。

八王子を出ると次はなんと小田原までノンストップです。
なので、新宿行きと思って間違って乗ってしまった人が居たら悲惨なことになりますが、その点は駅でも念を押してアナウンスしていました。

ところで、立川に停車しない設定となっていたことからかつての特急「はまかいじ」のように横浜線経由で東海道本線に入るのではないかと予想していた人も居たようですが、横浜線からは京浜東北・根岸線の線路にしか繋がっておらず小田原方面へ抜けるためにはそのまま根岸線経由で大船まで行く必要がある上、京浜東北・根岸線はATCという保安装置を使用しているのですが、今回使用されるE257系5500番台にはATCが搭載されていないためそもそもこの経路で運行することは不可能なのです。
となると南武線・武蔵野線経由が有力となり、実際に青梅線から鎌倉方面への臨時列車なんかもこの経路を使っています。
私もここまでは予想できていたのですが鶴見から先が予想外でした。(後述します)

八王子を出ると立川までもう少し中央本線を進みます。
その間の多摩川橋梁は鉄道写真の名所とあって、大勢の撮り鉄の三脚が並んでいましたw

そして、列車は立川に到着です。
時刻表の上では通過駅となっていますが、運転停車という形で停車するようです。
ただ、気になったのはホームがある線路に入線していたことです。
運転停車とするからにはホームがない線路を使って南武線に入るのかと思っていたんですが、これなら停車させたほうが青梅線や多摩都市モノレールからの利用者も乗りやすいのにって思いました。

しばらく停車した後、列車は南武線に進みます。
南武線も普段は特急が走ることはない路線ですからレアですよね。
途中の駅や沿線でも「花咲くあたみ満喫号」にカメラを向けている人たちが多く見られました。
その南武線を走るのはほんの少しで、府中本町からは武蔵野線に入ります。
武蔵野線は一般的には府中本町~南船橋・市川塩浜間の路線として認識されているかと思いますが、実は路線自体は鶴見まで続いていて、府中本町~鶴見間は通常は旅客列車は運行されておらず、貨物列車専用の路線として使われています。
この区間は武蔵野南線とか武蔵野貨物線と呼ばれることもあり、このような臨時列車でしか乗車する機会がないため、首都圏近郊にありながらなかなか乗車できない路線の1つとなっています。

ただ、この武蔵野貨物線の区間はその大部分がトンネルとなっており、せっかく車窓を撮ってもほとんどが真っ暗闇というオチが付くんですけどねw
まあ、その分時折トンネルから出た時に見える景色がぜんぜん違うところに出てきたワープ感が出て楽しいのもありますが。

まず最初の明かり区間は京王相模原線の稲城駅付近となりますが、これはほんの一瞬なので気をつけていないと気づかずに通り過ぎてしまうでしょう。
その先では小田急小田原線と交差しますが、武蔵野南線は地下トンネル内での交差なのでその姿は全く見えません。

続いて地上に顔を出すのは梶ヶ谷付近であり、このあたりで東急田園都市線と交差していますが、交差地点自体はトンネル内なので車窓からその姿は見えません。
この明かり区間には梶ヶ谷貨物ターミナル駅がありますが、貨物駅なので旅客列車は一切停車しません。

再びトンネルに入り次に外に出るとそこは新鶴見信号場であり、付近には湘南新宿ラインと横須賀線が停車する新川崎駅もあります。
ここでようやく馴染みのある車窓が戻ってきますが、ここから先は湘南新宿ライン・横須賀線が使う高架の線路と、貨物列車用の地上を走る線路の2つが並走したまま鶴見まで進みます。
なお、JRと相鉄を直通する電車もここを通るので、この区間は相鉄-JR直通電車に乗れば体験できます。

さて、先程も少し触れましたが、鶴見から先が予想外でした。
というのも、鶴見からは東海道本線の旅客線(上野東京ライン)に入ることが可能な構造なため、普通にここから先は東海道本線の旅客線を通って熱海まで行くと思っていたのですが、列車は鶴見で運転停車をした後、再びトンネルに入っていったのです。
旅客線を通るならばこの付近にトンネルなんてないはずです。
なのにトンネルってことは・・・貨物線か!?

