今回はE257系500番台への置き換えで運用離脱が迫る189系充当の「ホリデー快速富士山」に乗車すべく富士急行まで出掛けました。
また、ただのとんぼ返りではつまらないので、富士急行線内で幾つかネタを入れました。
行程の説明
今回は「ホリデー快速富士山」(以下は”ホリデー快速”を省略して単に「富士山」と呼称します。厳密に言うと快速「富士山」という別列車もあるので、そっちと表記が重複することになりますが、本記事中においては特筆なければ「富士山」は「ホリデー快速富士山」のことだと思って下さい)に乗車するのがメインということで、新宿から「富士山」に乗車して河口湖まで向かい、211系充当の中央線直通高尾行き普通列車で大月まで乗車し、折り返す形で下吉田駅に立ち寄り、「ブルートレインテラス下吉田」も見学したら、空いた時間で月江寺駅にも訪問してから河口湖駅に戻り、再び「富士山」で新宿に戻ってきて終わりです。
JR線区間は青春18きっぷ、富士急行線区間は「吉田のうどんきっぷ」を使用することとしました。
まずは新宿へ
「富士山」に乗るべくまずは新宿駅に向かいます。
「富士山」と同じホリデー快速の一種である「おくたま」はちゃんと列車名表示がありました。この差は何なんでしょうかw
あと、「スーパーあずさ」からE351系が全面撤退してE353系に統一されることから乗車位置の変更のお知らせが出ていました。
ホームに降りると既に入線していました。
今日は国鉄色を纒ったM51編成が充当のようですね。
前回レンタカーで山梨まで撮影に行った時はグレードアップあずさ色のM52編成だったので、それが来ると期待していたのですが、どうやら1月ごろに「富士山」の運用にはM51編成が就くように変更があったそうですね。
まあ、M51編成だろうがM52編成だろうが189系に変わりはないので、さよなら乗車は成り立ちますしね。
あと、M52編成の方は「木曽あずさ」で乗っているのもあるので、むしろ違う編成を楽しめると割り切りましょう。
そういえば、指定席と自由席で方向幕の色が違うんですね。
それでは、早速乗車します。
「ホリデー快速富士山」 新宿→河口湖
新宿から乗車した「富士山」ですが、まずは恒例の解説から始めていきます。
この「富士山」は土日祝日を中心に新宿~河口湖間で運行されるホリデー快速の一種で、大月からは富士急行線に直通します。車種は長らく189系が用いられており、自由席車であれば乗車券のみで乗れる乗り得列車となっています。それが今度のダイヤ改正よりE257系に置き換えられることとなり、189系での運転は終了するということで今回さよなら乗車も兼ねて乗りに行ったわけですが、E257系になっても特急型車両であることには変わりはありませんから引き続き乗り得列車ですね。
なお、指定席もありますが、6両中2両が指定席という設定なので、どちらかと言うと自由席主体ですので、思い立ってそのまま出掛けることも出来るのがいいですね。
かつては、大宮や小山を発着する列車も設定されていましたが、現在は新宿発着のみとなっており、最盛期よりはバリエーションが減った感もありますが、特に利用の多い週末に追加で運転される「山梨富士」や、平日ダイヤの金曜日に走る快速「富士山」などの姉妹列車も走っています。
さて、それでは運行ダイヤの話をしながら乗車レポートに入っていきますが、新宿を出ると三鷹、立川、八王子、高尾と停車していき、ここまでは高尾に停まる以外は特急「かいじ」と停車駅が同じであり、旧型とはいえ特急型車両に乗れるんですからお得感がすごいですよね。
ただ、問題が1つ・・・それは座れないことw
今回は「木曽あずさ」や「ムーンライト信州」で189系の新宿駅入線の動画は撮ったことがあるしと新宿駅には10分程度前に到着するスケジュールを組んでいたのですが、外観などを軽く撮っているだけでも意外に時間を食ってしまい、ようやく乗り込んだ頃には既に空席はなかったのでしたw
18きっぷシーズンが始まって最初の運転日ということもあって特に多かったのかもしれませんね。
やむなくデッキに立っていますが、客室の通路にまで溢れるくらいの立ち客が出ていました。新宿から先、三鷹、立川、八王子といった主要駅に停車していきますが、当然それらの駅でも乗車はあるはず・・・これ積み残すんじゃね?と思っていると、鉄道唱歌のチャイムが流れアナウンスが流れ始めました。
怪我の功名か、デッキでスピーカー直下だったのでモーター音もアナウンスもはっきり聞けたのは嬉しかったですがやっぱり座りたいw
そのアナウンスで指定席が満席であることを知ると空席が出るまでじっと耐えるしか無いという現実を突きつけられてしまい、耐久戦の開始ですw
三鷹でも意外に降りる人が何名かいましたが、短距離でも189系さよなら乗車をしたいということだったんですかね。乗ってくる人も若干いて乗車率UP!
