今回は弘南バスが運行する夜行高速バス「えんぶり号」に乗車しましたので、乗車レポートとなります。
この乗車は八戸への遠征の一貫となるわけですが、他の旅行記の例に漏れずに高速バス部分を独立したレポートとしてお届けしていきます。
「えんぶり号」とは
まず最初に「えんぶり号」について解説しておくと、「えんぶり号」は東京と八戸・青森を結ぶ夜行バスであり、弘南バスが運行しています。
東京都内と青森県内を結ぶ夜行バスは「水曜どうでしょう」で一躍有名になった「ラ・フォーレ号」を始め、「えんぶり号」同様に弘南バスが単独運行する「津輕号」「スカイ号」「パンダ号」などがありますが、他の路線は東京都内から青森市内まで直行したり、五所川原まで足を伸ばしたりという経路なのに対して、「えんぶり号」は愛称の由来が「八戸えんぶり」であることからも分かるように、八戸市内にも立ち寄ってから青森へ向かう設定となっています。
青森と八戸両方に立ち寄る唯一の首都圏発着夜行路線ということになりますが、去年の4月以降は多客期のみの季節運行という扱いになっており、年末年始やお盆、春休み期間などしか運行されなくなりました。
八戸市内へは国際興業バスと十和田観光電鉄が共同運行する「シリウス号」、並びに国際興業バス単独運行の「しもきた号」が利用可能であり、このうち「シリウス号」は通年運行なので首都圏~八戸間を夜行バスで移動する事自体は通年可能となっています。
このように、東京~八戸においても、東京~青森においても競合路線が多数存在する高速バス激戦区を走る路線なわけですが、特徴としては格安路線であることが挙げられますね。対八戸での利用で考えても「シリウス号」は3列独立シートでトイレ付きの車両になっていますが、「えんぶり号」は4列シートのトイレ無しとなっており、運賃面では「えんぶり号」の方が3~4割程度割安な設定になっています。
弘南バスとしても「津輕号」「パンダ号」「スカイ号」などには最新の車両を投入するなど積極的に投資しているようですが、「えんぶり号」は古い車両の有効活用という意味合いがありそうですw
まずはバスタ新宿へ
それでは、「えんぶり号」に乗るべくバスタ新宿へやって来たところからレポートを始めます。
最近は当ブログではすっかりお馴染みになったバスタ新宿ですが、施設関係のご紹介は今までの記事でも大体してきているので、今回は暇つぶしの撮りバスだけになりそうですw
発車標(?)です。
たくさんのバスが列挙されていて分かりづらいかもしれませんが、「えんぶり号」の欄では八戸・野辺地・青森と行先が並んでいるのがまた楽しいですね。
ちなみに、野辺地駅へ乗り入れる夜行バスは「えんぶり号」が唯一です。しかし、先ほども名前が出た「しもきた号」は野辺地駅にこそ立ち寄らないものの野辺地中央という停留所があり、野辺地町内からの利用は可能となっています。
乗り場の案内も撮ったらいよいよ乗車です。
なお、乗り場が混雑していて近くで撮影する余裕はありませんでしたw
「えんぶり号」に乗車
それではいよいよ「えんぶり号」に乗車です。乗客が乗り終わるのに時間がかかったのか数分遅延しての出発となりました。乗車時点でカーテンは全て閉め切られていた上、ほぼ満席状態で隣の席にも乗客がいたためゆとりの乗車という訳にはいきませんでしたが、幸いだったのは窓際の席だったおかげでエアコンの吹き出し口が直上にあり、東京~上越線の時のような暑い思いをしなくて済んだことですね。
カーテンのお陰でどこを走っているのかもよく分からない状態ですが、バスタ新宿を出るとトイレ休憩以外は八戸市内までノンストップなので気がつけば高速道路に入っていました。あとは、いわゆる音声合成装置が搭載されていないのか、案内は全て運転手さんによる肉声にて行われていたことですが、これは西鉄高速バスの夜行バスでもそうですし、弘南バスだけがというわけでもないですね。
「えんぶり号」はトイレ無し車両を使っていることもあり、こまめに休憩が行われますが、全部で3ヶ所休憩が行われます。「えんぶり号」より乗車時間の長くなる「はかた号」でも2ヶ所ですしね。
最近の高速バスでは付いていることが多いコンセントも「えんぶり号」にはなく携帯もいじれなければ景色も見えないので首都高速に入ったであろう頃には眠りに落ちていました。
最初の開放休憩は佐野サービスエリアでした。
結構走ってきた気もしますが、まだ関東地方なんですね。
「パンダ号」ですが、上野~青森の系統ではなく、バスタ新宿~弘前・五所川原の系統でした。それにしても、行き先表示がギチギチに詰まっていますねw
それでは、そろそろバスに戻ります。
再び眠りに落ちまして、次に目を覚ましたらまたしても開放休憩でした。
飲み物など調達したら再び車内へ・・・
次に目を覚ますとバスは市街地を走っていて、もうすぐ本八戸駅に到着するという案内がありました。ネット情報では3ヶ所目の開放休憩は紫波サービスエリアだったようですが、全く気づかないで寝ていたようですw
以前に「ビーム1」で下車したことがありますし、まあいいでしょうw
本八戸駅にも立ち寄ったら市街地を15分ほど走って八戸駅に到着です。
時刻は朝の6時半、ほぼ定刻通りでした。
すっかり明るくなった八戸駅前で「えんぶり号」とはお別れですが、「えんぶり号」はそのまま青森駅まで行きます。
八戸駅を出ると北里大学前、七戸十和田駅、野辺地駅、平内体育館、青森駅前と停車していきますが、青森駅に到着するのは時刻表では10時10分となっていて、3時間40分を要することになっています。
これは、八戸~青森間には青森自動車道、みちのく有料道路などが部分的に開通している以外には高速道路が整備されておらず、ひたすら一般道を走行することになることによります。
例えば、「パンダ号」ならば、上野駅22時00分発の2便でも8時20分に青森駅に到着できますから、所要時間だけで見れば「えんぶり号」で青森まで行くメリットは価格面に限られるのかなとも思いますし、実際、八戸や野辺地までの利用がほとんどだという話もありますし、青森まで運行する意味はあるのかなと思いますが、弘南バスは八戸や野辺地には路線を展開しておらず、営業所などの運行拠点も構えていないでしょうから、どのみち青森までは行かざるを得ず、回送ついでに営業しているという感じなんでしょうね。
というわけで、今回のレポートは以上です。
八戸で降りたということでお察しかもしれませんが、このあとは八戸線に乗る活動となりますが、それは別記事として追ってレポートしていきます。しばらくお待ちください。
~追記~
続編となる記事を公開しました。
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