鶴見から先は桜木町へつながる高島線と横浜羽沢駅経由で戸塚へ出る羽沢線に分岐しますが、羽沢線は東海道本線と並走していることから時々旅客列車でもここを通るものが設定されることがあり、「花咲くあたみ満喫号」も羽沢線経由で運行されるようですね。

ちなみに、横浜羽沢駅付近にある羽沢横浜国大駅までは相鉄直通の電車が走るため普通に乗車する機会がある区間ですが、横浜羽沢駅から先は定期列車では特急「湘南」でしか通ることが出来ず、沿線以外の人は乗車が難しい列車とあって、「ホリデー快速鎌倉」など運行頻度が高い列車が走行する武蔵野南線よりも乗車のハードルが高い路線となっています。

列車はトンネルを一瞬抜けると横浜線の大口駅付近を通過します。
トンネルを抜けると今度は横浜羽沢駅となりますが、その手前で相鉄直通の電車は分岐していき羽沢横浜国大駅に向かいます。
ここから先は特急「湘南」以外には運行機会が少ない列車しか走らないため本当にレアな区間となります。

西谷付近で相鉄本線と交差するとまたトンネルに入り、次にトンネルを抜けると東戸塚駅付近に出ます。
このあたりは上野東京ラインの線路と湘南新宿ライン・横須賀線の線路に加えて貨物線もあるため6本の線路が並行したまま大船まで行く区間となっており、線路が並ぶ光景は圧巻ですね。

大船を過ぎると上野東京ラインと貨物線が並行する複々線となり小田原まで進みます。
ここから先は完全に並行しているため貨物線経由といっても車窓は普段見る東海道本線の景色と変わらない気もしますが、進行方向左側の席に座っていたため旅客線を見ながら進むというのはやっぱりレアだと思いました。

この区間は特急「湘南」のために藤沢駅と茅ヶ崎駅にだけホームが設けられていて、それ以外はホームがないのですが、「花咲くあたみ満喫号」は小田原まで停まらないので関係ありませんw

この区間は別に旅客線経由でもよかったのではないかとは思いますが、小田原までは一般の電車の本数も多いので臨時のスジを引くのに貨物線経由の方が楽だったんですかね。
そのため、「花咲くあたみ満喫号」は臨時列車にしては飛ばして走っていました。

そして、列車は小田原駅に滑り込みます。
ここで降りていく人も若干いましたが、やはりメインは湯河原・熱海ということでほとんどは引き続き乗車します。

小田原を出るとここまで複々線だった線路は複線に収束し、カーブや勾配の多い区間となり、路線の表情が大きく変わります。
特に根府川駅前後の相模湾を見下ろす景色は東海道本線における車窓のハイライトですよね。
私もこの景色を楽しみに進行方向左側の席を選びました。

湯河原駅に停車したら最後の1区間を走り熱海駅に到着します。
小田原~熱海間は特急「踊り子」に乗っているような気分でしたが、最後の最後で相模湾の絶景が待っているというのは演出としては最高ですね。
編成をくねらせながらトンネルを抜けて列車は湯の町熱海に到着します。


列車を降りたらもちろん撮影タイムです。
みんな考えることは同じで列車の周りには人だかりが出来ていましたw


ふと発車標を見ると・・・
おお、LED職人さんの仕事ですねぇ~


こんなお出迎えをしてもらえるとは「花咲くあたみ満喫号」に乗りに来た甲斐がありました。


無理やり駅名標と絡めて・・・


編成写真で


211系が入ってきたので並べました。
そういえば、甲府でも211系と並んでいましたが、違う塗装なのが「花咲くあたみ満喫号」の直通区間を物語っていていいですね。


↑そして、「花咲くあたみ満喫号」の回送です。
折返しの運行まで来宮あたりで待機するんでしょうね。


↑最後に211系の発車を見送ります。
JR東海が後継となる315系の投入を発表した今、211系も遠からず見納めですからね。
撮れるうちに撮っておかねば・・・


改札を出るとつり革を使った短冊(?)がありました。
こういう手作り感のある展示物は好物です。


更に「花咲くあたみ満喫号」の特急券を持っている人ならこんな特典もあるようです。
これはかなりの力の入れようですね。


観光用の周遊バス「湯~遊~バス彩」を見たら・・・


ここでお昼ごはん!
伊豆の玄関口の熱海に来ているのだからやっぱり海鮮系を食べたいと歩いているとお刺身食べ放題という看板に惹かれて入店した「おさかなパラダイス」というお店でした。
食べ放題なので乗せるネタは自分で選べるのは釧路の勝手丼みたいですが、正直そんなに食べられなかったので元を取るのは厳しいなとも・・・w