立川、八王子でも降りる人が結構いましたが、中央特快が停車する中野、国分寺も通過することを考えると乗車券のみで乗れる「富士山」は新宿~立川・八王子相互の利用でも利用価値があるのかもしれません。
この付近で混雑はピークを迎え通勤電車のような混雑が続きました。最初から指定席を取っておけばよかったんですが、指定席を取って騒がしい人が近くだったら録音的に悲惨なことになるし・・・w
あと、こんなに混むなら特定日のみ運行の「山梨富士」をもっと運行日増やしてもいいんじゃないかと思ったり。
高尾も高尾山などの観光地がありますから降りる人もいて、ようやく鮨詰め状態は脱しましたが、それでも空席はまだありません。
高尾から先は相模湖、上野原、四方津と停車して大月ですが、これらの駅での下車は思ったほどではなく、大月でまとまった下車があってようやく席にありつけました。まあ、高尾以西のトンネルが連続する区間をデッキで楽しめたのは逆に収穫なのかな?w
大月でようやく座ることが出来て富士急行線へと入っていきますが、ここからはあんまり飛ばさないので音鉄的には微妙ですw
なお、富士急行線内での停車パターンですが、フジサン特急は都留文科大学前、富士山、富士急ハイランド、河口湖と行くのに対し、都留市、三つ峠にも追加で停車しますが、特急料金不要で乗れるわけで、富士急行線内のみの利用でも十分乗り得列車ですね。
なお、大月、富士山、富士急ハイランド、河口湖以外の駅ではホームの有効長が3両分しかないので6両編成の「富士山」はドアカットとなります。
「富士山ビュー特急」と行き違いです。
前回来たときには乗りましたねぇ。
富士急行線内で最も綺麗に富士山が見えるというポイントで撮影してみました。
前回は生憎の曇り空で見えませんでしたが、今回は雲一つない快晴でばっちり見えました。
何度見ても富士山は雄大ですねぇ。
そんな日本一の名峰の名前を頂いた富士山駅ではスイッチバックとなり列車の進行方向が変わります。
一般には富士急行線とまとめて呼ばれる大月線・河口湖線の境界となる富士山駅ですが、停車時間もなくすぐに発車しました。
絶叫マシンで知られる富士急ハイランドも過ぎたら終点の河口湖に到着です。
河口湖駅ではとんぼ返り
新宿駅から2時間ほどで河口湖駅までやって来ましたが、何度か来ている駅だということもあってここは10分ちょっとの滞在でとんぼ返りです。
なので、駅レポートというよりは、駅で撮った車両のご紹介がメインになるかと思います。
河口湖駅もホームの有効長が足りていないようで、先頭車は思いっきりはみ出ていましたw
改札前には189系のM50・M51・M52の3本が並んだパネルが用意されていました。
何やら3月中に189系ラストランを記念した撮影会が開かれるようですが、そのときに向けて製作されたんでしょうか。
さて、ここで1つのミッションがあります。それは、「吉田のうどんきっぷ」を購入することです。青春18きっぷでは当然富士急行線には乗れないので別途切符を買う必要がありますが、車内で車掌さんに問い合わせたらフリーきっぷの類は車内では売っていないので駅で買ってくれとのことで、当駅で折り返しの間に買うことになりました。
ただ、問題というか疑問があったのが、私は大月→河口湖を切符を買わずに乗り越してきて、当駅でようやくフリーきっぷを買うことになりますが、その場合、大月→河口湖の運賃を精算の上でフリーきっぷを購入することになるのか、大月→河口湖分もフリーきっぷの効力に含まれるとしてフリーきっぷの代金だけ払えばいいのかということですが、改札内の精算窓口でフリーきっぷを買い求めた所、当駅までの乗り越し分は請求されなかったので、JRからの直通列車で乗り越してフリーきっぷを利用する場合は、着駅で購入したとしても乗り越し分を別途請求はしないというスタンスなんでしょうね。
このあたりの対応は鉄道会社によっても結構分かれるところなので気になっていましたが、お得に利用できてありがたかったです。
ところで、「吉田のうどんきっぷ」についても簡単に説明しておきますが、2700円で富士急行線の全線が2日間乗り放題で、「フジサン特急」も自由席に限って特急券無しで乗れるという内容のきっぷであり、更に提携うどん店で使える400円分のクーポンが付属しており、このクーポンがつかない乗り放題だけの「フジサン特急フリーきっぷ」が2400円であることを考えると100円お得になることになります。