さて、腹ごしらえが済んだら・・・

東海バスA51系統 熱海駅→湯河原駅

ここからは乗りバス編となります。
「花咲くあたみ満喫号」はこの手の臨時列車にしては珍しく同日に往復とも運行されるのでこの日のうちに甲府に戻ることも出来たのですが、せっかく行くのならば現地で何かしたいと小田原に宿をとって乗りバスすることにしたのでしたw


こういう狭くて低い地下道に惹かれるのは私だけでしょうか?w


熱海駅には結構立派なバスターミナルがあり、バス待ちの間も色んなバスが見られて暇をしません。


こちら、熱海梅園行きの熱12系統ですが、方向幕に梅の花が描かれているのは細かいですよね。
「花咲くあたみ満喫号」の列車名の由来だと思われる梅園ですが、今回は行きませんw


MOA美術館行きの東海バス


またまた伊豆箱根バス


私の乗るバスかと思ったら違う系統でした。


しばらくして私が乗るバスがやってきました。
ただ、方向幕は逆方向のものでしたし、発車直前に到着してすぐに出発だったのでこれ以上の撮影はできませんでしたw

さて、このA51系統についてここで解説を入れておくとしましょう。
A51系統は熱海駅と湯河原駅を結ぶ系統で、区間便として伊豆山までのA52系統も存在します。
全線に渡ってJR東海道本線に並行するルートではありますが、JRの駅間が長いので駅の中間の地区をカバーする路線として共存出来ているのだと思います。
経路の大半は国道135号であり、大部分で車窓から相模湾を望むことが出来ます。
沿線には温泉地の熱海らしく温泉旅館やリゾートホテルが点在しているため観光客の利用も多い路線のようで、実際観光客と思われる利用者も結構いました。

また、伊豆山と聞いてその名前に聞き覚えがあるという方も居たかもしれませんが、去年(2021年)の夏に発生した豪雨災害で大規模な土石流被害を受けた場所であり、全国ニュースで「伊豆山」という名前が繰り返し伝えられました。
死者26名を出す惨事となったこの災害では土石流の起点となった場所に違法な盛土がされていたことも問題になりましたが、被害は交通にも及んでおり、国道135号や山側を走る熱海市道も寸断され、東海バスの運行にも影響が出ており、適当な迂回路もないことから湯河原・伊豆山方面のバスは道路の復旧までの間運休となっていました。
また、東海バスの路線バスもこの土石流に巻き込まれたようです。
災害から半年を経た現在は道路も復旧されバスも平常運行に戻っていますが、未だに元の生活に戻れていない方もいるのかもしれませんし、被害に合われた方にはお見舞い申し上げます。

さて、乗車レポートに戻りますと、熱海駅の時点で座席のほとんどが埋まる程度には混んでいました。
まだホテルにチェックインするには少し早い時間帯ですが、観光客もいました。


↑車窓は動画でどうぞ

熱海を出発したバスは足川から国道135号に入ります。
沿線にはいくつものホテルや旅館の看板が見え、その中には以前に泊まったことのある場所もあり、何だか過去の旅行を思い出して懐かしくなりました。

このあたりは幹線道路の割に狭くてクネクネした道路となっており、特にバスの運転は大変そうな道ですが、乗っているマニア視点では楽しいですねw
また、海側は一気に急傾斜で海に落ち込む地形になっていますが、海岸線ギリギリには「熱海ビーチライン」という有料道路が通っており、国道135号よりは線形がいいことや海沿いすれすれを走るため景色の良さが売りの道路となっていて、私もレンタカーでは通行したことがありますが、残念ながらここを通る路線バスは存在しないため、この景色はマイカーやレンタカーを利用できる人だけの特権となっています。