利用できるお店が3店舗しかないのがネックですが、私もちょうど駅取材中にお昼を迎える行程となっていて、付近に提携うどん店があったのでこれを買って「吉田のうどん」を頂いてみることにしたのでした。
私と同じ考えなのか、「フジサン特急フリーきっぷ」ではなく「吉田のうどんきっぷ」を買い求める人が多かったですね。。
このきっぷ、発売開始からまだ間もなく、かつ現状は期間限定の発売となっているようですが、京急の「みさきまぐろきっぷ」みたいに定番のきっぷとして定着していけばいいですね。
切符を買っている間にもう189系が引き上げ線へ移動しはじめたので、慌てて富士山と絡めて撮ってみました。
留置線に入ったところを5000系「トーマスランド号」と絡めて撮影。
切符を買うのに並んで待ち時間があったのに加えて撮影もこなしていたので10分ちょいの滞在時間は使い果たしてしまい、もう発車時間が迫ってきているのでこれに乗って折り返します。
JR車の211系ですが、高尾~河口湖間を直通する普通列車が一部存在し、その運用にはJR車の211系が入ります。
これ以外に中央快速線に直通し、E233系で快速、ないし中央特快として東京駅まで直通する列車もありますが、こちらはどちらかと言えば、富士急行線沿線に住んでいる人が都内へ通勤・通学するための列車という意味合いが強いようで、東京から乗りに行くのには不便な時間帯にしか走っていないので乗り鉄的なハードルは高いですね。
前回は高尾→河口湖で乗った列車でしたが、今度は逆方向、これで富士急行線内の211系の録音は揃いました。
道中は特に書くこともないので大月までワープです。
大月駅にて
211系に揺られて引き返した大月駅ですが、ここで1つネタがあります。
それは、「成田エクスプレス」がちょうど通り掛かる時間だということ。「成田エクスプレス」といえば、成田空港と東京・新宿・横浜といった首都圏近郊のターミナル駅を結ぶ空港連絡列車ですが、土休日の1日1往復のみが新宿から中央本線に直通して河口湖発着で運転されており、それの時間だったわけです。
当初の構想ではこれに乗って河口湖まで行ってみようかと思ったのですが、富士急行線内だけ乗っても、極力全区間乗車にこだわる私としては新宿~大月間は別枠で乗る必要があるし、また富士急行を訪ねる際の足として使うこととして、今回は撮るだけにしました。
E353系のポスターが貼られていました。
E351系のさよなら乗車はしましたが、逆にE353系にはまだ乗れていないんですよねぇ。
富士急行線乗り場の発車標ですが、ちゃんと「成田エクスプレス」と表示されているんですね。
ただし、「成田特急エクスプレス」みたいな表示になっちゃっていますがw
なお、「成田エクスプレス」を含めてJRから直通する列車は富士急行線の乗り場ではなくJRの乗り場に発着するので注意が必要です。
さてさて、まだ15分ほどあるわけですが、乗車中にスマホで地図アプリを使って大月駅周辺を眺めていていい感じで撮れそうな場所を見つけていたのでそこへ移動することにしました。
撮影地への移動で富士急行線乗り場の脇を通ったので1枚だけ撮影
住宅街の路地を抜けて10分ほど歩いた所でその撮影地にやって来ました。
この場所はちょうど富士急行線を跨ぐ陸橋になっていて、このように線路を見下ろすアングルで撮れそうです。
詳細な場所は示しませんが、恐らく本格的に撮り鉄を楽しむ方ならとっくに把握済みの場所でしょうし、大月駅周辺の地図を見ればすぐに分かる場所だと思います。
ただ、1つだけ言えるのは、付近の道は狭く路上駐車などもってのほかという立地なので、車で行く場合は少し離れたコインパーキングを利用する必要があるので、列車での訪問をおすすめします。
我々も上野原でやられましたw
↑いよいよ通過です。
キャプチャですが、静止画もどうぞ
ちなみに、線路が二股に分かれていますが、左側が中央本線へ繋がる連絡線、右側が富士急行線のうちJRへ直通しない列車が通る行き止まりの線路となっています。
さてさて、撮影も終わったし大月駅に戻ろうかなと後ろを振り返ると・・・
あれ?なんか駅が見えるぞw
実は私が撮影した場所は大月駅の1つ隣にある上大月駅の近くだったのでした。
そんなに歩いた気はしていませんでしたが、何気に1駅分歩いていたんですね。
上大月駅
というわけで、予定にはありませんでしたが、上大月駅の取材を敢行することにしました。
無人駅のようですし、フリーきっぷも持っているので堂々と入れますね。
ここが入り口のようですね。
駅前広場とかロータリーの類は整備されておらず、この通路が唯一の駅への出入り口となるようです。
駅舎・・・というより待合室ですが、このような建物が駅の入口部分にあります。
無人駅ということで、ICカード用の簡易改札機がある以外は出入り自由の改札。
待合室内部です。こういうローカル駅だとクモの巣が張っていたり、ゴミが散乱していたりして居心地の良くないことも多いのですが、ここはゴミもなく手入れが行き届いていていいですね。
ホームは1面1線のいわゆる棒線駅ですが、カーブの途中にあるためホームもカーブを描いています。
ちなみに、奥に見える陸橋が私が撮っていた場所です。
それにしても、そんなに径間が長いわけでもないのに、掘割の中に橋脚を設けているのが面白いですね。
その奥をアップにしてみましたが、先ほどのJRへの連絡線の分岐点があるためか、駅を出てすぐの位置に信号機があります。
あと、気になったのがこの標識でして、「国電一旦停止位置」と書かれています。
先程乗った高尾行きの列車も上大月駅を出てすぐに一時停止していましたのでJRへ直通する列車は全てここで一時停止する事になっているんだと思いますが、「国電」という表現をしているということは、JRが国鉄だった1987年以前から使われている標識がそのまま残っているんでしょうね。
ちなみに、反対側はすぐにトンネルとなっています。
通過列車を撮る場合は接近する音に注意しておかないと、不意打ちで現れてシャッターチャンスを逃す可能性がありますね。
予定の列車の前に大月行きの列車があるようなのでせっかくのフリーきっぷを活用して一旦大月駅へ向かうこととしました。
やってきたのは「トーマスランド号」の5000形。
ほとんどの車両を他社からの中古で賄っている富士急行ですが、この5000形は富士急行最後の自社発注車両という点で特筆すべき車両です。
ただ、1編成しかいないのでレア車両なんですよね。
まあ、前に乗った時も当たっているのですけどもw
この列車で大月へ行ってから折り返します。
折り返しは別の車両が充当されるようで1000形が待っていました。
元京王5000系でして、かつては富士急行の主力車種でしたが、現在はJRの205系を譲り受けた6000系への置き換えが進み数を減らしつつある車両です。
この列車で下吉田へ行きますが、道中は省略して駅レポートとなります。
下吉田駅
復路の「富士山」までの暇つぶしとして立ち寄った下吉田駅ですが、ここでは駅取材以外にも2つのネタがあります。1つは、併設する「下吉田ブルートレインテラス」の見学、もう1つは当駅近くにあるうどん店「新倉屋」で吉田のうどんを頂くことです。
ここの駅名標は落ち着いたデザインですね。
そういえば、富士山駅は元々富士吉田駅を名乗っていたので、富士吉田駅に対する下吉田駅とイメージしやすかったですが、富士山駅への改名で吉田を名乗る駅が当駅だけになってしまったので下吉田駅があるのに吉田駅はどこ?ってなりそうです。
↑乗ってきた1000形の発車シーン
踏切の警報音が入っていますが、今では珍しい電鈴式なのも注目です。
三角屋根の待合室のあるホームは1面2線の島式で標準的な交換駅のスタイルですね。
待合室は現代風ですが、屋根の支柱がレールを転用したものになっていますね。
古いものが時代に調和しつつ残っている感じですね。
あと、先ほども触れた構内踏切ですが、ランプの部分が道路の歩行者用信号機そのものだったのに驚きました。
↑別のタイミングで撮ったものですが、動画もどうぞ
改札口です。ICカード用以外は改札機はなく昔ながらのスタイルを残しています。
ここにも駅名を添えていました。
それにしても・・・こうしてデザインの一部として文字を入れる手法、どっかで見たような・・・
駅舎です。
どうもデジャブを感じるデザインだと思って調べると、JR九州の列車のデザインで知られ、今やそのデザインの列車が全国を席巻する勢いで広まっている水戸岡鋭治氏のデザインだそうです。
富士急行でも「富士登山電車」や「フジサン特急」のデザインを手がけていたりしますから、その縁で駅舎のデザインも依頼されたのでしょうね。
顔出しパネルもありました。
当駅は富士山駅や河口湖駅と比べれば観光の中心とは言いがたい、どちらかと言えばローカル駅という印象が強いですが、付近には忠霊塔という五重塔があって、そこからは富士山をバックに富士吉田市街を一望できるそうで、それもパネルに描かれていますね。
あと、駅前にバス停があったのでこれもピックアップしておきます。
当駅には「タウンスニーカー」という富士吉田市内の循環バスが1路線だけ立ち寄るようです。