あと、時折渋滞する箇所がありましたが、時間帯的に小田原方面が混むのは伊豆観光を終えて東京方面へ帰る人達が集中する夕方ぐらいからなのにおかしいなと思っていたら道路工事で片側交互通行になっていたためのようでした。
このためバスは5分程度遅れましたがもともと湯河原ではそんなにギリギリの乗り換えにはしていないので何とかなるでしょう。


バスは湯河原駅に到着しました。
電車ならば1駅で5分程度のところ、バスは30分近くかけて走りましたw
まあ、あれだけクネクネした道路でスピードも出せませんし、一方鉄道はトンネルを駆使して線形が段違いにいいので仕方ないですね。


地元の豪族の土肥氏の銅像だそうです。
この手の銅像にしては珍しく夫婦揃って鎮座しています。


湯河原駅は湯河原温泉の玄関口とあって足湯ならぬ手湯が駅前にあります。
誰でも自由に利用できるんですが、湯量が少なくてかえって寒く感じてしまうこともあって少しだけ手を入れてすぐに立ち去る人が多かったようなw


中はこんな感じです。
確かに温かいお湯が出ていますが、湯量が少ないせいで冬場は気化熱で冷やされる方が強くなってかえって寒くなってしまうんですねw


記念撮影用にスマホやカメラを置くための台が用意されていました。


奥湯河原温泉へは路線バスが出ています。
この奥湯河原方面はその先で湯河原パークウェイと繋がっていて箱根へ抜けることができ、1日1本だけですが箱根へ行くバスもあったんですが、今はコロナの影響で運休となっています。
このまま廃止になるような気がしなくもないですが、復活してくれたら乗りに来たいと思っています。


奥湯河原行きは伊豆箱根バスも運行していて、箱根登山バスとの共同運行になっています。


地元住民向けのコミュニティバスもあり、それにはポンチョが充当されるようです。


4番乗り場はゆずり葉団地行きです。
ゆずり葉団地は熱海市にあるので静岡県ということになりますが、県境をまたいで団地と駅を結ぶ路線というのはなかなか面白いですよね。
ところで、ゆずり葉は植物の名前だと思いますが、正月飾りに使う縁起の良い植物ということで団地名に採用されたんですかね。
まあ、よくある瑞祥地名でしょうけど、ユズリハを漢字表記する場合は「楪」もしくは「杠」という表記もあり、後者の方の「杠」はアニメ「Dr.STONE」のキャラ名になっていますね。
私はそのおかげでユズリハという植物についても知っていましたw


私が次に乗る真鶴行きも出る5番乗り場です。
小田原駅の名前もありますが、箱根登山バスが平日のみ1日1本を運行するだけとなっており、実質免許維持路線となっています。


時刻表です。
真鶴行きについてはご覧のように1時間に1本程度は出ているんですが、実は私が次に乗ろうとしているのは伊豆箱根バスなんです。
ところが、これは箱根登山バスの時刻表であり、しかも私が乗ろうとしている15時00分発はここには載っていません。


隣に伊豆箱根バスの時刻表も貼ってありました。
はい、なんと伊豆箱根バスの真鶴行きは1日1本しかありませんw
土日も運転があるだけ箱根登山バスの小田原駅行きよりはマシですが、この本数では地元の方も存在を知らない人もいそうですw

実際、私がバス停で待っていると見知らぬお年寄り(恐らく地元民)に声をかけられ、何分のバスを待っているのかと聞かれました。
箱根登山バスの真鶴行きは15時35分までなく、私はまだ30分以上あるのにバス停で待っている人に見えたんでしょうね。
しかし、15時発を待っていると説明すると、そんなバスがあるんですか?となり、時刻表を示すと本当ですねと納得して一緒にそのバスを待つことになりました。

伊豆箱根バス湯06系統 湯河原駅→真鶴駅

それでは乗りバス2本目となる伊豆箱根バスの湯06系統です。
前述の通り、1日1本しか走らないレア系統となっていますが、実は箱根登山バスが全く同じ経路(停車するバス停も同じ)で同区間を運行していて、そちらは1時間あたり1本程度の本数が出ているため、路線自体はそんなにレアではありません。
となると1日1本だけ伊豆箱根バスが走っている理由が謎ですが、おそらくは真鶴駅からケープ真鶴までの真13系統などが伊豆箱根バスによって運行しており、この湯06系統が無くなると伊豆箱根バスの路線図としては孤立してしまうためそれを避けるためとかでしょうか?