この「タウンスニーカー」ですが、運行主体は富士急バスであり、富士吉田市が赤字補填をする形で維持されている路線のようで、コミュニティバスに近い存在のようです。
時刻表ですが、平日は右回り、左回りとも5便ずつ設定され、右回りと左回りが交互に走るダイヤになっているので、起終点の富士山駅を基準とすれば1時間おきの運行が確保されているようです。土休日は3便ずつに減ってしまうようですが、地方都市にしては頑張っている方ですかね。
なお、当駅には立ち寄らないものの、この中央循環の他2路線が走っているようですよ。
それではうどんを食べに行こうと移動を開始しますが、途中で見つけたこれ。
白ポストなのに白くないw
そうそう、そもそも「白ポスト」って何だって人もいるでしょうから、簡単に説明すると、青少年にふさわしくない悪書をここに入れて隔離してしまいましょうっていうものです。
まあ、ネット全盛の現代においてどれだけ意味があるのか甚だ疑問ですけどねw
そのためか、都市部ではまず見かけず、地方には何故か根強く残っていたりします。
ちょうど、8500系「富士山ビュー特急」が通過していきました。
不意打ちだったので動画は撮れずw
新倉屋へは踏切を越えていく必要があるようですが、踏切からは構内が一望できました。
踏切を越えて住宅地を歩きますが、住宅地を蹂躙するが如く、中央自動車道の高架が現れました。
当駅のすぐ真横に中央自動車道が通っていて、下吉田バスストップというバス停も設けられていますから、東京や羽田空港方面など高速バスを利用する場合は電車で富士山駅や河口湖駅に出なくてもここから乗れるのは便利ですね。
それにしても、本当にこんな住宅街の中にうどん屋さんがあるのかと不安になりながら歩いていると看板を見つけました。
どうやら間違っていなかったようで一安心。
名物の「吉田のうどん」を頂く
それでは、「吉田のうどん」を頂くとしましょう。
こちらがうどん店「新倉屋」の入り口です。暖簾があるからお店だと認識できるものの、それがなかったら外観は完全に個人の民家ですから入っていいのか躊躇してしまいますよね。
どうやら「吉田のうどん」を出すお店の多くは、個人が自宅を開放して昼時のみうどん店として営業するスタイルから始まった物が多く、その名残から現在でも民家の一部を転用した店舗が多いんだそうです。
また、昼時しか営業しないお店も多く、この「新倉屋」も11時~14時と営業時間が短く、下吉田駅到着が13時過ぎだったのでちょっと駆け足での取材となりましたw
中に入ると完全に田舎の親戚の家といった雰囲気で、畳の部屋にテーブルが並び座布団が敷いてあるというスタイルで、ますます個人宅っぽい雰囲気で、どこに座ればいいのか、注文はどうするのかとか悩んでいると店員さんがやって来て注文となりました。
そして、注文した天ぷらうどんがやって来ました。
なお、「吉田のうどんきっぷ」は400円分のクーポンとしての効力であるため、400円未満のメニューはこのきっぷだけで食べられますが、400円を超えるメニューを注文する場合は差額を精算することになります。
普通のうどんとの違いを上げるならば、麺が非常にコシが強く、煮たキャベツが具材として入っているといったところですね。
本来は馬肉も入るようですが、肉が入ったうどんは「肉うどん」として別メニュー扱いする店も多いようですよ。
グルメブログではないので、これくらいにしておきます。
「下吉田ブルートレインテラス」
駅取材、うどんと来て、目玉と言える「下吉田ブルートレインテラス」のレポートに入ります。
この「下吉田ブルートレインテラス」ですが、駅の側線を活用した車両展示スペースであり、ブルートレインの名の通り、14系客車が保存・展示されています。ブルートレインが走ったことがない富士急行でなぜブルートレインなのかというと、寝台特急「富士」と富士山の繋がりという理由のようですw
なお、駅構内の一部を活用しているものの、施設としては駅とは明確に区別されているようで、私のようにフリーきっぷを持っていたとしても別途入場料が必要ですし、逆にブルートレインテラスの入場券を持っているだけではホームへは立ち入れず、別途駅の入場券を買う必要があります。
駅員さんに申し出て100円を支払うと硬券の入場券が渡され、いよいよブルートレインテラスへ入場となります。
テラスへの通路はこのように狭く、両方から同時に人が通りがかった場合に備えてか、真ん中だけ少し広くなっていて、さながら単線区間の信号場のようになっていました。
これは展示というわけではありませんが、保線車両がすぐ脇に停まっています。
私がまだ九州に住んでいた頃に廃止された「富士」ですが、こうして現物を残してくれると思い出が鮮明に蘇りますね。
ちなみに、当時学生でお金のなかった私は、別府→大分間のみ立席特急券を買って乗ったのが唯一の「富士」の乗車体験です。
最盛期は西鹿児島まで行っており、鹿児島本線経由の「はやぶさ」より遠回りな日豊本線経由だったこともあり、運行距離が日本最長の旅客列車だった時期もあったようですが、末期は大分までの運行に短縮されていました。
東京~西鹿児島の全区間乗車を体験してみたかったなぁ。
説明のパネルも設置されていますが、重大な事実が書かれていました。
それは、この車両は実は1度も「富士」として走ったことがないというw
国鉄時代は「さくら」「みずほ」「あさかぜ」と九州ブルトレとして活躍し、JR東日本へ継承されて以後は「北陸」として活躍して、「北陸」の廃止とともにお役御免となってここへやってきたようです。
とはいえ、同じ形式の客車が「富士」として走っていたのは事実ですし、細かいことは気にしたら負けですw
入り口ですが、土日祝日に限って車内も解放されているようなので中にも入ってみましょう。
この「くずもの入れ」が既に国鉄の雰囲気を感じさせます。
あのブルートレイン独特の匂いも残っていて、ブルートレインで旅行した思い出が蘇ります。
寝相も悪い人も安心の柵ですが、これって普段は格納されている折りたたみ式なんですよね。
これも寝台車ならではの設備の1つでしょうか。
実は折りたたみ式のはしごなんですね。
寝台車に不慣れな人が上段を取ってしまった場合、どうやって上に上がればいいか分からず戸惑うのは寝台車あるあるですよね。
こちらは上段の寝台です。はしごの登り降りの手間に加え、窓より高い位置にあるため車窓を楽しめないのが難点ですが、実は通路の上のスペースが収納スペースとして活用でき、荷物が多くても寝台を広々使える利点があります。
折りたたみ式の椅子です。
終点への到着が10時を過ぎる列車も珍しくなかったブルートレインですが、日が昇って来て車窓が楽しめるようになると上段の人がここに座って景色を楽しんだり、立席特急券で乗車する場合はここに座ったりしましたねぇ。
と、ブルートレインの思い出に浸っていたわけですが、実はブルートレインテラスにはもう1つ目玉があるのでそっちにも行っておきます。
先代の「フジサン特急」として活躍した2000形です。
2016年まで活躍していまして、元々は国鉄の165系を改造したジョイフルトレイン「パノラマエクスプレスアルプス」を譲り受けたものであり、JRグループでは165系の運用が終了した後も現役だったため、改造されているとはいえ、最後の現役の165系として注目され、私も乗りに行きましたが、流石に老朽化には勝てず引退して、現在はここで第二の・・・いやJR時代から数えれば第三の人生を送っています。
ちなみに、2000形「フジサン特急」が展示されているスペースは元々貨車スペースとして、貨車が展示されていたんですが、その貨車は引き続き保存はされているものの隅に追いやれてしまっていましたw
もう一方には富士急行の前身となる「富士山麓電気鉄道」時代の表記が再現されていました。
かつては車内にも入れたそうですが、今や斜めからしか見られない位置に追いやられているのが残念です。富士急行としてはかつての目玉列車だった2000形をメインに据えたいのもよく分かりますし、解体されてスクラップになるよりは格段にマシだと思うことにしましょう。
と、これくらいでひと通り見て周り、予定の時間までだいぶ持て余してしまいました。
↑とりあえずやってきた電車に乗ることに。
動画はちょうど当駅で行き違いとなる大月行きで6000系の「マッターホルン号」でした。
というわけで、予定より早いですが、このまま次の訪問予定駅の月江寺駅へ向かうことに。
月江寺駅
1駅お隣の月江寺駅でも暇つぶしがてら駅取材とします。
ちなみに、乗ってきたのは5000形「トーマスランド号」です。前述の通り1編成しかいないレア車種なんですが、こう何度も当たると「またお前か」と言いたくなるw
まずは駅名標。
それにしても、富士急行は駅ごとに駅名標のデザインが違っていて面白いですね。
ホーム中央部のみ屋根がついていますが、支柱がトラス状になっているのが特徴的ですね。
ところで、架線柱のこんな標識(?)が付いていたのですが、「小舟山」とは一体・・・?