これが朝イチに真鶴行きで夜に湯河原行きが走るみたいなダイヤだったら、真鶴地区の路線の車両を熱海か湯河原から送り込むついでに走っているという仮説も成り立ちますが、真鶴行きが15時という設定ではそれも考えられませんし、いまいちこれだという仮説は思いつきませんでしたw
また、並行して箱根登山バスが走っていることもあってかバスマニアの注目度も低いようで、他のバスマニアの方がまとめたような記事も見つけられませんでした。


バスがやってきました。
幕が綺麗に写りませんでしたが辛うじて読めるので良し!w


横の幕を撮ったら乗車します。


↑車窓は動画でどうぞ

さて、それでは発車です。
今回も走行経路の殆どが国道135号であり、さっきの他A51系統の続きみたいな感じがします。
ただ、A51系統ほどは観光客の利用がないようで車内は地元の方が数名だけという感じでした。
まあ、伊豆箱根バスだけ時刻表が別になっていて存在感がないのでそもそもこの時間にバスがあることを知らなくて乗ってこないだけで、箱根登山バスの方はもっと混んでいるとかあるかもしれませんけどね。

吉浜橋というところで道路は国道135号の現道と真鶴道路が分岐していきます。
真鶴道路は有料道路であり、国道135号はもちろん無料ですが、バスは国道135号へ進みます。
余談ですが、実は現在国道135号の現道となっている道路も元々は真鶴道路として建設された経緯がありまして、ではそれ以前の国道135号はというと、現在神奈川県道740号小田原湯河原線となっている道路がかつての国道135号でした。

しかも、それはそこまで古い話ではなくて2008年までは現在の国道135号現道がまだ真鶴道路として有料だったため、それまではこの県道が国道135号に指定されていたそうです。
そして、現在の真鶴道路となっている道路は1982年に完成しており、1982年から2008年までは最初に開通した真鶴道路(旧道)と、現在真鶴道路を名乗っている真鶴道路(新道)が併存状態となっており、旧道と新道で通行料が違っていたそうです。

それが旧道は2008年を持って無料開放され国道135号に編入され、新道だけが真鶴道路として引き続き有料道路となっているのです。

だいぶ話が脱線しましたが、バスの方は乗車時間が短いのと福浦から先は道路が内陸へ進むため海も見えなくなりあとはそれほど見晴らしがいい区間がなくあまり書くことがありまえんw
土日なので渋滞が気がかりでしたが、時間帯的にまだ伊豆からの帰りの渋滞は始まっていないようでした。

舟付というところから元々の国道135号だった県道740号に入って行きます。
バスが旧道を使うのはあるあるですよね。
一旦JRの線路を越えてから再度ガード下をくぐり国道135号に復帰したらもう真鶴駅はすぐそこです。


真鶴駅に到着です。

バス旅は一旦切り上げてここからは電車で小田原へ抜けます。
実はこの先も東海道本線へ沿って小田原方面へ行くバスがあるにはあるんですが、曜日がアウトでした。
というのは、ここから真鶴町コミュニティバス岩線で石名坂というところまで行き、そこから箱根登山バスによる小田原行きに乗り継ぐというルートがあるんですが、問題は箱根登山バスの方でして小田原~石名坂間は平日のみの運行となっており、土休日は走っていません。
なので、土日でここからバスで行ける限界は真鶴までということになるわけです。