調べてみるとすぐ近くにある踏切の名前のようですが、わざわざ”!”を付けてまで協調しているのは、この踏切が交通量が多く交差点も隣接する危険な踏切であるためということでしょうか。
なお、名前の由来ですが、かつて「小舟山」という山が近くにあってそこから来ているようですが、その小舟山は中央自動車道の工事で消滅してしまったんだとか。
改札口ですが、ICカード用簡易改札機以外は改札機がなく、無人駅に近いスタイルです。
業務委託駅となっているようですが、誰もおらずフリーパス状態だったのでそのまま出ることに。
利用者の多い時間帯のみ係員を配置するということなんでしょうか。
めちゃくちゃコンパクトに収められた駅前ロータリーw
これでは大型車は入れないでしょうから、バスの乗り入れは想定しない、送迎のマイカー専用のロータリーなんですかね。
なお、ここにも例の「タウンスニーカー」が乗り入れるようですが、駅前ロータリーには入らないということなんでしょうか。
まあ、住民の生活の足という意味合いが強いバスのようですから、列車との乗り継ぎは富士山駅でできればいいというスタンスなのかもしれませんが。
駅前にあった旅行会社ですが、雰囲気的に恐らくもう営業していないのだと思われます・・・
シャッターに新幹線が描かれていますが、0系が描かれているあたり時代を感じさせますw
駅周辺は商店街のようになっていますが、呑み屋さんばかりなのはいかにも田舎の駅という感じです。
なお、この付近にも「吉田のうどん」を食べられるお店がありますが、残念ながら「吉田のうどんきっぷ」の提携店ではないんですよね。
↑ホームに戻って退屈しながら待っていると「成田エクスプレス」が通過していきました。
↑河口湖行きの列車がやってくるので動画撮影
それにしても、ここから撮ると線路の勾配を実感できますね。
よく見ると「吉田のうどんきっぷ」のヘッドマークを掲げていましたw
この列車で河口湖へ向かっても時間を持て余してしまうのと、当駅より河口湖方の駅は全て降りているので、見送ることにしました。
ここで時刻表を見ながら検討し、一旦大月方面へ引き返す形で2駅先の葭池温泉前駅へ立ち寄ってから河口湖駅へ向かうこととしました。
よって、予定外ですが追加でもう1駅取材してから帰路に就きます。
葭池温泉前駅
予定外の駅取材が追加となりましたが、葭池温泉前駅の取材をします。
乗ってきたのはまたしても5000形w
まあ、河口湖行きとして乗ったやつの折り返しになるはずなので当然と言えば当然かw
↑一応動画も撮っておきましょう。
ここの駅名標もまた違ったデザインでした。
それはいいとして・・・配色のせいで文字が読みづらいw
ゴミ箱がやたら充実していますが、改札はなくICカード用の改札機のみ。
驚いたのはこんな簡素な駅ながらホーム上に公衆電話ボックスがあったことです。
都会ですら携帯電話の普及で絶滅危惧種に指定されそうな勢いで見かけなくなったアイテムですが、利用者も多いとは思えないローカル駅に残っているのは根強い需要があるんでしょうか。
駅名にもなっている「葭之池温泉」ですが、正式名称は”之”が入ります。通称として「葭池温泉」とも呼ばれるようでそちらを駅名に採用したようですね。
「葭池温泉前」なんて名乗るくらいですから、徒歩数分でアクセスできるようですが、15分程度しか滞在できないので、ひとっ風呂浴びて帰る訳にはいきません。残念。
駅前の踏切から振り返って1枚
これで駅の全景なのだから本当に小さな駅ですよね。
駅名になっているくらいですから、葭之池温泉の看板が駅前にあります。
入浴だけでなく食事もできるようで、富士急行を訪れて時間を持て余したら当駅で降りてお風呂と食事を楽しむのもいいかもしれません。
看板が指し示す矢印とは逆方向にも看板がありましたが、あれ?さっきの看板とは真逆を指してるぞ?w
側面の矢印は正しい方向を指していますから、単純にミスのようですね。
看板も結構古そうに見えますが、長いこと間違った矢印のまま放置されてきているんでしょうかw
駅の方を振り返ります。
駅前が畑というのが何とも長閑な光景ですが、それよりも目を引いたのが駅への通路となっている道の下が石垣となっていたことです。
富士山麓電気鉄道時代の1930年に開業した駅らしいので、もしかしてその当時の石垣がそのまま残っている?
それでは、河口湖まで行っていよいよ帰路へ就くわけですが、やってきた電車はこれでした。
車番を見ると5000形のようですが、あれ?5000形って「トーマスランド号」の1編成しかいないはずでは!?