真鶴から小田原まで電車移動

というわけで電車に乗るのですが、真鶴駅は初めて訪れるのでここで軽く取材をしていきましょう。


とはいえそんなに時間があるわけではないので軽くですがw
早速改札に入ります。


ホームへは地下道でアクセスするようですね。


真鶴も観光利用がそれなりにあるでしょうし、バリアフリー対応もしっかりされていました。


ホームは1面2線とシンプルなものとなっています。
そういえば、湯河原には特急「踊り子」の一部が停車しますが、真鶴については特急は停車しないんですよね。
どうやら昔は特急も停まっていたらしいんですが、快速「アクティ」が出来ると入れ替わりで「踊り子」は停まらなくなり今に至るようです。
その「アクティ」は現在は夜間の下りのみとなってしまい、観光で使える列車ではなくなっていますがその代替は特になく、東京から直通で来るには普通列車しかないようですね。


ホームは1面2線ですが、側線もありまして、車両の留置などに使われることがあるようです。


駅名標です。


縦型


支柱タイプのものも


駅からも僅かにですが海が見えるんですね。


県道の青看が見えました。
元々国道135号だっただけに当然小田原へ抜けられますが、根府川から先は国道135号現道に合流するため旧道自体は根府川~湯河原間のみとなります。


↑ここで貨物列車の通過です。
東海道本線は貨物列車の本数が多いので貨物列車を撮るにはうってつけですね。


↑また通過列車だというのでカメラを構えたらE257系が見えました。
どうせ「踊り子」だろうと思ったらよくみたら塗装が違うのであれ?と思ったら先程乗車した5500番台ではありませんか。

どうやら折返しの「花咲くあたみ満喫号」の送り込みなんでしょうけど、真鶴を通過するということはずっと来宮に置きっぱなしではなく一旦根府川か国府津あたりに持って行っていたんでしょうね。

思わぬ遭遇にテンションが上りつつぼちぼち小田原方面の電車の時間なので移動開始です。
どうせE231系だったので撮影すらせずに小田原へ10分ちょっとの乗車です。


小田原にやってきました。
ここが宿泊地でありもうチェックイン可能な時間ですが、せっかくなのでもう少しネタを回収していきましょう。
というわけで・・・

箱根登山バス 小田原駅東口→国府津駅

最後の乗りバスは箱根登山バスの国府津行きです。
特に系統番号はないようですが、日中でも15分ヘッドで走る主力路線の1つです。
東海道本線に完全に並行していますが、このあたりも駅間が長いので鉄道とは上手く棲み分けているのでしょう。
また、箱根登山バスの親会社である箱根登山鉄道とも関わりが深いルートでして、実はかつて箱根登山鉄道は小田原市内線という路面電車を走らせており、それが国府津から小田原を経て湯本へ至っていたのです。
なぜ国府津までの路線を持っていたのかというと、東海道本線が最初に開通したときは現在の小田原・熱海経由ではなくて、現在の御殿場線である松田・御殿場経由で沼津へ行っていて、小田原を経由しなかったため、それと接続する目的で国府津から路面電車を走らせていたということになります。
しかし、東海道本線が現在の小田原経由となると国府津~小田原間は並行することになるため箱根登山鉄道としては廃止となりました。
その後を継ぐのがこのバスなわけで、そういう鉄道のルートを継ぐバスというのは大いに興味を惹かれます。

ちなみに、有名な「鉄道唱歌」の東海道編では、「国府津おるれば電車あり 酒匂小田原とおからず」と歌われていますが、この”電車”というのが箱根登山鉄道の小田原市内線というわけです。


というわけで乗車レポートに進みます。
バスは既に乗り場で待機中でした。
そういえば、箱根登山バスには何度か乗っていますが、この塗装は初めて乗りますね。
箱根の山へ向かう路線とそれ以外でバスの色が違うんでしょうか。