と思ったら、正体は1000形でして、京王5000系だった時代の塗装を再現し、車番まで再現してまったというこだわりようのようです。
というわけで、京王5000系に乗って河口湖駅まで行きます。
河口湖駅にて
今朝「富士山」に乗ってやってきてから2度目の河口湖駅ですが、ここでも軽く撮影したらまた「富士山」に乗って東京へ帰ります。
何故か先頭車のドアしか開かないので不思議に思っていると工事でホームの一部が閉鎖されていたのでした。
↑ちょっと録画開始が間に合っていませんが、引き上げシーンです。
と、ここでアナウンスが流れました。
要約すると、折り返しホリデー快速を利用する人も、改札外で順番待ちをしてもらっているので一旦外に出て並ぶようにとのことでした。
どのみち30分以上開くので外に出てぶらついて時間を潰そうと思っていましたが、これはちょっと予想外の展開。
言われたとおり外に出ると駅舎の外まで続く長蛇の列が・・・
最後尾までたどり着きましたが、これは今すぐ並ばないといい席は取れないかもしれません。
というわけで、あとはただひたすらなんで待ちますw
手持ち無沙汰に撮りバスしつつ待ちます。
ボンネットバスがやってきました。
さり気なく入ってきたこのバスですが、これって・・・岐阜県を走る濃尾バスですよね。
それがなんで山梨にいるんだと思いましたが、調べると飛騨高山と富士五湖を結ぶ高速バスを手掛けているようです。
それにしても、流石は日本一の霊峰というか、信じられないほど遠方からのバスも乗り入れているのがすごいですね。
我らが西鉄バスも特定日のみ運行ながら福岡からバスを出していますし・・・
ようやく入場が始まり列が動き出して、発車標を撮りながら入場します。
「ホリデー快速富士山」で帰京す
さて、肝心の「富士山」ですが、車両が往路と同じですし、ホームの有効長の関係で先頭を撮るのが困難ということもあるので写真は無しで乗り込みました。
まだ発車まで20分以上ありますが、入場が始まるなり座席争奪戦でダッシュする人も現れました。
「座席には余裕があるので走らないでください」とのアナウンスが流れる一幕も。
私なんかも往路での混雑を目の当たりにしているので気持ちは分かりますが、189系6両編成の定員は300人~400人程度はあるでしょうし、あの行列の長さながら座れないことはないというわけでのんびり向かいます。
いざ乗り込んでみると思ったよりガラガラで、これなら改札口で並ばせるなんてことしなくても普通に入線した時点から早い者勝ちでよかったようなw
ただ、音鉄的に怖いのが空いている状態で発車間際に騒がしい人が乗り込んできて近くに座られてしまうことであり、発車時刻までは誰か乗り込んでくる度に緊張を強いられましたが、無事うるさい人が乗ってくることなく発車時刻を迎えました。
停車駅は往路と同じですし、混雑のことを書くと、富士急行線内は余裕で座れましたが、大月駅を過ぎてからやはり立ち客が出て、上野原、相模湖などで通路に溢れるほどの混雑になっていました。
大月~高尾間の各駅で「富士山」に乗ろうという方は指定席を取らない限りは座れないものと思ったほうがいいでしょうね。
これが今度からE257系5両に置き換わるようですが、1両減ってこの混雑が更に激しくなるようで心配です。
あとは、沿線に撮り鉄が多かったことぐらいで、特段書くこともなく中央本線を進みます。
夕刻の山間を走り抜けて、小仏トンネルを越えたら東京都へ入り高尾駅に滑り込みますが、オレンジ色のE233系が見えるといよいよ東京に戻ってきたと実感しますね。
八王子、立川では下車も多いですが、若干乗ってくる人もいるという往路の逆パターンの傾向が見られた所で、189系は夜の帳が下りた都会を進み終点新宿駅のホームに滑り込みます。
停止位置の関係でこんな写真しか撮れませんでしたが、往路でも撮っていますしいいでしょう。
ただ、問題はせめて1つでいいから「富士山」として走る189系の動画を撮っておきたいというのがあり、どうせまだ18時台ですし、家路を急ぐ時間帯でもないので発車まで待機することに。
同じ考えの同士が多く、いわゆる激パ状態でしたが、なんとか撮った動画をご紹介してシメとしたいと思います。
↑189系M51編成、新宿から引き上げシーン
このレポートは以上となりますが、3月は旅ラッシュということで、今後もレポートが続いていくと思います。
執筆が追いつかない可能性もありますが、過度な期待はせずにゆるりとお待ち頂ければと思います。