後ろから


横の幕を撮ったら乗り込みます。
車内は帰宅途中と思われる人達が乗っていてなかなかの乗車率です。

なお、今度はもう夕方で薄暗くなっていたこともあって車窓の動画はありません。
ご了承下さい。

小田原駅を出ると市民会館前というところから国道1号に入ります。
箱根町港からやってくるH系統はずっと国道1号経由なのでその続きという感じもしますね。
山王橋で天下の国道1号も2車線道路になってしまいますが、この区間のバイパスとして西湘バイパスがあるので現道の拡幅は進んでいないのでしょうね。
酒匂橋で酒匂川を渡ると鴨宮方面のバスはここで別れていきます。
途中には「一里塚」といういかにも古い街道筋を進んでいることを実感させるような名前のバス停もありつつ西湘バイパスの国府津IC付近を通過します。
国府津駅は国道1号の沿線にあるため国道を外れるとそのまま駅前広場に入っていき国府津駅に到着します。
こういう鉄道の流れを汲むバスに乗ると廃線跡や遺構が見えたりするものですが、小田原市内線の場合廃止からあまりにも時間が経っている上に市街化が進んだ沿線ということでそれらしきものは一切見られませんでした。

国府津駅にて

さて、箱根登山バスに乗って国府津駅にやってきたのですが、国府津駅ではある目的がありました。


駅前広場からは海がちらっと見えました。
横切る高架橋は西湘バイパスです。


その目的を果たすべくこんな狭い地下道をくぐります。


中は蛍光灯が設置されていて明るく地下道特有の薄暗さはありません。


ガード下によくある表示


そして、駅の裏手にやってきました。
ここへやってきた目的ですが、それは甲府行きの「花咲くあたみ満喫号」を撮るということです。
小田原で撮ることも考えたのですが、貨物線経由であるということが最大のネタであるこの列車を撮るに当たり、貨物線を見られる駅ということで国府津駅を選んだのでした。
それならばホーム上から撮ることも出来たんですが、時刻表を見ると「花咲くあたみ満喫号」とほぼ同じ時間に東京方面の普通列車が出るダイヤになっていて、ホームから撮った場合は最悪カブる可能性があるということで安全をとって駅の裏手からにしたのでした。


国府津駅は御殿場線の分岐駅であり、なおかつ国府津車両センターの最寄りでもあるため折返し列車も多くホームが多いですね。

あとは列車を待ちます。


↑まず最初は「踊り子」です。
同じE257系ですし、最初は「花咲くあたみ満喫号」が来たのかと焦りましたw


↑続いてE233系の普通列車です。
この普通列車がカブることを懸念してホームでの撮影はしませんでしたがまだ「花咲くあたみ満喫号」は来ていないので結果的にはホームで撮っても大丈夫だったということになりますね。
ただ、カブるかどうかは列車が秒単位で遅れただけでもズレる話ですしこういう撮り直しが効かないようなネタは確実性を優先すべきですよね。


↑そしていよいよ「花咲くあたみ満喫号」の通過です。
貨物線を通る希少なシーンを撮ることができました。


開業100周年を記念する石碑がありました。
といっても国府津駅の開業は1887年のことであり、2022年現在だと135周年ということになり、この石碑自体が35年前のものということになりますね。


それでは中に入ります。
帰りもバスにしようかとも思いましたが、ここらで眠気が限界に来ていたので電車にすることにしました。
この前日に当たる「中央線河口湖行きを乗り通す」をご覧になっていない方はなぜ私が眠気に襲われていたのか分からないと思いますが、実はこの前日は諸々あって一睡もできず徹夜明けという状態だったのです。
というわけで東海道線で小田原へ向かってさっさとホテルに入って寝ますw
列車が熱海行きだと寝過ごすのが怖いですが、小田原止まりだったのでその心配もありませんでした。


小田原に到着しました。


何やらイルミネーションがありました。


富士急湘南バスがいました。


最後に小田原城を撮ったら夕飯を食べてホテルへ向かいました。
ここまでは活動で気が張っていたのが、ホテルに入ると気が緩んだのか一気に眠気がやってきて、充電やシャワーなどの作業をこなしたらベッドに直行して爆睡しましたw
やっぱり睡眠は大事だなということで1日目は以上です。

2日目については別記事として追ってレポートしますのでしばらくお待ち下さい。

つづく

ブログランキングに参加しています
鉄道コム にほんブログ村 鉄道ブログへ

つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
カテゴリー: 鉄道・バス活動関係 タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , パーマリンク

コメントを残す

このサイトは reCAPTCHA で保護されており、Google の プライバシーポリシー利用規約が適用されます。